Kontaktユーザーマニュアル 8 - Classic view

Kontaktユーザーマニュアル 8 - Classic view

Classic viewは、自分だけのインストゥルメントを作る過程を通じて、Kontaktのエンジンが持つ奥深さと力を少しずつ引き出していけるように設計されています。

KontaktのClassic viewは、そのエンジンの奥深さと力を段階的に掘り下げていけるように設計されています。必要に応じて、また好みのワークフローに合わせて、さまざまな形に構成できます。インストゥルメントを読み込み、柔軟なMIDIルーティングとオーディオルーティングでMultiにまとめ、自分のインストゥルメントやKontakt Toolsを作ることもできます。インストゥルメントを構成する要素は、MIDIデータを音に変えるために階層的に整理されています。さらにClassic viewは、周辺の管理・設定・監視といった幅広い作業を行うための基盤も提供します。

Classic viewには、次の主要な領域と要素があります。

  1. Header:Library browserを開き、ユーザーインターフェイスの各要素を表示または非表示にし、Fileメニューの各種オプションにアクセスできます。さらに、ディスプレイとメーターがソフトウェアの状態を知らせます。詳しくはHeaderを参照してください。
  2. Side Pane:Kontaktに関連するファイルのコレクションを管理する機能を提供します。スクリーンショットでは、Kontaktライブラリに素早くアクセスできるLibrariesタブに切り替わっています。詳しくはサイドペイン(Classic view)を参照してください。
  3. Master Editor:Multi内のすべてのInstrumentの挙動に影響するグローバルなコントロールと、共通のユーティリティ機能を備えています。詳しくはMaster Editorを参照してください。
  4. Rack:現在のMulti内のすべてのInstrumentを表示します。Rack領域は、1つまたは複数のInstrumentをMultiに読み込む場所です。詳しくはInstrument Rackを参照してください。
  5. Instrument Header Instrumentの名前と、MIDI入力チャンネル、出力レベル、パンニング位置、チューニングなどの各種パラメーターを含みます。詳しくはInstrument headerを参照してください。
  6. Outputs Section:設定済みの各Output Channelと、4つのAux Channelのチャンネルストリップを表示します。詳しくはOutputsセクションを参照してください。
  7. On-screen keyboard:マウスでインストゥルメントを演奏したり、キーレンジを視覚的に確認したりできる仮想キーボードを表示します。詳しくはオンスクリーンキーボードを参照してください。
  8. Info Pane:選択したInstrumentファイルの詳細をSide Paneの下に、マウス位置にあるコントロールの簡単な説明をRackの下に表示します。詳しくはInfo paneを参照してください。

構成要素

Kontaktのサンプリング環境が持つ機能の全体は、より小さなセクションに分けられており、音楽制作の各工程で特定の作業に集中できるようになっています。この機能上の区分はユーザーインターフェイスにも反映されていて、互いに関連する要素や特定の作業に関わる要素は、それぞれ独立した領域、ペイン、タブ、ダイアログウィンドウの中にまとめられています。

最も小さな要素から順に、上へたどっていきましょう。

  • Sampleは、ハードディスク上にある単純なオーディオファイルです。Sampleには追加のメタデータが付いていることもありますが、最も純粋な形では、録音されたオーディオ信号以外の情報を持ちません。Sampleの例としては、ピアノの単音をデジタル録音したものが挙げられます。SampleはWAV、AIFF、REXなど、さまざまな形式で存在します。
  • Zoneは、KontaktがSampleを演奏可能な文脈に置くための仕組みです。Zoneは1つのSampleを包む入れ物だと考えてください。Sample本体に加えて、どのMIDIデータを受け取ったときにKontaktがこのSampleをトリガーするか、そのサンプルがどのピッチで録音されたか、といったいくつかの情報を持っています。Zoneの例としては、先ほどのピアノSampleに、ベロシティ値64〜95のF3ノートをKontaktが受け取ったときにトランスポーズなしで再生する、という情報を付けたものが挙げられます。Zoneは追加データをあまり持たないため、より大きな文脈の中でしか存在できず、単独で保存したり読み込んだりすることはできません。
  • Groupは、複数のZoneをまとめるための入れ物です。すべてのZoneはいずれかのGroupに属するため(しかも1つだけ)、各Instrumentには少なくとも1つのGroupが含まれます。通常は、何らかの明確な観点でZoneをまとめるために、さらにいくつかのGroupを追加していきます。どの観点を選ぶかは完全に自由ですが、よく使われる考え方はいくつかあります。特定のGroupに属するすべてのZoneは、多数の共通パラメーターと信号経路モジュールを共有します。たとえば、それらのSampleは同じ音源となるSource Moduleで再生されます。したがって、一部のZoneを異なる設定のSource Moduleで再生したい場合は、まずそれらを独立したGroupに分ける必要があります。このマニュアルでは、Groupに属するモジュールを「Groupレベルのモジュール」と呼びます。Groupの典型的な例は「このInstrumentの中で、メゾフォルテの強さで演奏されるべきすべてのZone」です。Groupは拡張子が.nkgのファイルとして、単独で保存・読み込みできます。
  • Instrumentは、既製のKontaktライブラリを扱うときに最も頻繁に出会う実体です。その名のとおり、アコースティックな楽器の仮想版であり、演奏されると、音色、ダイナミクス、アーティキュレーションの違いを含む特定の範囲の音を生み出します。技術的には、Kontakt Instrumentは複数のGroupを包む入れ物であり、それらの出力信号はミックスされて共通の信号チェーンを通ります。このチェーン内のモジュールは「Instrumentレベル」にあると言われます。Instrumentの典型的な例は「ピアノ」です。Instrumentは単独で保存・読み込みでき、ネイティブなKontakt Instrumentファイルの拡張子は.nkiです。
  • Instrument Bankは、Kontaktの中核となる階層の中で唯一任意の要素です。つまり、使いたくなければ使う必要はありません。Instrument Bankを使うと、最大128個のInstrumentを、1つのMIDI入力チャンネルに応答する1つの入れ物にまとめられます。そのうえで、このチャンネルにMIDIプログラムチェンジメッセージを送ることで、アクティブなInstrumentを切り替えられます。これにより、General MIDI互換のサウンドセットを作ったり、同じアコースティック楽器のさまざまなアーティキュレーションを含むInstrumentを1つのスロットにまとめたりできます。Instrument Bankの典型的な例は、レガート、デタシェ、スタッカート、ピチカートのSampleをそれぞれ含む複数のヴァイオリンInstrumentで、アーティキュレーションや演奏法をプログラムチェンジメッセージで切り替えられるようにしたものです。Instrument Bankは拡張子が.nkbのファイルとして、単独で保存・読み込みできます。
  • そして最後に、Multiを使えば最大64個のInstrumentを自由に組み合わせて1つの制作セットアップを作れます。MultiはKontaktの中核となる階層の最上位の要素です。Multi内の各Instrumentは特定のMIDIチャンネルに応答し、その出力信号を特定のOutput Channelに送ります。そこですべてのInstrumentからの信号がミックスされ、オーディオインターフェイスの物理出力、あるいはホストプログラムへ渡されます。Multiの典型的な例は「ジャズトリオのアンサンブル」です。Multiは拡張子が.nkmのファイルとして読み込み・保存できます。

インフラストラクチャー

インストゥルメントを構成する個々の要素に加えて、Kontaktは日々の作業を簡単にする基盤機能を提供します。

  • サイドペインはKontaktウィンドウの左側にあり、画面を広く使うために非表示にすることもできます。Instrument、Multi、Bankなど、システム上のKontakt関連ファイルをまとめて整理し、素早くアクセスするための便利な手段を提供します。サイドペインには、そのほかにも多くのユーティリティ機能があります。詳しくはサイドペイン(Classic view)を参照してください。
  • RackはKontaktウィンドウの中で最も大きな面積を占め、2つのモードのいずれかで動作します。Multi Instrumentモードでは、Rackは現在Multiに含まれるすべてのInstrumentの概要と、いくつかの一般的なパラメーターを表示します。Instrument Headerの左側にあるレンチアイコンをクリックすると、RackはInstrument Edit modeに切り替わり、そのInstrumentに含まれるモジュールパネル、エディター、モジュレーションテーブルを柔軟に調整できるビューになります。詳しくはInstrument Rackを参照してください。
  • Outputsセクションはミキサー形式の環境で、出力レベルを調整し、Output Channelを物理出力に割り当て、Multi内のすべてのInstrumentの出力信号に作用する信号処理モジュールを使用できます。詳しくはOutputsセクションを参照してください。
  • 仮想のOn-screen keyboard、Master Editor、Info Pane、Optionsダイアログは、さまざまなユーティリティ機能を提供します。これらはこのマニュアルのそれぞれのセクションで詳しく説明します。詳しくはHeaderを参照してください。
  • Library Browserは、Kontakt Factory Libraries、Instrument、Snapshot、Multiのすべてと、独自のUserコンテンツやプリセットへのアクセスを提供します。詳しくはブラウザとプリセットを参照してください。

Instrument Rack

Performance View、Purgeメニュー、Instrument Headerを含む、KontaktのRackのMulti Instrumentモードの機能について学びます。

Rackは、Kontaktで作業する時間の大半を過ごす場所です。2つのモードのいずれかで動作し、Multi InstrumentモードではMultiとその中のInstrumentのPerformance Viewを表示・編集でき、Instrument Edit modeでは単一のInstrumentの内部構造を編集できます。

Multi Instrumentモードでは、Multi内のどのInstrumentも、Instrument名と関連設定を含む横並びのInstrument Headerとして表示されます。Multiには最大64個のInstrumentを含められ、16個ずつ4ページに分かれて配置されます。


Rack header

Rackセクションの上部にはRack headerがあり、RackがMulti Instrumentモードである間は常に表示されています。このヘッダーを使って、4つのMultiページを切り替え、Aux sendコントロールを表示または非表示にし、すべてのInstrument Headerのサイズを変更できます。

Rack headerには次の機能とコントロールがあります。

  1. Multi Name:現在読み込まれているMultiの名前を表示するテキストフィールドです。Kontaktを起動した直後は、起動時に読み込まれるデフォルトのMultiファイルであるため、New(default)と表示されます。名前を変更するには、テキストフィールドをクリックして新しい名前を入力します。
  2. Multi Browse(<>アイコン):左右の矢印ボタンで、同じディレクトリ内の前後のMultiがあればそれに差し替えます。
  3. Pages:4つのページボタンで、4つのInstrumentページを切り替えられます。各Multiには最大64個のInstrumentを含められ、16個ずつ4ページに配置されます。Multiが非常に大きいときにInstrumentを別々のカテゴリーに整理するためにこれらのページを使ってもよいですし、現在のページの16個のInstrumentスロットが埋まったら次のページに切り替えるだけでもかまいません。
  4. Multi Workspace Buttons:この3つのボタンは、特定のコントロールを表示または非表示にしたり、すべてのInstrumentを一度に最小化したりして、ワークスペースを変更します。
    • KSP:通常のInstrument Scriptより上位のレベルで動作するMulti Scriptを作成・編集・管理できる、グローバルなScript Editorペインの表示を切り替えます。
    • Aux:各InstrumentがAux Channelにルーティングされる際の信号レベルを調整できるAux sendコントロールの表示を切り替えます。詳しくはAux Channelの操作を参照してください。
    • Minimize/Maximize all Instrument Headers:Multi内のすべてのInstrument Headerを、最小化サイズと最大化サイズの間で切り替えます。通常サイズのInstrument Headerはより多くの情報を含みますが、そのぶん画面を占有します。1ページ上のすべてのInstrumentを見渡したいときや、Instrumentのパラメーターを調整する予定がなく画面を節約したいときにこの機能を使います。詳しくはInstrument header(最小化)を参照してください。
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もう1つの方法として、1ページ上のすべてのInstrumentを同じMIDIポートのチャンネルに割り当てることもできます。4つのポートが使える環境であれば、この方法によって大きなMultiでもMIDIの割り当てを把握しやすくなります。ただし、複数のInstrumentを同じMIDIチャンネルに割り当てれば、レイヤーサウンドを手早く作ることもできます。


Instrument header

新しいInstrumentを開くと、必ずInstrument HeaderとしてRackに表示されます。各Instrument Headerは、必要に応じてサイズを小さくできます。下図のような通常サイズでは、そのInstrumentが現在のMultiの中でどのように動作するかを示すパラメーターが表示されます。また、Instrumentの出力音量、パンニング位置、solo/muteの状態といったパラメーターを調整するコントロールも用意されています。

Instrument Headerには次の設定とコントロールがあります。

  1. Instrument Options(歯車アイコン):Instrument Optionsダイアログを開きます。ここでは、ボイススティール、MIDIトランスポーズ、キー/ベロシティレンジなど、インストゥルメント全体に影響する機能にアクセスできます。
  2. Quick-Load Menu:Quick-Load Browserにアクセスできるドロップダウンメニューを開きます。
  3. Instrument Name:Instrumentの名前を表示します。名前をクリックして新しい名前を入力すると変更できます。ここに表示される名前は、Instrumentを読み込み・保存するときのファイル名(.nki拡張子を除く)と同じになります。
  4. Instrument Icon:Kontakt Instrumentの制作者は、自分の作品の大まかなカテゴリーを示すアイコンを複数の候補から選べます。カスタムアイコンを使うライブラリもあります。このアイコンをクリックすると、Performance Viewが利用できる場合はその表示を切り替えられます。
  5. MIDI Channel:そのInstrumentが応答する、現在割り当てられているMIDI入力チャンネルを示します。クリックするとドロップダウンメニューが開き、このInstrumentに新しいMIDIチャンネルを選択できます。Omni設定にすると、あらゆるチャンネルのMIDIデータに応答します。その下には、MIDIインターフェイスで使用可能なポートがサブメニューとして表示され、各サブメニューにはそのポートの16チャンネルが含まれます。使用できるMIDIチャンネルの最大数は、Kontaktのスタンドアローン版では64、プラグインとして使用する場合は16であることに注意してください。
  6. Output Channel:このInstrumentからの出力信号を受け取る、現在選択されているOutput Channelを表示します。チャンネル名をクリックすると、現在定義されているすべてのOutput Channelを含むドロップダウンメニューが開き、Instrumentを別のチャンネルに割り当てられます。
  7. Memory:このInstrumentのSampleデータが現在どれだけシステムメモリを使用しているかを示します。
  8. Max Voices:そのInstrumentが同時に使用できるボイスの最大数を設定します。この値を変更するには、値をクリックしてマウスを上下にドラッグします。演奏中に使用ボイス数がMax Voicesの値まで上がり、ボイスが切れる音が聞こえる場合は、この値を大きくしてみてください。
  9. Purge:このボタンはドロップダウンメニューを開き、Kontaktのパージ機構に関連する機能をインストゥルメントごとに実行できます。パージ機能についてはPurge menuのセクションで説明します。
  10. Voices:この数値は、そのInstrumentが現在いくつのボイスを使用しているかを示します。
  11. Previous / Nextボタン:左右の矢印ボタンで、Instrumentを同じディレクトリ内の前後のものと入れ替えます。
  12. Snapshot View:Snapshotの読み込み、保存、削除などのSnapshot機能にアクセスできます。詳しくはSnapshotを参照してください。
  13. Info View:そのInstrumentのオーディオ設定とMIDI設定、およびボイス数とメモリ消費量にアクセスできます。
  14. Soloボタン:有効にすると、Multi内の他のすべてのInstrumentがミュートされ、その出力信号だけを単独で聴けます。Kontaktが複数のSolo選択をどう扱うかは、Solo Mode設定で決まります。Handlingを参照してください。
  15. Muteボタン:有効にすると、現在のInstrumentがミュートされ、その出力信号がOutput Channelから一時的に取り除かれます。
  16. Pan:そのInstrumentの出力信号のパノラマ位置を調整します。
  17. Volume:このInstrumentの出力音量を調整します。Volumeスライダーのデフォルト値を-6 dBにするか0 dBにするかは、Optionsダイアログで選択できます。
  18. PV:そのインストゥルメントでPVが利用できる場合、Performance Viewパネルの表示を切り替えます。詳しくはPerformance viewを参照してください。
  19. Aux:このInstrument Headerの下にあるAux sendスライダーの列を表示・非表示にします。
  20. Minimize View:Instrument Headerを最小化します。これにより、ヘッダーの表示サイズを個別に調整できます。
  21. Remove Instrument:該当するInstrumentをMultiから取り除きます。
  22. Level Meters:LED風のバーグラフメーターが、このInstrumentの全チャンネルの現在の出力レベルを示します。
  23. Tune:Instrumentのピッチを調整します。ノブを左または右に回すと、ピッチがそれぞれ上がったり下がったりします。このコントロールは±3オクターブの範囲をカバーし、半音単位で動きます。微調整するには、コントロールを操作しながら[Shift]を押し続けます。

Purge menu

Kontaktのパージ機構は、Instrumentが読み込まれてから実際にトリガーされたSampleを記録しており、それ以外のすべてのSampleをInstrumentから取り除く選択肢を提供します。これにより、メモリに保持しておくSampleの数を、実際にアレンジで使ったものだけに絞れます。

パージ機能を使えば、まずパートを一度演奏して、実際に使われているSampleをKontaktに把握させ、その後で未使用のSampleをすべてメモリから取り除けます。Instrumentはそれまでと同じように動作しますが、解析の段階で鳴らなかったノートやベロシティレンジは、以後発音しなくなります。後で気が変わった場合は、マウスクリック1回ですべてのSampleを再読み込みできます。

ℹ️

このようにパージ機能を使うと、サンプルをランダムにトリガーするインストゥルメントや、ラウンドロビンのオプションを使うインストゥルメントで問題が起きることがあります。これらのオプションを使う前に、ライブラリの仕様を確認してください。

Purgeメニューは各Instrumentごとに用意されています。これにより、パートが完成したInstrumentにはパージ機能を使い、まだ使用中のものは全体を読み込んだままにしておくことができます。Instrumentのローカルなパージメニューには、Instrument Headerの右側からアクセスできます。

Purgeメニューには次の機能があります。

  • reset markers:すべてのフラグを削除し、Kontaktがそれまでに集めたSampleの使用状況に関するデータをすべてリセットします。KontaktがInstrument内のZoneを再生するたびに、該当するSampleは使用済みとしてフラグが立てられます。パートの作業を終えたら、まずこの機能を一度選択してから、そのパートを演奏します。こうすることで、最終的なパートに実際に残ったノートだけが使用済みとしてフラグ付けされます。その後、下で説明するupdate sample pool機能を選択して進めます。
  • update sample pool:現在使用済みとしてフラグが立っていないすべてのSampleをメモリから取り除き、前回のパージ操作以降にトリガーされた、現在パージ済みのSampleを再読み込みします。つまり、前回のパージ操作以降に集めたSampleの使用フラグと、サンプルプールの内容を一致させます。
  • purge all samples:すべてのSampleをRAMからアンロードします。これにより、通常のパージの流れを逆にできます。まずアレンジを「無音のまま」通しで再生し、その後Update Sample Poolコマンドで実際に使われているSampleだけを読み込むという手順です。
  • reload all samples:すべてのSampleを再読み込みし、それまでのパージ操作をすべて元に戻します。

Instrument header(最小化)

画面を節約したい場合は、すべて(または個別に選んだ一部)のInstrument Headerを最小化ビューに切り替えられます。最小化ビューには、最も重要なパラメーターとコントロールだけが含まれます。

このモードでは、Instrument HeaderにはInstrument Optionsボタン、Instrument Nameフィールド、SoloボタンとMuteボタン、Output Volume、Panスライダー、Level Meters、そしてこのInstrumentをMultiから取り除くボタンとヘッダーを通常サイズに戻すボタンだけが含まれます。関連するコントロールの詳細については、Instrument headerを参照してください。

すべてのInstrument Headerを最小化するには:

  • Rack headerの右側にあるMinimize All Instrument Headersボタンをクリックします。

    Multi Rack内のすべてのInstrument Headerが最小化されます。

個別のInstrument Headerを最小化するには:

  • Instrument Headerの右側にあるMinimize Instrument Headerボタンをクリックします。

    Multi Rack内で選択したInstrument Headerが最小化されます。


Performance view

Kontaktの内部スクリプト言語を使うと、InstrumentはPerformance Viewと呼ばれる独自のコントロールパネルを提供できます。この機能により、Instrument Edit modeにアクセスしなくても、そのInstrument固有の設定を分かりやすい形で扱えます。

Kontaktライブラリに含まれるすべてのInstrumentは、さまざまなスタイル、コントロール、機能を持つPerformance Viewを備えています。演奏用のコントロール、音色編集のパラメーター、マクロ、そしてKontaktの動作や再生に関する設定を備えたInstrumentもあります。

Performance Viewでは、そのInstrument独自のパネルがRack内のInstrument Headerの下に表示されます。

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Performance Viewは通常サイズのInstrument Headerの下にのみ表示され、最小化されたヘッダーの下には表示されないことに注意してください。また、Instrument内のScriptのコントロールパネルを自分でPerformance Viewにすることもできます。詳しくはScriptの編集と保存を参照してください。


Instrument Edit Mode

この章では、Instrument Edit ModeでKontaktのインストゥルメントを操作するためのさまざまな機能をすべて扱います。

Instrumentを編集するときは、RackがInstrument Edit modeに切り替わります。このモードでは、他のInstrument Headerは表示されなくなります。それらにはサイドペインのInstrument Navigatorペインから引き続きアクセスできます。Instrumentナビゲーターペインを参照してください。代わりに、Rackの領域全体が、選択したInstrumentのエディター、コントロールパネル、モジュレーションテーブルに割り当てられます。

Instrument Edit modeのとき、Rack headerではGroupの管理、直前の操作のUndoまたはRedo、Instrumentの保存、Multi内の前後のInstrumentへの編集ビューの切り替えができます。

Instrumentを編集するには:

  • RackがMulti Instrumentモードのときに、そのInstrument Headerのレンチアイコンをクリックします。

Rack header

Instrument Edit modeに切り替えると、Rackペイン上部のヘッダーが変わります。Instrument Edit modeのRack headerには、次のコントロールがあります。

  • Exitボタン:Instrumentの表示を縮小し、Multi Instrumentビューに戻ります。
  • Displayed Group:現在Groupレベルのモジュールがパラメーターを表示しているGroupの名前を示します。クリックすると、Instrument内のすべてのGroupを含むドロップダウンメニューが表示されます。そのうちの1つを選ぶと、そのGroupが表示・編集の対象として選択されます。
  • Edited Groups:Groupレベルでのパラメーター調整が1つのGroupだけに影響するのか、複数のGroupに影響するのかを示します。Groupと表示されている場合、パラメーターの変更は現在のGroupだけに影響します。Multiは複数のGroupが編集対象として選択されていることを示し、AllはInstrumentのすべてのGroupが編集対象として選択されていることを警告します。
  • Edit All Groupsボタン:すべてのGroupを編集対象にするかどうかを切り替えます。Group Editorの左上隅にあるEdit All Groupsボタンと同じ機能です。
  • Undoボタン:このボタンの丸い矢印をクリックすると、直前の操作が取り消されます。Kontaktは操作のログを保持しているため、複数の操作を取り消して編集履歴の特定の時点に戻ることもできます。このボタンの右にある小さな下向き矢印アイコンをクリックすると、編集履歴がダイアログウィンドウに表示されます。操作を選択すると、編集履歴のその時点まで戻ります。UndoとRedoの機能は、Instrument Edit modeで作業しているときにのみ使用できることに注意してください。Undo機能を有効にするには、Global OptionsのHandlingタブを開き、Enable undoオプションを選択します。
  • Redoボタン:Undoボタンで1つ以上の操作を取り消した後に気が変わった場合は、Redoボタンの丸い矢印をクリックして変更の一部を復元できます。これはUndo機能を使った直後に行う必要があることに注意してください。Undoの後に他の操作を行うと、編集履歴を復元できなくなります。Undoボタンと同様に、Redoボタンも右側の小さな下向き矢印をクリックすると履歴リストのダイアログを開きます。
  • Quick-Save:Instrumentを現在の状態で保存します。まだ一度も保存していない場合はSaveダイアログが表示され、それ以外の場合はKontaktが直前のバージョンをすぐに上書きします。複雑な編集作業の途中では、このボタンを惜しみなく使ってください。そうすれば、何か問題が起きたときにいつでも最後に保存したバージョンに戻せます。
  • Previous / Next Instrumentボタン:Instrument編集ビューを、Multi内の前後のInstrumentに切り替えます。

Instrument Edit Mode

Rackは自身のヘッダーの下に、編集中のInstrumentのInstrument Header(Multi Instrumentモードで表示されるものと同一です)、Instrumentのさまざまな側面に関するエディターを表示・非表示にするボタンの列、そしてそのInstrumentのすべてのエディター、モジュレーションテーブルやルーティングテーブル、コントロールパネル、信号処理チェーンにアクセスできる柔軟な縦方向のビューを表示します。Rack下部にあるBuses、Insert Effects、Send Effects、Modulationという4つのセクションは、それぞれのタイトルの隣にあるボタンをクリックして非表示にできます。すべての詳細を表示すると、フルサイズで複雑なInstrumentのInstrument編集ビューは次のような見た目になります。

これは、すべてのエディターとパネルを開いた状態のInstrument編集用のRackです。役に立つInstrumentを作ったり既存のInstrumentを編集したりする前に、すべてのパネルを細部まで知っておく必要はありません。インターフェイスは一歩ずつ攻略していき、特定のノブ、ボタン、メニュー機能が分からないときはこのマニュアルとInfo Paneを参照してください。

Instrument編集用のRackには、次のパネルと機能があります。

  • Instrument Header:これは、RackがMulti Instrumentモードのときに表示されるものと同じヘッダーです。レンチアイコンをクリックすると、Multi Instrumentモードに戻れます。詳しくはInstrument headerを参照してください。
  • Editor Buttons:これらのボタンは、Instrument編集ビュー内のさまざまなエディターパネルの表示を切り替えます。Mapping EditorボタンとWave Editorボタンの右側には矢印アイコンがあり、Kontaktをスタンドアローンモードで実行しているときにこれをクリックすると、該当するエディターが別のウィンドウで開きます。左端のInstrument Optionsというボタンは特別なもので、後ほど説明します。
  • Script Editor(Script Editorボタンが有効なときに表示):このエディターでは、Scriptの読み込み、そのユーザーインターフェイスへのアクセス、ソースコードの編集ができます。詳しくはScript Editorを参照してください。
  • Group Editor(Group Editorボタンが有効なときに表示):Instrument内のGroupを選択、編集、管理する場所です。詳しくはGroup Editorを参照してください。
  • Mapping Editor(Mapping Editorボタンが有効なときに表示):このエディターでは、InstrumentにSampleを追加し、それらをキーボードにマッピングし、ベロシティレンジに割り当て、Instrument内のZoneを管理できます。詳しくはMapping Editorを参照してください。
  • Wave Editor(Wave Editorボタンが有効なときに表示):Sampleレベルで作業して、ループを作成し、リズミカルなSampleにSliceマーカーを設定し、Zone Envelopeを作成し、破壊的なオーディオ編集を行う場所です。詳しくはWave Editorを参照してください。
  • Source Module:この中核となるモジュールが、そのGroupのSample再生モードを担います。詳しくはSource Moduleを参照してください。
  • Source Modulation Router:このテーブルでは、ソースモジュールのパラメーターをさまざまな方法で時間的に変化させるモジュレーションの割り当てを定義できます。
  • Group Insert Effects:このチェーンは8つのスロットで構成され、それぞれに信号処理モジュールを入れられます。各Groupは独自のInsert Effectsチェーンを持ち、ポリフォニックに動作します(つまり、このGroupで生まれた各ボイスの信号に個別に作用します)。詳しくはGroup insert effectsを参照してください。
  • Signal Processor Controls(上にあるチェーンモジュールのEditボタンが有効なときに表示):このパネルには、Group Insert Effectsチェーン内の信号処理モジュールのコントロールが含まれます。詳しくはGroup insert effectsを参照してください。
  • Amplifier Module:このモジュールは、各Groupのソース信号の音量、パン、位相を整えます。詳しくはAmplifier Moduleを参照してください。
  • Modulation Router(AmplifierパネルのChannel Routingボタンが有効なときに表示):このマトリックスでは、GroupとInstrumentの信号経路レベルの間の信号の受け渡しを設定できます。
  • Instrument Bus Effects Chain:この領域では、最大16個の異なるバスにそれぞれ別のエフェクトチェーンを適用できます。バスは、Groupの集まりにエフェクトチェーンを適用するために使えます。GroupがZoneの集まりを処理するのと同じように、BusはGroupの集まりを処理します(ただしBusレベルのエフェクトはポリフォニックではなく、Groupレベルのエフェクトのようなモジュレーションの割り当ても持てません)。詳しくはBus insert effectsを参照してください。
  • Signal Processor Controls(上にあるチェーンモジュールのEditボタンが有効なときに表示):このパネルには、Instrument Bus Effectsチェーン内の信号処理モジュールのコントロールが含まれます。
  • Instrument Insert Effectsチェーン:このチェーンは、そのインストゥルメントのメイン出力を通るすべての信号に作用する、インストゥルメントのマスターエフェクトと考えられます。詳しくはInstrument insert effectsを参照してください。
  • Signal Processor Controls(上にあるチェーンモジュールのEditボタンが有効なときに表示):このパネルには、Instrument Insert Effectsチェーン内の信号処理モジュールのコントロールが含まれます。
  • Send Effects Slots:これらのスロットには、センドエフェクトとして働く信号処理モジュールを入れられます。信号経路のさまざまな地点から個別に信号を送ることができます。これらは互いに、またInsert Effectsチェーンに対して並列にルーティングされます。詳しくはInstrument send effectsを参照してください。
  • Signal Processor Controls(上にあるSend EffectsスロットのモジュールのEditボタンが有効なときに表示):このパネルには、Send Effectsスロットのいずれかにある信号処理モジュールのコントロールが含まれます。
  • Modulation Sources:このセクションには、表示中のGroupで定義したモジュレーションソースごとにパネルが用意されます。詳しくはモジュレーションを参照してください。

Instrument Optionsダイアログ

Instrumentを編集しているときにInstrument Headerの下の左端にあるボタンをクリックすると、Instrument Optionsダイアログが表示されます。ここでは、そのInstrumentの再生時の挙動、MIDIへの応答、Rack内での見た目に影響するパラメーターを調整できます。Instrument Optionsは4つのカテゴリーに分かれており、ダイアログウィンドウの左側にあるそれぞれのタブをクリックしてアクセスできます。

Instrumentタブ

Instrument OptionsダイアログのInstrumentタブには、該当するInstrumentの演奏時の挙動に影響する一般的なオプションが含まれます。

  • Default Keyswitch:Instrumentにキースイッチを定義している場合、この値はInstrumentを読み込んだ直後に有効になるデフォルトのスイッチを指定します。
  • MIDI Transpose:このパラメーターでは、入力されるすべてのMIDIノートにトランスポーズのオフセットを適用できます。サンプル再生のピッチを変えるInstrument Headerのチューニングノブとは異なり、この値はMIDIノートだけを変更します。たとえば12に設定すると、1オクターブ高く演奏したのと同じ効果になります。
  • Key Range:このInstrumentが応答するキーボードの範囲です。複数のInstrumentでこのパラメーターを異なる範囲に設定すれば、手早くキーボードスプリットを作れます。
  • Velocity Range:このInstrumentが応答するベロシティの範囲を制限します。
  • Instrument Wallpaper:Instrumentに個性的な見た目を与えるために、独自のスキンを作成できます。このパラメーターでは、通常サイズのInstrument Headerのデフォルトのパネル背景の代わりに使うTGAまたはPNG形式の画像ファイルを選べます。画像は16、24、32ビットのいずれかの色深度で、幅は633ピクセルにする必要があります。これより幅が大きい場合は切り取られ、小さい場合は黒で埋められます。Kontaktのインストールには、いくつかのサンプルスキンが含まれています。

Instrumentにスキンを追加したら、一度サンプルとともに保存することをおすすめします。そうすることで、スキンの画像ファイルがInstrumentのサンプルフォルダー内の「wallpaper」サブフォルダーに置かれます。

  • Resource Container:Kontaktライブラリはさまざまな種類のファイルにリンクできるようになったため、ライブラリ開発者がそれらのファイルをすべて便利な場所にまとめて置けるようにするためのツールとしてResource Containerが設計されました。この領域では、Resource Containerを作成したり、参照ボタンで既存のものにnkiを紐付けたりできます。
  • Repack:読み込まれているインストゥルメントにリソースコンテナーが割り当てられているときにのみ表示されます。Kontakt内でそのインストゥルメントに変更を加えた場合に、リソースコンテナーを再パックできます。

Voices Handlingタブ

Voice Stealing

このセクションには、インストゥルメントがボイスの上限を超え始めたときにどう振る舞うべきかを設定するオプションが含まれます。

  • Mode:Instrumentの最大ボイス数に達したときに、Kontaktがどのようにボイスを解放するかのデフォルトの方法を設定します。これらのオプションについてはVoice Groupsのセクションで説明します。
  • Fadeout Time:Kontaktがボイスを再利用しなければならないとき、いきなり切るのではなく短いフェードアウトを適用して、クリックノイズを防ぎます。このパラメーターは、そのフェードアウトの長さをミリ秒単位で調整します。
Time Machine Pro

高品質なタイムとピッチの操作を実現するために、Time Machine Proのマシンモードは他のマシンモードより多くのリソースを使用します。そのため、同時に処理できるボイス数には、Instrument本体のボイス上限とは別の独自の上限があります。これらの上限はこのセクションで設定します。

  • Standard Mode Voice Limit:標準品質のTime Machine Proモードを使用するグループのボイス上限を設定します。
  • HQ Mode Voice Limit:Time Machine ProのHQ Modeオプションを使用するグループのボイス上限を設定します。

DFDタブ

DFDタブでは、Direct From Diskストリーミングのオプションにアクセスできます。これにより、Kontaktはハードドライブから直接サンプルを読み込み、サンプルのごく一部だけをRAMに読み込むことで、そのInstrument全体のRAM使用量を減らせます。

  • DFD Preload Buffer Size:このスライダーで、即座に再生できるようメモリにバッファリングされる各Sample部分のサイズを調整できます。この値は、Source ModuleがDFDモードで動作しているGroupに属するSampleにのみ適用されます。DFDモードのGroupでドロップアウトが起き、該当するSource ModuleをSamplerモードにすると解消される場合は、このパラメーターを大きくしてみるとよいでしょう。
  • Background loading:ここではBackground loadingのオプション「Allow instant playback for samples which are not loaded yet」が利用できます。このオプションを有効にすると、Background Loading中にトリガーされたすべてのノートをKontaktが発音します。特定の状況下では、バックグラウンドでサンプルを読み込んでいる間にノートを演奏すると、まだ読み込まれていないサンプルをKontaktが再生しようとするため、「フラム」のようなグリッチやその他の予期しないオーディオアーティファクトが生じることがあります。そのようなアーティファクトを避けるには、このオプションを無効にしてください。

Controllerタブ

このタブには、インストゥルメントが特定の標準的なMIDIコントローラーメッセージにどう反応するかのオプションが含まれます。

  • MIDI Controller #64(Sustain Pedal)acts as:通常サスティンペダルから送られるMIDIコントローラー#64メッセージを、Kontaktがどう解釈して処理するかを選べます。
    • Pedal + CCは、サスティンペダルを踏んでいる間そのInstrumentをサスティンフェーズに保ち、同時にそのメッセージを通常のMIDIコントローラーとしても扱います(これによりモジュレーションソースとして使えます)。
    • Sustain Pedal without Controllerは、サスティンペダルを踏んでいる間そのInstrumentをサスティンフェーズに保ちますが、そのメッセージは通常のMIDIコントローラーとしては使えません。
    • Controller Only:Kontaktはサスティンペダルのメッセージをノートのサスティンには使いませんが、それらを自分の目的のためにMIDIコントローラーとして利用できます。
  • Accept all notes off / all sounds off:有効にすると、Kontaktは入力される「all notes off」MIDIメッセージを解釈して従います。
  • Accept standard controllers for Volume and Pan:有効にすると、MIDI CC #7と#10をそれぞれ送ることで、Instrumentの出力音量とパンの設定を変更できます。これらは音量とパンの標準のコントローラー番号です。
  • MIDI Controller #7(Volume)range:このドロップダウンメニューでは、前のオプションが有効な場合に、MIDI CC #7コントローラーメッセージの値の範囲を出力音量スライダーにどう対応させるかを選べます。選択した範囲の端点は、MIDI値0(最小)と127(最大)における音量レベルにそれぞれ対応します。デフォルト設定は「負の無限大 .. 0dB」で、コントローラー値0でInstrumentをミュートし、コントローラー値127でユニティゲインにします。

Snapshotタブ

Snapshotは、インストゥルメント全体を保存することなく、Instrumentに関連する処理の情報を保存する方法です。たとえば、シンセサイザーのサンプルでInstrumentを作り、それと同じInstrumentにローパスフィルターを適用したバージョンを保存したい場合、そのフィルターをかけたバージョンをSnapshotとして保存できます。

Snapshotタブでは、そのInstrumentに関連するSnapshotファイルの場所を確認できます。

  • Snapshot Saving Location:この領域には、このInstrumentのユーザーSnapshotの保存先および読み込み元となる、コンピューター上の場所が表示されます。Showボタンをクリックすると、そのフォルダーがオペレーティングシステムのファイルブラウザーで開きます。
  • Factory Snapshots:サードパーティのライブラリには、上書きできない独自のSnapshotが付属しているものがあります。これらのSnapshotは別の場所に保存されており、その場所をここで確認できます。このセクションの右にあるボタンをクリックすると、ファクトリーSnapshotを使えるかどうかを切り替えられます。

Infoタブ

Instrument OptionsダイアログのInfoタブには、選択したインストゥルメントに関する情報が表示され、追加情報を記録するための編集可能なパラメーターが用意されています。そのInstrumentがサードパーティのライブラリのものである場合は、そのライブラリに関する情報が表示され、編集はできません。

  • Instrument Icon:Kontaktでは、Instrumentにアイコンを割り当てられます。これらはRack内の通常サイズのInstrument Headerに表示され、そのInstrumentのカテゴリーを視覚的に示します。リストの右端にあるnewというアイコンは、新しく作成したInstrumentのデフォルトアイコンです。サードパーティの形式からインポートしたInstrumentには、Kontaktが特別なアイコンを割り当てるため、それらはこのリストには現れないことに注意してください。
  • Instrument Info:このテキストフィールドには、Instrumentに添えておきたい任意の情報、クレジット、制作メモを入力できます。
  • Author:Instrumentを作成して配布したい場合は、ここに自分自身や自社の名前を入力できます。
  • Weblink:このフィールドには、自分自身やKontaktでの制作物についてより詳しい情報を得られるウェブ上の場所を記載できます。

インストゥルメントの読み込み・作成・保存

この章では、既存のKontaktインストゥルメントを読み込む方法や、自分のインストゥルメントを作る方法の基本を扱います。

インストゥルメントの読み込み、作成、保存はいくつもの方法で行えます。ドラッグ&ドロップのワークフローを使えばインストゥルメントを素早く読み込めますし、Fileメニューを使えば作成、保存、管理も行えます。


インストゥルメントの読み込み

サイドペインから、Kontakt形式(.nki)またはサポートされているサードパーティ形式のいずれかのInstrumentをMultiに読み込むこともできます。次のいずれかの方法があります。

  • Rackの空いている場所にInstrumentをドラッグすると、Multiに追加されます。
  • すでにRackに読み込まれているInstrumentの上にドラッグすると、新しいInstrumentに置き換わります。
  • あるいは、FilesメニューからLoadコマンドを選ぶこともできます。ファイル選択ダイアログが表示され、システム上の任意のInstrument、Multi、Instrument Bankファイルを探して選択できます。
💡

Optionsダイアログでサイドペインの「Double click loads instrument」オプションを有効にしていれば、サイドペインでInstrumentをダブルクリックして読み込むこともできます。

Instrumentの読み込みが成功すると、Rackに表示されます。必要であれば、Instrument Headerのコントロールから出力とMIDIチャンネルの割り当てを変更できます。これらが正しく設定されていれば、MIDIキーボードや仮想のOn-screen keyboardからそのInstrumentを演奏できるはずです。


インストゥルメントの作成

Instrumentを一から作りたい場合は、次の方法があります。

  • FilesメニューのNew Instrumentコマンドを使うと、デフォルトのInstrumentテンプレートに基づく空のInstrumentが追加されます。このテンプレートは、好みのデフォルトInstrumentを作り、FilesメニューのSave as Default Instrumentコマンドで保存することで変更できます。
  • あるいは、1つのSampleまたはSampleのまとまりから始めて、それらをInstrumentにまとめる作業をKontaktに任せることもできます。使いたいSampleファイルをサイドペインで探して選択し、Rackの空いている場所にドラッグします。KontaktはデフォルトのInstrumentテンプレートに基づく新しいInstrumentを作成し、Sampleをキーボード上に割り振ります。Sliceマーカーを含むWAVファイルやREXファイルでこれを行うと、Kontaktは新しいInstrumentをBeat Machineモードに切り替えるので、すぐに曲のテンポに同期してSampleを演奏できます。

Classic viewでは、Fileメニューに新しいインストゥルメントを作成するための次の追加オプションがあります。

  • New instrument:新しいInstrumentをMultiに追加します。新しいInstrumentを作成するときは、Kontaktは常にデフォルトのInstrumentファイルをテンプレートとして使い、それは通常空です。このファイルを自分のバージョンで上書きすれば、独自のデフォルト設定を定義できます。たとえば、新しいInstrumentのInstrument Insert EffectsチェーンにあらかじめSend Levelsモジュールを入れておきたいとします。これを設定するには、新しいInstrumentを作成し、そのチェーンにモジュールを挿入して、そのInstrumentを編集用に開いたままSaveメニューからSave as default instrumentを選びます。
  • New instrument bank:空のInstrument BankをMultiに追加します。Instrument BankについてはInstrument Bankのセクションで詳しく説明します。

インストゥルメントの保存

HeaderのFileメニューにあるSave as項目では、Rack内の任意のInstrumentを後で再利用するために.nkiファイルとして保存できます。この項目を選ぶとサブメニューが開き、現在のMulti内のすべてのInstrumentの一覧が表示されます。そのうちの1つを選ぶとSaveダイアログが開き、保存場所を選んでInstrumentの名前を変更できます。.nki拡張子を除いたファイル名が、Instrument Headerに表示されるInstrument名として使われることに注意してください。

ファイルセレクターの下では、そのInstrumentが参照しているSampleをKontaktがどう扱うかを選べます。現在のセッション中にそれらのSampleをInstrumentに追加した場合、Sampleはまだ元の場所にあり、Instrument内のZoneはフルパスでそれらを参照しています。保存ダイアログのさまざまなオプションを使えば、Instrumentがディスクに書き出される前にこの挙動を細かく調整できます。

ファイルダイアログには、インストゥルメントとともにサンプルを保存するための次のオプションがあります。

  • Patch Only:サンプルを元の場所に残し、インストゥルメントファイルにはファイル参照だけを保存します。これによりファイルサイズは小さくなりますが、参照しているサンプルをハードディスク上で移動すると、サンプルが見つからなくなります。詳しくはSamples Missingダイアログを参照してください。
    • Patch OnlyオプションでAbsolute Sample Pathsを有効にすると、SampleファイルはInstrumentから絶対パスで参照されます。この場合、Instrumentファイルを別の場所に移動しても、Kontaktはファイルを見つけられます。無効にした場合、サンプルが見つかるようにするには、インストゥルメントに対して同じ相対パスの位置に置いたままにしておく必要があります。
  • Patch + Samples:.nkiファイルを保存し、含まれているSampleを新しい場所にコピーして、その過程でInstrument内のファイル参照をコピー先のものに変更します。下にあるSample Sub-FolderオプションをUse Defaultのままにしておくと、KontaktはInstrumentファイルの保存先の中にあるSamplesフォルダーにSampleファイルを保存します。このフォルダーがまだ存在しない場合は作成されます。こうすることでSampleはInstrumentの近くに置かれ、バックアップを取ったりディレクトリを移動したりするときに把握しやすくなります。別のSampleの保存場所を指定することもできます。たとえば、プロジェクトのディレクトリにある共通のSamplesフォルダーを使いたい場合などです。
  • Monolithは、Instrumentとそれが参照するSampleを1つの大きなファイルにまとめます。後からSampleがInstrumentから誤って切り離されることがないため、Sampleの参照を保つという点では最も安全な選択肢です。また、他のKontaktユーザーに配布するInstrumentを作るのにも適した方法です。

Patch + SamplesまたはMonolithを選んで参照されているSampleをInstrumentのデータとともに保存する場合は、サブフォルダーのフィールドの下にあるチェックボックスをオンにして、それらを圧縮形式で保存することもできます。ファイルセレクターの下では、Kontaktがどう扱うかを選べます。この場合、Kontaktは独自のロスレス音声コーデックを使ってSampleを書き出し、通常30%から50%の圧縮率になります。これはディスクからInstrumentをストリーミングするときのアクセス性能を向上させるだけでなく、Kontaktがごくわずかなプロセッサー負荷でメモリ上のSampleをその場で展開するため、メモリ使用量も減らせます。ただし、圧縮されたSampleを使うことの欠点は、外部のウェーブエディターで直接それらにアクセスできなくなることです。

Kontaktをホストプログラム内でプラグインとして使い、セッションを保存すると、すべてのMultiとInstrumentのデータがそのセッションファイルに含まれます。Sampleの参照は絶対パスで保存されるため、Sampleを移動した後にそのセッションを開くとSamples Missingダイアログが表示されることがあります。OptionsダイアログのLoadingタブでは、Non-Playerコンテンツの基準パスを指定でき、参照するパスをその基準パスからの相対パスで保存するかどうかも選べます。このオプションを選んだ状態でホストのプロジェクトを保存すると、ライブラリが基準パスのフィールドで定義したコンピューター上のパスにある限り、Non-PlayerコンテンツはMissing Contentダイアログを出さずに解決できます。これにより、プラットフォームをまたいでKontaktのインスタンスとセッションファイルを共有しやすくなります。詳しくはLoadingを参照してください。

ℹ️

ハードディスク上のSampleファイルとInstrumentファイルがどのように関係し合っているかを把握しておくことは重要です。これにより、ファイルを移動したり削除したり、バックアップからKontaktのデータを復元したりするときに、思わぬ事態に陥るのを防げます。

編集中のインストゥルメントの保存

インストゥルメントを編集しているときは、Fileメニューで次のオプションが利用できます。

  • Save edited instrument "instrument name" as...:現在編集しているインストゥルメントを保存するためのファイルダイアログを開きます。
  • Save as default instrument:このコマンドは、インストゥルメントを編集しているときにのみ表示されます。選択したInstrumentをデフォルトのInstrumentとして保存するため、以後FilesメニューのNew Instrumentコマンドや、サイドペインからRackへのSampleのドラッグによって新しいInstrumentを作成すると、Kontaktはこのインストゥルメントをテンプレートとして使います。

Batch resave

外部のSampleファイルへの参照を含むKontakt Instrumentは、Instrumentか、あるいはSampleファイルが別の場所に移動されると問題を起こすことがあります。そのような場合、Kontaktがどの場所で見つからないファイルを探すべきかを尋ねるSamples Missingダイアログが表示されます。1つや2つのInstrumentのSampleをこのダイアログで見つけさせ、その後で変更を恒久的なものにするために再保存するのは大きな問題ではありませんが、これがライブラリ全体で起きると、この現象は桁違いに深刻になります。ライブラリフォルダーやその中のサブフォルダーを移動した場合にこうしたことが起こり、Instrumentを読み込もうとするたびにSamples Missingダイアログが返ってくるため、そのライブラリを使うのが非常に面倒になります。

この問題を手作業で解決するには、各Instrumentを読み込み、Samples Missingダイアログで見つからないSampleファイルを探し、そのInstrumentをライブラリフォルダー内の元の場所に再保存しなければなりません。大規模なライブラリでは、これは現実的ではありません。Batch Re-save機能はこの作業を自動化します。これを選択すると選択ダイアログが表示され、フォルダーを選ぶよう求められます。Chooseをクリックすると、そのフォルダーとサブフォルダーにあるすべてのInstrument、Multi、Bankファイルが、未解決のSample参照がないか自動的にスキャンされます。見つかった場合はSamples Missingダイアログが一度表示され、参照を解決するためにどの場所を検索すべきかを指定できます。KontaktがSampleを無事に見つけると、該当するInstrument、Multi、Bankファイルは修正された参照とともに再保存されるので、その後は一貫性の取れたライブラリに戻ります。

ℹ️

Batch Re-saveの処理は、選択したフォルダー内のInstrument、Multi、Bankファイルを上書きするため、コマンドを実行する前にこのフォルダーのバックアップを取っておくことをおすすめします。


Collect samples / Batch compress

Collect samples/Batch compress:複数の場所にあるサンプルを参照するNKIのライブラリを扱っている場合や、ライブラリのサンプルを圧縮(あるいは解凍)したい場合、この機能を使えばサンプル、インストゥルメント、バンク、Multiを1つの場所にまとめられます。

このオプションを選ぶとダイアログボックスが表示されます。ここでは、ソースフォルダー(nki、nkb、nkmファイルが現在ある場所)と、これらのファイルをまとめてコピーする先を選ぶ必要があります。

フォルダーの作り方には2つの方針があります。

  • Mirror source folder structure in the destination location:このモードでは、保存先のフォルダー構造を生成するときにソースフォルダーのフォルダー構造を保つため、このモードを使うと保存先フォルダーに明示的な「Instruments」や「Collected Samples」のサブフォルダーは作られません。ソースやライブラリのフォルダーをバッチ圧縮する際に、ライブラリフォルダー(およびそのサブフォルダー)の外にあるサンプルを参照しているInstrumentがライブラリフォルダー内にある場合は、そのサンプルを保存先フォルダーに保存するために「Collected Samples」サブフォルダーが生成されます。
  • Collect Samples and create new destination folder structure:このモードでは、対象フォルダーのサブ構造がソースフォルダーの構造とは異なるものになります。インストゥルメントファイルは「Instruments」サブフォルダーに保存され、サンプルはすべて「Collected Samples」に保存されます。これにより、同じサンプルを2回以上(たとえばソースフォルダー内の複数のInstrumentから参照されている場合に)保存し直す必要がなくなります。
💡

どちらの方針を選んでも、ソースフォルダー内のサンプルとInstrumentは削除も更新もされません。ソースのInstrumentのインパルスレスポンスのサンプルと壁紙も再保存されますが、圧縮はされません。

保存先のサンプル形式には2つのオプションがあります。

  • 非圧縮のサンプルをロスレス圧縮の.ncwファイルに変換するには、Lossless compressed NCWを選びます。
  • 圧縮された.ncwファイルを非圧縮の形式に戻すには、Uncompressed WAV / AIFを選びます。
ℹ️

Batch Compressはコピープロテクトされたライブラリでは動作しないことに注意してください。


Samples Missingダイアログ

Kontaktは、Instrumentが使用するSampleを参照するためにさまざまな方法を用います。Instrumentをモノリスとして保存した場合、SampleデータはそのファイルそのものにSampleが埋め込まれるため、誤って切り離されることはありません。しかし多くの場合、システム上の外部のSampleファイルを、そのパスとファイル名で参照するInstrumentに出会います。この方法はInstrumentファイルを小さく保ち、Sampleデータの不要な重複を避けられる一方で、InstrumentとSampleのデータをモノリスにまとめるほど確実ではないのは明らかです。参照されているSampleファイルを別の場所に移動すると、Kontaktは該当するInstrumentファイル内で指定された場所でそれらを見つけられなくなります。KontaktがSampleの参照に相対パスを使っていたかどうかによっては、参照されているSampleを元の場所に残したままInstrumentファイルを移動した場合にもこれが起こり得ます。

期待される場所にSampleが見つからないInstrumentを読み込もうとすると、KontaktはContent Missingダイアログを開きます。このウィンドウには、見つからないファイルをシステム上で探すのに役立つさまざまなオプションが用意されています。見つかった後は、変更を恒久的なものにするために、修正された参照とともにInstrumentを再保存できます。

Content Missingダイアログには、次のオプションと機能があります。

  • File Display:Content Missingダイアログの上半分には、Instrumentファイル内で参照されていたものの期待される場所に見つからなかったすべてのSampleファイルの一覧が表示されます。それらの場所は右の列に示されます。何が原因でContent Missingダイアログが表示されたのか分からないときは、assumed atの列に表示されている場所をよく見てください。過去のどこかで別の場所へ移動したフォルダーに気付くかもしれません。
  • Resolve Automatically:ダイアログの下半分には、見つからないファイルを自動的に検索する(左側)か、新しい場所を手動で指定する(右側)ためのコマンドがいくつか用意されています。見つからないSampleがどこにあるか分からない場合は、左側の自動オプションのいずれかを選んでください。
    • Search Filesystem:ハードディスクのすべてのファイルシステムで、見つからないSampleを検索します。ハードディスクの容量と速度によっては、スキャンにかなりの時間がかかることがありますが、Sampleファイルの名前が変わっていたり削除されていたりしなければ、最終的には見つかります。
    • Search Spotlight:Spotlightは、macOSに組み込まれたインデックス型の「検索」機能です。(無効にしていない限り)常にバックグラウンドで動作してファイルの場所を更新しているため、search spotlight機能を使えば、見つからないサンプルの不整合がすぐに解決されます
  • Check for Duplicates:デフォルトでは、これらのオプションはすべてファイル名だけで見つからないSampleを検索します。場合によっては、ハードディスク上の2つ以上の異なるSampleが同じ名前を共有していることがあります。これによりKontaktが誤ったSampleを読み込むことがあります。Instrumentでこれに気付いた場合は、保存しないでください。代わりにそれをMultiから取り除き、もう一度読み込んで、Samples Missingダイアログの下部にあるCheck for Duplicatesオプションを有効にしてから検索処理を繰り返します。これによりKontaktは名前が一致するファイルをより丁寧に調べるため、重複を選り分けられますが、このオプションを使わない検索より時間がかかります。
  • Resolve Manually:見つからないSampleがシステム上のどこにあるかすでに分かっている場合、自動検索は必要ありません。代わりに右側のオプションのいずれかを選ぶと、ファイルを手動で探せます。
    • Browse for Folder:このボタンをクリックするとフォルダー選択ダイアログが表示されます。フォルダーを探して選ぶと、Kontaktはそのフォルダーとすべてのサブフォルダーの中で、見つからないSampleを探します。
    • Browse for Files:このオプションでは、ファイル選択ダイアログを使って、見つからないファイルを1つずつ手動で探すよう求められます。この過程では、現在探しているファイルの名前が選択ダイアログウィンドウのタイトルバーに表示されます。
    • resolve all possibleオプションが有効な場合、KontaktはBrowse for FolderまたはBrowse for Filesオプションで指定した各場所で、見つからないSampleをすべて探します。無効な場合は、見つからないファイルごとに場所を指定するよう求められます。

適切な検索の操作を選ぶと、Kontaktはファイルのスキャン処理を開始します。このスキャン中、Sampleが無事に見つかるたびに、見つからないSampleの一覧は短くなっていきます。すべてのSampleが見つかると、ダイアログは消えてそのInstrumentがRackに読み込まれます。ここで正しく動作することを確認し、FilesメニューのSave as…コマンドで元の場所に再保存してください。

💡

ライブラリ全体を移動して、そのライブラリからInstrumentを読み込もうとするたびにSamples Missingダイアログが表示される場合、毎回Samples Missingダイアログを操作してInstrumentを再保存する必要はありません。FilesメニューのBatch Re-Saveコマンドを使えば、あるフォルダー以下のすべてのInstrumentが参照するSampleを一度に探し、それらすべてを自動的に再保存できます。このコマンドについては、このマニュアルのHandlingのセクションで説明します。

スキャン処理の後もまだ見つからないSampleがある場合は、Content Missingダイアログが再び表示され、別の検索オプションを試せます。見つからないSampleを探すどの試みも失敗する場合、それらはもはやシステム上に存在しないか、名前が変わっています。そのような場合は、ダイアログ下部の右のボタンをクリックしてInstrumentの読み込みを中止するか、左のボタンで見つからないSampleなしでInstrumentを読み込むかを選べます。

  • Allow alternate file types:このオプションを使うと、音声ファイルの拡張子を無視して、同じ名前を持つ別の種類のファイルで見つからないサンプルを解決できます。たとえば、非圧縮のWAVファイルを参照していたインストゥルメントがあり、あるときそのファイルをNCW形式に圧縮した場合、WAVファイルの代わりにNCWファイルを参照させられます。
  • Keep search mode and selected folders for the current session:同じ場所でサンプルを探す必要のある複数のInstrumentを開く場合、このオプションをオンにすると、同じセッションを実行している間、新しく開いたInstrumentに対しても同じ検索モードを繰り返すようKontaktに指示できます。Kontaktを終了して再度開くと、このオプションはリセットされます。

Instrument Bank

Instrument Bankを使うと、最大128個のKontakt InstrumentをRackの1つのスロットにまとめられます。

Instrument Bankを使うと、最大128個のKontakt InstrumentをRackの1つのスロットにまとめられます。Bank内のInstrumentのうち同時にアクティブになれるのは1つだけで、MIDIプログラムチェンジメッセージを送ることで切り替えられます。Bank内のすべてのInstrumentは、同じMIDIチャンネル、Output Channel、最大ノート数の値、出力とパンの設定、Aux sendレベルを共有します。これらの設定は、Rackに表示されるBank Headerで調整できます。Bank Headerの構造はInstrument Headerに似ています。

例として、あるオーケストラのサンプリングライブラリが、各楽器について多数のアーティキュレーションと演奏法を提供しており、それらが複数のKontakt Instrumentファイルに分かれているとします。たとえば「Solo Flute」フォルダーには「Flute sustain.nki」「Flute staccato.nki」「Flute halftone trill.nki」「Flute flutter tongue.nki」という4つのファイルが入っているかもしれません。これらのInstrumentをそのままRackに追加して別々のMIDIチャンネルに割り当てることもできますが、アレンジで使うSolo Fluteが1つだけなら、これは最も効率的な方法ではありません。複数のアーティキュレーションを同時に必要とすることはなく、3つのMIDIチャンネルと、64個ある使用可能なInstrumentスロットのうち3つを無駄にしてしまいます。代わりに「Flute」バンクを作り、必要なすべてのアーティキュレーションをそのスロットに入れておけば、MIDIプログラムチェンジメッセージを送ることでこれらのアーティキュレーションを切り替えられます。このワークフローは、実際のフルート奏者とやり取りするときのやり方に近いものです。演奏スタイルを音楽に合わせてもらうためには、楽譜に表現記号、強弱記号、アーティキュレーション記号、そして演奏の指示を書き加える必要があります。

記譜ソフトの中には、スコア内のさまざまなアーティキュレーション、表現、強弱、演奏指示の記号がMIDIで再生されるときにどう変換されるかを指定できるものがあります。これらの項目を、バンク内のそれぞれのInstrumentに対応するMIDIプログラムチェンジに割り当てれば、非常に高度なセットアップを作り、それ以上MIDIを最適化することなくスコアからリアルなモックアップを即座に作れます。この方法がサポートされているかどうかは、お使いの記譜ソフトのマニュアルを参照してください。同様に、どのMIDIシーケンサーソフトでも、シーケンスの特定の位置にMIDIプログラムチェンジを置けます。

Instrument Bankの作成

現在のMultiに新しい空のInstrument Bankを追加するには:

  • FilesメニューからNew instrument bankを選びます。

    新しいBank HeaderがRackに表示されます。

Bank Headerのコントロールは、Instrument Headerのものと似ていますが、含まれているすべてのInstrumentに適用されます。名前フィールドには、Bank Headerは現在アクティブなInstrumentの名前を表示します。

InstrumentをBankに割り当てるには:

  1. Bank headerの左上隅にあるレンチアイコンをクリックして、Instrumentスロットの一覧を開きます。128個のInstrumentスロットの一覧が表示されます。
  2. サイドペインからInstrument(.nki)ファイルをInstrument Bankのスロットにドラッグして、そのスロットにInstrumentを読み込みます。
  3. スロットのフィールドの数値を設定して、そのInstrumentに切り替えるプログラムチェンジ番号を指定します。上の例では、BankのMIDIチャンネルに入力されたノートはスロット001(これはBank Headerの名前フィールドに示されます)のDirty Saw Lead Instrumentをトリガーします。値2のMIDIプログラムチェンジを送るとInnocent Lead Instrumentに切り替わり、そのBankが新しいプログラムチェンジメッセージを受け取るまでアクティブなままになります。あるいは、Bank内のInstrument名をクリックして、選択するInstrumentを変更することもできます。

Bank内のInstrumentを編集するには

  1. 該当するスロットをダブルクリックして、RackをInstrument Edit modeにします。
  2. 調整を行い、Rackの左上隅にあるレンチアイコンをクリックしてMulti Instrumentモードに戻ります。右上隅のxボタンをクリックすると、そのBank全体がMultiから取り除かれます。また、変更したInstrumentはBankファイルの中にしか保存できず、別のInstrumentファイルとして保存する方法はないことにも注意してください。
Instrument Bankの読み込みと保存

Instrument Bankとその内容はMultiとともに読み込み・保存されますが、単独で読み込み・保存することもできます。Kontakt Instrument Bankファイルは拡張子.nkbで示されます。これらはInstrumentと同じ方法で読み込めます。

Instrument Bankを読み込むには:

  1. Instrument Bankをダブルクリックするか、サイドペインからRackの空いている場所にドラッグします。
  2. あるいは、FilesメニューのLoadコマンドを使います。

ツールの作成と保存

この章では、Kontakt Toolsを作成して保存する基本を扱います。


ツールの作成

Kontakt 8向けのToolsを使えば、どのインストゥルメントでも使える強力なMIDIエフェクトを作れます。

Toolの開発はインストゥルメントの開発とよく似ており、Kontakt、Komplete UIKSPを使う必要があります。

Toolを一から作りたい場合は、まずKontaktのオプションで開発者向けの機能を有効にする必要があります。

  1. FILEメニューでOptions…をクリックします。

  2. Developerタブに移動し、Enable developer featuresのチェックボックスをクリックします。

開発者向けの機能を有効にすると、新しいToolを一から作成して編集できます。

  1. FILEメニューでNew Toolをクリックします。

  2. Instrument Headerのレンチアイコンをクリックして、そのToolのEdit Modeを開きます(Classic viewでのみ利用可能)。

    これで、Edit Modeのさまざまなパネルと機能を使ってToolを組み立てられます。Edit modeの詳細については、Instrument Edit Modeを参照してください。

⚠️

ToolsはMIDIでのみ動作します。set_sampleのようなKSPコマンドは効果がありません。


ツールの保存

新しく作ったToolを保存して、Kontaktのライブラリに追加したり、後で編集を続けたりできます。

  1. FILEメニューのSave asに移動し、保存したいToolをクリックします。

  2. 保存ダイアログでToolに付けたい名前を入力し、Saveをクリックします。

Library browserでは、保存したToolsは、Toolsの下にあるKontaktのプロダクトタイルを選び、ユーザーコンテンツを表示すると現れます。

ℹ️

Toolsは通常のインストゥルメントと同じエンコードおよびデプロイのワークフローを使います。


Global purge

Global purgeは、あるインスタンス内でセッション中に実際にトリガーされたサンプルを記録しており、それ以外のすべてのサンプルをInstrumentから取り除く選択肢を提供します。これにより、メモリに保持しておくサンプルの数を、実際にアレンジで使ったものだけに絞れます。Fileメニューのこの項目にマウスを重ねると、サンプルのパージと読み込みのオプションを含むサブメニューが開きます。

Global purgeのサブメニューには4つの項目があります。

  • Reset markers:KontaktがいずれかのInstrumentでサンプルを再生するたびに、該当するサンプルは使用済みとしてフラグが立てられます。この機能を使うと、これらのフラグをすべて削除し、Kontaktがそれまでに集めたサンプルの使用状況に関するデータをすべてリセットできます。パートの作業を終えたら、まずこの機能を一度選択してから、そのパートを演奏します。こうすることで、最終的なパートに実際に残ったノートだけが使用済みとしてフラグ付けされます。その後、下で説明するUpdate sample pool機能を選択して進めます。
  • Update sample pool:この機能は、現在使用済みとしてフラグが立っていないすべてのサンプルをメモリから取り除き、前回のパージ操作以降にトリガーされた、現在パージ済みのサンプルを再読み込みします。つまり、前回のパージ操作以降に集めたサンプルの使用フラグと、サンプルプールの内容を一致させます。
  • Purge all samples:すべてのサンプルをRAMからアンロードします。これにより、通常のパージの流れを逆にできます。まずアレンジを「無音のまま」通しで再生し、その後Update sample poolコマンドで実際に使われているSampleだけを読み込むという手順です。
  • Reload all samples:すべてのSampleを再読み込みし、それまでのパージ操作をすべて元に戻します。
💡

Instrument HeaderのPurgeメニューを使って、インストゥルメントごとにサンプルをパージすることもできます。詳細はPurge menuを参照してください。


Snapshot

Snapshotは、どのKontaktインストゥルメントについても自分だけのプリセット音色を作り、素早く呼び出すための手軽な方法です。

Snapshotは、Kontaktのインストゥルメントの状態を保存して簡単に呼び出せるようにします。Snapshotを使えば、自分だけのプリセット音色を作り、.nksnファイル形式で保存して、他のプロジェクトで使ったり、コンピューターをまたいで使ったり、他のユーザーと共有したりできます。

  • Instrument HeaderでSnapshot viewにアクセスするには、カメラアイコンをクリックします。iアイコンをクリックすると、Info Viewに戻れます。


Snapshotの概要

Snapshotには次の主要な機能があります。

  1. Load Snapshot:Snapshotメニューを開き、FactoryライブラリやUserライブラリからSnapshotを読み込めます。詳しくはSnapshotの読み込みを参照してください。
  2. Snapshot Name:現在選択されているSnapshotの名前を表示します。
  3. Snapshot Previous/Next(<>アイコン):Snapshotを素早く見て回り、読み込めます。矢印アイコンを押すと、選択中のカテゴリー内の前後のSnapshotが読み込まれます。アクティブなSnapshotがない場合は、一覧の最初のSnapshotが読み込まれます。詳しくはSnapshotの読み込みを参照してください。
  4. Save Snapshot(フロッピーディスクアイコン):音色に加えた変更を保存できます。User Snapshotを保存すると、その設定とパラメーターのコントロールがそこに記録され、Userライブラリからいつでも呼び出せます。詳しくはUser Snapshotの保存を参照してください。
  5. Snapshot View(カメラアイコン):上で説明した保存、読み込み、閲覧、削除といったSnapshotの機能にアクセスできます。Snapshot Viewを選択すると、Info Viewに関する設定や機能が表示から置き換わります。

Snapshotの読み込み

Snapshotは、インストゥルメントの上部ヘッダーにあるドロップダウンメニューから読み込みます。Browseの矢印を使って前後のプリセットを読み込むこともできます。Factory Snapshotのコレクションを備えたInstrumentもありますが、User Snapshotだけに対応するInstrumentもあります。

Factory Snapshotの読み込み

Factory SnapshotはKontakt Playerライブラリでのみ利用できるため、このセクションはKomplete 9、またはKomplete 9以降にリリースされたKontakt Playerライブラリをお持ちの場合にのみ当てはまります。Kompleteライブラリの中には一見すると簡素に見えるものもありますが、Instrumentのユーザーインターフェイスにあるパラメーターを操作することで、本来のサウンドデザインの可能性を引き出せます。当社のサウンドデザイナーは、たった1つのインストゥルメントから得られるサウンドの幅を示す、刺激的なSnapshotを作ることを目指しています。

Factory Snapshotを読み込むには:

  1. Snapshot View(カメラアイコン)をクリックして、Snapshot viewを開きます。
  2. Snapshot名のフィールドの隣にある矢印アイコンをクリックして、Snapshotメニューを開きます。

  3. Factoryカテゴリーを選ぶとFactoryプリセット(利用できる場合)が読み込まれ、Userカテゴリーを選ぶと自分が保存したスナップショットのいずれかが読み込まれます。

  4. インストゥルメントのカテゴリー(利用できる場合)を選びます。

  5. Snapshotをクリックして読み込みます。

    読み込まれたSnapshotがインストゥルメントのヘッダーに表示されます。

User Snapshotの読み込み

メニューからSnapshotを読み込むには:

  1. Snapshot View(カメラアイコン)をクリックして、Snapshot viewを開きます。
  2. Snapshot名のフィールドの隣にある矢印アイコンをクリックして、Snapshotメニューを開きます。
  3. Userカテゴリー(利用できる場合)を選びます。
  4. Snapshotをクリックして読み込みます。

    読み込まれたSnapshotがインストゥルメントのヘッダーに表示されます。

ℹ️

Userカテゴリーは、最初にSnapshotを保存するまで表示されないことに注意してください。

前後のSnapshotの読み込み

一覧の中で前後のSnapshotを読み込むには:

  1. Snapshot View(カメラアイコン)をクリックして、Snapshot viewを開きます。
  2. Snapshotのヘッダーにある矢印アイコン(<>)をクリックして、Snapshotの一覧を見て回ります。

    矢印アイコンをクリックするたびに、前後のSnapshotがすぐに読み込まれます。


ファイルシステムからSnapshotを読み込む

Kontaktは、ファイルシステムからSnapshotファイル(.nksn)を読み込む方法を2つサポートしています。これにより、スタジオのコンピューターにインストールされている内容を変えることなく、お気に入りのSnapshotを使えます。

ℹ️

Snapshotは開いたときにデフォルトの場所へ自動的に保存されるわけではないため、Snapshotメニューには表示されません。

ドラッグ&ドロップを使う

どのディスクからでもSnapshotを読み込むには:

  1. Kontaktを開きます。
  2. ファイルシステム上で.nksnファイルを探します。
  3. そのファイルを現在の場所からRackの空いている領域にドラッグします。

    Rack内のアクティブなInstrumentの上にSnapshotをドラッグすると、そのSnapshotから読み込まれたInstrumentに置き換わります。

    Kontaktは、対応するInstrumentの新しいインスタンスを、選択したSnapshotとともに読み込みます。

ダブルクリックを使う

  1. Kontaktを開きます。
  2. ファイルシステム上で.nksnファイルを探します。
  3. Finder(Mac OS X)またはFile Explorer(Windows)でそのSnapshotファイルをダブルクリックします。

    Kontaktに新しいInstrumentのインスタンスが挿入され、そのSnapshotが読み込まれます。


User Snapshotの保存

Snapshotは、作業中いつでも保存できます。Factory Snapshotを読み込んでそのパラメーターの一部を調整すれば、それをUser Snapshotとして保存できます。Kontakt Factory LibraryにはSnapshotが付属していないため、機能の全体を確認するには、まずSnapshotを保存してください。

💡

該当するSnapshotファイルをコピーすれば、自分のSnapshotをどれでも別のコンピューターに移せます。

User Snapshotの保存

Snapshotを保存するには:

  1. Snapshot Viewボタン(カメラアイコン)をクリックして、Snapshot viewを開きます。

  2. Saveボタン(フロッピーディスクアイコン)をクリックします。

  3. Saveダイアログボックスで、新しいSnapshotの名前を入力します。

  4. Saveをクリックして処理を完了し、ダイアログボックスを閉じます。

    Snapshotの.nksnファイルがUser Snapshot Libraryに保存されます。User Snapshotの一覧に表示されます。

User Contentフォルダー

すべてのUser Snapshotは、デフォルトのUser Contentフォルダーに自動的に保存されます。

Mac OS X:

Macintosh HD/Users/<User Name>/Documents/Native Instruments/User Content/Kontakt Factory Library/Electric Grand/Triple Peaks.nksn

Windows:

C:\Users\<User Name>\My Documents\Native Instruments\User Content\Kontakt Factory Library\Electric Grand\Triple Peaks.nksn

ℹ️

Documents/My Documentsフォルダーを日常のデータバックアップに必ず含めるようにしてください。


User Snapshotの削除

User Snapshotは、Instrumentのヘッダーにあるゴミ箱アイコンで削除できます。SnapshotはInstrumentごとに保存されるため、KontaktでSnapshotを削除するには、まずそれを読み込む必要があります。

User Snapshotを削除するには:

  1. Snapshot view(カメラアイコン)をクリックして、Snapshot viewを開きます。

  2. 削除したいUser Snapshotを読み込み、Deleteボタン(ゴミ箱アイコン)をクリックします。

  3. ダイアログボックスでYesを選び、そのSnapshotの削除を確定します。

    User Snapshotの.nksnファイルがハードディスク上のフォルダーから削除され、Snapshot Menuからも取り除かれます。

ℹ️

削除できるのはUser Snapshotだけです。Factory Snapshotはすべて読み取り専用です。


Presetの保存と読み込み

Presetを使えば、Kontaktのどの部分でも設定を保存して、別の文脈で呼び出せます。Kontaktの環境はモジュールに分かれており、そのほとんどが、該当するモジュールのPresetを管理できるPresetのドロップダウンメニューを備えています。あるモジュールでPresetを読み込んでも、Instrument内の他のモジュールには影響しないため、さまざまなPresetを自由に組み合わせて自分のInstrumentを作れます。

Presetはファイル(拡張子は.nkp)として保存され、「presets」フォルダー内の一連のサブフォルダーに置かれます。Kontaktはこの種のPresetフォルダーをシステム上に2つ作成します。1つはファクトリーPresetを含み、通常のユーザーが書き込めないディレクトリに置かれます。もう1つはホームディレクトリ内にあり、自分で作ったPresetを保存するために使われます。KontaktはこのユーザーPresetのフォルダーを初回起動時に作成します。

ファクトリーとユーザーのPresetフォルダーは、次のフォルダーに作成されます。

Windows Factory

C:\Program Files\Common Files\Native Instruments\Kontakt 7\presets

Windows User

C:\Users\[username]\Documents\Native Instruments\Kontakt 7\presets

Mac OS X Factory

Macintosh HD/Library/Application Support/Native Instruments/Kontakt 7/presets

Mac OS X Users

Macintosh HD/Users/[username]/Documents/Native Instruments/Kontakt 7/presets

Kontaktは、ほとんどのモジュール向けに多数の既製のPresetを用意しており、これらは自分の設定を作るうえで良い出発点になります。具体的な目的があるものの、どこから始めればよいか分からないときは、そのモジュールのFactory Presetの一覧を見てみてください。

KontaktでのPresetの管理は、各モジュールのPresetのドロップダウンメニューの中で行います。これには、各モジュールの左側にあるPreまたはPresetというドロップダウンメニューをクリックしてアクセスできます。このメニューには、ハードディスク上のそれぞれのPresetフォルダーで見つかったすべてのPresetファイルが含まれ、さらに下のサブディレクトリ(ある場合)はサブメニューとして表示されます。メニュー下部のSave Preset項目を選ぶとダイアログが開き、ファイル名を尋ねられます。分かりやすい名前を入力してSaveをクリックすると、その設定はPresetのドロップダウンメニューのUserサブメニュー内で使えるようになります。ただし、保存ダイアログでパスを変更した場合はこれが機能しないため、Presetは常にデフォルトのパスに保存することをおすすめします。


Classic viewリファレンス

この章では、KontaktのClassic viewにあるすべてのセクションとモジュールについて解説します。


ユーザーインターフェース要素

このページでは、Kontaktのユーザーインターフェース要素とその機能をまとめて解説します。

KontaktのClassic viewには、全体を通して使われる共通のインターフェース要素がいくつもあります。これら共通要素の扱い方は常に同じですが、それが現れる文脈はさまざまです。以下の一覧では主要な要素を取り上げ、マウスでの操作方法を説明します。

名称 説明 操作
値フィールド付きユニポーラノブ 左から右へ0%〜100%の範囲でパラメーターを調整します。
  • クリックして上下にドラッグすると、コントロールの値が変わります。
  • [Shift]を押しながらノブを操作すると微調整ができます。
  • [Ctrl](Windows)または[Cmd](Mac OS X)を押しながらクリックすると、コントロールがデフォルト値にリセットされます。
値フィールド付きバイポーラノブ 左から右へ-100%〜+100%の範囲でパラメーターを調整します。中央位置が0%です。
  • クリックして上下にドラッグすると、コントロールの値が変わります。
  • [Shift]を押しながらノブを操作すると微調整ができます。
  • [Ctrl](Windows)または[Cmd](Mac OS X)を押しながらクリックすると、コントロールがデフォルト値にリセットされます。
ユニポーラスライダー 左から右へ0%〜100%の範囲でパラメーターを調整します。
  • クリックして左右にドラッグすると、コントロールの値が変わります。
  • [Ctrl](Windows)または[Cmd](Mac OS X)を押しながらクリックすると、コントロールがデフォルト値にリセットされます。
バイポーラスライダー 左から右へ-100%〜+100%の範囲でパラメーターを調整します。中央位置が0%です。値はスライダーコントロールの上に表示されます。
  • クリックして左右にドラッグすると、コントロールの値が変わります。
  • [Ctrl](Windows)または[Cmd](Mac OS X)を押しながらクリックすると、コントロールがデフォルト値にリセットされます。
ユニポーラスライダーとメーター表示 下から上へ0%〜100%の範囲でパラメーターを調整します。メーターは、対応するスライダーによって決まる信号を表示します。
  • クリックして上下にドラッグすると、コントロールの値が変わります。
  • [Ctrl](Windows)または[Cmd](Mac OS X)を押しながらクリックすると、コントロールがデフォルト値にリセットされます。
ドロップダウンメニュー矢印 対応するコントロールまたは設定に関するドロップダウンメニューを開きます。
  • 矢印をクリックすると、ドロップダウンメニューが開閉します。
  • 表示されている項目のいずれかをクリックすると、そのオプションが選択されてドロップダウンメニューが閉じます。
ドロップダウンメニューボタン 矢印の付いたボタンはドロップダウンメニューを示します。ボタンをクリックすると、対応するセクションまたは機能に関するオプションを備えたメニューが開きます。
  • 矢印ボタンをクリックすると、ドロップダウンメニューが開閉します。
  • リストの項目をクリックすると、そのオプションが選択されてドロップダウンメニューが閉じます。
  • 新しい値を選択するか、ウィンドウの他の場所をクリックするとメニューが閉じます。
ドロップダウンメニューとサブメニュー 一部のメニューには追加のサブメニューがあります。これは、メニュー項目名の隣に小さな右向き矢印が付くことで示されます。これらの項目に選択バーを移動すると、対応するサブメニューが開きます。
  • 項目に選択バーを移動すると、対応するサブメニューが開きます。
テンポ同期メニュー 時間に関するパラメーターをソングテンポに同期させます。
  • 時間単位をクリックすると、ドロップダウンメニューが開きます。
  • 音価をクリックすると、そのパラメーターに対して選択されます。
  • <default>を選択すると、コントロールの同期が解除されます。
ファンクションボタン ボタンは、オンとオフを切り替えられるパラメーターを表します。ボタンをクリックするたびに、この2つの状態が交互に切り替わります。ボタンの現在の状態は背景色で示され、パラメーターが有効になっているときはボタンがハイライト表示されます。
  • ボタンをクリックすると、コントロールの有効状態と無効状態が切り替わります。
オプションボタン 追加のオプションを備えたメニューまたはダイアログを開きます。
  • ボタンをクリックすると、そのメニューが開きます。
タブボタン 2つのオプションを切り替えます。ボタンをクリックするたびに、この2つの状態が交互に切り替わります。
  • ボタンをクリックすると、2つのオプションが切り替わります。
Banksタブ 4ページあるバンクのうち1つを選択します。
  • タブをクリックすると、そのタブが選択されてRackに表示されます。
値フィールド 一部のコントロールには、値を手入力できる編集可能な数値フィールドがあります。
  • フィールドをダブルクリックし、キーボードで新しい値を入力します。
値矢印 値フィールドにカーソルを合わせると、値の右側に小さな上下の矢印が表示される場合があります。矢印をクリックすると、値が段階的に増減します。一部のコントロールでのみ利用できます。
  • 値にカーソルを合わせると、値矢印が表示されます。
  • 上または下の矢印をクリックすると、値が段階的に増減します。
検索フィールド 名前やキーワードを入力して、ライブラリやデータベースの検索に役立てます。
  • 検索フィールドをクリックしてキーワードを入力します。[Enter]を押すと検索が実行されます。
スクロールバー 水平および垂直のスクロールバーを使って、内容をスクロールします。
  • 位置インジケーターバーをクリックしてドラッグすると、表示領域が内容の上を移動します。
  • スクロールバーの空白部分をクリックすると、その位置にジャンプします。
チェックボックス 各種のオプションや設定を選択・選択解除するのに使います。
  • ボックスをクリックすると、そのオプションにチェックが入ります。チェックが入るとボックスが塗りつぶされます。
閉じるボタン(xアイコン) 検索フィールドの内容を消去する、またはウィンドウやモジュールを閉じるのに使います
  • ボタンをクリックすると、検索フィールドの内容が消去される、またはウィンドウやモジュールが閉じます。

Master Editor

KontaktのMaster Editorでは、Multi内のすべてのInstrumentの挙動を変更したり、共通のユーティリティ機能を利用したりできます。

Master Editorパネルには、Multi内のすべてのInstrumentの挙動に影響するグローバルコントロールと、いくつかの共通ユーティリティ機能が用意されています。Master Editorパネルを表示するには、Workspaceメニューで Master オプションを選択します。

Master Editorパネルには次の機能があります。

  1. Master Vol:すべてのOutput ChannelとAux Channelのボリュームを調整します。デフォルト設定は0.0 dBで、出力レベルには影響しません。
  2. Master Tune:マスターの基準チューニングを、デフォルト値のA4 = 440 Hzから変更します。オーケストラ、古楽アンサンブル、民族音楽など、異なる基準チューニングを使うことが多い音とKontaktを組み合わせる場面で特に役立ちます。
  3. Master Tempo:現在のグローバルテンポをBPMで表示し、同期オプションとソングポジションのコントロールも備えています。
    • Ext:スタンドアローンモードでは、Extボタンを使ってKontaktを外部MIDIクロックに同期させられます。ホストプログラムでプラグインとして動作している場合、Kontaktはデフォルトでソングテンポを使用して追従します。テンポを手動で指定するには Ext を無効にします。
    • Tap:Tapボタンを使うと、より直感的にMaster Editorのテンポを調整できます。4分音符のリズムでボタンをタップすると、Kontaktがタップ間の時間を測定してテンポ値を合わせます。プラグインとして動作している場合、TapボタンはExtern Sync.パラメーターがオフのときにのみ有効です。
    • Play/Re-wind:再生ボタンと巻き戻しボタンで、Kontakt内部のソングポジションを調整します。これは、ドラムマシンのようにソングポジション情報を必要とするインストゥルメントで必要になります。
    • Tempo:BPMラベルの下にあるこの値は、スライスしたループの再生速度と、テンポに同期できるすべての時間関連コントロールに影響します。スタンドアローンモードでは、値をクリックして新しい値を入力するか、Tapボタンで新しいテンポをタップしてMaster Tempoを調整します。
  4. Metronome:シンプルなメトロノームを備えており、メトロノームアイコンをクリックすればいつでもオン/オフできます。値表示部ではメトロノームのクリック音のボリュームを調整できます。
  5. Reference Tone:リファレンストーンを出力し、Kontaktの現在の基準チューニングに合わせて他の楽器をチューニングできます。
    • On/Off:音叉アイコンをクリックしてリファレンストーンを有効にします。
    • Pitch:音叉の右側にあるノート表示をクリックしてドラッグすると、リファレンストーンのピッチが変わります。
    • Volume:Vol表示をクリックしてドラッグするか、フィールドをダブルクリックして値を入力すると、リファレンストーンのボリュームが調整されます。

サイドペイン(Classic view)

Kontaktのサイドペインでは、インストゥルメントの読み込みに加えて、任意の数のファイルを素早く整理・ナビゲートできます。

Classic viewのサイドペインでは、Kontaktで使用できる任意の数のファイルを素早く整理・ナビゲートできます。現在選択しているInstrumentのさまざまな側面を、便利な一覧として表示します。サイドペインを使ってファイルシステム内をナビゲートし、Kontakt Instrumentを見つけて読み込んだり、ライブラリの内容を管理・ブラウズしたりできます。また、ホストやMIDIのオートメーションソースをInstrumentのパラメーターに割り当てたり、サイドペインの項目をRackへドラッグ&ドロップしたりできます。

サイドペインを表示するには:

  • Controlパネルの最小化アイコンをクリックしてRackを広げます。

    サイドペインがRackの左側に表示されます。

サイドペイン

Librariesタブ

Librariesタブからは、コンピューターにインストールされているすべてのKontaktライブラリに直接アクセスできます。

  1. Refresh:ライブラリのリストを再読み込みします。
  2. Manage Libraries:OptionsダイアログのLibraryタブを開きます。ここではライブラリの表示/非表示を切り替えたり、Native Accessを開いて新しいライブラリをインストールしたり、既存のインストールを管理したりできます。詳しくはLibrariesを参照してください。
  3. A-Z:ライブラリをアルファベット順に並べ替えます。無効にすると、Libraryタブは以前のカスタム並び順に戻ります。
  4. Search field:Libraryタブ内で特定のライブラリを見つけるために、検索文字列を入力できます。
  5. Instr Nav(Instrument Navigation):Browserの下部にあるInstrumentナビゲーターペインの表示/非表示を切り替えます。
  6. Instruments:ライブラリに含まれるすべてのInstrumentを表示します。
  7. Function Menu:ライブラリの追加オプションを含むドロップダウンメニューを開きます。詳しくはFunctionメニューを参照してください。
InstrumentとMultiの読み込みと保存
  • InstrumentまたはMultiを読み込むには、InstrumentsボタンまたはMultisボタンをクリックし、Filesタブの下側ペインと同じようにライブラリ構造をナビゲートします。
  • Kontakt Playerライブラリを使用している場合、自分で作成したInstrumentやMultiを元のライブラリ、または任意の場所に保存できます。自分のバリエーションをライブラリの元の場所に保存すると、それらのInstrumentやMultiはLibrariesタブにも表示されます。
Functionメニュー

Functionメニューからは、ライブラリのreadmeファイルやマニュアルといった重要なリソースにアクセスできるほか、ライブラリの場所を特定したりライブラリボックスを非表示にしたりといったメンテナンス作業も行えます。FunctionメニューはLibraryボックスの右下にあります。矢印をクリックするとドロップダウンメニューが開きます。

Functionメニューには次のオプションがあります。

Functionメニュー

  • Open containing folder:オペレーティングシステムのファイルブラウザで、ハードディスク上のライブラリの場所を開きます。
  • Hide library:ライブラリをLibraryタブから取り除きます。これはライブラリの削除やアンインストールではありません。ライブラリをLibrariesタブに再び表示したい場合は、OptionsダイアログのLibrariesタブから行えます。詳しくはLibrariesを参照してください。
  • Readme.txt:ライブラリフォルダーにreadmeテキストファイルが含まれている場合、ここに表示されます。このオプションをクリックするとファイルが開きます。
  • License Agreement:選択したライブラリのライセンスの一覧が含まれます。
  • Online Documentation:このオプションをクリックすると、ユーザーマニュアルが開きます。
ライブラリのアクティベーション

ライブラリはNative Accessでアクティベートしますが、Kontaktのサイドペインから特定のライブラリをアクティベートするためにNative Accessを素早く開くこともできます。

  1. ライブラリをインストールしたら、Kontaktを開きます。
  2. サイドペインのLibrariesタブでライブラリを見つけます。
  3. 該当するライブラリのActivateボタンをクリックすると、ログイン画面が開きます。
  4. Native Accessが開き、ライブラリのシリアルナンバーの入力を求められます。
  5. シリアルナンバーを入力し、Activateをクリックします。

    これでライブラリがアクティベートされ、演奏できる状態になります。

Filesタブ

サイドペインのこのセクションでは、ツリー形式でファイルシステムをナビゲートできます。オペレーティングシステムのファイルブラウザやセレクターに慣れていれば、すぐに馴染めるでしょう。2つのメインペインと、セクション下部のオーディションツールバーで構成されています。オプションとして3つ目のペイン、Instrumentナビゲーターがあり、タブのすぐ下にあるInstrNavボタンで表示を切り替えられます。このペインはLibrariesタブでも利用できます。Librariesタブを参照してください。

ペインを区切っている水平のスプリッターバーをクリックして上下にドラッグすると、それぞれのペインの高さを変えられます。

サイドペインのFilesタブは、ファイルシステムのナビゲーターを提供します

上段(コンテナ)ペイン

上段のペインには、コンピューター上のすべてのコンテナオブジェクトがツリー構造で表示されます。「コンテナ」という言葉は、他のオブジェクトを含むすべての項目を指します。ボリューム(ハードディスク、CD-ROM、ネットワーク上の場所など)、フォルダー、そして「仮想フォルダー」として機能するモノリシックなサンプラーファイル(これについては後述します)などです。オブジェクトの隣に+アイコンがあれば、その中にさらにオブジェクトが含まれていて、現在は表示されていないことを示します。+アイコンをクリックすると表示されます。逆に、オブジェクトの隣の-アイコンをクリックすると、その中身がすべてツリービューから隠れます。

File Browserの上段ペインには、ファイルシステムのツリー構造がナビゲート可能な形で表示されます。

中段(オブジェクト)ペイン

上段ペインで選択したコンテナオブジェクトの中にKontaktで使用できる項目が含まれている場合、それらは中段のペインに表示されます。上段ペインの多次元的なツリー構造とは対照的に、このリストは常にフラットで、複数のフォルダーにまたがることはありません。関連するファイルに加えて、フォルダー(あれば)もこのリストに表示され、ダブルクリックしてナビゲートできます。リストの最初の項目は通常、矢印アイコンで示される親ディレクトリです。つまり、フォルダー間の移動に上段ペインを使う必要はありません。ただし、上段ペインを使ったほうが通常は速く便利です。

File Browserの中段ペインに、複数のSampleとそのファイルサイズ、ネイティブテンポ、更新日が表示されている状態。

表示される項目の情報は4つの列に分かれています。ファイル名、サイズ、更新日に加えて、スライスしたループのネイティブテンポを示すtempo列もあります。列のラベル間にある区切りバーをクリックしてドラッグすると、列幅を変更できます。列ラベルをクリックすると、その値に従ってリストの並び順が変わり、同じラベルをもう一度クリックすると並び順が逆になります。

Kontaktで使いたい項目が1つ以上見つかったら、それらを読み込む方法はいくつかあります。

  • Multiファイル(.nkm)をダブルクリックするか、サイドペインからRackへドラッグすると読み込まれます。このとき、現在のMultiを置き換えるか、選択したMultiを既存のMultiに統合するかをKontaktが尋ねます。
  • Instrumentファイル(.nki)をダブルクリックするか、サイドペインからRackの空きスペースへドラッグすると、現在のMultiに追加されます。KontaktはOptionsダイアログの「MIDI channel assignment for loaded patches」設定に従ってMIDIチャンネルを割り当てます。これは複数のInstrumentでも機能します。
  • Instrumentを、Rack内の既存のInstrument Headerへドラッグすると、そのInstrumentが置き換えられます。Kontaktは以前のInstrumentのMIDIチャンネル設定を保持します。
  • Sample(つまりオーディオファイル)をダブルクリックするか、Rackの空きスペースへドラッグすると、そのSampleが鍵盤の全域に割り当てられたZoneを含む新しいInstrument(デフォルトInstrumentに基づく)が作成されます。複数のSampleでこれを行っても、Kontaktが作成するインストゥルメントは1つだけですが、それに応じた数の隣接するZoneができます。なお、この方法は8ビットSampleでは機能しません。この方法で作成されたGroupはデフォルトでDFDモードになり、DFDは8ビットデータに対応していないためです。
  • Sampleを既存のInstrumentのMapping Editorへドラッグすると、Zoneが作成され、ポインターが指しているキーまたはキーレンジに配置されます。ドラッグ中にMapping Editor内でマウスポインターを上下に動かすと、対象のキーレンジを広げたり狭めたりできます。これは複数のSampleでも機能し、その場合Kontaktは隣接するZoneをその数だけ作成します。複数のZoneを上下に重ねて作成したい場合(つまり複数のSampleを1つのキーに置いたベロシティスイッチにまとめたい場合)は、マウスポインターを鍵盤のところまで下げてください。
  • オブジェクトペインで複数の項目を選択する方法は2つあります。リスト内の連続した範囲は、最初の項目をクリックし、[Shift]キーを押しながら範囲の最後の項目をクリックすると選択できます。隣接していない項目は[Ctrl]+クリック、Mac OSでは[Cmd]+クリックで選択できます。
💡

サイドペインのオブジェクトペインの並び順は、複数のSampleがKontaktでどの順序で使われるかを決めます。たとえば、複数のSampleからベロシティスイッチを作ろうとして、配置後にベロシティの割り当てが上下逆になっていることに気づいたら、サイドペインのリストの並び順を反転させてもう一度やり直せばよいのです。

Instrumentナビゲーターペイン

Instrumentナビゲーターは、Rack内のすべてのInstrumentのリストを表示し、常に更新されます。最大16個のInstrumentを含む4ページに分かれており、Instrument名とともにM(ミュート)とS(ソロ)のインジケーターを表示します。Instrumentを編集していて、Rackが現在編集中のInstrument以外の情報を何も示していないときに、全体を把握するのに役立ちます。

Instrumentナビゲーターのリストは、Rackでのページ選択とInstrument選択と常に同期し、その逆も同様です。4つのInstrumentページのいずれかに切り替えるには、Rackヘッダーのページボタンを使う(Multi Instrumentモードの場合)か、Instrumentナビゲーターリストの上部にあるページ番号をクリックします。同様に、RackのヘッダーをクリックするかInstrumentナビゲーターペインのエントリーをクリックして、Instrumentを選択できます。選択したInstrumentがInstrumentナビゲーターリスト内に現在表示されていない場合、そのリスト位置まで自動的にスクロールします。Instrumentナビゲーターリスト内のInstrumentをダブルクリックすると、Rackで編集用に開きます。

  • Instrumentナビゲーターペインを表示するには、サイドペイン上部のInstrNavボタンをクリックします。

Instrumentナビゲーターペインに、Multiに読み込まれた複数のInstrumentが表示されている状態。

💡

Instrumentナビゲーターは厳密にはFilesタブ固有のものではなく、サイドペインのさまざまなタブで利用できるユーティリティウィンドウです。一貫性のためここで解説し、利用できる他の場所についてのセクションでは簡単に参照するだけにしています。

オーディションストリップ

オーディションストリップを使うと、オーディオファイルを読み込む前に試聴できます。この機能は、サイドペイン下部のセクションで選択したオーディオファイルとスライスしたループで動作します。なお、スライスしたループを試聴する場合、ネイティブテンポ(サイドペインのリストに表示されています)ではなく、ホストの現在のテンポ、Kontaktをスタンドアローンモードで動かしている場合はMaster Editorで設定したテンポで再生されます。

オーディションストリップには次のコントロールがあります。

オーディションストリップでは、サイドペインで選択した任意のSampleを再生できます。

  • Volumeスライダー:サンプルの再生レベルを調整します。
  • Playボタン:選択したサンプルを1回再生します。サンプルを試聴中の場合は再生を停止します。
  • Autoボタン:有効にすると、サンプルをクリックしたときにKontaktがそれを自動で1回再生します。
Refreshボタン

サイドペインのタブのすぐ下には、現在表示しているタブに固有のファンクションボタンとドロップダウンメニューが並んでいます。Filesタブでは、この行の左端が円形の矢印で描かれたRefreshボタンになっています。

新しくインストールしたサンプルライブラリや削除したサンプルライブラリなど、ファイルシステムで最近起きた変更をFile Browserがまだ反映していない場合は、このボタンをクリックしてファイル表示の更新を強制できます。

Viewメニュー

FilesタブのViewメニューには、File Browserのペインでの情報の表示方法を変えるオプションと機能が含まれています。

File BrowserのViewメニューには、どの項目を表示するかを決めるオプションが含まれています。

このメニューの最初の2項目、Show network drives と Show removable drives はトグルオプションです。選択するとオンになり、ラベルの隣に小さなダイヤ印が付いて示されます。これらを使って、マウント済みのネットワークボリュームやリムーバブルドライブをFile Browserに含めるかどうかを調整できます。

オプションの下には、Quick-jumpというラベルの付いた1から10まで番号の振られた複数のスロットがあります。Quick-jumpは場所を記憶しておく機能で、ファイルシステム内で頻繁に訪れる場所に、毎回コンテナペインでナビゲートせずに手軽にアクセスできます。使い方は簡単で、File Browserでナビゲートした場所は、現在選択しているQuick-jumpエントリーに即座に保存されます。別のQuick-jumpの場所に切り替えると、それまで選択されていたものはその値を保持します。そこに戻れば保存された場所に移動できますが、注意してください。そこからさらにナビゲートすると、Quick-jumpの記憶もそれに合わせて変わります。それを望まない場合は、Viewメニュー下部のLock current quick-jumpオプションを有効にして、保存された場所を固定します。毎回プルダウンメニューを使う代わりに、[Ctrl] + [F1]から[Ctrl] + [F10](Windows)、または[Alt]-[F1]から[Alt]-[F10](Mac)を使って、キーボードから該当するQuick-jumpの場所にアクセスすることもできます。

Monitorタブ

さまざまなGroupやZoneを含む複雑なInstrumentを編集していると、Kontaktの編集機能の中で迷子になりやすいものです。Monitorタブはこれを補うもので、現在編集しているInstrumentのさまざまな側面を便利な一覧として示します。Instrumentナビゲーターペインと性質は似ていて、Instrument内のすべてのGroupとZoneを、継続的に更新される検索可能なリストとして表示します。Groupを編集対象に含めたり外したりを素早く行えるほか、最後に触ったパラメーターの値を全Groupにわたって示す、文脈に応じたパラメータービューも備えています。

Monitorタブに、GongsのInstrumentのすべてのParameterが表示されている状態

上部には5つのボタンが並んだツールバーがあり、最初の4つはMonitorビューをそれぞれの表示モードに切り替えます。

Groups

このビューには、Instrument内のすべてのGroupのリストが表示されます。Instrument Edit modeでのみ機能します。左端の列は、そのGroupが編集対象としてマークされているかを示すもので、Group Editor内のGroup名の隣にあるチェックボックスに対応しており、クリックして該当するGroupの編集状態を切り替えられます。

💡

Groupの選択は、Group Editorの「Edit」メニューにあるコマンドにのみ影響します。したがって、複数のGroupにまたがってパラメーターを変更するために使う編集チェックボックスとは別のものです。

リストの右側には、KSPスクリプト編集の手掛かりとしてGroupインデックスが表示され、含まれるZoneの数も示されます。Groupは名前をクリックして選択できます。複数選択はFile Browserと同じように機能します。つまり、選択したGroupの下または上を[Shift]+クリックすると範囲が選択され、[Ctrl]+クリック(Mac OS Xでは[Cmd]+クリック)でGroupを現在の選択に追加でき、[Alt]+クリックで現在表示されているすべてのGroupを編集対象として選択できます。

Groupの名前をダブルクリックして新しい名前を入力すると、名前を変更できます。

Groupを右クリックすると、Group関連のさまざまな操作を含むコンテキストメニューが開きます。これはGroup EditorのEditメニューと同一です。

Groupのコンテキストメニュー

リストヘッダーの右側にある虫眼鏡アイコンのボタンをクリックすると、Quick-Search機能を切り替えられます。これによりリストの上にテキスト入力ボックスが表示され、それが表示されている間は、入力した文字列を名前に含むGroupのみがリストに表示されます。

検索バーの右側にある「X」ボタンをクリックすると、Quick-Search機能を非表示にして(結果として無効にして)おけます。

Zones

このビューには、Instrument内の全Groupにわたって含まれるすべてのZoneのリストが表示されます。それ以外はGroupsビューとまったく同じように動作し、Quick-Search機能も備えています。

各行には左から順に、Zone、そのIndex、そのID、そして最後にそのZoneが属するGroupが表示されます。

Zoneをダブルクリックすると、Wave Editorで開きます。

Parameter

このビューに切り替えて任意のノブに触れると、Monitorペインに、現在編集しているInstrument内の全Groupにわたる該当パラメーターの値が表示されます。Instrument Edit modeでない場合は、Multi内の全Instrumentにわたって表示されます。これにより、Group間で設定を比較するのが便利になります。リスト内で値をクリックしてマウスを上下に動かせば、該当するノブを操作するのと同じように、パラメーター値を直接変更することもできます。

Monitorタブに、複数のGroupにわたるEQ周波数パラメーターの値が表示されている状態。

もちろん、パラメーターは、編集中のパラメーターを実際に持っているGroupの隣にのみ表示されます。たとえば、Time Machineモード固有のSource ModuleのGrainパラメーターを調整している場合、現在Time Machineモードになっていない、つまりこのパラメーターを持たないすべてのGroupは、Value列にNAと表示されます。

Engine

このサブタブには、詳細なメモリ使用量やCPU使用率の統計など、さまざまなシステムリソースの概要が表示されます。このページの情報は主にパワーユーザー向けです。問題が発生してNative Instrumentsのサポートに連絡した際に、このページの特定の値を尋ねられることがあります。

Engineページには、Kontaktのオーディオエンジンの現在の状態の概要が表示されます。

Restart Engineボタンを使うと、CPUオーバーランが発生した場合にKontaktのオーディオエンジンの再初期化を強制できます。

Kontaktをプラグインとして使用している場合は、その下にOffline(Bounce)Modeというラベルの付いたボタンがもう1つあります。これは、トラックのバウンスやフリーズの際にこのモードをプラグインに正しく伝えないホスト向けのものです。バウンスやフリーズの際にボタンの状態を観察すれば、ホストがこの点で正しく動作しているかを確認できます。ボタンがオレンジになれば、Kontaktはシーケンサーからバウンス信号を受け取っています。そうならず、クラックルノイズやドロップアウトが発生する場合は、バウンスやフリーズの前にこのボタンを手動で有効にできます。

CPU Profiling Mode:CPU Profilingモードに切り替えると、Instrumentのどの部分が現在最も多くの処理能力を消費しているかを特定できます。パーセンテージは、インストゥルメント名、Editモードのソースモジュール、そしてエフェクトチェーン内の全エフェクトの上部に表示されます。

💡

CPU Profilingモード中は、エフェクトアイコンの下部を使って、編集する別のエフェクトスロットに切り替えられます。

  • インストゥルメント名:Rackを見て最も消費の大きいInstrumentを先に特定し、それからEditモードに切り替えます。
  • ソースモジュール:CPU使用率が高すぎる場合は、別のHQI設定に切り替えます。Time Machine Proを使っている場合は、より軽いTime Machineエンジンへの変更を検討してください。
  • Group Inserts:モジュレーターが接続されていないメモリ消費の大きいエフェクトは、代わりにInstrument InsertsまたはBus Insertsへ移動します。グループエフェクトはボイスごとに計算されることを忘れないでください。
  • Instrument Inserts / Bus Inserts / Sends:メモリ消費の大きいエフェクトはOutputsセクションへ移動し、インサートは通常のoutput channelへ、センドはAux channelへ入れます。

File Browserと同様に、Monitorペインもオプションとして Instrumentナビゲーターのリストを提供します。これはMonitorツールバーの右端のボタンで表示/非表示を切り替えられます。このペインの機能の詳しい説明はInstrumentナビゲーターペインを参照してください。

Automationタブ

Instrumentのパラメーターをたとえばシーケンサーのオートメーションシステムや外部フェーダーボックスが生成するMIDIコントローラーデータなど、Kontaktの外から制御する必要があるときは、サイドペインのAutomationタブから適切なオートメーションソースを選んで簡単に割り当てられます。

MIDI Automationページでは、上部に割り当て可能なMIDIコントローラーのリスト、下部に選択した割り当ての詳細が表示されます。

Automationタブの上部にある2つのボタンで、ホストが提供するオートメーションソースのリストと、MIDIコントローラーのリストを切り替えられます。ソースをパラメーターに割り当てる方法は両方のリストで同じなので、MIDIオートメーションについて説明する考え方や手順は、ホストオートメーションのワークフローにもそのまま当てはまります。

オートメーションを割り当てるには、リストからソースを選択し、オートメーションしたいパラメーターのノブへドラッグします。キーボードやMIDIコントローラーのフェーダーを割り当てたいけれども、どのコントローラー番号が正しいのかわからない場合は、MIDIオートメーションのリストが表示されている状態でフェーダーを動かしてみてください。Kontaktは何らかのMIDIコントローラーデータを受信すると、該当するリストエントリーの隣に赤い点を点滅させます。これにより、適切なコントローラーを素早く見つけて割り当てられます。

ソースをパラメーターに割り当てるもう1つの方法は、Learnボタンを使うものです。1回押すとLearn Singleモードに入ります。MIDIコントローラー上のノブやスライダーなどのモジュレーションソースを動かしたあと、割り当てたいインストゥルメントのパラメーターをクリックします。Learn Singleモードは自動的に解除され、そのコントロールはすぐに使えるようになります。

複数のMIDI割り当てを続けて行うには、Learnボタンを2回押してLearn Multipleモードに入ります。これにより、コントロールを動かしてパラメーターをクリックする、という上記の手順を何度でも繰り返せます。Learn Multipleボタンをクリックするとこのモードを抜け、コントロールを使い始められます。

💡

同じオートメーションソースに複数のパラメーターを割り当てられます。これにより、1つのコントローラーでInstrumentの複数の側面を制御でき、たとえばInstrumentの明るさと音量を同時に上げるといったことができます。また、モジュレーションホイールは通常MIDIコントローラー#1を、ボリュームコントロールは#7を送信することも覚えておいてください。

割り当てとそのパラメーターは、リストで選択して編集できます。選択した項目が1つ以上のパラメーターに割り当てられている場合、それらは下のリストに表示されます。ペインの下部では、下のリストで選択した割り当てのいくつかのパラメーターを調整できます。

  • From % / To %:割り当てたパラメーターの範囲を調整します。デフォルトでは、オートメーションコントローラーはパラメーターの利用可能な範囲全体をカバーするようにマッピングされます。これらの値を変更すると、割り当てのスケーリングを変えて、オートメーションの値をパラメーターの限られた範囲にマッピングできます。これにより、パラメーターの範囲の一部をより細かい分解能でオートメーションできます。
  • Soft Takeover:受信したオートメーションデータが、割り当てたパラメーターの現在の値と異なる場合に起こりうる急激なパラメーターの飛びを避けます。このボタンを有効にすると、パラメーターの現在の値と一致するオートメーション値を受信するまで、割り当てたパラメーターは変化しません。典型的な例は、外部フェーダーをフィルターのカットオフパラメーターに割り当てる場合です。フィルターカットオフが現在50%に設定されていて、フェーダーをゆっくり上げていくと、Kontaktは中間点に達した時点でなめらかに追従を始めます。
  • Remove:下のリストで選択したオートメーション割り当てを削除します。
Learnボタンを使ったMIDIコントローラーの割り当て

Learnボタンを使ってMIDIコントローラーをコントロールに割り当てるには:

  1. 少なくとも1つのインストゥルメントが読み込まれ、ハードウェアコントローラーのMIDIポートとチャンネルに設定されていることを確認します。
  2. サイドペインのAutomationタブをクリックします。
  3. MIDI Automationサブタブを選択します。
  4. Learnボタンを1回クリックすると、1つのMIDIコントロールを割り当てます。2回クリックすると、多数のMIDIコントロールを割り当てます。ボタンにはLearn SingleまたはLearn Multipleのいずれかが表示されます。
  5. 割り当てたいMIDIデバイス上のコントロールを動かします。
  6. 割り当てたいインストゥルメントのGUI上のコントロールをクリックします。
  7. Learn Multipleで複数のコントロールを割り当てる場合は、すべてのコントロールを割り当てるまで手順5と6を繰り返します。そのあと、Learnボタンをもう一度クリックして割り当てを終了し、コントロールを使い始めます。

MIDIコントローラーがパラメーターに割り当てられます。

サイドペインでのMIDIコントローラーの割り当て

MIDI Learnで説明した方法でMIDIコントローラーを割り当てられない場合は、別の方法があります。

  1. 少なくとも1つのインストゥルメントが読み込まれ、ハードウェアコントローラーのMIDIポートとチャンネルに設定されていることを確認します。
  2. サイドペインのAutomationタブをクリックします。
  3. MIDI Automationサブタブを選択します。
  4. ハードウェアコントローラーのノブを回すか、スライダーを動かします。
  5. サイドペインで、外部コントローラーが使用しているCC#の隣に点滅が見えるはずです。さらに、Instrument HeaderのMIDIシンボルも点滅します。
  6. これがうまくいかない場合は、Optionsダイアログを開きます。
  7. MIDIタブを選択します。
  8. Inputsを選択します。該当するインストゥルメントを割り当てたポートと同じポートの入力として、MIDIハードウェアが選択されているか確認します。
  9. MIDI入力が正しく設定されていれば、使用したいMIDI CC#を、制御したいパラメーターへドラッグ&ドロップします。

    MIDIコントローラーがパラメーターに割り当てられます。

KontaktでのMIDIコントローラーの受信

MIDIコントローラーの割り当ての解除

特定のコントローラーに対して行った割り当てを解除するには:

  1. サイドペインのAutomationタブをクリックします。
  2. MIDI Automationサブタブを選択します。
  3. 割り当てを解除したいMIDIコントロールを、検索するか、コントロールを動かしてリスト内のどの番号が稲妻のシンボルでハイライトされるかを見て、見つけます。
  4. リストでそのコントロールを選択し、Removeボタンをクリックします。

    MIDIコントローラーの割り当てが解除されます。


Quick-Load Catalog

Quick-Loadカタログは、Instrument、Bank、Multiを管理するのに役立つ整理用のツールです。これを使って、ファイルを自由に整理してインデックス化できます。

Quick-Loadカタログは、Instrument、Bank、Multiを管理するのに役立つ整理用のツールです。階層的なディレクトリ構造へのアクセスを提供するという点でFile Browserと似ています。ただしQuick-Loadカタログでは、ファイルパスやライブラリの関係、フォーマットにとらわれずに構造を自由に定義できます。これは一種の「仮想ファイルシステム」として機能し、ハードディスク上の実際のファイルシステムと並行して存在します。Quick-Loadカタログを使えば、ファイルを別の場所へコピーしたり移動したりせずに、自由に整理してインデックス化できます。

Instrument Headerの下にあるRackの空きスペースを右クリックすると、Rackの下にQuick-Load Browserが現れます。Rackとの境界となっているバーをクリックしてドラッグすれば、このペインのサイズを変えられます。Quick-Load Browserが表示されている間は、オンスクリーンキーボードが隠れます。

Quick-Load Browserに、ディレクトリ構造の例が表示されている状態。

  • Lock:ファイルやフォルダーをドラッグしたときにQuick-Loadのファイル構造が変更されないよう保護します。
  • Catalog Type:Multi、Bank、Instrumentのカタログをそれぞれ切り替えます。これらのカタログの内容は互いにまったく関係がないため、3つのカタログタイプごとに独立したディレクトリ構造を作れます。
  • Close(xアイコン):Quick-Load Browserを閉じます。Rackの空いている領域を右クリックしても、Browserを再び隠せます。Quick-Load Browserが表示されている間は、オンスクリーンキーボードが隠れます。
  • Directory Area:ディレクトリツリーの複数の階層を、横並びの列として表示します。ある列でサブディレクトリを選択すると、その内容が右の列に表示され、列が増えるごとにディレクトリツリーのさらに下の階層が開きます。

カタログの構築

ある程度の数のオブジェクトを整理するには、まず、Instrument、Bank、Multiを探すときの自分のやり方に合ったディレクトリ構造を考えるところから始めるとよいでしょう。どの基準を選ぶかは完全に自由です。たとえば、楽器の種類、音楽ジャンル、ライブラリでオブジェクトを分類できます。これらを組み合わせて、ルートレベルではおおまかな種類のカテゴリー、その下の階層ではライブラリごとにコレクションを並べることもできます。もちろん、同じ階層でカテゴリーを混在させることもできます。Quick-Load Browserでコレクションを管理する際に実際のファイルには一切触れないため、同じオブジェクトを複数のディレクトリに簡単に入れられます。

💡

お気に入りのInstrumentを常にすぐ使える状態にしておきたい場合は、Quick-Load Browserでの通常の分類とは別に、それらを「favorites」ディレクトリに入れておけます。ただし内容は常にアルファベット順に並ぶため、このディレクトリはおそらく他のディレクトリの間に埋もれてしまいます。これを避けるには、名前の先頭にアスタリスク(*)などの特殊文字を付けてください。そうすれば常にリストの先頭に表示されます。

新しいディレクトリを作成するには:

  1. 左端の列の空のリスト内を右クリックします
  2. コンテキストメニューからAdd New Folderコマンドを選びます。
  3. 新しいディレクトリのエントリーが現れます。わかりやすい名前を付けてください
  4. ルートレベルに作成したいディレクトリの数だけ、この手順を繰り返します。

ディレクトリ構造をさらに深い階層に拡張するサブディレクトリを作成するには:

  1. 新しいエントリーの1つを選択し、その隣の列に前述の方法でサブディレクトリを作成します。こうして階層的なディレクトリ構造を段階的に構築できます。もちろん、すでに内容を入れたQuick-Loadカタログも、いつでも拡張できます。
  2. ディレクトリのエントリー名を変更するには、それをダブルクリックするか、右クリックしてコンテキストメニューからRename Folderを選びます。

ディレクトリに内容を入れるには:

  1. Browserから1つ以上のファイルを、入れたいディレクトリの列へドラッグします。それらがFilesタブとLibrariesタブのどちらから来たものかは問いません。Kontaktで扱えるファイルなら、オペレーティングシステムのファイルナビゲーターから直接Quick-Load Browserへドラッグすることさえできます。
  2. オブジェクトをドラッグしている間(マウスボタンを押したまま)も、特定のディレクトリを探すためにQuick-Loadカタログ内をナビゲートできます。切り替えたいディレクトリのエントリーの上にマウスポインターを動かすだけで、現在の列より右の列がそれに応じて内容を変えます。

カタログのディレクトリ、サブディレクトリ、またはディレクトリ内のオブジェクトを削除するには:

  • そのエントリーを右クリックし、コンテキストメニューからDelete from Quick Loadコマンドを選択します。もちろん、この処理で実際のファイルが削除されることはありません。

カタログからオブジェクトを読み込む

Kontaktでの作業中、Quick-Loadカタログは常にマウスクリック1つで開けるので、いつでもInstrument、Bank、Multi全体を素早く見つけて読み込めます。そのためにはQuick-Load Browser自体を使うか、カタログの構造を階層的なドロップダウンメニューとして再現するQuick-Loadメニューを使います。このセクションでは両方の方法を説明します。

Quick-Load Browserを開くには、Rack内の空きスペースを右クリックします。まず、上部のタイプスイッチでアクセスしたいオブジェクトの種類を選択します。前のセクションの説明に従って、読み込みたいエントリーが見つかるまで左から右へ該当するカタログをナビゲートできます。オブジェクトがInstrumentまたはBankなら、それをダブルクリックする、Rack内の空きスペースへドラッグする、またはエントリーを右クリックしてコンテキストメニューからLoadを選ぶことで、Multiに追加できます。あるいは、置き換えたいオブジェクトを、Rack内の該当するヘッダーへ置き換え先としてドラッグするか、コンテキストメニューにあるLoad Into Slotサブメニューから位置を選ぶことで、Multi内の既存のオブジェクトを置き換えられます。Multiの読み込みも同じように機能しますが、その場合は現在のMultiを置き換えるか、新しいMultiと組み合わせるかを選ぶだけになります。

カタログにアクセスするもう1つの方法として、Quick-Loadメニューが用意されています。これはユーザーインターフェースの複数の場所にあり、どこにあるかは、Multiに新しいオブジェクトを追加したいのか、既存のオブジェクトを置き換えたいのかによって変わります。前者の場合は、HeaderのFilesというラベルの付いたボタンをクリックし、New Instrument from ListまたはNew Instrument Bank from Listのサブメニューを開きます。そこには該当するカタログの構造全体が、メニューエントリーとサブメニューのリストとして含まれており、通常のやり方でたどっていけます。

Quick-Loadメニューを使ってInstrumentを置き換える

Instrument、Bank、Rackの各ヘッダーの名前フィールド内にある小さな下向き矢印をクリックすると、同じメニューが表示されます。その場合は、該当するInstrument、Bank、またはMulti全体が、メニューで選択したオブジェクトに置き換えられます。


Outputsセクション

KontaktのOutputsセクションは、従来型のミキシングコンソールのスタイルでルーティングとミキシングを行う環境を提供します。

KontaktのOutputsセクションは、従来型のミキシングコンソールのスタイルでルーティングとミキシングを行う環境を提供します。Rack内のすべてのInstrumentからの出力信号はこのセクションに送られ、そこからオーディオインターフェースやホストソフトウェアの物理出力へルーティングされます。Outputsセクションを使って、Instrumentのモノ、ステレオ、マルチチャンネルの信号ルーティング先となるOutput Channelを作成、削除、名前変更、設定できます。また、Aux Channelの名前変更と設定、OutputとAuxのボリューム調整、出力レベルのモニタリングも行えます。

Outputsセクションを表示するには:

  • WorkspaceメニューでOutputsオプションを選択します。

    OutputsパネルがRackスペースの下半分に現れます。

Outputsセクションには次のコントロールがあります。

Outputsセクションに、ステレオのOutput Channelストリップと4本のAux Channelストリップが左から順に表示されている状態。

  1. Add Channels(+アイコン):新しいoutput channelを作成・設定するためのダイアログを開きます。詳しくはOutput Channelの操作を参照してください。
  2. Delete Channel(-アイコン):現在選択しているチャンネルをOutputsセクションから取り除きます。チャンネルを選択するには、その境界線をクリックします。
  3. Presets/Batch Configuration:Outputsセクションの保存、リセット、再構成のオプションを含むドロップダウンメニューを開きます。
  4. Show Inserts:Insertスロットの表示を切り替えます。無効にするとInsertスロットが隠れ、画面スペースを節約するためパネルの高さが縮みます。
  5. Channel Insert Slots:信号処理モジュール用のスロットを備えており、チャンネルにインサートしてその信号を処理できます。Insertスロットは、Outputsパネルがフルサイズのときのみ表示されます。詳しくはシグナルプロセッサーの操作を参照してください。
  6. Channel Strips:Output Channelストリップのコントロールを表示し、続いて4本のAux Channelストリップを表示します。詳しくはChannelストリップを参照してください。

Channelストリップ

Output ChannelとAux Channelには、次の同一のコントロールが含まれます。

  • Channel Name:この名前は、Kontakt全体でこのチャンネルを指す際に使われます。名前を変更するには、テキストフィールドをクリックして新しい名前を入力します。
  • Channel Insert Slots:これらのスロットは信号処理モジュールを収め、チャンネルにインサートしてその信号を処理できます。Insertスロットは、Outputsパネルがフルサイズのときのみ表示されます。詳しくはシグナルプロセッサーの操作を参照してください。
  • Channel Fader and Level Meter:垂直のフェーダーで、該当するチャンネルの出力ゲインを調整します。対応するバーメーターは信号レベルを視覚的に示します。
  • Channel Configuration:このボタンを押すと、チャンネルの名前、そのチャンネルが扱うオーディオチャンネル数、物理出力の割り当てを設定するオプションを備えたダイアログウィンドウが開きます。

Output Channelの操作

Kontaktでは、Multi内の各Instrumentの出力信号を、Outputsセクションで定義されている任意のOutput Channelへルーティングできます。これらのOutput Channelはそれぞれ、1〜16のオーディオチャンネルを扱うように設定できます。ノートが演奏されると、該当するInstrumentの出力信号は割り当てられたOutput Channelに届き、そこからチャンネルのInsert、ボリュームフェーダーを通過し、最終的にチャンネルのConfigurationダイアログで定義された物理出力へ送られます。チャンネルフェーダーの隣にあるバーグラフ表示は、出力での信号レベルを示します。

ℹ️

Master Editorにあるマスターボリュームのコントロールは、Outputsセクションのすべての OutputおよびAux Channelのレベルに影響します。詳しくはMaster Editorを参照してください。

Outputの構成

Outputの構成には、少なくとも1つのチャンネルが含まれていなければなりません。新しいOutput Channelはデフォルトでステレオ信号用に設定され、チャンネルのconfigurationダイアログで変更できます。新しいInstrumentは常に、デフォルトでOutputsセクションの左端のチャンネルに割り当てられます。

Channel Configurationダイアログには次の要素があります。

Channel Configurationダイアログ

  • Channel name:チャンネルの名前を表示します。名前を変更するには、テキストフィールドをクリックして名前を入力します。
  • Audiochannels:このチャンネルが扱うオーディオチャンネルの数を、最大16まで調整します。数を変更するには、フィールドをクリックしてマウスを上下にドラッグするか、値フィールドをダブルクリックして数値(1-16)を入力します。
  • Output Map:このOutput Channelのすべてのオーディオチャンネルを、割り当てられた物理的な出力先とともに表示します。出力先は、オーディオインターフェースの出力ジャックか、ホストへの仮想接続です。物理出力の割り当てを変更するには、その名前をクリックしてドロップダウンメニューから新しい出力を選びます。
  • Previous/Next(矢印アイコン):Outputsセクションの前または次のチャンネルの設定へ移動し、すべてのチャンネルの出力設定を素早く調整できます。

Aux Channelの操作

Kontaktの4本のAux ChannelはOutput Channelと同一のコントロールを備えていますが、信号を別の場所から受け取ります。各Instrumentは出力信号を1つのOutput Channelにのみルーティングしますが、それに加えてこの信号を1つまたは複数のAux Channelへ、調整可能なレベルで送ることができます。これにより、サブミックスを簡単に作成できます。

Aux Channelは、Instrumentに現れるすべてのSend Effectsのルーティング先としても使えます。これにより、ウェットなエフェクト信号を「取り出して」、ドライな信号とは独立して処理できます。この種のルーティングの仕組みについてはClassic viewでのフィルターとエフェクトの使用で説明しています。

この違いを除けば、Aux ChannelはOutput Channelとまったく同じように動作します。それぞれがOutputsセクションに独自のチャンネルストリップを持ち、最大4つのインサート信号処理を収められ、特定の物理出力へルーティングできます。さらに、すべてのAux Channelのレベルは、Master Editorにあるマスターボリュームのコントロールでまとめて調整できます。

シグナルプロセッサーの操作

Kontaktには、Outputsセクションでインサートやセンドとして追加できるさまざまなシグナルプロセッサーが用意されています。インサートはOutput Channelストリップ内に、Aux ChannelはInstrumentをまたいだエフェクトのセンドに使えます。各チャンネルには4つのスロットがあり、用途に応じて異なるシグナルプロセッサーを読み込めます。

スロットにシグナルプロセッサーを追加するには:

  1. スロットのメニューボタン(矢印アイコン)をクリックして、Effectsメニューを開きます。

  2. 9つのカテゴリーから選び、続いてモジュールを選択してスロットに読み込みます。

  3. モジュール名をクリックすると、そのパラメーターコントロールと編集オプションにアクセスできます。

💡

シグナルプロセッサーの概要については、Kontaktユーザーマニュアルを参照してください。

ホストモードでのOutputs

Kontaktをスタンドアローンモードで使用する場合も、物理出力はChannel Configurationダイアログ内で割り当てます。ドロップダウンメニューには、OptionsダイアログのAudioタブで選択したオーディオインターフェースが提供するすべての出力が含まれます。Kontaktをオーディオホストでプラグインとして使用する場合は、各ホストが複数出力のプラグインの扱い方をそれぞれ異にするため、より多くの点を考慮する必要があります。

ホストモードで割り当てられる(モノの)オーディオチャンネルの最大数は、KontaktのVST/VST3版では64、AU版とAAX版では16に制限されています。

出力設定の変更は動作中には行えません。そのため、Outputsセクションで変更を行うと、ソングを保存して再読み込みするよう求めるダイアログが表示されます。まずPresets/Batch Configurationメニューへ行き、「Save current output section state as default for」サブメニューから適切なオプションを選択してください。

もう1つ注意すべき点は、各KontaktインスタンスのOutput設定がソングとともに保存されるということです。これにより、読み込まれた複数のKontaktインスタンスがそれぞれ異なるOutput設定を持つという、いささか厄介な事態が生じることがあります。これはホストを混乱させ、予期しない動作を招くおそれがあるため、Kontaktをプラグインとして使う場合は、Output設定の変更をすべてそのプラグインタイプのデフォルトとして行うことをおすすめします。


Group Editor

Groupは、サンプルをまとめて操作するための主要なツールです。Group Editorでのグループの管理方法を学びましょう。

GroupはおそらくKontakt Instrumentの中で最も目立つ存在です。Instrument内の任意の数のZoneをまとめて共通の信号経路で扱えるようにするだけでなく、Groupを使えば、どのZoneが演奏されるかの条件を定義したり、含まれるZoneのボイス割り当ての扱い方を調整したり、複数のGroupにまたがってパラメーターを一括変更できる選択機構を利用したりできます。さらに、Groupをハードディスクへ書き出したり読み込んだりでき、これはあるInstrumentの一部を別のInstrumentへコピーする最も便利な方法です。

一般に、自分でInstrumentを作成するときは、Zoneを一貫した方法でGroupに振り分けるのがよいでしょう。Zoneに共通する側面を、カテゴリー分けの属性として使えます。たとえば、4つのベロシティレイヤーを持つ半音階サンプリングのInstrumentを作る場合、各レイヤーのZoneを「vel 0-31」「vel 32-63」「vel 64-95」「vel 96-127」という4つのGroupに振り分けられます。こうしておけば、あとで最も高いベロシティレイヤーにミックスの中で抜けてくる「輝き」を足したくなったときも、該当するGroupを編集対象に選び、そのGroup Insert Effectsチェーンに高域を持ち上げるEQを追加するだけで済みます。

もう1つの例として、リリースサンプルを追加したい場合は、それらを別のGroupへ移す必要があります。必要となるRelease Triggerパラメーターは常にGroup全体に作用するからです。

Groupという考え方の使い方がわかってきたら、Instrument内のGroupを作成、削除、アクセス、命名、管理する便利な方法が必要になります。この機能を提供するのがGroup Editorです。

  • Instrument Edit modeで、Instrument Editビュー上部のGroupEditorというラベルの付いたボタンをクリックします

    Group EditorがRackに現れます。

3つのGroupを含むInstrumentで開いたGroup Editor。現在、表示用と編集用の両方で「Bass」Groupだけが選択されています。

Group Editorは4つのセクションに分かれています。

  • 最上部のコントロールヘッダーには、いくつかのボタンとドロップダウンメニューがあります。
  • 最も大きな面積を占めるのは、その下にあるGroupsリストで、Instrument内のすべてのGroupをスクロール可能なリストとして表示します。
  • エディターの下部には、Voice Groupの割り当てに関するいくつかのパラメーターの列があります
  • 左下隅にあるGroup Start Optionsボタンで、Groupの開始条件を含む行のセットを追加で表示/非表示できます。

これらの要素がそれぞれ何をするのか見ていきましょう。

コントロールヘッダー

Group Editor上部にあるボタンとドロップダウンメニューの列は、Groupを手軽に管理するための共通ユーティリティ機能を提供します。以下のセクションでは、これらの要素を左から右へ順に詳しく説明します。

Group Editorのヘッダーには、さまざまなオプションとユーティリティ機能が含まれています。

Edit All Groups

このボタンを有効にすると、それ以降にGroupレベルで調整するすべてのパラメーターが、現在編集中のInstrument内のすべてのGroupに影響します。このボタンは、Groupリストのすべての編集ボックスをチェックする便利なショートカットにすぎず、同じ機能はInstrument Edit mode時にRackヘッダーにあるボタンからも利用できます。

例として、3つのGroupがあり、それぞれにLFOをピッチへ割り当ててビブラート効果を作るモジュレーション割り当てがあるとします。ここで、すべてのGroupでビブラート効果が少し強すぎると判断した場合、各Groupで該当するモジュレーションの強さを変更する必要はありません。Edit All Groupsボタンを有効にして、いずれか1つのGroupで該当するIntensityパラメーターを下げれば、他のすべてのGroupの該当パラメーターも一緒に変わります。

この機能は、使い終わったらすぐにオフにすることをおすすめします。オンのままにしておくと、そのことを意識せずにあとでGroupパラメーターを調整したときに、他のGroupで丹念に作り込んだパラメーター設定を壊してしまうおそれがあります。

Groupにまたがってパラメーターを変更する方法についての詳細は、Groupリストのセクションにあります。

Groupセレクター

Edit All Groupsボタンの隣には、現在選択しているGroupとInstrument内のGroupの総数を示すラベルがあります。これをクリックすると、別のGroupを選択できるドロップダウンメニューが開きます。Instrument Edit mode時にRackヘッダーに表示されているGroup名をクリックしても同じことができます。ただし、Groupリストで名前をクリックする場合と違って、この操作では選択したGroupが同時に編集対象になることはありません。そのため、Groupの内容を編集せずに確認したいだけのときには、こちらの方法でGroupを選択するのが適しています。

Edit

このドロップダウンメニューには、さまざまなユーティリティ機能が含まれており、そのほとんどはGroupリストで現在選択されているすべてのGroupに作用します。なお、この選択は、Groupを編集対象として有効にすることとは異なります。選択されたGroupはGroupリスト内で名前の周囲が塗りつぶされた、または中空の矩形で示され、編集用に有効化されたGroupは名前の前のボックスにチェックが入って示されます。

Editメニューには、現在選択しているGroup(s)に作用する編集コマンドが含まれています。

Editメニューは、Group Editor内とMonitorのGroupsタブの両方で、右クリックのコンテキストメニューとしても利用できます。

このメニューの各機能を見ていきましょう。

  • Set edit flag for selected groups:このオプションは、Groupsリストで現在選択されているすべてのGroupのEdit Flagにチェックを入れます。これにより、全部か1つかしか選べないEdit All Groupsオプションを使わずに、複数のGroupを素早く編集対象にできます。
  • Copy:選択したGroupをクリップボードにコピーします。
  • Cut:選択したGroupとそのZoneをあとで使うためにクリップボードへ移動し、その過程でGroupをGroupリストから取り除きます。
💡

Group Editorのカット、コピー、ペーストのコマンドを使えば、Instrument間でGroupを移動したりコピーしたりできます。これは、複数のKontaktインスタンスやセッションをまたいでも機能します。

  • Duplicate:選択したGroupの同一のコピーを作成します。
  • Paste with samples:Groupクリップボードの内容をGroupリストに挿入し、そのZoneと参照するSample情報をそのまま保持します。なお、事前に該当するGroup(s)をコピーしてペーストで複製した場合、ZoneもGroupと一緒に複製されるため、あとで一方のGroupでZoneパラメーターを変更しても、そのコピーのZoneには影響しません。
  • Paste without samples:Groupクリップボードの内容をGroupリストに挿入しますが、その過程でZoneはすべて省きます。これにより、以前コピーまたはカットしたGroupの設定を再現した空のGroupが得られます。
  • Delete:選択したGroupを削除します。いずれかのGroupにZoneがまだ含まれている場合、それらも一緒に削除されます。その場合は、本当に削除してよいか確認を求められます。
  • Delete empty groups:Zoneを含まないすべてのGroupを削除します。
  • Create empty group:新しい空のグループを作成します。
  • Export group...:この機能を使うと、現在選択しているGroupをハードディスク上の.nkgファイルとして保存し、他のInstrumentで再利用できます。選択したすべてのGroupに作用する他のコマンドとは違って、これは複数選択を扱いません。現在表示されているGroup、つまりGroupリストで名前の周囲が塗りつぶされた矩形で示されているGroupだけが保存されます。この機能をクリックすると、ファイルの場所と名前を指定するポップアップダイアログが表示されます。さらに、このGroupで参照されているSampleの扱い方も選べます。
    • Patch OnlyはSampleを保存せず、Groupファイル内で元の場所を参照します。
    • Patch + Samplesは、Groupファイルとともに指定可能な場所にSampleを保存します
    • Monolithは、Groupのデータと参照されるSampleの両方を1つの大きなファイルにまとめます。
  • Import group...:.nkg形式のGroupを読み込み、含まれるすべてのZoneとともにInstrumentへ追加します。このコマンドではBattery 3のCellも読み込めます。
Group Solo

このボタンを有効にすると、現在選択しているGroup以外のすべてのGroupがミュートされます。これにより、Zoneが重なり合う可能性のある複数のGroupを扱うときに、あるGroupの内容を手軽に確認できます。

Select by MIDI

このボタンを有効にすると、キーボードでノートを弾いてGroupを選択できます。KontaktはMIDIノートを受信すると、そのノート番号とベロシティに一致するZoneがあるかをすべてのGroupで調べ、そうしたZoneを含むGroupをGroupリストで選択します。これは、Group間を素早く切り替えるとても直感的な方法になります。たとえば、各楽器がそれぞれ別のGroupに割り当てられたドラムセットで作業しているとします。Groupリスト内でバスドラムのGroupを探して名前をクリックする代わりに、キーボードでバスドラムのノートを弾けば、対応するGroupが自動的に選択されます。

Groupリスト

このペインには、現在編集しているInstrument内のすべてのGroupのリストが表示されます。Groupの数がウィンドウに収まらない場合は、右側にスクロールバーが現れます。ここでGroupを選択し、編集対象として有効にできます。

表示するGroupを選ぶには、その名前をクリックするだけです。塗りつぶされた矩形でハイライトされ、Groupレベルで現在表示されているすべてのコントロールが、このGroupのパラメーターを示すようになります。Group EditorのEditメニューから選ぶコマンドは、以降このGroupにのみ作用します。エントリーをダブルクリックすると、その名前を変更できます。

表示できるGroupは同時に1つだけですが(それは常にGroupリストで塗りつぶされた矩形で示されます)、[Ctrl]キー(OS Xでは[Cmd])を押しながら別のGroupをクリックして選択に追加したり、[Shift]キーを押しながら2つ目のエントリーをクリックして最初と最後の間のすべてのGroupを選択に含めたりして、複数のGroupを選択できます。この選択が影響するのは、EditメニューのコマンドがどのGroupに作用するかだけです。複数のGroupにまたがってパラメーターを変更する方法については、続きを読んでください。

Groupリストの各Group名の隣には小さなチェックボックスがあり、これは最後にクリックしたリストエントリーで常に有効になります。

Group名の隣のチェックボックスは、そのGroupが編集対象として選択されているかを示します。

これは、何か調整を行ったときに該当するGroupのパラメーターも一緒に変更されるかどうかを示します。言い換えると、複数のGroupの隣のチェックボックスを有効にしてから、現在表示しているGroupのコントロール(Amplifier ModuleのVolumeノブやPanノブなど)を動かすと、他のGroupのパラメーターも影響を受けます。

この転送は絶対値で行われます。他のGroupの設定は、単に新しい設定で置き換えられます。これは、現在表示しているGroup以外のGroupのパラメーターを意図せず変更してしまう結果になりやすいので、Groupレベルのモジュールで何か調整を行う前に、他のGroupが現在編集対象として有効になっていないかを必ず確認してください。これはRackヘッダーのテキスト表示で確認しやすくなっています。Instrument Edit modeである間、そこには現在いくつのどのGroupが編集対象として有効になっているかが示されます。

なお、サイドペインのMonitorタブには、このセクションで説明した機能の別の表示方法が用意されています。これはGroupの管理やGroupにまたがるパラメーターの変更を大いに簡単にしてくれるので、好みによっては一部の操作でGroupリストの代わりに使いたくなるかもしれません。MonitorタブについてはMonitorタブのセクションで詳しく説明しています。

Voice Groups

Voice Groupという考え方を使うと、KontaktがGroupにオーディオボイスを割り当てる方法を細かく調整できます。Voice GroupをGroupと混同しないでください。名前は似ていますが、まったく別の概念です。Voice Groupを理解するために、まず例から始めましょう。

ドラムセットの典型的なサンプラープログラムには、少なくともクローズドハイハットのサンプルとオープンハイハットのサンプルが1つずつ含まれています。オープンハイハットの鳴り続ける音は、ドラマーがハイハットを閉じた瞬間に断ち切られるので、これらの音は同時に鳴ることがないと結論できます。したがって、ハイハットの最大ボイス数を1に制限すれば、この挙動をシミュレートできます。演奏された各Sampleが1ボイスを占め、デフォルトでは最後に演奏されたSampleがそれ以前にトリガーされたSampleより優先されるため、クローズドハイハットのSampleを鳴らすと、まだ鳴っているオープンハイハットのSampleが断ち切られます。

これはどうやって実現するのでしょうか。Instrumentで使うボイスの最大数はInstrument Headerで調整できますが、それではドラムキットの他のすべての部分も1ボイスに制限されてしまいます。より実用的な方法は、Voice Groupという考え方を使うことです。これを使えば、ボイス割り当ての設定を作り、それをInstrument内の任意の数のGroupに適用できます。

Groupと違って、Voice Groupを作成したり管理したりする必要はありません。代わりに、すべてのInstrumentに128個があらかじめ定義されています。デフォルトでは、GroupはどのVoice Groupにも割り当てられていません。つまり、Instrument Headerで定義されたボイスのプールを他のすべてのGroupと共有します。一部のGroupを128個のVoice Groupのいずれかに割り当て、そのVoice Groupのパラメーターを調整することで、それらのGroupに新しいボイス割り当てのルールを定義できます。たとえば、クローズドとオープンのハイハットのGroupをVoice Group 1に割り当て、このVoice Groupのボイス数を1に設定すれば、先のハイハットの問題を解決できます。Voice Groupには最大ボイス数以外にもパラメーターがあり、それらについては後述します。

128個のVoice Groupは、Group EditorのGroupリストの下にあるストリップで割り当てと編集ができます。左側のドロップダウンメニューからVoice Groupを選択すると、現在選択しているすべてのGroupがそのVoice Groupに割り当てられ、そのパラメーターが右側のフィールドに表示されます。

Groupリストの下にあるパラメーターの列で、Voice Groupの割り当てと調整ができます。

これらのパラメーターを左から右へ順に見ていきましょう。

  • Name:選択したボイスグループの名前を表示します。このフィールドをクリックすると名前を変更できます。
  • Voices:このVoice Group内のGroupが使用できるボイスの最大数を調整します。Sampleがトリガーされたときに最大ボイス数に既に達している場合は、そのままなら鳴り続けるはずのSampleのボイスが「犠牲」にされ、再利用されます。
  • Mode:この設定は、新しくトリガーされたSampleがこのVoice Groupの最大ボイス数を超えてしまう場合に、現在割り当てられているボイスのどれを犠牲にして再利用するかを決めます。
    • Kill Any:どうするかをKontaktに任せます。
    • Kill Oldest:まだ鳴っている最も古いSampleが断ち切られます。
    • Kill Newest:最も新しくトリガーされたSampleが断ち切られます。
    • Kill Highest:最も高いピッチのノートが断ち切られます。
    • Kill Lowest:最も低いピッチのノートが断ち切られます。
  • Pref.Rel:このボタンを有効にしていてVoice Groupのボイスが足りなくなった場合、Kontaktはどのボイスを残すかを決める際に、すでにリリースされたノートの優先度を高くします。
  • FadeTime:犠牲にされたボイスが消えるまでにフェードアウトする長さを調整します。フェードアウトの長さはミリ秒で指定します。これにより、ボイスの総数が一時的に最大値を超えることがあります。
  • Excl.Grp:このドロップダウンメニューでは、現在のVoice Groupを16個のExclusive Groupのいずれかに割り当てられます。2つ以上のVoice Groupを同じExclusive Groupに割り当てると、あるVoice GroupのSampleが、同じExclusive Groupに割り当てられた他のVoice Groupのまだ鳴っているSampleをすべて断ち切ります。先のハイハットの例をもう一度考えると、サンプルを別々のGroupに置いたまま同じExclusive Groupに割り当てるという別の解決策があることに気づくでしょう。この方法には、両方のサンプルのGroupレベルの信号処理を別々に編集できるという利点もあります。

Group Start Options

デフォルトでは、Group内の各Zoneは、その鍵盤範囲とベロシティ範囲に一致するノートを受信すると常に割り当てられたSampleを鳴らします。しかし、Group内のZoneがいつアクティブになるかをもっと細かく制御したい用途もあります。例をいくつか挙げます。

  • アコースティック楽器をサンプリングする場合、各ノートとベロシティ範囲に対して少しずつ異なる複数のSampleを用意し、ノートの連打時にKontaktがそれらをラウンドロビン方式で循環させるようにしたいことがあります。これにより、サンプル音源だとばれてしまう忌まわしい「マシンガン効果」をなくせます。そのためには、各Groupに自分の順番を待たせてから鳴らす方法が必要です。
  • 大規模で現代的なサンプルライブラリの登場により、Instrumentのゾーンで使われていないマスターキーボードのキーを使って、ユーザーが異なるアーティキュレーションを切り替えられるようにするのが一般的になりました。こうしたいわゆるキースイッチには、対応するキースイッチが最後に受信されたときにのみGroupをアクティブにする方法が必要です。
  • MIDIコントローラーの値に応じてGroupを切り替えたいこともあります。たとえば、現代のピアノライブラリの多くは、サスティンペダルを踏んだ状態で弾いたノートと離した状態で弾いたノートに、別々のサンプルセットを使っています。

Group Start Optionsを使うと、該当するGroupがアクティブになって音を出せるようになるまでに満たすべき条件の範囲を定義できます。これらの条件のリストは、デフォルトではGroup Editorのビューから隠されています。Group Editorの左下隅にあるGroup Start Optionsボタンをクリックすると表示できます。

複数のGroup開始条件を「and」演算子で組み合わせた状態。これは、Groupがアクティブになる前に指定したすべての条件が満たされる必要があることを意味します。

このリストの各行の左側にはドロップダウンメニューがあります。

  • 条件をリストに追加するには、このメニューからその大まかな種類を選択します。

メニューの右側には、該当する条件に属するパラメーターが説明のラベルとともに表示され、さらにこのエントリーを次のエントリーと論理的に組み合わせる演算子のドロップダウンメニューも表示されます。

Group Start Optionsのリストには、次の種類の条件があります。

  • Always:これは何もしない値です。リスト内でこれだけが値になっている場合、選択したGroupは常にアクティブになります。行が2つ以上あるリストでは、この値はリストの最終行を示す目印として機能し、また選択するとリストから行を削除するエントリーにもなります。
  • Start on Key:この条件では、キースイッチを定義できます。この条件を持つGroupは、定義した範囲内のトリガーノートを受信するまで無効のままになります。そして、Instrument内の別のGroupのStart on Key条件が成立してアクティブになると再び無効になるため、キーを1回押すだけでGroupを切り替えられます。
  • Start on Controller:Kontaktが特定の範囲内のMIDIコントローラーを受信すると、Groupがアクティブになります。範囲外のコントローラー値を受信すると再び無効になります。
  • Cycle Round Robin:Group Start Optionsにこの条件を持つすべてのGroupが、ノートごとにラウンドロビン方式で循環します。この機能を使うと、ノートの連打にリアルな変化を加えたり、パーカッションの左右のストロークを自動的に交互にしたりできます。
  • Cycle Random:Cycle Round Robinと同様ですが、ノートは順番ではなくランダムに循環します。
  • Slice Trigger:このオプションはKontakt 2のスライスGroupで使われていました。後方互換性のために用意されているもので、意図的に使うべきではありません。

リストに複数の条件を追加し、右側のドロップダウンメニューにある論理演算子でそれらを結び付けることで、非常に複雑な条件の組み合わせを作れます。なお、リストの最後のエントリー(それはalways条件になります)は、リストに他の条件エントリーが少なくとも1つある場合には考慮されません。


Mapping Editor

Sampleは、別の言い方をすれば要はオーディオファイルですが、それらを参照するZoneを作ることでKontaktで演奏可能になります。Zoneは一種の入れ物で、特定のノートを受信したときにどのSampleを鳴らすかをKontaktに伝える情報を保持します。Zoneには、応答すべきノートとベロシティの値の範囲を指定する必要があります。さらに、Zoneにはボリューム、パン、チューニングの調整といった他の値も含められます。

Zoneのパラメーター(およびそれ以外のいくつか)を指定するのに必要な機能はすべて、Mapping Editorに用意されています。

  • Instrument Headerのすぐ下にあるMapping Editorボタンをクリックすると、Mapping Editorビューの表示がオン/オフします。

Mapping Editorに、演奏範囲全体にわたって3層のベロシティスイッチを持つInstrumentのZoneが表示されている状態。

Mapping Editorは3つの部分で構成されています。

  • 上部には2列のボタンとメニューが並ぶコントロールストリップがあり、選択したZoneに作用するさまざまなユーティリティ機能にアクセスできます。
  • ステータスラインには、現在選択しているZoneのパラメーターが表示され、それを変更できます。
  • 最も大きな面積を占めるのはZoneグリッドで、下部に鍵盤を備えた2次元のパネルです。各Zoneのキーレンジ(横軸)とベロシティレンジ(縦軸)を、直感的にグラフィカルに表示し、変更できます。右端と下端のスクロールバーで表示位置を移動でき、「-」と「+」のボタンをクリックすれば縦横にズームできます。キーボードのテンキーにある「-」と「+」キーでも同じことができます。あるいは、Altキーを押しながらグリッド上でクリック&ドラッグすると、特定の領域に素早くズームインできます。これにより「ラバーバンド」の選択枠が開き、マウスボタンを離すと選択した領域がビュー全体を埋めます。ズームアウトするには、Altキーを押しながらグリッドのどこかをクリックするだけです。MIDIキーボードでノートを弾くと、オンスクリーンキーボードの対応するキーの上に小さな赤いマーカーが現れ、ベロシティが高いほどグリッド内で高い位置に表示されます。

Sampleを手動でマッピングする

サイドペインやデスクトップから1つまたは複数のSampleをMapping EditorのZoneグリッドへドラッグすると、Zoneを手動で作成できます。ドラッグ中は、Kontaktが鍵盤上のどこにZone(s)を配置するかがハイライト表示された領域で示されます。マウスボタンを離すとZoneが作成されます。気が変わって新しいZoneを追加したくない場合は、マウスをMapping Editorの外へ動かしてからボタンを離してください。

マウスボタンを押している間、Kontaktは新しいZoneを鍵盤にどのようにマッピングするかのパターンをハイライト表示します。

Kontaktが新しいZone(s)をどう配置するかは、マウスの位置と、1つのSampleをドラッグしているか複数をドラッグしているかによって決まります。

  • 1つのSampleをZoneグリッドへドラッグすると、ベロシティ範囲全体にわたるZoneが作成され、1つまたは複数の隣接するキーに配置されます。マウスをグリッドの一番下まで動かすと、Zoneは1つのキーに割り当てられます。マウスを上へ動かしていくとZoneの鍵盤範囲が徐々に広がり、グリッドの一番上ではキーボード全体にわたります。
  • 複数のSampleをZoneグリッドへドラッグすると、それに応じた数の隣接し重ならないZoneが、横方向のマウス位置のキーから始まって作成されます。単一のSampleをドラッグするときと同様に、縦方向のマウス位置で各Zoneのキーレンジの大きさが調整されます。マウスをグリッドの一番上まで動かすと、すべてのSampleがキーレンジ全体にわたる重なり合うZoneとして重ねられます。
  • 複数のSampleを、グリッドの下にある鍵盤のキーへドラッグすると、それに応じた数のZoneが作成され、そのキー上でベロシティ範囲を等分します。これは、ベロシティスイッチを素早く作る便利な方法です。

なお、サイドペインから複数のサンプルをMapping Editorへドラッグする場合、サイドペインでの並び順が、対応するZoneが配置される順序も決めます。たとえば「Piano-C3-1.wav」から「Piano-C3-8.wav」までのサンプルから8段のベロシティスイッチを作りたい場合は、SampleをMapping Editorへ選択してドラッグする前に、サイドペインのSampleリストが名前の昇順で並んでいることを確認してください。

Sampleに加えて、1つまたは複数のスライスしたループをMapping Editorへドラッグして鍵盤に配置することもできます。この場合、新しく作成されるZoneは現在選択しているGroupには属しません。代わりに、Loopごとに新しいGroupが作成され、そのSource ModuleはBeat Machineモードに設定されます。

Sampleを自動でマッピングする

サイドペインからSampleをZoneグリッドへドラッグしてZoneを手動で配置する方法は、Instrumentに含まれるZoneが多くない場合、またはSampleの名前がサイドペインであらかじめ都合よく並べられるように付けられている場合にはうまくいきます。しかし、バイオリンのセットのサンプルが「Violin-1.wav」から「Violin-14.wav」ではなく、「Violin-G2-A2」から「Violin-A#5-C6」のような名前だったらどうでしょうか。サイドペインでこれらを意味のある順序に並べる方法はありません。

このような場面のために、Mapping EditorにはAuto-Mapping機能が用意されています。これは、Sampleのファイル名のどの部分に有用な情報が含まれていそうかをまず判定するカスタマイズ可能なファイル名スキャナーで構成されており、続いてそれらの部分をどのZoneパラメーターにマッピングするかを指定できます。

Auto-Mapping機能を使うには、まず前述のようにSampleをMapping Editorへドラッグして、それらからZoneを作成する必要があります。その際、あとでSampleのファイル名から導き出せる要素については気にする必要はありません。たとえば、ファイル名にキーレンジが含まれているなら、Zoneをどこか特定の場所に配置する必要はありません。いずれにしてもAuto-Mapping機能が正しい位置へ移動してくれます。

次の手順では、Auto-Mapping機能を作用させたいすべてのZoneをMapping Editorでマークします。複数のZoneを選択するには、[Shift]キーを押しながらそれらをクリックするか、グリッドの背景をクリックしてマウスをドラッグし「ラバーバンド」の選択枠を開きます。処理したいZoneをすべて選択したら、Mapping Editor上部のEditドロップダウンメニューを開き、Auto Map — Setupを選びます。ファイル名のスキャン結果を表示するダイアログウィンドウが現れます。

Auto Mappingダイアログに、4つのトークンに分割されたファイル名が表示されている状態。

このダイアログの上部には、ファイル名の興味深い部分がどこにありそうかを判定するために使われたファイル名が表示されます。こうしたいわゆる「トークン」とは、ファイル名の中に現れ、スペース、ダッシュ、アンダースコアなどの英数字以外の文字で互いに区切られた文字列のことです。その下には同じファイル名が、判定されたトークンに分割されて再び表示され、それぞれの下にドロップダウンメニューが付きます。これらのメニューで、各トークンを無視するのか、何らかのZone情報を導き出すのに使うのかを指定できます。たとえば、Sampleの名前が「Trumpet-f-C1-D#1.wav」のような形で、「f」がダイナミックレイヤーを示し、ノートがキーレンジの下限と上限を表しているとします。この場合、最初のトークン(「Trumpet」)のドロップダウンメニューはIgnore Meのままにしておき、2番目、3番目、4番目のトークン(「f」「C1」「D#1」)のメニューをそれぞれMake Group Name、Make Low Key、Make High Key、Set to Single Keyに設定できます。

「Ignore me」とマークしたトークンは、Zoneの自動調整には使われません。

もちろん、これが当てはまるのは複数のダイナミックレイヤーをGroupに分けたい場合だけで、そうでなければ2番目のメニューもIgnore Meのままにしておけます。

ダイアログ下部のRead root key from sample metadata if possibleオプションを有効にすると、Kontaktは一部のWAVファイルとAIFFファイルに埋め込まれているルートキー情報を、利用できる場合は読み取って使い、ファイル名から取得しようとはしません。設定がファイル名に含まれる情報を正確に反映したら、ダイアログ下部のCloseボタンをクリックします。

次に、Zoneを選択したままの状態で、Mapping Editor上部のEditメニューからAuto map selectedコマンドを選ぶか、キーボードショートカットの[Ctrl] + T(Mac OS Xでは[Cmd] + T)を使います。前の手順でファイル名のトークンを正しく特定できていれば、Kontaktは参照しているSampleのファイル名から得た情報に従って、Zoneを自動的に配置・整列します。

Zoneの管理

SampleのZoneを作成したら、そのパラメーターを必要に応じて調整していきます。各Zoneは次のパラメーターを持ちます。

  • Key Range:Zoneが応答する鍵盤上のノートの範囲です。たとえば「C3–D#3」という鍵盤範囲は、該当するZoneをC3、C#3、D3、D#3のノートを受信したときに鳴らすようKontaktに伝えます。Zoneが1つのキーに割り当てられている場合(半音階サンプリングのInstrumentではそうなります)、鍵盤範囲は「C3–C3」のような形になります。
  • Vel Range:ここでの値は、Zoneが応答するベロシティ値の下限と上限を指定します。ベロシティに関係なくトリガーされるZoneのベロシティ範囲は「0–127」になります。
  • Root Key:サンプルが元々録音されたピッチです。Zoneがこのキーで演奏されるとき、トランスポーズは行われません。なお、ルートキーの値が正しくないと、Zone全体のトランスポーズがずれてしまいます。Kontaktは、ルートキーと実際に受信したノートの差に基づいてZoneをトランスポーズするからです。また、そもそもトランスポーズが起こるためには、該当するGroupのSource ModuleのTrackingパラメーターを有効にしておく必要があります。
  • Volume:このパラメーターでは、Zoneごとにボリュームのオフセットを指定できます。すべてのZoneのデフォルトのボリューム設定は0 dBです。
  • Pan:このパラメーターを使うと、各Zoneをステレオパノラマ内で独立して配置できます。
  • Tune:このパラメーターでは、Zoneのチューニングを+/- 36半音の範囲で変更できます。

なお、最後の3つのパラメーターは主に、ボリューム、パノラマ位置、チューニングがずれているSampleを非破壊的に補正するためのものです。これらは、SourceモジュールとAmplifierモジュールの同名のパラメーターと組み合わせて機能します。これらのパラメーターをZone単位でモジュレーションしたい場合は、Zone EnvelopeのセクションでZoneエンベロープについて読んでください。

ステータスバーでのパラメーターの編集

Zoneのパラメーターを表示・変更するには、まずMapping EditorのZoneグリッドでそれをクリックして選択します。選択したZoneのすべてのパラメーターが、Zoneグリッドの上のステータスバーに表示されます。パラメーターを変更するには、その値をクリックしてマウスを上下にドラッグします。Zoneのボリューム、パン、チューニングのパラメーターを変更する方法はこれだけですが、鍵盤範囲、ベロシティ範囲、ルートキーを調整する方法は他にもいくつかあります。

グラフィカルなパラメーターの編集

Zoneの鍵盤範囲とベロシティ範囲、そしてルートキーは、Mapping EditorのZoneグリッド内でグラフィカルに変更できます。

  • Zone内をクリックしてマウスを横に動かすと、Zone全体が鍵盤上を移動します。[Ctrl](Mac OS Xでは[Cmd])を押しながら左右のカーソルキーを使うと、現在選択しているZone(s)が鍵盤上を移動します。
  • Zoneの左端または右端をクリックし(マウスカーソルが端に来ると形が変わります)、横方向にドラッグしてZoneの横幅を変えると、そのZoneの鍵盤範囲が変わります。[Shift]と[Ctrl](Mac OS Xでは[Cmd])を押しながら左右のカーソルキーを使うと、選択したZoneのキーレンジの上限キーを調整できます。
  • Zoneの上端または下端をクリックして縦方向にドラッグすると、そのZoneのベロシティ範囲が変わります。[Ctrl](Mac OS Xでは[Cmd])を押しながら上下のカーソルキーを使うと、現在選択しているZone(s)のベロシティ範囲がベロシティ2段階分移動します。[Shift]と[Ctrl]を押しながらなら、上限のベロシティが変わります。
  • Zoneグリッドの下の鍵盤にある黄色いキーをクリックして横方向にドラッグすると、Zoneのルートキーが変わります。
  • マウスがZoneの左端または右端にある状態で[Ctrl]を押しながらクリック&ドラッグすると、Zoneのクロスフェードが作成されます。この機能については後述します。
  • Altを押しながらクリック&ドラッグすると「ラバーバンド」のズーム枠が開きます。マウスボタンを離すと、選択枠の中の内容がペイン全体を埋めるようにズームインします。ズームアウトするには、Altを押しながらグリッドのどこかをクリックするだけです。

[Shift]キーを押しながらZoneをクリックすると、複数のZoneを選択できます。また、グリッドの空いている場所をクリックしてマウスをドラッグし、「ラバーバンド」選択を開くこともできます([Shift]を押していれば、Zoneの上を含め任意の場所から選択枠を開けます)。

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複数のZoneが重なっていて、別のZoneの裏に隠れているものに手が届かない場合は、[Ctrl]キー(Mac OS Xでは[Cmd])を押しながらその中を繰り返しクリックしてみてください。これにより、ポインターが指しているすべてのZoneを順に切り替えられます。

[Shift]を押しながらカーソルキーを使うと、隣接するZoneを現在の選択に追加できます。こうすれば、前述の方法でZoneをまとめて移動したり変更したりできます。ただしステータスバーには、複数のZoneが選択されている場合、選択したすべてのZoneで共通している値のみが表示されます。

MIDIでのパラメーターの編集

Zoneの鍵盤範囲とベロシティ範囲を直感的に変更する3つ目の方法は、MIDIキーボードを使うものです。ZoneグリッドでZoneを選択したあと、コントロールストリップにある小さなMIDIジャックと二重矢印が描かれたボタンのいずれか、または両方を有効にします。

MIDIマッピングの有効化

横向き矢印のボタンで鍵盤範囲を、縦向き矢印のボタンでベロシティ範囲を変更できます。

これらが有効な状態で、キーボードで2つのキーを弾きます。同時に弾いても順番に弾いても構いません。2つのボタンのどちらを有効にしているかに応じて、Kontaktは両方のノートのノート番号とベロシティを、Zoneの新しい鍵盤範囲またはベロシティ範囲の端点として使います。

コントロールストリップ

コントロールストリップはMapping Editorの上部にあり、2列のコントロールで構成されています。ここに、Zoneを管理・編集するためのユーティリティ機能のほとんどが揃っています。

Mapping Editorのコントロールストリップには、さまざまなオプションとユーティリティ機能があります。

コントロールストリップの各要素を見ていきましょう。

Editメニュー:このボタンを押すと、現在選択しているすべてのZoneに作用するユーティリティ機能のドロップダウンメニューが開きます。クリップボード操作、ZoneをGroupに割り当てる機能、バッチ処理などです。このメニューのすべてのエントリーについては、この章の次のセクションで詳しく説明します。

List View:このボタンは、Zoneグリッドを別の表示モードに切り替え、すべてのGroupとそこに含まれるZoneを階層的なリスト構造として左側に表示します。

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リストビューでは、[Shift]を押しながら展開/折りたたみボタンをクリックすると、すべてのGroupを一度に展開または折りたためます。

このモードは、広い範囲で重なり合う多数のZoneを扱っているときに特に便利です。通常のフラットなビューでは、他のZoneの裏に隠れたZoneを選択・編集するのが難しくなるからです。リストビューの欠点は、ベロシティ範囲についての情報が何も伝わらないことです。これを変更する唯一の方法は、Zoneを選択したあとステータスバーで数値として編集することです。デフォルトのビューと同様に、リストビューもスクロールバーで表示位置を移動でき、ズームボタンを使うか、Altキーを押しながら「ラバーバンド」のズーム枠をクリック&ドラッグしてズームできます。

Select Zone by MIDI:このボタンを有効にすると、受信したMIDIノートのノート番号とベロシティに一致するZone(s)が自動的に選択されます。この機能は、Group EditorのSelect by MIDI機能と同様に動作します。

Auto-Spread Zone Key Ranges:この機能は、選択した各Zoneのキーレンジを、隣のZoneに「触れる」まで両側へ順に広げていくことで、キーマッピングの「穴」を自動的に埋めます。このアルゴリズムは選択したZoneのルートキーを無視し、単に現在のキーレンジを拡張の起点として使います。ルートキーを考慮させたい場合は、代わりにAuto-Spread Key Ranges via Root Key機能を使ってください。Auto-Spread Zone Key Ranges機能はEditメニューからも利用できます。

Auto-SpreadVelocity Ranges:この機能はAuto-Spread Zone Key Rangesと同様に動作しますが、選択した各Zoneのキーレンジではなくベロシティレンジに作用します。この機能もEditメニューから利用できます。

Auto-Map Selected:Autoボタンをクリックすると、Auto-Mapping機能が、選択した各Zoneのパラメーターと配置を、そのSampleのファイル名から導き出した情報に従って変更します。この機能はEditメニューからも利用できます。Auto-Mapping機能については、この章の前のセクションで詳しく説明しています。

Auto-Spread Key Ranges via Root Key(Root):この機能はAuto-Spread Zone Key Rangesコマンドと同様に動作しますが、ルートキーを考慮し、それらを各Zoneの中央に保とうとすることで、各Zoneで起こりうる最大トランスポーズ量を最小にすることを目指します。この機能はEditメニューからも利用できます。

Resolve Overlapping Key Ranges:この機能は、選択したZone間のキーレンジの重なりを、各Zoneのキーレンジを隣と重ならなくなるまで順に縮めていくことで解消します。ルートキーの最適な利用(したがって、できるだけ少ないトランスポーズ量)を目指します。この機能はEditメニューからも、キーボードショートカットの[Ctrl]-R(Mac OS Xでは[Cmd]-R)からも利用できます。

Resolve Overlapping Velocity Ranges:この機能はResolve Overlapping Key Rangesコマンドと同様に動作しますが、選択したZoneのベロシティレンジに作用します。これもEditメニューから、およびキーボードショートカットの[Shift] + [Ctrl] + [R](Mac OS Xでは[Shift] + [Cmd] + [R])から利用できます。

Set Key Range via MIDI:このボタンを有効にしてZoneを選択していると、Kontaktは次に受信する2つのMIDIノートを、選択したZoneの新しいキーレンジの端点として使います。この機能については前のセクションで説明しています。

Set Velocity Range via MIDI:このボタンを有効にしてZoneを選択していると、Kontaktは次に受信する2つのMIDIノートのベロシティを、選択したZoneの新しいベロシティレンジの端点として使います。この機能については前のセクションで説明しています。

Lock Zones:このボタンを有効にすると、すべてのZoneのキーレンジとベロシティレンジが、Zoneグリッド内でグラフィカルに変更されないよう保護されます。Zoneを頻繁に切り替える必要のある編集作業をしていて、うっかりZoneを動かしたりキーレンジやベロシティレンジを変えたりしたくない場合に便利です。

Zone Solo:このボタンは、現在選択しているZone(s)以外のInstrument内のすべてのZoneをミュートします。有効にすると、ソロ機能は選択に追従するので、特定のZoneの内容を素早く音で確認できます。

Selected Groups Only:このボタンを有効にすると、Mapping Editorは現在選択しているGroupに属するZoneのみを表示します。全体を把握しやすくするため、他のZoneは背景に薄く表示されますが、選択や編集はできません。

Auto Sel Grp:このボタンを有効にすると、Groupの選択がZoneの選択に追従します。言い換えると、Zoneを選択すると、それが属するGroupがGroup Editorで自動的に選択されます。

Sampleフィールド:このテキストフィールドには、現在選択しているZoneに割り当てられているSampleのファイル名が表示されます。このフィールドにマウスポインターを合わせると、KontaktはさらにSampleファイルへのフルパスを表示します。フィールドの右側にある矢印ボタンを使うと、選択したZoneに新しいSampleを割り当てられます。ボタンは、現在のSampleのフォルダー内の前または次のSampleに切り替えます。

Editメニュー

このドロップダウンメニューには、現在選択しているZoneに作用するユーティリティ機能が含まれています。クリップボードのコマンドやZoneを別のGroupに再割り当てする機能に加えて、複数のZoneに作用するように設計された各種のバッチ機能、Authentic Expression Technologyを制御するコマンド(AET Filterのセクションで説明しています)、そしてMapping Editorの表示と編集の挙動に影響するいくつかのオプションも含まれています。Editメニューにあるものを上から下へ見ていきましょう。

  • Cut:選択したZoneをあとで使うためにクリップボードへ移動し、その過程でZoneグリッドから取り除きます。クリップボードを使えば、あるInstrumentから別のInstrumentへ、異なるKontaktインスタンス間でさえ、Zoneを移動できます。
  • Copy:選択したZoneをクリップボードにコピーします。
  • Duplicate:選択したZoneの同一のコピーを作成します。これらのコピーは元のZoneの上に配置され、処理後は選択された状態になるので、すぐに別の場所へ移動できます。この機能のキーボードショートカットは[Ctrl]-D(Mac OS Xでは[Cmd]-D)です。
  • Paste:Zoneクリップボードの内容をMapping Editorに挿入します。Zoneは、カットまたはコピーされた場所と同じ位置に現れます。
  • Delete:選択したZoneをMapping Editorから取り除きます。
  • Delete all zones with missing samples:サンプルが見つからないZoneをMapping Editorから取り除きます。
  • Exchange sample...:選択したZoneに新しいSampleを割り当てるファイル選択ダイアログを開きます。この操作では、キーレンジやベロシティレンジといった他のZoneパラメーターはそのまま保持されます。
  • Reveal sample in Explorer/Finder...:サンプルが置かれているフォルダーを、エクスプローラー(Windows)またはFinder(macOS)で開きます。
  • Select all zones:Instrument内のすべてのZoneを選択します。Selected Groups Onlyボタンが有効になっていても、現在選択しているGroup以外のGroupにあるZoneも含みます。
  • Deselect all zones:有効なZoneの選択があればすべて解除します。
  • Move to new group::このエントリーを選ぶと、現在選択しているZoneを移動するための次のオプションを含むサブメニューが開きます。
    • Empty group:デフォルト設定の新しいGroupを作成し、現在選択しているすべてのZoneをそこへ再割り当てします。現在のGroupからいくつかのZoneを切り離し、それらを使って新しいGroupを一から作りたい場合にこの機能を使ってください。
    • Clone group:最初に選択したZoneが割り当てられているGroupの設定を再現した新しいGroupを作成し、現在選択しているすべてのZoneをそこへ再割り当てします。新しいGroupは元のGroupとまったく同じように振る舞うため、この処理でInstrumentの機能が変わることはありません。ただし、新しいGroupのパラメーターを元のGroupとは別に変更できるようになります。
    • Each zone to its own empty group:この機能はEmpty groupコマンドと同様に動作しますが、1つのGroupを作ってすべての選択Zoneをそこへ移す代わりに、Zoneごとに別々の空のGroupを作成します。
    • Each zone to its own clone group:この機能はClone groupコマンドと同様に動作しますが、Zoneごとに別々のGroupを作成し、それぞれが元のGroupの設定を再現します。
  • Move to existing group:このエントリーを選ぶと、現在のInstrument内のすべてのGroupのリストを含むサブメニューが開きます。そのうち1つを選択すると、現在選択しているすべてのZoneがそのGroupへ移動します。
  • Batch functions:このエントリーを選ぶと、複数のZoneに作用するように設計されたユーティリティ機能のサブメニューが開きます。その内容については、この章の次のセクションで説明します。
  • AET functions:このエントリーを選ぶと、次の機能を含むサブメニューが開きます。
    • Create AET morph layer...:選択したZoneのSampleを解析し、新しいMorph Layerとして保存できるダイアログを開きます。これらのレイヤーは、Kontakt 4で導入されたAuthentic Expression Technologyの基本的な構成要素です。AETの詳しい説明はAET Filterのセクションを参照してください。
    • Open AET morph map editor...:1つまたは複数のMorph LayerをMorph Mapに組み合わせられるダイアログを開きます。
    • Auto-add AET velocity morph:これは、選択したZoneにまたがる標準的なベロシティモーフを構築するのに必要なすべての手順を代行してくれる便利な機能です。この機能の使い方についてはベロシティモーフの作成のセクションを参照してください。
  • Auto-map functions:コントロールストリップにある対応するボタンの機能を再現したいくつかのエントリーが含まれます。これらについては、この章の前のセクションで詳しく説明しています。
    • Auto-map setup...:あとでAuto-Mappingを行うために、Sampleファイル名のトークンを特定できるセットアップダイアログを開きます。Auto-Mapping機能についてはSampleを自動でマッピングするのセクションで詳しく説明しています。
  • Map mode:これら5つの設定は、サイドペインから複数のSampleをZoneグリッドへドラッグしたときのMapping Editorの挙動に影響します。
    • Chromatic:これがデフォルト設定です。Mapping Editorは黒鍵と白鍵の両方にわたって隣接するZoneを作成し、縦方向のマウス位置で各Zoneの大きさが調整されます。
    • White Keys Only:新しいZoneは隣接する単一の白鍵に割り当てられます。
    • Black Keys Only:新しいZoneは隣接する単一の黒鍵に割り当てられます。
    • Snap to White Keys:このモードはChromaticと同様に動作しますが、Mapping Editorは各Zoneの下限キーを白鍵に配置します。
    • Snap to Black Keys:各Zoneの下限キーが黒鍵に配置されます。
  • Move root key with zones:有効にすると、Zoneを移動したときにそのルートキーも一緒に移動します。これにより、Zoneを移動してもそのピッチは変わりません。
  • Display options:このサブメニューには、Mapping Editorで何を表示するか/しないかについてのさまざまなオプションが含まれます。
    • Show sample names:有効にすると、Zoneグリッドで各Zoneを表す矩形の中に、割り当てられたSampleのファイル名が表示されます。なお、Zoneの矩形が小さすぎる場合、名前は隠れます。それでも見たい場合は、名前が現れるまでズームインしてみてください。
    • Show empty user zones:有効にすると、サンプルが割り当てられていないユーザーZoneが表示されます。これは、他のZoneパラメーター(キーレンジやベロシティレンジなど)がデフォルト値のままの場合、それらがMapping Editorの範囲外に表示される可能性があることも意味します。
    • Show zones from unselected groups:有効にすると、Group Editorで選択されていないGroupに属するZoneが表示されます。
    • Show events:このサブメニューのエントリーは、受信したイベント、スクリプトが生成したイベント、スクリプトで無視されたイベントを、Mapping Editorで表示または非表示にします。

Batch functions

これらのツールは、EditメニューのBatch functionsサブメニューにあります。このメニューには、ルートキーを該当するZoneの境界との関係で配置する機能に加えて、Zone間のクロスフェードを作成できるいくつかのユーティリティ操作も含まれており、これには簡単な導入が必要です。

すべてのノートにSampleを用意していない音程のある楽器のSampleセットを作る場合、サンプリングされていないノートは近くのノートのSampleから信号を得る必要があります。これは通常、これらの「ネイティブな」Sampleを上下にトランスポーズすることで行われます。この方法には欠点があります。必要となるリサンプリング処理は、特に広いノート範囲にわたるトランスポーズが必要な場合、楽器の音のキャラクターを「歪める」ことがあります。結果として、音階上の連続する2つのノートが、たまたま2つのZoneの「境界」をまたぎ、したがってどちらも異なるSampleをトランスポーズしたものである場合、音が似ていないように聞こえることがあります。

同じ問題は、ベロシティスイッチのSampleセットでも起こりえます。たとえば、ノートごとに4つのSampleを使い、それぞれを同じ大きさの4つのベロシティ範囲に割り当てているとします。特にアコースティック楽器をサンプリングしている場合、ベロシティ値がごくわずかに違うだけの連続する2つのノートが、別々のベロシティ範囲に入ってしまい、その結果として音色が明らかに違って聞こえることが容易に起こります。

クロスフェードは、こうした影響を抑える方法を提供します。基本的な考え方は、Zoneを重ねてそれらの間にクロスフェードを作り、重なった部分で互いに溶け合わせることで、それらの「間」に落ちるノートの音の違いを目立たなくするというものです。

クロスフェードは色のグラデーションで表されます。

次の例を考えてみましょう。短3度間隔で楽器をサンプリングし、DとFをサンプリングしたところです。それらのSampleから2つのZoneを作り、両側へ長2度分広げます。すると、Zone 1はCからEまでのキーレンジをカバーし、そのルートキーはDになります。Zone 2はルートキーがFで、D#からGまでのキーレンジをカバーします。ここで、これらのZoneはD#とEで重なり、どちらもトランスポーズされることに注目してください。次に、両方のZoneにキーのクロスフェードを作成します。その結果、D#とEのノートは両方のZoneをブレンドしたものを鳴らし、D#のノートではDのZoneのSampleが、EのノートではFのZoneのSampleが優勢になります。もちろん、この方法はもっと広いサンプリング間隔でも同様に機能します。クロスフェードさせたい範囲でZoneが重なるようにしておくだけです。キー(横方向)でもベロシティ(縦方向)でも構いません。

この知識を踏まえて、Batch Toolsサブメニューの内容に話を戻しましょう。

  • Auto-apply key crossfades:キーレンジが少しでも重なっている、選択したすべてのZone間にクロスフェードを作成します。有効なクロスフェードは、Zone間の陰影の付いた領域で示されます。これによってZoneグリッドが混み合って見えるようになったら、ズームインするかList Viewに切り替えてみてください。
💡

[Ctrl]を押しながらZoneの左端または右端をクリック&ドラッグすると、クロスフェードを手動で作成できます。

  • Auto-apply velocity crossfades:ベロシティレンジが少しでも重なっている、選択したすべてのZone間にクロスフェードを作成します。
  • Remove key crossfades:選択したZoneからキーレンジのクロスフェードがあればすべて取り除き、通常の重なり合うZoneに戻します。
  • Remove velocity crossfades:選択したZoneからベロシティレンジのクロスフェードがあればすべて取り除きます。
  • Move root keys to lower border:選択した各Zoneのルートキーを、キーレンジの最も低いノートへ移動します。
  • Move root keys to center:選択した各Zoneのルートキーを、そのZoneのキーレンジの中央へ移動します。
  • Move root keys to upper border:選択した各Zoneのルートキーを、キーレンジの最も高いノートへ移動します。

Wave Editor

KontaktのWave Editorでソースとなるサンプルを加工する方法を説明します。

本マニュアルのこれまでの章では、ハードディスク上のSampleファイルをKontaktで演奏可能なInstrumentに変える方法を説明してきました。既成のSampleからZone、Group、Instrumentを組み上げるだけでも十分ですが、クリエイティブなサウンドデザインに本格的に踏み込みたいなら、オーディオ素材の波形を直接扱えるツールがいずれ必要になります。すでにお察しのとおり、そのツールがWave Editorです。Wave Editorで何ができるのかを見ていきましょう。

  • Sampleの表示と試聴:当たり前のように聞こえますが、鍵盤ですぐに鳴らす前にSampleを「素の」状態で聴いてみることが役に立つ場面もあります。また、DCバイアス、Sampleの開始位置のずれ、Sample末尾の過剰に長い無音など、聴くだけでは見つけにくい問題もあります。こうした問題は、波形をグラフィックで表示させれば簡単に気づけます。
  • ループの作成と編集:デジタルサンプリングが実用的になって以来、サウンドクリエイターは、演奏できる音の最大長を実際のサンプル長から切り離す手段としてループを使ってきました。10 GBを超えるサンプリングライブラリーが当たり前になった時代には、これがSampleをループさせる主な理由ではなくなっているかもしれません。しかしKontaktのループ機能は従来の概念をはるかに超えており、クリエイティブなサウンドデザインの用途を幅広く切り開きます。
  • ZoneのSlice化:スライシングは、ドラムやパーカッションのループ、あるいは音楽的なフレーズをリズムの「原子」に分解し、それを外部から、あるいは内部シーケンサーでトリガーできるようにする手法です。これにより、従来のタイムストレッチアルゴリズムに付きものの音質的なアーティファクトなしに、ドラムループやフレーズのテンポを変えられます。さらに、ループを組み替えてまったく新しいパターンを構成したり、その要素を個別に処理したりもできます。ZoneをSlice化するとKontaktはそのリズム構造の情報を得るため、ほとんどの選択操作と処理操作をSliceマーカーにスナップさせて、リズムパターンに揃えることもできます。
  • Zone Envelopeの作成と編集:エンベロープジェネレーターをGroupレベルでのパラメーターモジュレーションのソースとして使えるのと同じように、Kontaktは個々のZone上で動作するエンベロープも用意しています。Zone Envelopeの最も際立った点は、柔軟性が増すことに加えて、Sampleの波形の上で直接編集できることです。これにより、オーディオ素材と完全に同期した精密なオートメーションカーブを作れます。
  • 破壊的なSample編集の実行:Kontaktには、ハードディスク上のSampleを恒久的に書き換える操作も一通り用意されています。開始位置と終了位置のきれいな編集、ノーマライズ、フェード、DCバイアスの除去など、Kontakt内でSampleを扱いやすくするための下準備に便利です。
  • Wave Editorを開くには、上部のInstrument Headerのすぐ下にあるWave Editorボタンをクリックします。

Wave Editorは常に現在選択されているZoneの内容を表示するため、通常はMapping Editorも一緒に開いておきたくなるはずです。こうしておけば、Mapping EditorでZoneを選ぶだけで、Instrument内のSampleを手軽に切り替えられます。

Mapping EditorでZoneをダブルクリックすると、そのZoneでWave Editorがすぐに開きます。

Wave Editorのパネル。下半分ではSample Loopタブが選ばれており、ここでLoop領域を作成・編集できます。

Wave Editorのインターフェースパネルは5つのセクションに分かれています。

  • 最上部の横一列のツールバーには、共通のユーティリティ機能と再生コントロールがあります。
  • その下のステータスバーには、Zoneの開始位置や終了位置など、現在のZoneのさまざまな状態が数値で表示されます。この数値表示によって、サンプル単位の精度で編集できます。
  • 最も広い面積を占めるのが波形ビューで、Sampleの波形が表示され、位置に関わる各種パラメーターをグラフィカルに編集できます。波形ビューの上部には、現在表示している時間範囲と表示のスケールを知らせるタイムラインがあります。このセクションに波形が見えない場合は、まずMapping EditorでZoneを選択してください。
  • エディターの下部にある4つのタブから、Wave Editorで行える各種の作業に対応した機能群にアクセスできます。ループの作成と編集、Slice化したZoneの楽曲テンポへの同期、Zone Envelopeの作成と編集、Sampleの破壊的編集です。
  • タブのセクションの隣にあるGridパネルでは、Zone全体にわたってリズム的に意味のある位置にマーカーを複数定義できます。本書ではこの処理を「スライシング」と呼びます。ドラムループやフレーズをSlice化すると、その速度やパターンを変える手段が広がり、ほとんどの編集操作を素材のリズム的な値に揃えられるようになります。

Wave Editorが備えるより高度な機能に入る前に、まずは基本を押さえておきましょう。上から順にユーティリティのセクションを詳しく見ていきます。

ツールバー

Wave Editorペインの最上段のボタン列には、Sampleのどの部分を表示するかを変えるさまざまなナビゲーション機能、再生コントロール一式、そして選択オプションやユーティリティコマンドを含むメニューがあります。

Wave Editorのツールバー

左から右へ、各要素の機能は次のとおりです。

  • Size(外部ウィンドウでのみ表示):Rack上部のWave Editorボタンの隣にある矢印をクリックしてWave Editorを外部ウィンドウで開いている場合、このドロップダウンメニューで3種類の定義済みウィンドウサイズから選べます。
  • Magnify Tool:これはトグルボタンです。有効にすると、波形ビュー内でマウスをクリックしてドラッグするとズームフレームが開き、ボタンを離した時点で選択フレーム内の領域がビュー全体を埋めるように横方向にズームインされます。波形ビュー内のどこかをクリックすれば再びズームアウトします。波形ビュー内でAltキーを押しながら同じマウス操作を行っても、まったく同じ動作になります。
  • Jump to Zone Start:このボタンをクリックすると、波形ビューがZoneの開始マーカー(実際のSampleデータの先頭と一致する場合もしない場合もあります)へジャンプします。
  • Jump to Loop Start:このボタンをクリックすると、波形ビューが現在選択されているLoop領域の開始点を中心に表示されます。
  • Zoom on Loop:現在選択されているLoop領域がビュー全体を埋めるように波形ビューをズームします。
  • Jump to Loop End:このボタンは、現在選択されているLoop領域の終了点を波形ビューの中央に表示します。
  • Jump to Zone End:このボタンをクリックすると、波形ビューがZoneの終了マーカーへジャンプします。
  • Snap:このドロップダウンメニューには3つのトグルオプションがあり、Loop領域の開始位置と終了位置を波形の特定の特徴に合わせてKontaktが自動的に調整(「スナップ」)するかどうかを決めます。これは、聴き取れないループを見つけたりクリックノイズを避けたりするのに役立ちます。ループのスナップモードはInstrument全体に適用されます。Snap loop to zero crossingは、Loopの開始点と終了点を、波形がゼロラインを横切り、かつもう一方の点と方向が一致する位置にスナップさせます。Snap loop to value crossingは、開始点と終了点を、波形の値と方向がもう一方の点の値と一致する最も近い位置にスナップさせます。これらのオプションはどちらか一方だけを選ぶか、どちらも選ばないかのいずれかです。現在有効なものは、その横に小さなチェックマークのアイコンで示されます。スナップオプションを選んでも、Kontaktがすぐにループを書き換えるわけではないことに注意してください。選んだ特徴にスナップさせるには、Loopの開始点と終了点の両方を自分で動かす必要があります。その手順はSample Loopタブの節で説明します。最後に、Snap sample start/end to zero crossingを選ぶこともできます。これはループのオプションと併用できます。
  • Commandメニュー(歯車のアイコン):このドロップダウンメニューには、ループをさまざまな方法で自動調整するユーティリティ機能が入っています。利用できる操作については後述します。
  • Stop:このボタンはSampleの再生を停止します。
  • Loop:このトグルボタンを有効にすると、隣のPlayボタンで現在選択されているループを繰り返し再生します。再生されるのはループの開始点と終了点の間の区間だけで、ループより前のZoneの冒頭部分は再生されないことに注意してください。そのため、ノートでZoneをトリガーしたときに聴こえる結果とは異なります。
  • Play:このボタンをクリックすると、Zoneを1回再生するか(隣のLoopボタンが無効の場合)、現在選択されているLoop領域を再生します(Loopボタンが有効の場合)。
  • Auto Pre-Listen:このボタンを有効にすると、領域を選択したり変更したりした時点でKontaktがその領域を再生します。どのタブを選んでいるかによって、Loop領域、Slice、編集の選択範囲のいずれかに対して働きます。
  • Ext. Editor:このボタンをクリックすると、現在のSampleがお好みの外部サンプルエディターで開きます。あらかじめOptionsダイアログのHandlingタブでExternal Wave Editorオプションを設定しておく必要があります。外部エディターが動作している間、Kontaktはフリーズして入力を一切受け付けません。外部エディターを終了すると、Kontaktはハードディスク上のSampleに変更がないか調べ、必要であれば読み込み直します。
Commandメニュー

このドロップダウンメニューは、ツールバーの歯車アイコンのメニューをクリックすると現れます。ここには、現在のZoneのループ、あるいは現在選択されているすべてのZoneのループに対して働く各種機能が入っています。一部のオプションは、Sample Loopタブで有効なループを選択しているときにのみ表示されることに注意してください。

Commandメニュー

利用できるコマンドは次のとおりです。

  • Find loop end(short)(Loop領域を選択しているときにのみ表示):選択したLoop領域に対して、うまく機能する終了点を自動的に探します。ただし現在の終了点の近辺しか探さないため、ループの長さはほぼそのまま保たれます。
  • Find loop end(long)(ループを選択しているときにのみ表示):選択したLoop領域に最適な終了点を判定しようとします。前の項目とは違って、検出アルゴリズムがより離れた位置を新しい終了点の最適候補と判断した場合、ループの長さが大幅に伸びることもあります。
  • Restore loops from sample:WAVやAIFFなど一部のオーディオファイル形式は、1つ以上のLoop領域を指定するメタデータを持てます。この機能を選ぶと、KontaktはSampleファイル内でこのデータを探し、見つかればそれを使ってループを作成します。
  • Reveal sample in Finder/Explorer...:サンプルが置かれているフォルダーを、エクスプローラー(Windows)またはFinder(macOS)で開きます。
  • 以下の機能はTo All Selected Zonesサブメニューの下にあります。名前が示すとおり、これらの機能は現在表示されているZoneだけでなく、Mapping Editorで現在選択されているすべてのZoneに対して働きます。
  • Restore loops from samples:選択されているすべてのZoneのSampleからループデータを取得して使おうとします。この機能は上で説明した同名の機能と同じように動作しますが、複数のZoneに対して働きます。
  • Copy current zone’s loop settings:現在表示されているSampleのループ設定を、選択されているすべてのZoneにコピーします。
  • Copy current sample start settings:現在表示されているサンプルのサンプル開始オフセットを、選択されているすべてのZoneにコピーします。
  • Copy current start mod settings:現在表示されているサンプルのサンプル開始モジュレーション量を、選択されているすべてのZoneにコピーします。
  • Copy current sample end settings:現在表示されているサンプルのサンプル終了オフセットを、選択されているすべてのZoneにコピーします。
  • Adjust Loop Starts +/- 1:選択されているすべてのZoneのLoop領域の開始点を、サンプル値1つ分だけ前後にずらします。この機能は、正しく読み込まれなかったループを修正するためのものです。エディターやサンプラーによってはループポイントの保存にKontaktとは異なるオフセットを使うため、読み込んだときにループが1サンプル値以上ずれることがあります。
  • Adjust Loop Ends +/- 1:この機能は前の機能と同じように働きますが、ループの終了点に対して作用します。
  • DC Removal:この機能は、選択されているすべてのZoneのSampleからDCバイアスを検出して除去します。DCバイアスは、サンプル値とゼロラインの間の一定のオフセットとして現れます。それ自体は聴こえませんが、ヘッドルームを狭め、ミックスダウン時に問題を引き起こすことがあります。サンプルエディターの一部の信号処理機能やリサンプリング機能の副作用として生じることもあるため、さらに編集を進める前にSampleに対して一度この機能を実行しておくのが一般的におすすめです。ただしこれは破壊的な機能であり、ハードディスク上のSampleデータを書き換えることに注意してください。

ステータスバー

ステータスバーはツールバーの下にあり、現在のZoneにアサインされているSampleのファイル名と、いくつかの数値が表示されます。

Wave Editorのステータスバーには、Sampleの各種詳細と、現在選択されているLoop領域の情報が表示されます。

ステータスバーは、波形ビューで行うさまざまな編集操作の正確な位置モニターとして働きます。編集できる値は、クリックしてマウスを上下に動かすか、ダブルクリックして新しい値を入力することで調整できます。ステータスバーは次の要素で構成されます。

  • Sample:現在選択されているZoneにアサインされているSampleのファイル名(拡張子なし)です。名前の上にマウスを重ねると、そのファイルのフルパスが表示されます。フィールド右側の左右の矢印ボタンを使うと、現在のファイルと同じフォルダー内の前後のSampleファイルに切り替えられます。この操作は現在選択されているZoneに新しいSampleをアサインするので、このフィールドはMapping Editorの同名のフィールドと同じ働きをします。
  • S. Start(Sample Start):Zoneの開始マーカーの位置で、サンプル値で表示されます。開始マーカーを動かすと、該当するZoneがトリガーされたときにSampleが再生され始める位置が変わります。波形ビューの緑色の縦線をドラッグするか、上で説明した方法でこの値を調整することで変更できます。
  • S. Mod(Sample Start Modulation Range):この値は、Zoneの開始位置を前後にモジュレートできる最大量を示します。たとえばこの範囲が開始位置の両側2秒をカバーしていれば、モジュレーションのアサインは開始位置を最大2秒動かせます。モジュレーション範囲は波形ビューに緑色の線でグラフィカルに示され、Zoneの開始マーカーの上部から両側へ、モジュレーションで到達できる最も早い開始位置と最も遅い開始位置まで水平に伸びます。この値はクリックしてマウスを上下にドラッグすることで変更できます。
  • S. End(Sample End):Zoneの終了マーカーの位置です。すべての再生はこの位置で停止し、マーカーより先の素材は無視されます。波形ビューの赤い縦線をドラッグするか、上で説明した方法でこの値を調整することで変更できます。
  • Format:Sampleが録音されたサンプリングレートとビット深度を示す表示です。調整はできません。
  • Len(Length):Sampleの全体の長さです。この値は調整できません。

波形ビュー

Wave Editorの中心的な要素は、パネル中央の波形ビューです。ここにはSampleの視覚的な表現がナビゲート可能な形で表示され、多くの編集機能を直接的かつ直感的な形でグラフィカルに実行できます。

波形ビュー

Wave Editorを開いても波形が見えない場合は、まずMapping EditorでZoneを選択する必要があることを思い出してください。Wave Editorを使うときはMapping Editorも開いておくとよいでしょう。この配置なら、Instrument内のZoneをすばやく切り替えられます。Zoneを選択すると、波形ビューにアサインされたSampleの波形が表示され、各オーディオチャンネルはそれぞれ別のゼロライン上に描かれます。ビュー上部のタイムラインは、現在Sampleのどの部分が表示されているかを示し、ループ、Slice、選択範囲の長さを目で見て把握できるようにします。波形に加えて、波形ビューにはさまざまな項目が可変個数で表示されます。Loop領域、エンベロープ、Sliceマーカーなど、これらの一部は本章の後半で詳しく説明する機能に関わるものです。

  • Zoneの開始位置は、下端が旗の形になった緑色の縦線で示されます。Zoneの開始位置がモジュレートされていない限り、現在のZoneの再生は常にこのマーカーから始まり、マーカーより左側のSample部分は破棄されます。Zoneマーカーの位置を変えるには、下端の緑色の旗をクリックして横方向にドラッグするか、前の節で説明したようにステータスバーのS. Startの値を調整します。
  • Zoneの終了位置は赤い縦線で示されます。これはSample内で再生がすべて停止する位置を表します。それ以外は開始マーカーと同じように扱えます。
  • Zoneの開始位置を前後にモジュレートできる範囲は、Zoneの開始マーカーの上にある緑色の水平線で示されます。この範囲は、ステータスバーの数値をクリックしてマウスを上下にドラッグすることで調整できます。
  • エディター下部のSample Loopタブを選んでいるとき、Loop領域がハイライトされ、現在選択されている領域はより明るい色と、その下端の小さなステータス表示で示されます。ループのクロスフェードは、ループ区間の先頭で斜めの線として表示されます。他のタブを選んでいるときは、Loop領域の境界が縦線で示され、その間に水平の破線が引かれます。
  • Gridが有効なときは、Sliceマーカーが波形を横切る縦線として現れます。Gridのオフセットを調整できる最初のマーカーには、上部に小さな「1」が付きます。
  • GridがAutoモードになっていて、SliceマーカーをSample内のピークに合わせている場合、どのレベルを超えたピークがSliceマーカーを作るかというしきい値が、ビューを横切る水平線でグラフィカルに示されます。
  • Zone Envelopeタブを選んでいるときは、現在選択されているZone Envelopeが波形の上にカーブとして表示されます。Zone Envelopeにループ領域が含まれる場合は、そこがハイライトされます。縦線は、Paste機能を使ったときにクリップボードの内容が挿入される位置を示します。
  • Sample Editorタブに切り替えると、縦線がPaste機能を使ったときにクリップボードの内容が挿入される位置を示します。
  • Sync / Slice、Zone Envelopes、Sample Editorの各タブでは、編集のためにSampleの連続した領域を選択できます。選択した領域はハイライトされます。

他のエディターと同様に、現在表示されている内容の範囲は、水平および垂直のスクロールバーをクリックしてドラッグすることで動かせます。水平スクロールバーはSampleの別の時間位置へ移動するためのものです。垂直スクロールバーは各チャンネルの波形をビュー領域内で上下にずらします。垂直方向にズームインしているとき、このスクロールバーを使えばレベル範囲のさまざまな部分の信号を見られます。

波形をズームイン/ズームアウトする方法はいくつかあります。まず、横方向のズームと縦方向のズームには重要な違いがあります。横方向のズームは他のエディターと同じ働きです。ズームインすると内容の一部(この場合は特定の時間範囲)が拡大されてビューを埋め、より細かいレベルまで表示されます。ズームアウトすればより多くの内容がビューに収まります。一方、波形ビューでの縦方向のズームは、各チャンネルのゼロラインを常にその位置に保ったまま、各波形の振幅だけを拡大します。これにより、通常のズームレベルでは気づけないほど小さなレベル変化まで見えるようになります。縦方向にズームインすれば、低いズームレベルでは一見ただの無音に見える領域でも、リリースの残響のような小さな音の細部を見分けられます。

スクロールバーの隣にある「+」ボタンと「-」ボタンをクリックすれば、横方向・縦方向に1段階ずつズームイン/ズームアウトできます。この方法で縦方向にズームすると、各チャンネルのゼロラインはそれぞれのビュー領域内で再び中央に配置されます。より便利な場合が多い別の方法は、Altキーを押しながらビュー内でマウスをクリックしてドラッグすることです。これで「ラバーバンド」の選択フレームが開きます。マウスを離すと、選択した領域がビュー全体を埋めるようにズームインされます。再びズームアウトするには、ビュー内のどこかをクリックするだけです。この方法なら、Sampleの特定の領域の詳細表示をすばやく直感的に得られます。ツールバーの虫めがねのアイコンが付いたボタンを有効にすると、Altキーを押しているのと同じ効果になります。

Gridパネル

Gridの設定はWave Editorのほとんどの操作に影響するため、機能タブの説明に入る前にこの機能を解説します。Gridに関わる設定はすべて、Wave Editorの右下隅のパネルにあります。Gridが無効なときは、このパネルは暗く表示されます。

Gridパネル

ひと言でいえば、リズム素材や音楽的なフレーズを含むSampleを扱うとき、GridはSample内で発生する一つひとつのヒットやノートにマーカーを置き、Sampleを音楽的に意味のある複数の領域に分割してくれます。ここから先、これらの領域を「Slice」と呼びます。このように素材を下準備しておくこと(「スライシング」)には多くの利点があります。

  • Loop領域をSliceマーカーに揃えることで、テンポが完璧に保たれたきれいなSampleループをすぐに作れます。
  • Sync / Sliceタブの機能を使えば、ドラムループやフレーズをさまざまな方法で楽曲のテンポに合わせられます。
  • Sync / Sliceタブのマッピング機能を使うと、Sliceを個別のZoneに変換できます。これにより各Sliceを別々にトリガーできるようになるので、どんなドラムループからでも演奏可能な「ドラムキット」をすぐに作り、その要素からまったく新しいパターンを組み立てられます。
  • Zone Envelopeを扱うときは、そのブレークポイントをSliceマーカーにスナップさせられます。これにより、リズミカルなモジュレーションカーブを簡単に作れます。
  • Sample Editorタブを選んでいるときは、破壊的な操作のための領域選択もSliceマーカーにスナップします。これにより、Sliceを単独で削除・入れ替え・逆再生するといった操作を非常にすばやく行えます。

リズム素材に対しては、それ以上の編集を行う前にまずGridパネルを有効にして調整しておくのが、ほとんどの場合よい判断です。Gridを有効にするには、Gridパネルの左上隅にある「パワー」ボタンをクリックします。パネルが点灯し、波形ビューを横切る縦のマーカーがいくつか現れます。見えない場合は横方向にズームアウトしてみてください。これらのマーカーはそれぞれSliceの開始位置(および直前のSliceの終了位置)を示します。マーカーは上部の小さな矢印をクリックして横方向にドラッグすればいつでも動かせますが、多くの場合その必要はありません。というのも、Gridにはマーカーの正しい配置を代わりに行ってくれる2つのモード、FixとAutoがあるからです。これらのモードは、Gridパネルのタブを選ぶことで切り替えられます。

Fixモード

Fixモードは、タイミングが非常に正確な素材のスライシングを想定しています。ラフに演奏されたアコースティックドラムにはあまり向いていません。また、Fixモードを使うつもりなら、ドラムループやフレーズがきれいに編集されていて、最初の拍がSampleの先頭にぴったり来ており、最後の拍の後に無音がないと好都合です。ただしこれは必須条件ではありません。Zone上で初めてGridを有効にしたときは、デフォルトでFixモードになっています。現在Autoモードの場合は、GridパネルのFixタブをクリックすればFixモードに切り替えられます。

FixモードのGridパネル

Fixモードの考え方は、Sampleを等しい長さのSliceに分割することです。その長さは、ループのテンポ、拍子、そして選択できる音価によって決まります。

適切にスライシングするには、まずKontaktがSampleの本来のテンポを知る必要があります。Kontaktは、Sampleの全体の長さを見て、4/4拍子で演奏された小節数がちょうど整数であると仮定してテンポを推測します。その結果のテンポは、Gridパネルの下部にBPMで表示されます。この推測がうまくいくのは、Zoneがきれいに編集されていて、最初のヒットやノートがちょうど先頭にあり、最後のヒットの後に余分な空白がない場合だけであることに注意してください。それを確認しても表示されるテンポの値が正しくない場合、理由は2つ考えられます。

1つは、ドラムループやフレーズが4/4以外の拍子である可能性です。これは簡単に修正できます。テンポ表示の隣にTime Signatureの値があります。その分子か分母をクリックしてマウスを上下にドラッグすれば、別の拍子を指定できます。

Time Signatureの値がループの拍子と一致しているのにテンポがまだ正しくない場合は、KontaktがSample内の小節数を誤って推定しています。これはSync / Sliceタブに切り替えてZone Lengthフィールドの値を確認すれば検証できます。たとえばZoneがテンポ50 BPMの1小節で構成されている場合、Kontaktはこれを100 BPMの2小節と誤解することがあります。このような場合、検出されたテンポは常に実際のテンポの整数倍か、その逆になります。テンポの値の隣にある「-」ボタンと「+」ボタンでテンポの値を半分にしたり倍にしたりして、正しいテンポが表示されるまで調整すれば修正できます。これによりSync / SliceタブのZone Lengthフィールドに示される長さも変わることに注意してください。テンポと(音楽的な)長さの値は互いに切り離せない関係にあります。

もちろん、Sampleのテンポがすでに分かっているなら、これらをすべて省略して、テンポの値をダブルクリックして正しいテンポを直接入力すればよいでしょう。あるいは、タイムラインをクリックしてマウスを横方向にドラッグすると、SampleのテンポにGridが一致するまでGridが伸縮します。Sampleの先頭がきれいに編集されていれば、テンポを直接調整するだけでGridがすぐ完璧に整います。先頭に無音がある場合、Sliceマーカーはすべて実際のヒットより少し手前に着地します。これは、上部に「1」と表示された最初のSliceマーカーを動かすことで補正できます。このマーカーを動かすと後続のすべてのSliceマーカーが一緒に動くので、Gridに時間オフセットを加えられます。

Sampleのテンポが正しい値に設定され、時間オフセットも補正できたら、波形ビューのSliceマーカーがSampleを16分音符単位に分割していることに気づくはずです。これは、Gridが1/16音符の長さをSliceのデフォルトの幅として使っているためです。この値は、Fixタブの中央にあるWidthというコントロールで変更できます。表示されている音価の分子と分母は、クリックしてマウスを上下にドラッグすることで変えられます。また、音価の隣にある-/+ボタンをクリックすると分母が半分または倍になり、Sliceのサイズが大きくなったり小さくなったりします。

💡

Sliceの幅は、後で行うテンポ適応の有用性と品質に直接影響します。これはBeat Machineを使う場合でも、外部からZoneをトリガーする場合でも同じです。たとえばループに一定の16分ハイハットのグルーヴが含まれているのに8分音符でSlice化してしまうと、各Sliceに2つのハイハットのヒットが入り、その間隔は一定のままになります。これはテンポを上げるとシャッフル効果を生みます。この裏技が役に立つ場面もありますが、通常はドラムループに登場する最も小さいリズムの分割をSliceの幅にするのがよい判断です。ストレートなヘヴィロックのビートなら1/8、より繊細なファンクのグルーヴなら1/16、3連のシャッフルなら1/12、といった具合です。

必要な調整をすべて終え、Sliceマーカーがビートにきちんとそろっていることを確認したら、休符やGridから外れたゴーストノートに対応するためにSliceマーカーを削除・追加したり、一部のSliceマーカーの位置を手動で修正したくなるかもしれません。これらの操作は次の節の後で説明します。

Autoモード

GridのFixモードは、テンポとアーティキュレーションが一定のパターンに従う、正確で予測しやすいビートやフレーズ、おそらくは電子音楽由来の素材に向いています。不規則なビートや、完璧とは言えないタイミングのドラマーが生演奏したループにはあまり実用的ではありません。そのような場合、Fixモードで置かれたSliceマーカーの多くは本来意図したヒットより少し手前か後ろに着地してしまい、修正するには入念な手作業が必要になります。そうした素材にはAutoモードのほうが適しています。このモードに切り替えるには、Gridパネル上部のAutoタブをクリックします。

AutoモードのGridパネル

AutoモードではKontaktがSampleの波形からトランジェントを検出し、その位置にSliceマーカーを作ります。たとえば典型的なロックのグルーヴでは、バスドラムとスネアのヒットが波形上のレベルピークとしてはっきり見えます。その間のハイハットのヒットは、より小さなピークとして見えます。これらのピークのアタック部分をSliceの位置として使うことで、Kontaktはこれらの要素を自動的にSliceに分割できます。あとは、どのレベルを超えたトランジェントをスライシングの対象とみなすかをKontaktに伝えるだけです。このレベルしきい値がAutoモードの最も重要なパラメーターです。

GridをAutoモードに切り替えると、波形ビューの上端と下端に2本の点線の水平線が現れます。Autoタブの水平スライダーを動かすとこれらの線の位置が変わり、ピーク検出のしきい値をグラフィカルに示します。波形内でこれらの線を超えたピークの位置に、それぞれSliceマーカーが置かれます。例として先に挙げたストレートなロックのグルーヴを考えてみましょう。強いバスドラムとスネアのヒットだけがしきい値を超えるように調整すると、おそらく1/4音符や1/8音符の長さの大きなSliceができます。しきい値を少しずつ下げていくと、ハイハットのヒットやゴーストノートまでが個別にマーキングされるまで、Sliceが徐々に増えていきます。

この機能を頻繁に使っていると、どのしきい値の設定もぴったり合わないドラムループにいずれ出会うでしょう。高い設定では含めたいヒットが無視され、低い設定ではGridに不要な細片が加わりすぎるという状況です。この問題への対処法は2つあります。しきい値を低くすると(スネアのフラムなどで)ごく短いSliceが多数追加されてしまう場合は、しきい値フェーダーの下にあるMin Slice Durationというパラメーターを大きくしてみてください。これにより、指定した長さより短くなるSliceはすべて無視されます。それでうまくいかない場合は、含めたいヒットの大部分をカバーする妥協点となるしきい値を見つけ、そのうえで必要に応じてSliceを手動で追加・削除してください。この手順は次の節で説明します。

GridをAutoモードで使っていても、自動同期の機能を使いたい場合はKontaktがSampleのテンポを知る必要があることに注意してください。そのため、AutoモードでもGridパネルの下部にテンポのコントロールが表示されており、前の節で説明したように手動で調整する必要があるかもしれません。ただしFixモードとは違って、これがSliceマーカーの位置に影響することはありません。テンポが重要になるのは、Beat MachineやTime Machineを使ってSampleを新しいテンポに合わせる場合だけです。

Sliceを手動で編集する

Kontaktが生成したものを含め、どのSliceも手動で変更したり削除したりできますし、Sampleに新しいSliceマーカーを追加することもできます。これにより、自動生成されたSliceを微調整したり、自動処理に向かない素材を手動でSlice化したりできます。

既存のSliceを動かしたり新しいSliceを追加したりすると、そのSliceは自動的にロックされることに注意してください。FixモードやAutoモードで作成されたSliceマーカーは、テンポを調整したりGridのモードを切り替えたりすると位置が変わったり消えたりしますが、ロックされたマーカーは、位置を変えたり手動で削除したりするまでSample内の絶対位置に留まり続けます。ロックされたマーカーは、波形ビューでグレーの縦線として表示されます。

スライシングの作業には、いくつかのやり方があります。

  • 既存のSliceを動かすには、波形ビューでそのマーカーの上部にある小さな三角形をクリックし、横方向にドラッグします。より高い精度で変えたい場合は、波形をズームインしてみてください。上部に小さな「1」の旗が付いたSample内の最初のSliceマーカーは特別です。これを動かすと、後続のすべてのマーカーが同じ量だけ一緒に動きます。これにより、Sample先頭の無音を補正できます。
  • SampleからSliceを削除するには、Gridパネル右側の「-」ボタンを有効にしてから、Sampleから削除したいSliceマーカーの上部の小さな三角形のアイコンをクリックします。誤って削除しないように、終わったら「-」ボタンを無効にしておくことを忘れないでください。あるいは、マーカー上部の三角形を右クリックしてもSliceマーカーを削除できます。
  • Sampleに新しいマーカーを追加するには、Gridパネル右側の「+」ボタンを有効にしてから、波形ビューで新しいマーカーを置きたい位置をクリックします。終わったら「+」ボタンを再び無効にすることを忘れないでください。あるいは、タイムラインの下の細い帯の任意の位置を右クリックすれば、その位置にマーカーを作成できます。
  • 最後に、Sliceマーカーの「ロック」状態を手動で切り替えたい場合は、Gridパネル右側の鍵のアイコンを有効にしてから、ロックまたはロック解除したいマーカー(複数可)の上部の小さな三角形をクリックします。すべてのSliceを一度にロックするには、鍵のアイコンをAltキーを押しながらクリックします。ロックされていないSliceマーカーは、テンポを調整したりGridのモードを切り替えたりすると変わってしまうことを覚えておいてください。

Sample Loopタブ

Wave Editorの機能は、そのパネル下部の4つのタブに分かれています。選んだタブによって、Wave Editorの動作と波形ビューに表示される詳細がある程度変わります。たとえばSample Loopタブに切り替えると、KontaktはSample内のすべてのLoop領域をハイライトします。Zone Envelopesタブに変えると、Loop領域は縦のアンバー色の線でそれとなく示されるだけになり、選択されているZone Envelopeが波形の上にオレンジ色のカーブとして現れます。この節ではSample Loopタブを見ていきます。

まずは言葉の整理から始めましょう。サンプリングの文脈では、「ループ」という用語は関連はあるものの明確に区別しておくべき2つの概念に使われます。

  • 技術的には、ループとはSampleの連続した領域で、繰り返し再生されるもののことです。従来の前方向ループでは、再生位置がその領域の終わりに達するたびに領域の先頭へ戻ります。Kontaktでは、ループを前方向と後方向で交互に再生したり、指定した回数だけ再生してから通常どおり再生を続けたりできます。この節でループというときは、この技術的な概念を指しています。
  • より口語的な使い方は、(単音ではなく)音楽的なフレーズを含むSampleを指すものです。こうしたSampleはあらかじめ制作されたドラムやパーカッションのフレーズ(「ドラムループ」)であることが多く、リズムパートの構成要素として便利です。名前が示すとおり、これらのSampleは必要な小節数を埋めるために繰り返し再生されることを前提としています。これは上で説明したようにサンプラー内でループさせればできますが、必須ではありません。多くの人は代わりにシーケンサー内で各拍頭にトリガーすることを好みます。この方法には、Loop領域の長さが小節の長さと正確に一致しないときに時間とともに生じるテンポのずれを避けられるという利点もあります。

Sampleのループは、ディスク容量もサンプルRAMも乏しかったハードウェアサンプラーの全盛期にはごく一般的でした。この制約のために、自然な減衰時間が1分に及ぶこともあるピアノのような楽器の音を丸ごと収録するのは、まったく現実的ではありませんでした。代わりに、楽器の音で最も重要な部分はアタック部分であり、その後は持続音の多くがすぐにおおむね周期的な波形に落ち着くと考えられました。サンプルのループを使ってこの周期的な部分をサステインの間鳴らし続け、実際のサンプルデータの長さを超えて音を人工的に「引き伸ばす」ことで、サンプル制作者は容量の制約を乗り越えたのです。

ソフトウェアサンプリングとハードディスクストリーミングの登場により、こうしたループの用途は少し重要性を失いました。今もこの使い方はされていますが、現在の主な魅力はクリエイティブなサウンドデザインにあります。お察しのとおり、Kontaktのループはどちらのアプローチにも同じくらい適しています。どのように動作するのか見ていきましょう。ループを作成・編集するには、まずWave EditorでSample Loopタブをクリックします。

Wave EditorのSample Loopタブは、複数のループ選択ボタンと、現在選択されているLoop領域のパラメータービューに分かれています。

タブのタイトルの左に小さな「パワーボタン」のアイコンがあります。このアイコンをクリックすると、Sampleのすべてのループを一括で有効化/無効化できます。Zoneに有効なLoop領域が含まれている場合、このボタンは点灯します。

KontaktではZoneごとに最大8つのLoop領域を定義できます。これらの「スロット」は、タブの下に2×4のグリッドで配置された8つのボタンからアクセスできます。ループのないZoneから始めた場合、これらのボタンはどれもハイライトされておらず、有効なLoop領域が現在ないことを示します。各選択ボタンは3色のいずれかになります。

  • ハイライトされていない(濃い青):該当するLoop領域はまだ定義されていないか、一時的に無効化されています。
  • 黄色:該当するLoop領域は有効で、現在編集対象として選択されています。この領域は波形ビューでも明るいアンバー色でハイライトされます。編集対象として選択できるLoop領域は同時に1つだけです。
  • 水色:該当するLoop領域は有効ですが、現在は選択されていません。

これらのボタンのいずれかをクリックすると、該当するLoop領域が編集対象として選択されます。まだ有効になっていない場合や定義されていない場合は、その過程で有効化されます。Loop領域を選択すると、Kontaktは選択ボタンの隣の編集パネルにそのパラメーターを表示し、波形ビューでその領域をハイライトします。波形ビュー内を右クリックしてマウスを横方向にドラッグすれば、Loop領域をすぐに作成できます。これは現在選択されているLoop領域を置き換えます。何も選択されていない場合は最初のLoop領域を定義します。Loop領域の開始位置と終了位置は、その左右の境界をクリックして横方向にドラッグすることでグラフィカルに変更できます。領域の内側をクリックしてドラッグすれば、サイズを変えずにLoop領域を移動できます。これらのパラメーターとLoop領域の他のすべてのパラメーターは、編集パネル内で数値として確認・変更できます。

詳細ビューでは、Loop領域の開始位置と終了位置をサンプル値の精度で数値調整できます。

値を変更するには、クリックしてマウスを上下に動かすか、ダブルクリックして新しい値を入力します。編集パネルの各パラメーターを見ていきましょう。

Power Button:現在のLoop領域が有効かどうかを示します。Loop領域を編集対象として選択すると自動的に有効化されます。領域を無効化(および選択解除)するには、このボタンをクリックします。これは選択されているLoop領域の編集パネル内のパワーボタンについての説明であることに注意してください。タブのタイトルの隣のパワーボタンは、すべてのLoop領域を一括で有効化/無効化します。

Loop Start:Sample内でのLoop領域の開始位置で、サンプル値で表示されます。

Loop End:Sample内でのLoop領域の終了位置で、サンプル値で表示されます。

X-Fade:不完全なループポイントを目立たなくするため、KontaktはLoop領域の終わりを先頭にフェードで繋げられます。この値でクロスフェードの長さをミリ秒単位で調整します。Kontaktは波形ビューで、ループのクロスフェードをLoop領域の左側の斜めの線として示します。

Loop Edit:有効にすると、Kontaktは波形ビューを別の表示モードに切り替え、ループポイントを非常に直感的に調整できるようにします。

Loop Editビュー

Loop Editビューは縦に分割されています。左側にはループの終了点の直前の波形が、右側にはループの開始点の直後の波形が表示されます。つまり中央の境界は、ループポイントで起こる遷移を描いているのです。さらに、終了点より後の元の波形の続きがビュー右側に薄いグレーで表示され、遷移がループしていない波形にどれだけ近いかを判断できます。ループの開始点と終了点は、ビューの右側または左側をそれぞれクリックしてマウスを横方向にドラッグすることで動かせます。あるいは、編集パネル内の数値を通常どおり調整することもできます。位置を変えている間、ビュー中央の遷移を観察してください。連続した波形に見えるほど、ループはきれいに仕上がります。通常の波形ビューに戻るには、Loop Editボタンをもう一度クリックします。

Tune:このコントロールでは、Sampleのループのピッチを、Zoneの残りの部分とは独立して変えられます。このデチューンは最初のループジャンプ以降の再生パスすべてに影響することに注意してください。つまりKontaktは、再生位置がループの終了マーカーに達するまでは領域を通常のピッチで1回再生し、その後ループの間だけ指定したピッチが有効になります。

Count:この値は、KontaktがSampleの残りの部分の再生に進む前に、Loop領域を何回繰り返すかを指定します。値をゼロにすると領域は無限にループします。つまり再生位置は、それ以降のSample素材やLoop領域に決して到達しません。

Loop Mode:このドロップダウンメニューでは、いくつかの異なるループの挙動から選べます。表示されている項目に加えて、選択された挙動はメニューの上のイラストでも示されます。Kontaktには次のループの挙動があります。

  • Until End:Kontaktはループを前方向に再生します。アンプリチュードエンベロープにリリース部分がある場合、その間もループは再生され続けます。
  • Until End <->:Kontaktはループを前方向と後方向に交互に再生します(「ピンポンループ」)。音のリリース部分の間もループは再生され続けます。
  • Until Release:Kontaktは鍵盤が押されている間、ループを前方向に再生します。鍵盤を離すと、現在の再生位置からSampleの通常の再生を再開します。
  • Until Release <->:Until Releaseと同じですが、ループの間の再生方向が前方向と後方向で交互になります。
  • One Shot:Sampleの最初のLoop領域をこのモードに設定すると、Kontaktは他のすべての有効なLoop領域を無視し、トリガーされたときにSampleを丸ごと再生します。ノートオフイベントで止まることもありません。これは、実際のトリガーノートの長さにかかわらず常に最後まで再生されるべきドラムサンプルに便利です。ただしこれが機能するのは、Groupでボリュームエンベロープを使っていない場合だけです。使っている場合は、鍵盤を離した時点でリリース部分がZoneをフェードアウトさせます。

Gridが有効なとき、開始点と終了点への変更はすべて、波形ビューでグラフィカルに行うか編集パネルで数値として行うかにかかわらず、最も近いSliceマーカーにスナップします。これにより、リズム素材内で正確なLoop領域を作るのが非常に簡単になります。Gridの機能の詳しい説明は、本章の前の節を参照してください。

Sync / Sliceタブ

Gridパネルの節では、Gridでドラムやパーカッションのループをスライシングすると、その再生速度をさまざまな方法で楽曲のテンポに同期させたり、できたSliceを鍵盤にマッピングして、ドラムループやフレーズの要素を自分のテンポと自分のパターンでトリガーできるようになると述べました。こうした機能すべての出発点が、Wave Editor下部のSync / Sliceタブです。これらの機能のほとんどが動作するには、Sampleに合わせて調整された有効なGridが前提であることに注意してください。リズム素材を同期させたり組み替えたりしたい場合は、常にまずGridを設定し、そのうえでSync / Sliceタブの機能を使うようにしてください。Gridの有効化と調整の方法は、本章のGridパネルの節で説明しています。

Sync / Sliceタブ

Sync / Sliceタブには、Sampleを元のテンポやパターンから解放する4つのアプローチが用意されています。SliceをBeat Machineに送る、Time MachineでSampleをタイムストレッチする、Sliceを手動または自動で鍵盤にマッピングする、という方法です。それぞれの利点と特性を見ていきましょう。

Beat Machineを使う

Beat Machineは、KontaktのSource Moduleが備える再生モードの1つで、ZoneのすべてのSliceを内部シーケンサーで順に再生します。これによりドラムループやフレーズの元のパターンは保たれたまま、楽曲のテンポに合わせたり、Sliceの再生ピッチを自由に変えたりできます。この機能を使うには、Gridが正しく設定されていることを確認し、Sync / SliceタブのUse Beatmachineボタンを有効にします。現在のZoneが属するGroupの内容によって、次の2つのうちどちらかが起こります。

  • 現在のZoneがGroup内の唯一のZoneである場合、KontaktはそのGroupのSource ModuleをBeat Machineモードに切り替えます。
  • Group内に他のZoneがある場合、Kontaktはまず現在のZoneを専用のGroupに移し、そのGroupのSource ModuleをBeat Machineモードに切り替えます。この再アサインは、Beat Machineでは正しくトリガーできない他のZoneの再生を妨げないために必要です。

Zoneを再生するSource ModuleがBeat Machineモードになると、そのZoneがアサインされているどの鍵盤でも、すべてのSliceを順にテンポ同期で再生できるようになります。GroupのSource ModuleのSpeedノブを見ると、通常の数値ではなくZoneというキーワードが表示されていることに気づくはずです。これは、Zone Lengthの値(Sync / Sliceタブの左側に表示されています)を使って、楽曲のテンポでフレーズが同じ長さに収まるようにSliceを再生する速度を決めていることを示します。これは、時間に関わるどのコントロールでもドロップダウンメニューから音価を選んで同期させられるのと同じ仕組みで、実際にSync / SliceタブからBeat Machineを使うと、Speedコントロールのドロップダウンメニューに通常の音価と並んで特別なZoneキーワードが現れます。もちろん、ドロップダウンメニューから別の音価を選んだり、Defaultの項目を選んでテンポとは独立に再生速度を調整したりすることも自由です。再びZoneを選べば、いつでも同期モードに戻せます。

Sampleのスライシングへの変更はすべてBeat Machineが即座に取り込むので、どんな変更もすぐに耳で確認できることに注意してください。たとえば再生中に、一部のゴーストノートがSample内で適切にマーキングされておらず、タイミングがずれて再生されていることに気づくかもしれません。その場合は本章のGridの節で説明したように該当するSliceマーカーを追加するだけで、Beat Machineは再生中であってもすぐに変更を反映します。

Time Machineを使う

Beat Machineの代わりに、より一般的なタイムストレッチアルゴリズムを使うTime Machineモードで、Sampleを楽曲のテンポに同期させることもできます。パーカッシブな素材には通常、Beat Machineか後述のSliceマッピング機能のほうが適していますが、Time Machineは音程のあるフレーズに非常に役立ちます。

Time MachineはSliceを考慮せずSampleを1つの連続した領域として扱うため、この機能を使うのにGridを有効にしておく必要は必ずしもありません。とはいえ、Sampleを現在のテンポに合わせるためにどれだけ時間軸方向に伸縮すべきかを判断するには、KontaktがSampleの長さ(したがってテンポ)を知る必要があります。そのため、Sync / SliceタブのZone LengthフィールドでZoneの正しい(音楽的な)長さを指定する必要があります。長さが分からない場合は、代わりにGridを有効にしてSampleのテンポを指定してもかまいません。Kontaktはこれらの値のどちらか一方だけを知っていればよく、もう一方は導き出せます。ただしZone Lengthの値を明示的に指定してテンポが正しく変わるのは、Zoneの終了マーカーが実際のSampleの終わりと一致している場合だけであることに注意してください。一致していない場合は、入力した長さに合わせて終了マーカーの位置が変わってしまいます。そのような場合は、代わりにGridパネルでテンポを調整してください。

Zone Lengthフィールドに正しい長さが表示されたら、Sync / Sliceタブの左側にあるUse Timemachine Proボタンを有効にします。ZoneがGroup内の唯一のZoneでない場合、Kontaktは他のZoneの再生を妨げないよう、まずそのZoneを新しいGroupに移します。そのうえで、Zoneを含むGroupのSource ModuleがTime Machineモードになります。

Beat Machineと同様に、Sync / SliceタブからTime Machineを使うと、そのSpeedコントロールはデフォルトで特別なZoneの値に設定されます。つまりSampleをトリガーすれば、ホストまたはMaster Editorのテンポですぐに再生されます。Zoneというキーワードの意味と、それを上書きして再生速度を自由に調整する方法は、本章の前の節で説明しています。

Sliceを手動でマッピングする

GridでSample全体にSliceマーカーを置いたら、これらのSliceを鍵盤やシーケンサーから直接トリガーしたくなるかもしれません。Sync / Sliceタブの手動マッピング機能がまさにそれを可能にします。

SampleのGridを正しく設定し、Sync / Sliceタブを選んでいれば、波形ビューで2つのSliceマーカーの間をクリックするだけで、鍵盤にマッピングしたいSliceを選択できます。選択されたSliceはKontaktが青くハイライトします。選択にSliceを追加するには、[Ctrl]キー(Mac OS Xでは[Cmd])を押しながら別のSliceを1つずつクリックするか、[Shift]キーを押しながら2つ目のSliceをクリックしてその間のすべてのSliceを選択します。たとえばSampleのすべてのSliceを鍵盤にマッピングしたい場合は、最初のSliceをクリックし、[Shift]キーを押しながら最後のSliceをクリックします。これですべてのSliceが選択され、Sample全体がハイライトされます。

Sliceの選択

Sliceの選択に満足したら、Wave Editorの上にMapping Editorが表示されていることを確認します。そのうえで、選択したSliceの1つをクリックし、Mapping EditorのZoneグリッドへドラッグします。選択した他のすべてのSliceも一緒に移動します。マウスボタンを押したままにしていると、Kontaktがマウスポインターの下の鍵盤から始まる鍵盤の範囲をZoneグリッド上でハイライトすることに気づくはずです。これにより、選択したSliceを鍵盤上のどこに配置するかを決められます。この操作は、サイドペインから複数のSampleをMapping Editorへドラッグするのとまったく同じように働きます。マウスの横位置がKontaktがSliceのマッピングを開始する鍵盤を決め、Zoneグリッド内でのマウスの縦位置が各Sliceがアサインされる隣接鍵盤の数を決めます。

マウスボタンを押している間、Kontaktは新しいZoneを鍵盤上のどこに置くことになるかを示します。

表示されたアサインのパターンに問題がなければ、マウスボタンを離します。Kontaktは選択したSliceごとに新しいZoneを作成し、すべてのZoneをSample内での登場順に並べて配置します。新しい各Zoneは、それが作られた元のSampleを参照し、SampleのStartマーカーとEndマーカーは元のSliceの境界に設定されます。これらのZoneは鍵盤やシーケンサーからトリガーしたり、新しいパターンを作ったり、Zone Envelopeで各Zoneの再生パラメーターやエフェクトパラメーターを個別に調整したりできます。

Sliceを自動でマッピングする

上で説明したようにSliceを手動でマッピングする方法は、特定のSliceやある範囲のSliceだけを鍵盤に置きたい場合にはうまく機能します。しかしより頻繁にあるのは、すべてのSliceを隣接する鍵盤に置いて、シーケンサーからトリガーしたいという場合でしょう。もちろんこれも手動でできますが、もっとよい方法があります。Sync / Sliceタブの自動マッピング機能を使えば、SampleのすべてのSliceを隣接する鍵盤に自動でマッピングできます。さらに重要なのは、シーケンサーに置くとSample内に現れるのとまったく同じパターンですべてのSliceをトリガーしてくれるMIDIシーケンスを生成できることです。シーケンサーは当然MIDIシーケンスを楽曲のテンポで再生するので、パターンは常に同期し、Beat Machineの機能を再現できます。ただしこの機能のほうが創造の余地は広がります。MIDIシーケンスをアレンジに読み込んだら、そのパターンに手を加えられます。もちろん完全に破棄して、自分のパターンをゼロから組み立てることもでき、ドラムループやフレーズを無限のやり方で再構成できます。

自動マッピングを実行する前に、新しいZoneがどこに置かれるか、そしてKontaktがZoneの作成処理をどう扱うかに影響するパラメーターをいくつか調整しておく必要があるかもしれません。これらのパラメーターは、Sync / Sliceタブの中央と右側にあります。

自動マッピングのパラメーター

  • Auto-Fade Time:Kontaktは、Sliceから作成する各Zoneにボリュームのフェードエンベロープを任意で作れます。このパラメーターをゼロ以外の値に設定すると、新しい各Zoneに該当するSliceをフェードイン/フェードアウトさせるボリュームのZone Envelopeが含まれます。指定した値はフェードアウトの時間を決め、フェードインの時間はそれより短くなります。Sliceに自動フェードを作っておくと、パターンの再生速度を変えたときになめらかな結果が得られます。Zone Envelopeの仕組みの詳細は、本章の次の節で説明します。
  • Mapping Base Key:KontaktがSliceのマッピングを開始する最初の鍵盤です。
  • Auto Find Empty Keys:有効にすると、KontaktはSliceを鍵盤にマッピングする際に既存のZoneをトリガーする鍵盤を避けます。これにより、Sliceが他のZoneと同じ鍵盤にマッピングされるのを防げます。

これらのパラメーターを調整したら、自動マッピングの処理を開始できます。Sync / Sliceタブの右側にDrag’n’Drop MIDIというラベルの付いた矩形のフィールドがあります。ここからSliceのパターンに対応するMIDIシーケンスを「つかみ出せ」ます。フィールドの内側をクリックし、その内容をデスクトップにドラッグするか(標準的なMIDIファイルが作られます)、MIDIシーケンサーのアレンジウィンドウにドラッグします(MIDIシーケンスがアレンジに直接挿入されます)。MIDIファイルが不要なら、フィールドをクリックするだけでもかまいません。この場合はマッピングされたZoneだけが作られます。

Drag Midi to Hostを使う

同時にKontaktは必要なZoneを作成し、鍵盤にマッピングして、新しいGroupにまとめます。MIDIシーケンスをアレンジの正しいトラックに置き、現在のKontakt InstrumentのMIDIチャンネルに送られるようにして再生すれば、ドラムループやフレーズが楽曲のテンポで再生されるのが聴こえるはずです。必要なら、このMIDIシーケンスを編集していけます。もちろんシーケンスを削除しても、生成されたSliceのマッピングはそのまま残るので、自分のパターンをゼロから組み立てることもできます。マッピングを取り除きたい場合は、その過程で作られたGroupを削除するだけです。

Zone Envelope

エンベロープは、シンセサイザーやサンプラーでパラメーターをモジュレートするための一般的なソースであり、細かく調整でき、再現性のあるモジュレーションパターンを作る柔軟な手段です。Kontaktでは通常、エンベロープはエンベロープジェネレーターによって生成され、これがモジュレーションのアサインの信号ソースとして働きます。エンベロープジェネレーターはGroupレベルのモジュールに追加できるので、従来のエンベロープはGroup内のすべてのZoneに同じように影響します。しかし、Zoneごとにパラメーターをモジュレートできると本当に助かる場面もあります。Zone Envelopeがこれを可能にします。さらに、Zone Envelopeはそれが属するZoneのSampleと直接結び付いているため、波形ビューの上で編集できます。これにより、Sampleの内容と完璧に同期したあらゆる種類のモジュレーションを直感的に作れます。

Zone Envelopeを作成・編集するには、Wave Editor下部のZone Envelopesタブをクリックします。

Zone Envelopesタブには、左から右へ、選択と削除の機能、割り当てボタン、編集ツール、ユーティリティ機能があります。

Envelopeの割り当てと選択

通常のGroupレベルのモジュレーションの割り当てと同様に、Zone Envelopeを作る最初のステップは、どのパラメーターをモジュレートしたいかをKontaktに伝えることです。この目的のため、Zone Envelopesタブにはパネル中央にVolume、Pan、Addという3つの割り当てボタンがあります。これらのボタンはそれぞれ特定のパラメーター用の新しいZone Envelopeを作成し、表示対象として選択します。選んだパラメーターのエンベロープがすでに存在する場合は、代わりに情報メッセージが表示されます。

上の2つの割り当てボタンは、それぞれボリュームとパンの位置のZone Envelopeを作成します。下のボタンを使えば、任意のGroupレベルのパラメーターにZone Envelopeを作れます。

上の2つのボタンは、それぞれ再生ボリュームとパンの位置のエンベロープを作ります。これらは頻繁にモジュレートしたくなるパラメーターなので、すぐ使えるようここに用意されています。3つ目のAdd:というボタンでは、GroupレベルのモジュールのパネルにあるあらゆるパラメーターにZone Envelopeを作れます。そうしたパラメーターのコントロールをクリックすると、Add:ボタンがそれを取り込んで名前を表示します。そのうえでAdd:ボタンをクリックすれば、選んだパラメーターをモジュレートする新しいZone Envelopeを作成できます。たとえば、現在のGroupのGroup Insert Effectsチェーンにあるフィルターのカットオフ周波数をモジュレートしたい場合は、フィルターのパネルでCutoffノブを見つけてクリックします(見えない場合はチェーン内のフィルターモジュールをダブルクリックする必要があるかもしれません)。動かす必要はありません。これでWave EditorのZone Envelopesタブの一番下の割り当てボタンにAdd: Cutoffと表示されるはずです。このボタンをクリックすると、波形ビュー内に新しいカットオフのエンベロープが水平な直線として現れます。

理屈のうえでは、1つのZone内でGroupレベルのすべてのパラメーターにZone Envelopeを作れます。しかしKontaktは、同時に1つのエンベロープしか波形ビューに表示しません。表示・編集するZone Envelopeを選ぶには、Zone Envelopesタブ左側のドロップダウンメニューのボタンをクリックし、既存のエンベロープをメニューから選びます。

この選択用ドロップダウンメニューには、現在のZoneのすべてのZone Envelopeが入っています。1つを選ぶと波形ビューに表示されます。

エンベロープを削除したい場合は、まずドロップダウンメニューで編集対象として選択し、その下のDeleteボタンをクリックします。これでエンベロープがリストから消え、該当するパラメーターはモジュレートされていない状態に戻ります。

割り当てパラメーターの調整

Zone Envelopeの形状がモジュレート対象のパラメーターにどう影響するかを変える、調整可能なパラメーターがいくつかあります。この目的のため、作成した各Zone Envelopeは、その対象パラメーターを含むモジュールのModulation Routerに項目を1つ追加します。現在選択されているZone Envelopeに対応する割り当てパラメーターへは、Zone Envelopesタブの割り当てボタンの隣にあるModulation Quick-Jumpボタンをクリックすればジャンプできます。

Zone EnvelopeのModulation Router

Zone EnvelopeのModulation Routerの項目は、通常のモジュレーションの割り当ての項目とまったく同じ見た目と働きをします。モジュレーションの強度のスライダー、Invertボタン、Lagコントロール、そして任意のModulation Shaperがあります。これらのコントロールの機能については、本マニュアルの割り当てのコントロールの節を参照してください。ただし通常のModulation Routerの項目とは違い、Zone Envelopeの割り当てに関する項目は、他のモジュレーションソースを割り当てる通常の方法では作成できません。追加する唯一の方法は、Wave Editor内でZone Envelopeを作ることによって暗黙的に生成することです。

💡

個々のZoneに対して行った調整は、Groupレベルで行った調整に比例します。単一のZoneのパラメーターの値は、Groupレベルの対応するパラメーターの値との相対関係でしか編集できません。

ℹ️

ファクトリーコンテンツのパラメーターは、Groupレベルでのみ編集できます。

Envelopeの編集

新しいZone Envelopeを作成すると、それはすぐに選択され、Wave Editorの波形ビュー内にオレンジ色の水平線として表示されます。Zone Envelopeはフレキシブルエンベロープ(Flexible Envelopesを参照)と同じように働き、直線または曲線で結ばれた一連のブレークポイントで構成されます。ただしZone Envelopeの最小の長さは、Sampleの長さによってあらかじめ決まっています。エンベロープの先頭に小さな四角形があるのに気づくはずです。これがエンベロープの最初のブレークポイントです。このブレークポイントをクリックして上下にドラッグすれば、エンベロープの初期レベルを変えられます。

新しいブレークポイントを追加するには、波形ビュー内のどこかを右クリック(Mac OS Xでは[Ctrl]+クリック)します。Kontaktは新しいブレークポイントを隣のブレークポイントと直線で結びます。各ブレークポイントのレベルと時間位置は、クリックしてドラッグすることで変えられます。背景の波形表示は、Sampleの特徴に揃えたいときの視覚的な手がかりになります。エンベロープの表示は常に波形と同期を保つので、本章の冒頭で説明したように波形をズームイン/ズームアウトしたりビューをスクロールしたりすると、エンベロープの表示もそれに合わせて変わります。

Zone Envelopeを使えば、いくらでも複雑なモジュレーションの形状を作れます。

2つのブレークポイントの間のセグメントの中央には、塗りつぶされた小さな円があります。この円をクリックして上下にドラッグすると、そのセグメントのカーブの形状が変わります。エンベロープからブレークポイントを削除するには、そのブレークポイントを右クリック(Mac OS Xでは[Ctrl]+クリック)します。

Gridが有効なときは、ブレークポイントを動かすと、その時間位置が最も近いSliceマーカーにスナップします。これにより、リズム的に使えるモジュレーションパターンを非常にすばやく作れます。また、後述のPencil Toolを使えば、Sliceごとに直線のエンベロープを作れます。

この機能をBeat Machineを使うの節で説明したBeat Machineと組み合わせて使うと、以前のKontaktでは各Sliceを別々のGroupに分けなければ実現できなかった可能性が一気に広がります。Pencil Toolで作る直線は、対象のパラメーターをそのSliceの長さの間ずっと一定の値に保つので、Sliceごとにパラメーターを簡単に個別調整できるのです。例として、Slice化したダブのドラムループをBeat Machineで再生しており、スネアのヒット1つだけにリバーブを加えたい場合を考えてみましょう。これを実現するには、まず空いているInstrument Send Effectsスロットにリバーブのモジュールを追加し、次にドラムループを含むGroupのGroup Insert EffectsチェーンにSend Levelsモジュールを挿入します。そのうえで、SampleをWave Editorに表示してZone Envelopesタブを選び、Send Levelsモジュールのパネルでリバーブに対応するセンドレベルのボタンをクリックします。これでZone EnvelopesタブのAdd:ボタンにそのセンドパラメーターの名前が表示されるはずです。このボタンをクリックすると、波形ビューに新しいエンベロープが現れます。次にPencil Toolを選び、処理したいスネアのヒットのSliceの内側をクリックします。その位置にエンベロープの新しい「台地」が追加されます。これをクリックしてドラッグすれば、そのSliceだけのリバーブレベルを調整できます。少し創造的に考えれば、このアプローチの可能性は実質的に無限です。

Pencil ToolやRandomize Env機能を使えば、GroupレベルのパラメーターをSliceごとに個別にすばやく変えられます。

Zone Envelopeの領域はカット、コピー、ペーストできます。この目的のため、波形ビューには選択の機能とペーストのカーソルが用意されています。波形ビュー内のどこかをクリックしてマウスを横方向にドラッグすると、Kontaktが選択した領域をハイライトします。既存の選択範囲は、その境界をクリックしてドラッグすれば変更でき、内側をクリックして横方向にドラッグすればエンベロープ上を移動させられます。選択した領域の内容をクリップボードに入れるには、Zone Envelopesタブの中央にあるCutまたはCopyをクリックします。Cutはその過程で選択した領域を削除し、Copyはエンベロープを変えません。クリップボードの内容をエンベロープに挿入するには、その下のPasteボタンをクリックします。Kontaktは編集カーソルの位置にクリップボードの領域を挿入します。編集カーソルは赤い縦線で示され、波形ビュー内のどこかをクリックすれば位置を決められます。この方法は異なるエンベロープ間でも使えます。

ユーティリティ機能

Zone Envelopesタブの右側には、現在選択されているZone Envelopeの挙動をさまざまに変えるユーティリティ機能がいくつかあります。

  • Loop Env:このボタンを有効にすると、Zone Envelope内にループ領域を定義できます。この機能はフレキシブルエンベロープのループ区間と同じように働きますが、それとは違ってブレークポイントに固定される必要がありません。この点はかなり重要です。KontaktはZoneのLoop領域をエンベロープ内に再現できるため、ループの間もZoneとそのZone Envelopeを完璧に同期させ続けられるからです。もちろん、Zoneのループとは無関係にループ領域を自由に調整することもできます。境界をクリックしてドラッグすればサイズが変わり、領域の内側をクリックしてマウスを横方向にドラッグすれば全体を移動できます。Sample内の同一のLoop領域と一致しないエンベロープのループを使うと、エンベロープとSampleは最終的に同期からずれていくことに注意してください。
  • Randomize Env:Slice化したSampleを扱っている場合、このボタンはSliceマーカーごとに値が変わるランダムなステップパターンを作ります。この機能を使えば、シンセサイザーの古典的な「サンプル&ホールド」モジュレーションのようなリズミカルなモジュレーションパターンをすばやく作れます。後述のPencil Toolを使えば、各ステップのレベルを簡単に変えられます。この機能は現在選択されているZone Envelopeを上書きすることに注意してください。
  • Get Param From Cur. S. Loop:このボタンをクリックすると、KontaktはSample Loopタブで現在選択されているLoop領域の開始位置と終了位置をコピーし、エンベロープのループ領域に使います。これは、ループさせたSampleとエンベロープを同期させたいときに便利です。
  • Env Follows Playback Speed:このボタンが有効なとき、選択されているZone EnvelopeはSampleと歩調を合わせて常に速くなったり遅くなったりします。たとえばSamplerモードやDFDモードでSampleを元のピッチより1オクターブ上で演奏すると再生速度は2倍になりますが、Env Follows Playback Speedボタンを有効にしておけばZone Envelopeもそれに応じて速くなるので、Sampleとそのエンベロープは常に同期を保ちます。このボタンが無効なときは、エンベロープは常にSampleの元の速度で処理されます。
  • Pencil Tool:このボタンは、Zone Envelopesタブ中央のCut、Copy、Pasteボタンの上にあります。Sliceマーカーの間に直線を作成・編集できるツールを提供します。これにより、エンベロープの対象パラメーターは該当するSliceの長さの間、一定の値に設定されます。たとえばBeat Machineでトリガーするドラムループの各Sliceのボリュームを個別に調整したい場合などです。Pencil Toolのボタンを有効にすると、任意の2つのSliceマーカーの間をクリックすればその間に水平な直線が作られます。これらの直線のレベルは、後からPencil Toolで上下にドラッグして変えられます。

Sample Editor

Wave Editorで使える操作のほとんどは非破壊的に働きます。つまり、Sampleの再生にのみ影響し、ハードディスク上の実際のSampleデータは変えません。そのため、必要なら簡単に元に戻せます。しかし、それが常に望ましいとは限りません。たとえばSampleの先頭に余分な無音の領域がある場合、(Zoneの開始マーカーを変えて回避するのではなく)それを恒久的に取り除きたくなるかもしれません。同様に、SampleにDCバイアスがあるなら、それを残しておく実用的な理由はありません。こうした場合のためにKontaktは、素材のカット、コピー、ペースト、フェードや無音の領域の作成、Sampleの一部の逆再生、ピークレベルのノーマライズ、DCバイアスの除去を行える破壊的編集ツールを内蔵しています。Kontaktの破壊的編集ツールを使うには、Wave Editorの下部でSample Editorタブをクリックします。編集しようとしているSampleを、現在読み込まれている他のInstrumentも使っている場合、Kontaktはまず、それらのうちどのInstrumentに変更を反映させ、どれに元のバージョンを保たせるかを尋ねます。

Sample Editorタブ

ご覧のとおり、このタブの要素はEdit、Transform、Selectionという3つの機能ブロックに分かれています。Editのツールはサンプルの領域を削除したり並べ替えたりしますが、それらの領域内のSampleデータには手を付けません。Transformのツールは、レベルを変えるなど実際のSampleデータを処理します。

Sample Editorタブを選んでいるとき、波形ビューの挙動はGridが有効かどうかによって変わります。

💡

Wave EditorのツールバーでAuto Pre-Listenボタンを有効にしておくと、選択した領域を変えるたびにKontaktがその領域を自動的に再生します。

Gridが無効な場合、波形ビュー内をクリックするとその位置に縦のマーカーが置かれます。これが編集カーソルで、Pasteを選んだときにクリップボードの内容が挿入される位置を示します。波形をクリックしてマウスを横方向にドラッグすると、Sampleの連続した領域がハイライトされます。EditとTransformのすべてのコマンドは、この領域に対して働きます。既存の選択範囲を変えるには、その左右の境界をクリックして横方向にドラッグします。このとき[Shift]キーを押しながら操作すると、より細かく調整できます。現在選択されている領域の境界は、Sample EditorタブのSelectionパネルにも数値で表示されます。これらの値は、クリックしてマウスを上下に動かすか、ダブルクリックして新しい値を入力することで直接調整できます。

Gridが有効な場合、編集カーソルの位置と選択範囲の境界はすべて、最も近いSliceマーカーにスナップします。Sliceの内側をクリックしてマウスを横方向に動かせば、連続した一連のSliceを選択できます。選択範囲の左右の境界を変えたり、全体を移動したりする操作は上で説明したとおりですが、選択範囲はSliceマーカーに紐づいたままになります。

編集するSliceを選択する

Sampleの作業中、Kontaktは実際には変更をバックアップコピーに書き出すので、元のファイルはそのまま残ります。Kontaktは「__edited__」という名前のフォルダーをバックアップコピー用に作り、これは元のSampleと同じ場所に置かれます。編集を終えると、Instrument(およびそのSampleを使っている他の読み込み済みInstrumentのうち、Sample Editorタブに切り替えたときにあなたが選んだもの)はこのバックアップコピーを参照するようになり、変更がすぐに聴こえます。Instrumentを保存すれば、書き換えられたバックアップコピーへの参照が恒久的になります。この一連の過程で元のSampleはまったく影響を受けないので、ハードディスク上でそれを使っている他のInstrumentもこれまでどおり動作します。

Sample Editorタブの各操作の説明に入る前に、うまくいかなかったときにかなり役立つ重要な機能に触れておきましょう。タブの右側にあるUndoボタンとRedoボタンです。

UndoボタンとRedoボタン

これらはInstrument Edit RackのHeaderにある同じボタンと同じように働きます。Undoボタン(左)の曲がった矢印をクリックすると直前の操作の効果が取り消され、波形が以前の状態に戻ります。同じボタンの小さな下向き矢印をクリックすると、直近の操作の一覧が入ったドロップダウンメニューが開き、操作履歴のどの時点まで戻るかを選べます。この一覧の最後の項目は常にRestore Orig.であることに注意してください。これは、Sample Editorタブに切り替えて以降に行われたすべての変更を取り消し、Instrument内のSampleの参照を元のSampleに戻します。この後Sample Editorタブでそれ以上の編集を行わなければ、Kontaktを終了したときに「__edited__」フォルダーは削除されます。右側のRedoボタンは同じように働きますが、逆方向です。Undoボタンで取り消したばかりの効果を復元します。

編集の操作

Cut:現在選択されているSampleの領域をサンプルのクリップボードに入れ、その過程でSampleから取り除きます。

Copy:Sampleはそのまま残し、選択した領域を後で使うためにサンプルのクリップボードにコピーします。

Crop:選択範囲の外側のオーディオデータをすべて削除します。つまり、選択した領域が新しいSampleになります。

Delete:クリップボードに入れずに、選択した領域をSampleから削除します。

Paste:クリップボードの内容をSampleに挿入します。挿入位置は、現在領域が選択されているかどうかによって変わります。選択されていればその領域がクリップボードの内容と置き換えられ、領域の以前の内容は消え、多くの場合Sample全体の長さが変わります。領域が選択されていない場合は、編集カーソルの位置にクリップボードの内容が挿入されます。この位置は青い縦線で示され、波形ビュー内をクリックすることで決められます。

Duplicate:選択した領域のコピーを、その領域の直後に挿入します。

変換の操作

Fade In:選択した領域全体にわたって、無音からのなめらかなフェードインを作ります。

Fade Out:選択した領域全体にわたって、無音へのなめらかなフェードアウトを作ります。

Silence:選択した領域をデジタルの無音、つまりゼロ値の連なりで置き換えます。

Reverse:選択した領域を反転させ、逆方向に再生されるようにします。

Normalize:選択した領域を、クリップしない範囲でできるだけ大きなレベルまで増幅します。Normalize機能はSampleの領域を解析し、利用できるダイナミクスの範囲を最大限使うようなゲイン係数を適用します。つまりこの操作を行った後は、その領域内の最も高いピークがちょうど0 dBに達します。

DC Removal:選択した領域からDCバイアスを検出して除去します。DCバイアスは、サンプル値とゼロラインの間の一定のオフセットとして現れます。それ自体は聴こえませんが、ヘッドルームを狭め、ミックスダウン時に問題を引き起こすことがあります。通常はSample全体に対してこの操作を使うことになるでしょう。


Script Editor

このセクションでは、KontaktのScript Editorを使ったScriptの読み込みと使用について説明します。KSPの完全なリファレンスは別のドキュメントとして提供されています。

Kontaktには強力で柔軟なスクリプト言語プロセッサーが搭載されています。これはサードパーティのデベロッパーが、ユーザーが自身のInstrumentやMultiを操作する方法を独自かつ複雑に作り込めるようにするためのものです。Kontaktのスクリプト言語はプログラミング言語の経験がある方なら習得しやすいものですが、詳細なリファレンスはこのマニュアルの範囲を超えてしまうため、別のPDFドキュメントとして用意しており、Kontaktをインストールしたフォルダー内のDocumentationフォルダーに置かれています。このセクションでは、Script Editor内でのScriptの読み込みと使用の基本にとどめて説明します。

あらかじめ用意されたScriptを使うだけの場合でも、Scriptについて知っておくべき基本的な事柄がいくつかあります。KontaktのScriptは小さなプログラムのように動作し、Kontaktがノート、コントローラーデータ、ユーザー操作を処理する仕組みに介入して、InstrumentのパラメーターやMIDIデータをプログラム的に変更できるようにします。ごく単純な例としては、入力されたMIDIノートを1オクターブ上にトランスポーズするScriptや、オクターブ上で追従する第2の声部を作り出すScriptが挙げられます。一方で、より複雑なScriptは、強力なシーケンサー環境から人間による楽器のアーティキュレーションのリアルなシミュレーションまで、あらゆるものを実現できます。

ScriptはInstrumentレベルだけでなく、Multiレベルでも利用できます。これによりScript設計の新たな可能性が大きく広がります。たとえば、MIDIデータを分割して複数のInstrumentに振り分けるScriptを書くことができます。グローバルレベルで使えるスクリプト機能は、ほとんどの部分がInstrumentレベルのものとよく似ていますが、構造上の違いもいくつかあり、それらはKSP Reference Manualで説明されています。

Scriptの読み込み、編集、管理は、KontaktのいずれかのScript Editorで行います。Multiに作用するScriptを収めたグローバルエディターには、Instrument Rack Headerの右側にあるKSPと書かれたボタンをクリックしてアクセスします。

KSPボタン

Instrumentのローカルエディターを開くには、RackがEdit modeのときに、そのHeaderの下にあるScript Editorボタンをクリックします。MultiレベルとInstrumentレベルのScript Editorはほぼ同一で、この章の以降の説明は両方に当てはまります。

空のScript Editor

パネルの上部には、ラベルが空欄の5つのタブがあります。これらはそれぞれScriptを1つ収めることができるスロットです。あるScriptがイベントを変更すると、その右側のスロットにあるScriptは変更後のイベントを「見る」ことになります。つまり、5つのスロットはイベントフィルターのチェーンとして機能します。スロットのタブの下には空のスペースがあります。各Scriptは独自のユーザーインターフェースを持つことができ、それはここに表示されます。

Scriptの読み込み

Scriptを読み込むには、Presetボタンをクリックします。ドロップダウンメニューが表示され、Kontaktをインストールしたフォルダー内のpreset scriptsフォルダーから項目を選択できます。

プリセットScriptの読み込み

Scriptを選択すると、そのユーザーインターフェースのコントロールがタブの下のスペースに表示されます。ほとんどのScriptは読み込み後すぐに動作しますが、一部のScriptでは意味のある調整を先に行う必要があります。Script Editorの左上隅にあるBypassボタンをクリックすれば、いつでもScriptをバイパスして一時的に無効にできます。

独自のコントロールを備えたScriptを使用している場合、それらはKontaktのユーザーインターフェースの他のコントロールと同様にオートメーションできます。サイドペインでAutomationタブを選び、MIDIコントローラーまたはホストのコントローラーIDを、オートメーションしたいパラメーターのノブにドラッグします。この仕組みの詳細については、セクションAutomationタブを参照してください。

Script設定の保存

特に気に入った設定ができたときは、そのScriptを現在の状態で保存して後から再利用できます。Scriptボタンをクリックし、ドロップダウンメニューからSave Presetコマンドを選ぶだけです。ダイアログが表示され、Scriptの新しいファイル名の入力を求められます。以降の使用時のデフォルト状態を変更したい場合を除き、新しい設定で元のScriptを上書きすることはおすすめしません。

設定が現在のプロジェクト固有のものである場合、Scriptを明示的に保存する必要はありません。その状態はセッションまたはMultiとともに保存されます。また、より高度なScriptには、Scriptのユーザーインターフェース内にプリセット管理の機能が組み込まれているものもあります。

Scriptの編集と保存

プログラミングに慣れている方は、内蔵のコードエディターでScriptのソースコードを閲覧・編集できます。Script Editorの左下隅にあるEditボタンをクリックすると、Scriptのユーザーインターフェースの下にテキストエディターのペインが開きます。このエディター内で、現在のScriptに変更を加えたり、独自のScriptをゼロから書いたりできます。変更を加えても、それは実行中のScriptにすぐには反映されません。代わりに、ソースコードエディターの右上隅にあるApplyボタンが点灯し、まず変更を確定する必要があることを知らせます。確定はApplyボタンをクリックして行います。ScriptインタープリターがそのScriptにエラーを見つけなければ、変更が有効になります。ただし、変更を恒久的なものにするには、やはりScriptを保存する必要があることを覚えておいてください。

Scriptのロック

Scriptのソースコードを保護して他の人が閲覧・編集できないようにしたい場合は、ソースコードエディターが表示されている状態でパスワードによりロックできます。これを行うには、ソースエディターの左上隅にあるLock with Passwordボタンをクリックし、パスワードを2回入力してOKをクリックします。他の人はそのScriptをそのまま使用できますが、パスワードを持っていなければソースコードエディターは表示されません。

ただしScriptをロックする前に、世の中には協力的で友好的なScript作者のコミュニティがあることを思い出してください。Scriptをロックすると、あなたが見落としたバグを彼らが見つけて修正したり、新しい機能を追加して発展させたりすることができなくなります。

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スクリプト言語の詳細な説明はこのマニュアルの範囲を超えますが、お伝えしておきたい便利なテクニックがあります。InstrumentのScriptのどのパネルでもPerformanceビューに変えて、Rack内に表示して操作できるようにすることができます。方法は、通常Scriptの先頭にある「on init」の行とそれに続く「end on」の行の間のどこかに、新しい行として「make_perfview」という文を追加するだけです。Applyボタンをクリックし、Multi Instrumentビューに戻ると、ScriptのコントロールがRack内のInstrument Headerの下に表示されます。Performanceビュー機能の詳細については、このマニュアルのセクションPerformance viewを参照してください。


Source Module

Kontaktのシグナルフローの最初に位置するSource Moduleは、すべてのオーディオ信号の出発点として機能します。

その名が示すとおり、Source ModuleはKontaktのシグナルフローの最初に位置し、すべてのオーディオ信号のソースとして機能します。基盤となるサンプル再生エンジンへのアクセスを提供するため、Instrumentから取り外すことはできません。Source Moduleは10種類の再生モードのいずれかで動作し、それぞれ異なるオーディオ素材の扱いに最適化されています。

  • Sampler:すべてのサンプルデータをコンピューターのRAMに保持する従来型のサンプル再生エンジンです。
  • DFD(Direct from Disk):ディスクからサンプルをリアルタイムでストリーミングする高性能なソリューションです。
  • Tone Machine:このモードでは、サウンドのピッチとフォルマントを再生速度とは独立して変更できます。
  • Time Machine 1、Time Machine 2、Time Machine Pro:これらの再生モードでは、Sampleのピッチを変えずにリアルタイムで圧縮・伸長できます。
  • Beat Machine:このモードは「スライス」されたリズム系のサンプル(ドラムループなど)を扱い、楽曲のテンポに合わせます。
  • Wavetable:このモードはウェーブテーブル合成を可能にし、対象のgroup内の各zoneを個別のウェーブテーブルオシレーターに変えます。
  • S1200 MachineとMP60 Machine:2つの「vintage machine」モードです。80年代の名機であるサンプラー2機種をエミュレートし、サンプルの再生品質を意図的に劣化させるとともに、Kontaktがピッチを変化させる方法やサンプル再生エンジンの基本的な扱いを変更します。

動作モードは、Source Moduleのコントロールパネルの左上隅にあるドロップダウンメニューで切り替えられます。Source ModuleはGroupレベルに位置することに注意してください。つまり、Instrument内の各Groupがそれぞれ独自のSource Moduleを持ち、再生モードの変更は、そのモジュールが属するGroup内のZoneにのみ影響します。

それでは、各再生モードがどのように動作し、どのようなコントロールを備えているのかを見ていきましょう。

Sampler

これは「従来型」のデジタルサンプラーで、サンプルデータをシステムメモリーに保存し、メモリーから読み出して、必要なトランスポーズをオーディオデータのリアルタイムなリサンプリングによって適用します。Samplerモジュールは非常に効率的で、ホストCPUの負荷はごくわずかです。

このモードで利用できるパラメーターのほとんどはモジュレーションできます。行った調整はすべて、Group Editorで現在編集対象として選択されているすべてのGroupに影響することを覚えておいてください。

Samplerには以下のコントロールがあります。

Samplerモードは、メモリーからのSampleの従来型の補間再生を提供します

  • Tune:再生ピッチを上下1オクターブの範囲で変更します。これは従来型のサンプラーモードであるため、ピッチの変更は常に再生テンポにも影響します。これらのパラメーターを互いに独立して調整したい場合は、Tone MachineまたはTime Machineのいずれかのモードに切り替えてください。このコントロールは動かすと半音単位で変化しますが、[Shift]キーを押しながらノブを動かすとより細かく調整できます。
  • Reverse:Group内のすべてのSampleを逆再生します。このボタンを有効にすると再生はZoneのEnd Markerから始まるため、Zoneの末尾に数秒の無音がある場合は音の出始めが遅れます。
  • Tracking:有効にすると、Sample再生のピッチが鍵盤の位置に合わせてトランスポーズされます。Groupに複数の鍵盤にまたがってマッピングされ、音程どおりに演奏されるべきZoneが含まれている場合は、Trackingを有効にする必要があります。そうしないと、そのZoneのすべての鍵盤が同じピッチで鳴ります。複数の鍵盤にわたってSampleのピッチを一定に保ちたい場合や、鍵盤ごとに個別のZoneを用意する場合(クロマチックにサンプリングされたInstrumentがそうです)は、これを無効にできます。
  • MIDI:このGroupが応答するMIDIポートとチャンネルを設定します。異なるGroupを異なるMIDIチャンネルに応答させたい場合にのみ使用してください。そうでない場合は、InstrumentのMIDIチャンネルをInstrument Headerで設定し、この設定はDefault(Instrument)のままにしておきます。
  • Release Trigger:有効にすると、このGroup内のサンプルはMIDIノートオフコマンドを受信したときにトリガーされます(通常のようにノートオンコマンドに応答するのではありません)。この機能はリリースサンプルを作成するために必要な手段を提供します。これを使えば、鍵盤を離したときの楽器の自然なリリース音、たとえばハープシコードのダンパーの音や、その楽器の自然な環境で録音されたリバーブの残響を再現できます。リリースサンプルにループがある場合、その再生を外部から停止させる手段がKontaktにはないことに注意してください(そもそもノートオフコマンドがその役割を担っていたわけです)。そのため、Groupにボリュームエンベロープがあることを必ず確認してください。そうでないと、いつまでも鳴り続けてしまいます。
  • t(ms)(Time、Release Triggerが有効なときのみ表示):これを0以外の値に設定すると、Kontaktはノートを受信したときにその値からミリ秒単位で逆にカウントし、対応するノートオフの値を受信したときにタイマーを止め、その時点の値をモジュレーションソースとして提供します。これによりInstrumentをノートの長さに応答させることができます。たとえば、長いノートの後はリリースサンプルの音量を下げて、自然に減衰したSampleに合うようにするといった使い方です。
  • Monophonic(Release Triggerが有効なときのみ表示):このボタンは、リリースサンプルがノートの連打にどう応答するかに影響します。有効にすると、同じノートを繰り返し演奏したときに、まだ鳴っている以前のリリースサンプル(あれば)を打ち切り、常に1つのリリースサンプルだけが鳴るようになります。
  • HQI(High Quality Interpolation):このドロップダウンメニューでは、品質の異なる3種類のリサンプリングアルゴリズムから選択できます。リサンプリングが必要になるのは、ルートキーとは異なるノートで再生されるSampleだけです。Standard設定は旧バージョンのKontaktのアルゴリズムを使用し、CPU負荷が軽いながら十分に良好なリサンプリング品質を提供します。HighとPerfectの設定は高品位なリサンプリングアルゴリズムを選択し、聴こえるアーティファクトをほぼすべて排除しますが(特に上方向へのトランスポーズ時)、より多くのCPUリソースを必要とします。Standard設定のCPU負荷は一定ですが、HighとPerfectの設定では、Sampleをルートキーから遠くへトランスポーズするほど多くのCPUリソースを使うことに注意してください。したがって、Sampleを元のピッチより2オクターブ上で演奏すると、半音上で演奏する場合より高いCPU負荷が生じます。

DFD

DFDモードは高度なストリーミングエンジンを使用し、すべてのサンプルデータをRAMに読み込まなくても、非常に大きなSampleセットをリアルタイムで再生できるようにします。これは、すべてのSampleの先頭部分だけをRAMに読み込み(そこでは即座にアクセスできます)、Sampleが再生され始めたらすぐに残りの部分をハードディスクからストリーミングすることで実現しています。この方式には、独自のInstrumentを作成する際に留意すべき注意点がいくつかありますが、「扱いにくいほど大きい」ものから「コンピューターのRAMサイズの数倍」に至るSampleデータを持つInstrumentを再生できるという利点が、通常それらをはるかに上回ります。

source moduleのDFDモードのコントロールは、標準のSamplerモードのものと同一です。内部的な違いはすべてKontaktが透過的に処理します。

DFDモードは、トリガーされたSampleをハードディスクからリアルタイムでストリーミングします

DFDモードを使用する際は、以下の点を考慮してください。

  • ハードディスクのレイテンシーとスループットがサンプリング性能のボトルネックになるため、最大ボイス数はSamplerモジュールに比べておそらく少なくなります。したがって、非常に大きなSampleにアクセスするGroupやInstrumentだけをDFDモードにし、それ以外はすべてSamplerモードのままにしておくことで、全体のボイス数を最適化できます。
  • CD-ROM上にあるSampleでDFDモードを使おうとしないでください。まずハードディスクにコピーしてください。
  • DFDモードはSamplerモードに比べてRAMの使用量を最小限に抑えますが、すべてのSampleの先頭部分をメモリーに事前読み込みする必要があるため、それでも相応のメモリーを消費します。
  • DFDモードとSamplerモードはいつでも切り替えられます。ただし、DFDからSamplerへ切り替える際は、Sampleセット全体をRAMに読み込む必要があるため、わずかな待ち時間が生じることがあります。

Wavetable

ウェーブテーブル合成は、デジタルサンプリングされた1周期分の波形を用いて楽音を生成する音響合成技術です。Kontaktでは、Source Moduleでwavetableモードを選択することでこの技術を利用できます。このモードを選択すると、対象のgroup内のすべてのzoneがウェーブテーブルオシレーターに変わります。すべてのサンプルは2048サンプル長の波形サイクルからなるウェーブテーブルとして解釈されます。つまり、ルートノートの設定は無視され、それ以外のZoneやGroupの設定は通常どおりに機能します。

ウェーブテーブルオシレーターの内部構造は、2つの主要な要素で構成されています。phaseと呼ばれるノコギリ波オシレーターと、複数の波形を表す値の集合であるwavetableです。phaseは1サイクルごとにwavetableから波形を読み出すために使われ、これによって波形がウェーブテーブルオシレーターの出力信号として再構成されます。phaseの波形の形を操作することで、得られる波形を興味深い形に曲げたり歪めたりできます。Source moduleのwavetableモードでは、これをFormコントロールを使って行えます。

1周期分のサンプルはサイズが小さいため、wavetableには音作りの土台となる複数の波形を格納できます。wavetable内の異なる波形をモーフィングしながら移行することで、新しく変化に富んだ波形を作り出せます。これにより、波形の多様な組み合わせと複雑な音色効果が可能になります。Kontaktでは、LFO、エンベロープ、MIDIコントロールをルーティングしてWavetable Positionコントロールをモジュレーションすることでこれを実現できます。デジタル補間はwavetableの読み出し精度を高め、エイリアシングノイズを低減します。補間の種類は音の性格に大きく寄与します。KontaktのQuality設定では、4種類の補間から選択できます。

ウェーブテーブル合成は、ダイナミックかつ柔軟に探求できる幅広いサウンドを提供します。アコースティック楽器の再現からさまざまな合成手法まで、wavetableモジュールはサウンドの音程と音色の幅を広げてくれます。

主なコントロール

Wavetableモードには以下の主なコントロールがあります。

  • Tune:再生ピッチを-36〜+36半音の範囲で調整します。Shiftを押しながらコントロールを回すと微調整ができます。
  • Tracking:有効にすると、ピッチがMIDIの鍵盤位置に追従します。無効にすると、ピッチは鍵盤に追従しません。
  • Quality:wavetableの読み出しに適用する4種類の補間(LoFi、Medium、High、Best)のいずれかを選択します。高い設定にすると精度が向上しエイリアシングノイズが減りますが、より多くのCPUパワーを必要とします。
  • Position:読み込まれたwavetableに含まれる波形の間をモーフィングします。
  • Form 1 Type:オシレーターのphaseに適用できる14種類のウェーブシェーピングのいずれかを選択します。これはwavetableの読み出し方を根本的に変えるため、得られる波形が曲げられ歪められます。
  • Form 1:Form 1 Typeによってオシレーターのphaseに適用されるウェーブシェーピングの量を調整します。ウェーブシェーピングの種類はForm 1 Typeドロップダウンメニューで選択できます。
  • Form 2 Type:オシレーターのphaseに適用できる14種類のウェーブシェーピングのいずれかを選択します。これはwavetableの読み出し方を根本的に変えるため、得られる波形が曲げられ歪められます。
  • Form 2:Form 2 Typeによってオシレーターのphaseに適用されるウェーブシェーピングの量を調整します。ウェーブシェーピングの種類はForm 2 Typeドロップダウンメニューで選択できます。
  • Phase:オシレーターのphaseのリセットポイントを調整します。これは新しいノートがトリガーされたときの、波形内でのサウンドの開始位置を決定します。
  • Ph Rand(Phase Randomness):オシレーターのphaseのリセットポイントに適用されるランダム性の量を調整します。これにより、新しいノートがトリガーされたときのサウンドの開始位置がランダムにばらつきます。Phase Randomnessを100に設定すると、Phaseコントロールは効果を持ちません。
Release Triggerモード

Release triggerモードには以下のコントロールがあります。

  • Release Trigger:有効にすると、MIDIノートオフコマンドを受信したときにwavetableがトリガーされます。
  • t(ms)(Time、Release Triggerが有効なときのみ表示):これを0以外の値に設定すると、Kontaktはノートを受信したときにその値からミリ秒単位で逆にカウントし、対応するノートオフの値を受信したときにタイマーを止め、その時点の値をモジュレーションソースとして提供します。これによりInstrumentをノートの長さに応答させることができます。たとえば、長いノートの後はリリースサンプルの音量を下げて、自然に減衰したSampleに合うようにするといった使い方です。
  • Monophonic(Release Triggerが有効なときのみ表示):このボタンは、リリースサンプルがノートの連打にどう応答するかに影響します。有効にすると、同じノートを繰り返し演奏したときに、まだ鳴っている以前のリリースサンプル(あれば)を打ち切り、常に1つのリリースサンプルだけが鳴るようになります。
Inharmonicモード

Inharmonicモードには以下のコントロールがあります。

  • Inharmonic:inharmonicモードを有効にします。これにより倍音列から部分音を引き離して広げることができます。有効にすると、inharmonicコントロールのノブが表示されます。
  • Inharm:2つ目のウェーブテーブルオシレーターのデチューン量を調整します。Inharmonicモードが有効なときのみ表示されます。
Modulation Oscillator

modulation oscillatorには以下のコントロールがあります。

  • Modulation Type:modulation oscillatorがウェーブテーブルオシレーターに適用するオーディオレートモジュレーションの種類を選択します。
  • Modulation Oscillator Waveform:modulation oscillatorの波形を選択します。
  • Mod Tune:modulation oscillatorのチューニングを調整します。チューニングはSemitones、Ratio(倍音と分数倍音)、Hz(固定周波数)の3つのモードで利用できます。モードはノブの下にある小さなstラベルをクリックすると切り替えられます。
  • Mod Amt:modulation oscillatorがウェーブテーブルオシレーターに適用するモジュレーションの量を調整します。

Tone Machine

Tone Machineモードは、Sampleのピッチとフォルマント周波数に対する前例のないコントロールを提供します。どちらも再生速度とは独立して変更できます。これはオーディオ信号をグラニュラーシンセシスのアルゴリズムで処理することで実現しており、クリエイティブな音作りに絶大な可能性をもたらすとともに、実用的な用途も数多くあります。

Source ModuleをSamplerモードまたはDFDモードからこのモードに切り替えると、まずサンプル素材を解析する必要があり、このGroupに多数のサンプルがある場合は時間がかかることがあります。プログレスバーがこの解析の現在の状況を示します。

Tone Machineはオーディオデータを「グレイン」と呼ばれるサンプル値の小さな塊として扱うため、Sampleのループ領域の境界はすべてこの塊に合わせて丸められることに注意してください。その結果、ループの再生がわずかに不正確になることがあります。

Tone Machineモードには以下のコントロールがあります。

Tone Machineモードでは、Sampleの速度とピッチを独立して調整できます

  • Tune:再生速度に影響を与えずに、再生ピッチを上下1オクターブの範囲で変更します。
  • Smooth:再生中のアーティファクトを減らすため、Kontaktはグレインどうしをクロスフェードします。このコントロールは、この非常に短いクロスフェードの形状を調整します。値を大きくするとピッチシフトはより滑らかになりますが、リズム素材は輪郭と「パンチ」を失うことがあります。値を小さくするとブザーのような音が出やすくなりますが、トランジェントはそのまま保たれます。
  • Speed:ピッチとは独立して再生速度を変更します。この値はデフォルトでは元の速度に対するパーセンテージで表示されるため、200%では再生速度が2倍、50%では半分になります。コントロールは0%まで下げられ、その場合サウンドは現在の再生位置で静止します。SpeedパラメーターはホストまたはMaster Editorのテンポに同期させることもできます。このモードでは、サンプルが音価の長さに合わせて伸縮されます。これを行うには、Speedコントロールに表示されている単位をクリックしてドロップダウンメニューから音価を選び、Speedノブでその値に対する分子を設定します。非同期モードに戻すには、ドロップダウンメニューからDefaultの項目を選ぶだけです。
  • Formant:このコントロールは、信号の周波数成分のうち主要な音色特性を決める部分であるフォルマント周波数を、ピッチとは独立してシフトします。
  • DC Filter:Tone Machineのアルゴリズムは、場合によって波形にDCバイアスを与えることがあり、これはヘッドルームを減らし歪みの原因になります。このボタンは、このバイアスを取り除いて波形を原点の周りに再センタリングするフィルターを有効にします。有効のままにしておくことをおすすめします。
  • Legato:このボタンを有効にして複数のノートをレガートで演奏すると、Kontaktは各Sampleを先頭から再生するのではなく、現在の再生位置を後続のノートに引き継ぎます。
  • Tracking:このボタンを有効にすると、再生ピッチは演奏するノートに応じて変わります。無効にすると、ピッチは鍵盤に追従しません。
  • MIDI Channel:このGroupが応答するMIDIポートとチャンネルを設定します。異なるGroupを異なるMIDIチャンネルに応答させたい場合にのみ変更してください。そうでない場合は、InstrumentのMIDIチャンネルをInstrument Headerで設定し、この設定はDefault(Instrument)のままにしておきます。
  • Release Trigger:このGroup内のサンプルを、MIDIノートオフコマンドを受信したときにトリガーできるようにします。この機能とその追加パラメーターについては、上のSamplerモードの説明で扱っています。
  • t(ms)(Time、Release Triggerが有効なときのみ表示):これを0以外の値に設定すると、Kontaktはノートを受信したときにその値からミリ秒単位で逆にカウントし、対応するノートオフの値を受信したときにタイマーを止め、その時点の値をモジュレーションソースとして提供します。これによりInstrumentをノートの長さに応答させることができます。たとえば、長いノートの後はリリースサンプルの音量を下げて、自然に減衰したSampleに合うようにするといった使い方です。
  • Monophonic(Release Triggerが有効なときのみ表示):このボタンは、リリースサンプルがノートの連打にどう応答するかに影響します。有効にすると、同じノートを繰り返し演奏したときに、まだ鳴っている以前のリリースサンプル(あれば)を打ち切り、常に1つのリリースサンプルだけが鳴るようになります。

Time Machine 1

Time Machine 1は、グラニュラーシンセシスを用いてサンプルのピッチと再生速度を互いに独立させるという点でTone Machineと同様に動作します。ピッチを変えずに再生速度を変更することに最適化されており、リアルタイムのタイムストレッチの手段を提供します。

Time Machineのコントロールは、ほとんどがTone Machineのものと同一です。加えて、以下のコントロールがあります。

Time Machine 1はSampleのタイムストレッチをリアルタイムで行います

  • High Quality:このボタンはTone MachineのDC Filterボタンに代わるものです。有効にすると、Time Machineはサンプルデータを解析してその素材に最適なグレインの境界を決定します。これを無効にすると、グラニュラーシンセサイザーは元の素材に関係なく同じように動作します。これは特に低速時の再生品質に影響します。
  • Grain:このコントロールはTone MachineのFormantコントロールに代わるものです。グラニュラーシンセサイザーのグレインサイズを決定します。Hi Qualityモードではグレインサイズが固定されないため、上で説明したボタンを有効にしている場合、このコントロールの効果はほとんどありません。

Time Machine 2

このモジュールはTime Machine 1と同様に動作しますが、より高品位なタイムストレッチとピッチシフトを実現する強化されたアルゴリズムを使用します。

Time Machine 2のコントロールは、以下の例外を除いてほとんどがTime Machineのものと同一です。

Time Machine 2モードは、特に打楽器系の素材の高品位なタイムストレッチに最適化されています

  • Transient Copy:このボタンを有効にすると、素材中のトランジェント——打楽器的な音で生じる瞬間的なレベル変化——が可能な限り正確に保たれます。したがって、ドラムループなどの打楽器系素材を扱うときにはこのモードが推奨されます。
  • Transient(Transient Size):Transient Copy機能が有効なとき、このコントロールは手を加えずに残すトランジェントの長さを調整します。
  • Grain:このドロップダウンメニューでは、さまざまな種類の素材に最適化された複数のグレインサイズから選択できます。個々の素材に対して各設定がどう作用するかは予測しづらいため、最も良く聞こえるものが見つかるまでいくつかの設定を試してみる価値があります。

Time Machine Pro

このモジュールは、最高品位で独立したピッチシフトとタイムストレッチを行いたいときに使用します。極端な効果ではなく、リアルな変化に最適です。品位が高いぶん、このモードのCPUとRAMの消費はかなり大きくなります。

Time Machine Proのコントロールは、以下の例外を除いてほとんどがTime Machineのものと同一です。

Time Machine Proは最も高品位なタイムストレッチモードです

  • Reverse:Time Machine Proは、リアルタイムのオーディオ逆再生機能を備えた唯一のtime machineモジュールです。
  • High Quality:「efficient」モードと「high quality」モードを切り替え、下で説明する高度なコントロールを表示します。
  • Env Order(Envelope Order):スペクトラルエンベロープ(フォルマント)推定の次数を設定します。デフォルトは25%で、ほとんどの素材に適しています。入力オーディオが非常に高いピッチの場合は次数を下げるべきで、同様に、入力オーディオが低いピッチの場合は値を上げるべきです。
  • Frm Shift(Formant Shift):スペクトラルエンベロープのシフト係数を設定します。デフォルトはゼロで、ほとんどの素材に適しています。このスペクトラルシフトは、全体のピッチシフトより前に実行されます。
  • Keep Formants:このオプションを有効にすると、フォルマントを保持したピッチシフトが可能になります。
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Time Machine Proはステレオファイルのみ処理できます。それ以上のチャンネル数(サラウンド)の場合、最初の2チャンネルのみが処理され、残りはミュートされます。

Beat Machine

Beat Machineは、「スライス」されたSampleをテンポ同期で再生するためのモードです。簡単に言えば、スライスの仕組みは、ドラムループのような打楽器系のオーディオ素材の再生速度を、トランジェントが「にじむ」傾向や他のタイムストレッチ手法によくある別のアーティファクトを生じさせずに変更する方法を提供します。ただしそれらとは対照的に、スライスには事前に人の手を入れる必要があります。その考え方は、Sampleにマーカーを追加して、その特徴的な部分——ドラムループならドラムの音——がどこにあるかをKontaktに伝えるというものです。それらのマーカーを作成すると、Kontaktは内蔵のシーケンサーでこれらの要素を楽曲に合わせてトリガーできるようになります。このシーケンサーがBeat Machineです。

「スライス」と呼ばれる、Sampleにマーカーを置く作業が大変そうに思えても心配はいりません。Wave EditorのGridパネルにあるインテリジェントなスライス機能が、この作業をできるだけ簡単にしてくれます。もちろん、いったんSampleをスライスすれば、スライス情報はInstrumentとともに保存されます。さらに、市販のループライブラリーという形で、あらかじめスライスされた素材が多数入手できます。

Sampleを手動でスライスする手順については、セクションGridパネルで詳しく説明しています。また、Wave EditorのSync / SliceタブにはUse Beat Machineボタンがあり、Sampleを楽曲のテンポにすぐ同期させられることにも注意してください。実際のところ、Source ModuleをBeat Machineモードに明示的に切り替えるのではなく、常にUse Beat Machine機能を使うべきです。自分のSampleをスライスし、Beat Machineを使って再生する方法については、Wave Editorの章のセクションGridパネルおよびSync / Sliceタブを参照してください。

Beat Machineには以下のコントロールがあります。

Beat Machineモードは手動で有効にすべきではありません。まずWave EditorでSampleをスライスし、その後Sync / SliceタブのUse Beat Machineボタンから有効にするほうが良いでしょう

  • MIDI Channel:このGroupが応答するMIDIポートとチャンネルを設定します。異なるGroupを異なるMIDIチャンネルに応答させたい場合にのみ変更してください。そうでない場合は、InstrumentのMIDIチャンネルをInstrument Headerで設定し、このパラメーターはDefault(Instrument)のままにしておきます。
  • Tune:各Sliceが再生されるピッチを、上下1オクターブの範囲で調整します。
  • Speed:Sliceのパターンが再生される速度を調整します。Wave EditorのSync / SliceタブのUse Beat Machineボタンを使ってスライス済みのSampleを同期させている場合、このコントロールの表示はZoneとなり、速度がホストのテンポに自動的に同期されることを意味します。この仕組みについてはセクションBeat Machineを使うで説明しています。Beat Machineモードを手動で有効にした場合、速度はパターンの元の速度に対するパーセンテージで表示され、表示されている単位をクリックしてドロップダウンメニューから音価を選ぶことで手動で同期させられます。
  • Tracking:このボタンを有効にすると、再生ピッチは演奏するノートに応じて変わります。無効にすると、ピッチは鍵盤に追従しません。
  • Slice Atk(Slice Attack):スライスはSample中の、単独で再生するとクリックノイズが生じる位置で行われることがあるため、Sliceは単に連続して再生されるのではなく、互いにクロスフェードされます。このコントロールは、そのクロスフェードエンベロープのアタックタイムを調整します。値が大きいとトランジェントが弱くなるため、通常はクリックノイズがぎりぎり生じない最小の値に調整するのが良いでしょう。
  • Slice Rel(Slice Release):Sliceの間で生じるクロスフェードのリリースタイムを調整します。
  • Release Trigger:このGroup内のサンプルを、MIDIノートオフコマンドを受信したときにトリガーできるようにします。この機能とその追加パラメーターについては、この章の冒頭にあるSamplerモードの説明で扱っています。
  • t(ms)(Time、Release Triggerが有効なときのみ表示):これを0以外の値に設定すると、Kontaktはノートを受信したときにその値からミリ秒単位で逆にカウントし、対応するノートオフの値を受信したときにタイマーを止め、その時点の値をモジュレーションソースとして提供します。これによりInstrumentをノートの長さに応答させることができます。たとえば、長いノートの後はリリースサンプルの音量を下げて、自然に減衰したSampleに合うようにするといった使い方です。
  • Monophonic(Release Triggerが有効なときのみ表示):このボタンは、リリースサンプルがノートの連打にどう応答するかに影響します。有効にすると、同じノートを繰り返し演奏したときに、まだ鳴っている以前のリリースサンプル(あれば)を打ち切り、常に1つのリリースサンプルだけが鳴るようになります。
  • Internal Trigger:このボタンは後方互換性のためにのみ用意されています。その機能は、鍵盤全体にわたってGroupへ自動的にマッピングされたスライスに対して使われていました。この機能はKontakt 3のリリース以降Zoneで再現されているため、このボタンが必要になるのは、それ以前のバージョンのKontaktで保存されたInstrumentを使う場合だけです。

S1200 Machine

S1200 Machineは「vintage machine modes」の1つ目です。80年代後半の名機であるドラムサンプラーの挙動をエミュレートします。サンプルの再生品質を意図的に劣化させる(およそ12ビット、26kHzに)だけでなく、Kontaktがピッチを変化させる方法やサンプル再生エンジンの基本的な扱いも変更します。

コントロールはSamplerモードやDFDモードのものと似ていますが、Qualityメニューが省かれ、Static Filterメニューが加わっています。

S1200 Machine

MP60 Machine

MP60 Machineは「vintage machine modes」の2つ目で、別の80年代の名機であるサンプラーの挙動をエミュレートします。S1200と同様に、サンプルの再生品質を意図的に劣化させるだけでなく、Kontaktがピッチを変化させる方法やサンプル再生エンジンの基本的な扱いも変更します。一般にS1200モードよりサンプル品質は高めです。

コントロールはSamplerモードやDFDモードのものと似ていますが、Qualityメニューが省かれています。

MP60 Machine


Amplifier Module

このセクションでは、KontaktのシグナルフローのGroupレベルにおける最終段であるAmplifierモジュールについて説明します。

Amplifier Moduleは、KontaktのシグナルフローのGroupレベルにおいて、Source ModuleとGroup Insert Effectsのチェーンの後に続きます。その役割は、信号がInstrumentレベルに入る前に音量とステレオパノラマを調整することと、必要に応じてデフォルトの出力チャンネルの割り当てや、GroupレベルとInstrumentレベルの間で行われるチャンネルルーティングを変更することです。Amplifier Moduleの特に重要な働きは、モジュレーションと組み合わせることで生まれます。これにより、演奏可能なInstrumentを作るうえで基本となるボリュームエンベロープを使用できます。

Amplifier ModuleはKontaktのシグナルフローの基本的な構成要素であるため、Groupから取り外すことはできず、1つのGroup内に複数のAmplifier Moduleを持つこともできません。そのGroup内のSource Moduleが生成したすべての信号は、Amplifier Moduleを通過します。

Amplifierには以下のコントロールがあります。

  • Volume:このGroupから出るすべての信号の全体的なレベルを調整します。
  • Pan:GroupがステレオのOutput Channelにルーティングされている場合、このコントロールで信号をステレオパノラマ内に配置できます。VolumeとPanのコントロールは、Group内のすべてのZoneの再生に影響することに注意してください。これらのパラメーターをZoneごとに調整したい場合は、代わりにMapping Editorで変更するか、セクションZone Envelopeで説明しているZone Envelopesを使用してください。
  • Phase Invert:このボタンをオンにするとオーディオ信号の位相が反転し、負の信号は正に、正の信号は負になります。ミキシングコンソールの位相反転ボタンと同じように動作し、用途も同じで、つまり信号が位相の打ち消しなしに混ざるようにするためのものです。
  • L/R Swap:このボタンを有効にすると、ステレオ信号の左右のチャンネルが入れ替わります。
  • Channel Routing:このボタンをクリックすると、パネルの下にルーティングマトリクスが開きます。ここでGroupレベルとInstrumentレベルの間の接続におけるチャンネル割り当てを変更したり、Groupの信号を異なるチャンネル構成へアップミックスまたはダウンミックスするための特別なルーティング設定を作成したりできます。このパネルの詳細については、この章の後の方で説明します。
  • Output:このドロップダウンメニューでは、このGroupに対して別のOutput ChannelまたはBusへのルーティングを指定できます。Default(Instrument)に設定されている場合、Groupの出力はInstrument Insert Effects Chainにルーティングされ、その後instrumentの出力へ送られます。その出力のChannel OutputはInstrument Headerで選択します。このドロップダウンからBusを選ぶと、そのgroupのオーディオはそのBus Effect Chainにルーティングされ、その後それぞれのBusの出力(デフォルトではInstrument Effect Chain)へ送られます。Groupのオーディオを直接Channel Outputへ送ることもでき、その場合はBusやInstrumentのエフェクトはすべてバイパスされます。
Channel Routingパネル

チャンネルの順序と割り当てはそのままに、2番目のチャンネルの音量だけを-12 dB下げるルーティング設定

この表の各横行は、左端の列に示されているとおり、Amplifier Moduleの入力に存在するGroup信号のチャンネルに対応します。各縦列は、Instrument HeaderでこのInstrumentに対して選択した出力のオーディオチャンネルに対応します。入力チャンネルと出力チャンネルの間の接続は、該当する行と列が交差するフィールドをクリックすることで作成できます。既存の接続は色付きの四角形で示され、もう一度クリックすると接続が解除されます。

異なるチャンネル構成の間で変換するより複雑なルーティングでは、1つの入力信号を複数の出力チャンネルへ送ったり、複数の入力信号を1つの出力チャンネルへミックスダウンしたりすることもできます。これは、1つの行の中に複数の接続を作る(ミックスアップ)か、1つの列の中に複数の接続を作る(ミックスダウン)だけで行えます。こうした場合、増幅または減衰を伴う接続を作りたいことがよくあります。たとえば、サラウンド信号をステレオへミックスダウンする際は、リアの信号を低めの音量でステレオチャンネルに折り込むのが一般的です。これはChannel Routingマトリクス内で、既存の接続のフィールドを右クリックすることで実現できます。右クリックすると、四角形の色で示されるとおりその接続のレベルが変わります。繰り返しクリックすると、あらかじめ用意された複数のレベルを順に切り替えられます。それらのレベルは、ルーティングマトリクスの下部にそれぞれの色で表示されます。


参照元情報:Classic view
https://docs.native-instruments.com/online-guides/kontakt-manual/en/classic-view