Kontaktユーザーマニュアル 12 - モジュレーション(Modulation)

Kontaktユーザーマニュアル 12 - モジュレーション(Modulation)

モジュレーションの基本的な説明から、KontaktのModulation Routerでソースとパラメーターをつなぐ方法まで、モジュレーションでサウンドをよりダイナミックにするやり方を解説します。

Kontaktの内部モジュレーションシステムは、パラメーターを「アニメート」させ、さまざまな形で細かく調整しながら時間とともに変化させる強力な手段です。この目的のために、Kontaktのモジュールの多くはModulation Routerと呼ばれるテーブルを備えており、さまざまなモジュレーション信号のソースを、そのモジュールのパラメーターに割り当てられるようになっています。

シンセサイザーやサンプラーを使い始めたばかりの方は、モジュレーションという概念になじみがないかもしれませんので、ここで簡単に説明します。すでにモジュレーションを扱ったことがある方は、次の段落を読み飛ばしてかまいません。

生成される音のピッチを変えるコントロールが1つだけ付いた、ごく単純なトーンジェネレーターがあると考えてみましょう。アコースティック楽器の奏者は、サウンドをより表情豊かでダイナミックにする手段として、ビブラート — ピッチの微妙な「震え」 — をよく使います。そこで、この効果を自分のジェネレーターでもシミュレートしたくなったとします。もちろん、ピッチノブを素早く左右に動かすという手もありますが、これは扱いにくく不便です。その代わりに、周期的な波形を出力する別のジェネレーターを — ただしトーンジェネレーターよりもはるかに低い周波数、たとえば5 Hzで — 用意し、トーンジェネレーターのピッチコントロールに接続します。すると、トーンジェネレーターのピッチは、ノブで調整したピッチを「中心に」周期的に上下へ揺れ始めます。つまりビブラートです。これはモジュレーションのごく単純な例です。生成したコントロール信号(周期的なものでもかまいませんが、そうである必要はありません)を使って、あるパラメーターを時間とともに変化させているわけです。もちろん、この例はKontaktでも同じように簡単に再現できます。Source Moduleがトーンジェネレーターに、そのTuneパラメーターがピッチノブに、LFOが低周波コントロール信号のソースに、そしてModulation Routerのエントリーが両方のジェネレーターをつなぐ配線に相当します。


モジュレーションソース

モジュレーションに使えるKontaktのソース群は、大きく4つのカテゴリーに分かれています。

  • エンベロープは、始まりと終わりを持つ、さまざまな形状の細かく調整できるカーブです。キーを押したあとにフィルターが開き、そこから徐々に閉じていくといった、従来の周期的な波形では簡単に得られないパラメーター変化を、多くの場合は繰り返しのない形で作るために使われます。エンベロープは基本的にMIDIノートメッセージに反応します。
  • LFO(Low Frequency Oscillators)は、0.01 Hzから約210 Hzまでの周波数範囲で周期的な波形を生成するソースです。シンセサイザーでおなじみの伝統的な波形セット — すなわちSine、Triangle、Rectangle、Sawtooth、Random — に加えて、Kontaktにはこれらの波形を混ぜ合わせた複雑なLFOも用意されています。
  • 外部ソースは、受信するMIDIデータや、一定値およびランダム値など、Kontaktのモジュレーションソースモジュールの外側で生成されるコントロール信号へのアクセスを提供します。
  • その他には、ステップシーケンサーやエンベロープフォロワーなど、他のカテゴリーに当てはまらないソースが含まれます。
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外部のMIDIメッセージから得られるコントロールデータは、その性質上MIDI規格の128段階の数値ステップに制限されますが、Kontaktの内部モジュレーションソースははるかに細かい分解能を備えています。


モジュレーションデスティネーション

Modulation Routerは、Group単位で動作するほとんどのモジュールに用意されており、これにはSourceモジュールとAmplifierモジュール、そしてGroup Insert Effectsチェーン内のシグナルプロセッシングモジュールが含まれます。さらに、既存の割り当てで使われているモジュレーションソースジェネレーター自体のパラメーターもモジュレーションできるため、複雑で多彩な可能性が生まれます。

Instrument Insert Effects、Send Effects、Main EffectsのようにGroupレベルの外側にあるモジュールは、パラメーターのモジュレーションに対応していません。

1つのモジュレーションソースで複数のパラメーターをモジュレーションできるのと同じように、複数のソースを組み合わせて1つのパラメーターをモジュレーションすることもできます。同じデスティネーションパラメーターを持つ割り当てを複数作成すると、モジュレーション信号は互いにミックスされます。ただし、多くのモジュレーション信号はバイポーラであり、値が累積するだけでなく打ち消し合うこともある点に注意してください。


モジュレーションの割り当ての作成

特定のパラメーターに対して実際に作用しているモジュレーションの割り当ては、そのパラメーターが属するモジュールのModulation Routerに1行ずつ表示されます。Modulation Routerは、モジュール左下のModまたはModulationと書かれたボタンをクリックすることで表示と非表示を切り替えられます。このボタンが無い場合、そのモジュールのパラメーターはモジュレーションできません。

AmplifierモジュールのModulation Router

Modulation Routerのエントリーが内部モジュレーションソースを使用している場合、Instrument Edit modeのRack下部には必ず対応するモジュレーションソースパネルがあります。ここでは、LFOの周波数やエンベロープのタイミングなど、信号ソースのパラメーターを調整できます。

Modulationセクションには、Instrument内で使われている内部モジュレーションソースがすべて表示されます。

とはいえ、モジュレーションソースとそのModulation Routerのエントリーを調整するために、上下にスクロールする必要はありません。両方のパネルにあるQuick-Jumpボタンのいずれかをクリックするか、単に「^」キー(US配列キーボードでは「~」)を押すだけで、すぐにもう一方のパネルへ移動できます。

Modulation RouterのエントリーとモジュレーションソースパネルにあるQuick-Jumpボタンは、もう一方のパネルへ移動させます。

Modulation Routerのテーブルに新しいエントリーを追加してモジュレーションの割り当てを作成するには、2通りの方法があります。どちらを選ぶかは、主に好みの問題です。

  1. モジュレーションしたいパラメーターのノブを右クリックし、表示されるドロップダウンメニューからモジュレーションソースを選びます。このメニュー下部のサブメニューには、Instrument内にすでに存在するモジュレーションソース(ある場合)が並んでおり、既存のソースを複数のパラメーターに割り当てられます。そのモジュールのModulation Routerが表示されていない場合、割り当てを追加すると表示されます。これにより、割り当てのパラメーターをすぐに調整できます。
  2. モジュールのModulation Routerを開き、最終行の左側にあるAdd Modulatorボタンをクリックします。ノブを右クリックしたときと同じモジュレーションソースのドロップダウンメニューが開きます。この方法ではデスティネーションパラメーターを指定できないため、通常は新しい割り当てエントリー右側のドロップダウンメニューから、モジュレーション対象のパラメーターを変更する必要があります。

モジュレーションの割り当ての削除

モジュレーションの割り当てを完全に削除するには、Modulation Router内のそのエントリーのパネルをクリックして選択し、キーボードのDeleteキーを押します。その割り当てが内部の信号ソースを使っており、Instrument内の他の割り当てが同じソースを使っていない場合、対応するソースパネルもRackのModulationセクションから消えます。

モジュレーションの割り当てを右クリックして、コンテキストメニューからDeleteを選ぶこともできます。


割り当てのコントロール

前述のとおり、モジュレーションソースの動作を左右するコントロールはすべて、Rack下部の対応するソースパネルにあります。しかしそれとは別に、そのソースモジュールの出力信号を、割り当て先のパラメーターへどのようにマッピングするかを決めるパラメーターも存在します。1つのソースは複数のパラメーターをそれぞれ異なる形でモジュレーションできるため、これらのコントロールをソースのパネルに置くのはあまり意味がありません。そこでこれらは、Modulation Routerテーブル内の各割り当てエントリーの一部になっています。

上から順に、このModulation Routerには、ボリュームエンベロープ、ベロシティからボリュームへのマッピング、そしてMIDI CC #69のデータをパノラマ位置に使い、初期値として左端を指定したマッピングのエントリーが並んでいます。

  • Modulation Source:エントリーが内部ソースの割り当てに属している場合、この値は変更できません。外部ソースの割り当てでは、ここにドロップダウンメニューが表示され、別のソースに切り替えられます。
  • Quick-Jumpボタン(LFOなど内部ソースの割り当てでのみ表示):このボタンをクリックすると、Rack下部にある該当ソースのコントロールパネルまで一気にスクロールします。そこでの調整が終わったら、パネル上の同じボタンで元の場所に戻れます。
  • MIDI CC Number(ソースがMIDI CCの場合のみ表示):モジュレーションは、ここで指定した番号の受信MIDIコントローラーデータから値を取得します。モジュレーションホイールは通常MIDI CC #1を、ボリュームペダルとエクスプレッションペダルはそれぞれCC #7とCC #11を送信します。
  • MIDI CC Default Value(ソースがMIDI CCの場合のみ表示):MIDIコントローラーの現在位置はリモートから問い合わせることができず、実際にデータを受信するまで不明なため、最初のMIDI CCデータを受け取るまではこの値が代わりに使われます。このフィールドに-1を設定すると、実際にデータを受信するまでパラメーターをまったくモジュレーションしないようKontaktに指示できます。
  • Modulation Shaper:モジュレーション信号とパラメーター変化の関係を、Intensityフェーダーで得られる以上に細かく制御したい場合は、このボタンをクリックするとシェイパーテーブルが開きます。ここでは、非線形の伝達カーブから、取り得る入力値ごとに異なる出力値を割り当てる複雑なテーブルまで、あらゆる形状を作成できます。

Modulation Shaper

低いベロシティ値をより高い値に変えるモジュレーションシェイプ。

  • このビューの左上にあるActiveボタンは、モジュレーション信号のシェイピングを有効にします。オンにすると、その隣のウィンドウに128本の縦棒で構成されたテーブルがグラフィックで表示されます。各棒の高さは、その棒に対応する値がソースモジュールから受信されたときに、実際にモジュレーションへ使われる値を表します。つまりここに表示されているのは伝達カーブであり、X軸が入力値を、Y軸が出力値を表します。

    1本の棒をクリックしてドラッグしたり、複数の棒にまたがって形を描いたり、右クリックしてドラッグで直線を描いたりすることで、独自のシェイプを素早く作成できます。棒の高さを変えるときに[Shift]キーを押しながら操作すると細かく編集でき、棒を[Ctrl]+クリック(Mac OS Xでは[Cmd]+クリック)するとその棒はゼロにリセットされます。

  • Table:オンにすると、Modulation Shaperは、マウスでは正確に描きにくい非線形カーブやその他の決まった形状のための、もう1つの編集モードを提供します。
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このTableモードでモジュレーションシェイプを編集する場合、テーブルデータをテキストファイルとして書き出したり読み込んだりできます。書き出しダイアログを開くにはActiveボタンを[Shift]+クリックし、読み込みダイアログを開くにはWindowsでは[Shift]+[Ctrl]、Mac OS Xでは[Shift]+[Cmd]を使います。

カーブエディターでは、連続した滑らかなモジュレーションシェイプを作成できます。

  • Table:オフにすると、カーブセグメントを使ってマッピングを定義できます。この編集モードは、Flexible Envelopesのセクションで説明するフレキシブルエンベロープエディターと同じように動作します。カーブセグメントの端点をドラッグして移動したり、セグメント中央の円をドラッグしてカーブの形状を変えたり、端点を右クリックまたは[Ctrl](macOS)+クリックして削除したり、それ以外の場所を右クリックまたは[Ctrl](macOS)+クリックして新しいセグメントを作成したりできます。
  • Invertボタン:このボタンをオンにすると、すべてのモジュレーションの方向が反転します。モジュレーション信号が上昇すると、パラメーターの値は比例して下降します。
  • Modulation Intensity:このフェーダーは、モジュレーション信号の変化によって生じるパラメーター変化の大きさ、言い換えれば、この割り当てによってパラメーターが元の値からどれだけ離れるかを制御します。モジュレーションの強さが違えばまったく異なる効果が得られるため、これはおそらく割り当てで最も重要なパラメーターです。例として、前のセクションで説明したLFOからピッチへの割り当てをもう一度考えてみましょう。自然で控えめな楽器のビブラートにはかなり低いIntensity値が適していますが、値を高くするとパトカーのサイレンのようなサウンドになります。
  • Lag(Smoothing):この値が0より大きい場合、モジュレーションソースから受信した信号は平滑化されます。表示される値はミリ秒単位の時定数で、モジュレーション信号が瞬時に変化したあと、平滑化された信号が新しい値に達するまでにかかる時間を示します。この機能の最も分かりやすい用途は、外部MIDIデータを穏やかに平滑化することです。MIDI規格ではコントローラーデータの分解能が128ステップしかないため、平滑化せずに使うとパラメーターが飛んで聴こえやすくなります。平滑化の値を低めに設定すれば、コントローラーの変化に対する十分に速い反応を保ったまま、この問題を解消できます。ピッチのモジュレーションは特に段差が目立ちやすいため、すべてのピッチの割り当てではSmoothingパラメーターが初期設定で250に設定されています。値を大きくすると、「なめらかになった」RectangleやSawtoothのモジュレーションなど、LFOで有用な結果が得られます。
  • Modulation Target:最後に、一番右の要素にはモジュレーションされるパラメーターが表示されます。このフィールドをクリックすると、このモジュール内でモジュレーションできるすべてのパラメーターのドロップダウンリストが表示され、新しいターゲットを選べます。

モジュレーションソースリファレンス

この章では、Kontaktのモジュレーションソースを詳しく説明します。

以降のセクションでは、Kontaktが備えるすべてのモジュレーションソースを説明します。モジュレーションソースはいずれも、4つの大きなカテゴリーのどれかに分類されます。エンベロープは(通常は)非周期的で細かく調整できるカーブ形状、LFOは周期的な波形、その他はステップシーケンサーのような特殊なモジュレーター、外部ソースはKontaktのモジュレーションモジュール以外から生じるモジュレーション信号です。


エンベロープ

Kontaktには3種類のエンベロープ形状が用意されており、それぞれ異なるコントロールのセットを備えています。

  • AHDSR:これは、最も一般的なエンベロープタイプであるADSRエンベロープをKontakt流に解釈したものです。ADSRという名前は、そのパラメーター(アタックタイム、ディケイタイム、サステインレベル、リリースタイム)に由来します。この4つのパラメーターだけで、ADSRエンベロープは驚くほど多彩なモジュレーション形状を作り出せ、アコースティック楽器の自然なダイナミクスの再現に適しています。Kontakt版のこのエンベロープには、後述するHold Timeコントロールが追加されています。
  • DBD:これは、ゼロから上または下の調整できるブレークポイントまで上昇または下降し、その後ゼロに戻る、比較的シンプルなワンショットエンベロープです。サウンドの最初のアタック段階で起こる事象をシミュレートするのに適しています。
  • Flexible Envelope:名前のとおり、このエンベロープはモジュレーション形状にまったく制限を設けません。数ミリ秒から数分に及ぶ、ほぼ任意の複雑さのコントローラーカーブを作成できます。

AHDSR

AHDSR(Attack, Hold, Decay, Sustain, Release)エンベロープには、次のコントロールがあります。

  • AHD Only:このボタンをオンにすると、エンベロープはアタック、ホールド、ディケイの各フェーズだけに簡略化されます(各フェーズの説明は後述します)。これによりサステインパラメーターが無くなるため、キーをどれだけ長く押していても必ず最後まで再生される、シンプルなワンショットエンベロープになります。そのため、ドラムやパーカッションのサウンドに最適です。
  • Retrigger:このボタンをオンにすると、別のノートが押されたままであっても、Kontaktがノートを受信するたびにエンベロープが再スタートします。オフの場合、エンベロープは最後のノートが離されるまで現在の位置を保ち、その後、次のノートで再スタートします。
  • Curve:アタックフェーズのカーブ形状を調整します。値が0だとアタックカーブは直線になり、マイナスの値では形状がより凹型に、プラスの値ではより凸型になります。
  • Attack:トリガーされたエンベロープが最大レベルに達するまでの、最初の時間です。
  • Hold:アタックフェーズを終えてからディケイフェーズに入るまで、エンベロープが最大レベルにとどまる時間(固定)です。
  • Decay:エンベロープが最大レベルからSustainコントロールで設定したレベルまで下降するのにかかる時間です。
  • Sustain:アタック、ホールド、ディケイの各フェーズを終えたあと、キーが押されている間、エンベロープはこのレベルにとどまります。
  • Release:キーが離されたあと、エンベロープがサステインレベルからゼロに戻るまでにかかる時間です。

DBD

DBD(Decay, Break, Decay)エンベロープには、次のコントロールがあります。

  • Retrigger:このボタンをオンにすると、別のノートが押されたままであっても、Kontaktがノートを受信するたびにエンベロープが再スタートします。
  • Decay 1(D1):トリガーされたエンベロープが、ゼロからブレークポイントまで上昇または下降するのにかかる時間です。
  • Break(B):ブレークポイントのレベルです。この値がマイナスの場合、エンベロープはいったん下降してから上昇し、プラスの場合はその逆の動きになります。
  • Decay 2(D2):ブレークポイントに達したエンベロープが、ゼロまで上昇または下降して戻るのにかかる時間です。
  • Easy Mode:Easy Modeでは、DBDエンベロープのBreakパラメーターとDecay 2パラメーターが無効になり、残るパラメーターはDecay 1だけになります。ブレークポイントはゼロに設定されます。基本的なパーカッシブ系インストゥルメントには、フルモードよりEasy Modeのほうが扱いやすいのが一般的です。

Flexible Envelopes

この強力なエンベロープタイプでは、最大32個のブレークポイントをそれぞれ決まったレベルと時間位置に置くことで、任意のモジュレーション形状を作成できます。同様のエンベロープは、Wave EditorのZone EnvelopesなどKontaktの他の場所にもいくつか登場します。

新しいフレキシブルエンベロープを作成すると、そのパネルには最初、従来のADSRエンベロープに近い形状が表示されます。エンベロープ形状の変更は、すべてこのグラフィック表示の中で行います。他のエンベロープエディターと同じく、X軸は時間を、Y軸はモジュレーションレベルを表します。

エンベロープの形状は、ブレークポイントを作成または削除したり、それらを動かして(時間位置とレベルを変えて)、ブレークポイント同士をつなぐカーブの形を変えたりすることで定義できます。初期プリセットはブレークポイントが4つのエンベロープで、これはエンベロープに存在しなければならない最小のブレークポイント数でもあります。

エンベロープにブレークポイントを追加するには、追加したい位置で右クリック(Windows)または[Ctrl]+クリック(macOS)します。ブレークポイントの削除も同じ操作で、既存のブレークポイント上で右クリック(Windows)または[Ctrl]+クリック(macOS)するとそのブレークポイントが削除され、その両隣(削除したものがエンベロープの最後のポイントでなかった場合)が直線で結ばれます。ブレークポイント間のこの接続は、中央にある小さな円を上下にドラッグすることで、直線から凸型または凹型のカーブに変えられます。

エンベロープがエディターに現在表示されている時間枠より長くなった場合は、タイムラインを左クリックして水平にドラッグするとスクロールでき、右クリック(Windows)または[Ctrl]+クリック(macOS)してドラッグするとズームインとズームアウトができます。

ブレークポイントはマウスでドラッグして動かせます。現在選択されているブレークポイントは、塗りつぶされた四角のアイコンで示されます。エディター上の位置に加えて、エディター上部のブレークポイントステータスラインで、そのパラメーターを数値として確認できます。

フレキシブルエンベロープパネルのステータスバーには、現在選択されているブレークポイントのデータが数値で表示されます。

これらの値は、現在の配置モード、選択中のブレークポイントの番号、その絶対的な時間位置(ミリ秒で表示)、直前のブレークポイントからの相対的な時間差、レベル、そしてブレークポイントの左側のカーブ形状(0.5が直線、それより大きい値が凸型、小さい値が凹型を示します)を表します。

いずれかのポイント(最後のポイントを除く)を水平方向に動かすと、それ以降のすべてのポイントが同じ量だけ一緒に動き、エンベロープ全体の長さが変わります。この動作を無効にするには、エンベロープエディター上部のブレークポイントステータスラインにあるModeの項目をクリックします。これでブレークポイントの配置モードが切り替わります。

  • SLD:Slideモードは初期設定で、上で説明した動作になります。
  • FIX:Fixedモードでは、他のブレークポイントに影響を与えずに個別に位置を決められます。

エンベロープ形状に加えて、エディターにはオレンジ色の線が3本、縦2本と横1本、「H」字型に描かれます。2本の縦線に挟まれた区間はエンベロープのサステインフェーズを示し、他のブレークポイント(エンベロープの最初と最後のポイントは除きます)へドラッグできます。このフェーズは、ノートが押されている間のエンベロープの動作を決めます。その間に何が起こるかは、2本のオレンジ色の線の間に別のブレークポイントがあるかどうかで変わります。サステイン部分が2つのブレークポイントの間のカーブだけにまたがり、その間に他のブレークポイントが無い場合、エンベロープはノートが押されている間、2つ目のポイントのレベルで「フリーズ」します。これはサステイン部分を横切る水平のオレンジ色の線で示されます。一方、サステインフェーズの開始マーカーと終了マーカーの間に別のブレークポイントがある場合は、その区間全体がノートを離すまでループし、離すとエンベロープはサステインフェーズに続く区間へ即座にジャンプします。

フレキシブルエンベロープの最初の8つのブレークポイントは特別で、その時間位置とレベルを外部のモジュレーションソースでモジュレーションできます。これを行うには、エンベロープエディターのModulation Routerを開き、通常どおりモジュレーションの割り当てを作成します。最初の8つのセグメントの傾きもモジュレーションできます。

エンベロープエディターの仕組みが分かったところで、パネルに残る4つのボタンを見ていきましょう。

  • Retrigger:このボタンをオンにすると、別のノートが押されたままであっても、Kontaktがノートを受信するたびにエンベロープが再スタートします。
  • Tempo Sync:オンにすると、エディターの上に音価のグリッドが縦線で描かれます。そのステップ幅は現在のズーム倍率によって変わります(タイムライン上で右クリックまたは[Ctrl]+クリックしながらドラッグすれば、水平方向にズームインとズームアウトができることを思い出してください)。このモードで動かしたブレークポイントは、すべて時間位置がこれらのグリッド線にスナップし、ホストやMaster Editorのテンポに同期したモジュレーションカーブを作成できます。これによりエンベロープの実際の長さはホストテンポに応じて変わるため、これまでミリ秒で表示されていたブレークポイントのタイミング値は、音価で表示されるようになります。
  • Loop:オンにすると、エディター内の2本のグレーの縦線が黄色に変わります。これらの線で定義された範囲内のエンベロープセグメントは、エンベロープのサステインフェーズの間ループします。
  • Oneshot:オンにすると、エンベロープはキーを離しても無視して常に最後まで再生されます。オフの場合、キーを離すとエンベロープはリリースフェーズ(一番右の縦線で示されます)へジャンプします。LoopとOneshotの両方をオンにすると、エンベロープは無限に再生され続けます。

LFO

Low Frequency Oscillators(LFO)は、周期的な(場合によってはランダムな)信号を生成し、あらゆる種類のシンセサイザーやサンプラーでモジュレーションに広く使われています。その名前は、LFOが最初に生まれた過去のモジュラーアナログシンセサイザーという巨大な機材群に由来します。オーディオオシレーター(当時はたいてい単に「オシレーター」と呼ばれていました)と違うのは典型的な動作周波数だけで、それ以外はほぼ同じように動作し、似たコントロールを備えていた — その点を表そうとした名前です。オーディオオシレーターは20 Hzから20,000 Hzという可聴域の信号を生成しますが、LFOははるかに低い範囲を扱います。実用的なパラメーターモジュレーションの多くが、連続した音としてではなく変化として人間が知覚できる速度を必要とすることを考えれば、これは理にかなっています。前の章で挙げた定番のビブラートの例を思い出してください。ビブラートには20 Hzでも速すぎるほどで、実際の周波数は有用なオーディオ帯域からはるかに外れています。

1 Hzでサイン波を出力しているLFO。

KontaktのLFOはいずれも、0.01 Hzから約210 Hzの範囲の周波数を生成できます。この範囲の上のほうは実際にオーディオ帯域と重なっており、かなり面白く創造的なモジュレーションの可能性が開けますが、従来型のLFOの割り当ての大半は、0.01 Hzから40 Hzの間の周波数を必要とするでしょう。

Multi LFOでは、他のすべての波形を混ぜ合わせて複雑な波形を作れます。

これらのLFOは出力波形によって見た目が少しずつ異なりますが、別々のモジュールとして扱うべきものではありません。LFOをソースとする割り当てを一度作成すれば、RackのModulationセクションにあるそのLFOのコントロールパネルで波形を手軽に切り替えられ、表示されるコントロールも選択に応じて変わります。以降のセクションでは、各コントロールを1回だけ説明し、特定の波形専用のコントロールにはその旨を注記します。

LFOコントロール

LFOには、次のコントロールとオプションがあります。

  • Waveform:このLFOの出力信号の波形を表示し、ドロップダウンメニューから別の波形を選べます。使用できる波形は、Sine、Triangle、Rectangle、Sawtooth(下降)、Random、そして他のすべての波形を混ぜ合わせたMultiです。
  • Retrigger:このボタンをオンにすると、ノートを受信するたびにLFOの波形が同じ位置から再スタートします。オフの場合、LFOはノートに反応せず「フリーホイール」で動き続けます。
  • Freq:このLFOの出力信号の周波数をHz(1秒あたりのサイクル数)で調整します。値の範囲は0.01 Hz(100秒で1サイクル)から約210 Hzです。
  • Sync(単位アイコン):LFOの速度は、ホストテンポ、外部MIDIクロック、またはMaster Editorのテンポに同期できます。これを行うには、周波数表示の単位部分をクリックします。ドロップダウンメニューが表示され、音価のリストから選べます。値を選ぶとLFOはシンクモードになり、周波数コントロールは1サイクルの長さがその音価いくつぶんに相当するかを調整し、表示するようになります。たとえばWholeを選んで1.0に設定すると、LFOの1サイクルは4/4拍子の1小節ちょうどになります。非同期モードに戻すには、このドロップダウンメニューからDefaultを選びます。
  • Fade in:この値が0より大きい場合、LFOはノートを受信してもすぐには波形を開始せず、最大5秒かけて滑らかに立ち上げます。人間らしいビブラートにとても効果的です。周波数コントロールと同じく、このパラメーターも上で説明した方法で曲のテンポに同期できます。
  • Start Phase:LFOがトリガーされたときに、サイクル内のどの位置から波形を開始するかを調整します。値は度で表示され、0°が波形の開始点、180°がサイクルの中間点、360°が次のサイクルの開始点です。このパラメーターの設定が意味を持つのは、Retriggerボタンがオンのときだけです。
  • Pulsew.(Pulse width、Rectangle波形のみ):パルス幅は波形のデューティサイクルを調整し、サイクルの高い部分と低い部分の比率を決めます。パルス幅を50%にすると完全な矩形波になります。
  • Waveform Mixer(Multi波形のみ):Multi波形は、他の波形を足し合わせた結果である点が特別です。どの波形をどれだけの量で混ぜるかは、Multi波形に切り替えたときにノブの主要な列の下に現れる追加のコントロール群で調整できます。これらのミックスコントロールはバイポーラなので、ソース波形の極性を反転させることもできます。値が0.0の場合、その波形は混合から外れます。
  • Normalize Levels(Multi波形のみ):このボタンをオンにすると、現在の混合における全構成波形の合計がピークで単一波形のレベルを超える場合、LFOはそれに応じてレベルを下げます。

Multi Digital

Multi Digital LFOは新しいLFOタイプで、コントロールは標準のMulti LFOと同じです。違いは信号そのものにあります。標準のMulti LFOはアナログ信号を近似しており、値が急激に変わる信号(RectやSawなど)にはリップルも含まれますが、新しいMulti Digital LFOはより数学的に正確です。これは、正確でリズム的に複雑なモジュレーションソースを作るのに特に役立ちます。

Multi Digital LFO。


その他のモジュレーター

このカテゴリーには、他のカテゴリーに当てはまらない内部モジュレーションソースがすべて含まれます。

Step Modulator

Step Modulatorは古典的なステップシーケンサーと同じように動作し、最大32個の値の並びを自由に定義して、それを一定の速度で「再生」できます。これらのバイポーラの値は、中央のラインから伸びる棒をマウスで描いて定義します。棒が高いほど、その地点でモジュレーション対象のパラメーターは元の値から大きく離れます。複数の棒にまたがって直線的な変化を描くには、エディター内で右クリック(Mac OS Xでは[Ctrl]+クリック)しながらマウスをドラッグします。すると直線が描かれ、マウスボタンを離したときにその直線が棒として再現されます。Step Modulatorが棒から棒へ進む速度は、ホストやMaster Editorのテンポに同期できます。

Step Modulatorには、次のオプションとコントロールがあります。

  • Freq:Step Modulatorの「再生速度」を調整します。値の範囲は0.01 Hz(すべての棒を1周するのに100秒かかります)から約210 Hzです。表示されている単位をクリックし、ドロップダウンメニューから音価を選んで、1サイクルがその音価いくつぶんになるかをスピードノブで調整すれば、ホストやMaster Editorのテンポに同期できます。
  • #(番号記号):シーケンス内のステップ数を決めます。このフィールドをクリックし、マウスを上下にドラッグして並びのステップ数を変更します。モジュレーターは最後まで進むとすぐに先頭へ戻るため、このフィールドに2のべき乗(8、16、32など)を指定しておくと、再生中もStep Modulatorが2拍子系の拍子に沿った状態を保てます。
  • Retrigger:このボタンをオンにすると、ノートを受信するたびにStep Modulatorが最初の棒からシーケンスを再スタートします。オフの場合、ステップモジュレーターはノートに反応せず「フリーホイール」モードで動き続けます。
  • One Shot:このボタンをオンにすると、Step Modulatorは並びを1回だけ再生して停止します。オフの場合は、並びを無限にループします。
  • Tools:2つのユーティリティ機能を持つドロップダウンメニューを開きます。Resetはすべてのステップの振幅を0にし、Snap 1/12は編集を24ステップ(各方向に12ステップ)のグリッドに制限します。これを、モジュレーションのIntensityを最大にしたピッチの割り当てと組み合わせると、クロマチックスケール内のノートシーケンスを作成できます。

Envelope Follower

Envelope Followerは、現在再生されているサンプルの振幅を継続的に解析し、そこからモジュレーション信号を生成します。これにより、オーディオ信号のダイナミックなエンベロープをそのまま自分の用途に活かせます。つまり、オーディオ信号が大きくなればモジュレーション信号もそれに応じて上昇し、小さくなれば下降します。

Envelope Followerには、次のコントロールがあります。

  • Attack:レベルの上昇に対するEnvelope Followerの反応時間を調整します。値を大きくすると、オーディオレベルの増加に対応するアタックフェーズが「なめらか」になります。値が非常に短いと、Envelope Followerがオーディオ波形の各サイクルを追い始めるため、歪みが生じることがあります。
  • Decay:レベルの下降に対するEnvelope Followerの反応時間を調整します。値を大きくすると、オーディオレベルの減少に対応するディケイフェーズが「なめらか」になります。値が非常に短いと、Envelope Followerがオーディオ波形の各サイクルを追い始めるため、歪みが生じることがあります。
  • Gain:オーディオ信号に対するEnvelope Followerの感度を調整します。値を大きくすると、エンベロープの振幅が大きくなります。
  • Adapt:Envelope Followerの基準となるトランジェント反応時間を設定します。

Glide

Glideモジュールは、ポルタメント効果を作るために必要な特殊なモジュレーション信号のソースとして働きます。この効果はモノフォニックシンセサイザーでおなじみのもので、2つの連続したノートをレガートで演奏したときに、ピッチ間を滑らかにつなぐ移行を加えます。ポルタメントを作るには、Glideモジュールをソースモジュールのピッチに割り当て、対応するモジュレーションのIntensityを最大値に設定します。このモジュールをそれ以外の用途に使うことは、ほとんど意味がありません。また、この機能をポリフォニックのInstrumentで使っても確かに動作しますが、この効果は通常モノフォニックのInstrumentと結び付いたものである点にも注意してください。

Glideモジュールには、次のコントロールがあります。

  • Time/Speed:2つのグライドモードのどちらかを選びます。Timeを選ぶと、ノート間の音程に関係なくすべての移行が同じ時間で行われます。Speedモードでは、グライドの速度が一定に保たれるため、音程が広いほど移行は長くなり、音程が狭いほど短くなります。
  • Speed:ポルタメントの速度を調整します。表示されている単位をクリックし、ドロップダウンメニューから音価を選んで、その音価に対する係数をスピードノブで調整すれば、このパラメーターをホストやMaster Editorのテンポに同期できます。

外部ソース

このカテゴリーには、Kontaktのソースモジュール以外から信号が生じるモジュレーションソースが含まれます。このカテゴリーのソースの多くは、あらゆる種類の受信MIDIデータを参照しており、ピッチベンド、アフタータッチ、MIDIコントローラーなどのデータをパラメーターのモジュレーションに使えます。

外部ソースのカテゴリーには、次のオプションとコントロールがあります。

MIDIのVelocityをAmplifierモジュールのボリュームパラメーターにマッピングした、外部モジュレーションの割り当て。

  • Pitch Bend:この種のMIDIデータは通常、マスターキーボードのピッチベンドホイールやレバーから送信されます。通常のMIDIコントローラーと違い、ピッチベンドデータは14ビットというかなり細かい分解能で伝送され、16,384段階の値を持ちます。お使いのコントローラーとモジュレーション対象のパラメーターの両方がこの分解能に対応していれば、Kontaktはそれを最大限に活用します。
  • Poly Aftertouch:キープレッシャーとも呼ばれるこのコントローラーは、ごく一部のMIDIキーボードから送信され、鍵盤ごとのアフタータッチ圧力データを受け取れます。ポリフォニックアフタータッチに反応するInstrumentを作るには、各キーの圧力をそれぞれのグループ内で処理できるよう、ラウンドロビンで巡回する複数のGroupにボイスを振り分ける必要がある点に注意してください。
  • Mono Aftertouch:チャンネルプレッシャーとも呼ばれるこのコントローラーは、押さえている鍵盤に加えられたアフタータッチ圧力を1つの値として提供します。幅広いマスターキーボードから送信されます。
  • MIDI CC:MIDI規格では、汎用に使えるコンティニュアスコントローラーが128個(0〜127)用意されています。これらはほぼすべてのMIDIコントローラー機器でサポートされており、モジュレーションホイール、サステインペダル、ボリュームペダル、汎用フェーダーバンクなどのコントローラーの状態を送信するのに使われます。一部のコントローラー番号は標準的な機器に割り当てられていますが(#1=モジュレーションホイール、#7=ボリューム、#11=エクスプレッション、#64=サステインペダルなど)、Kontaktはそれを考慮しません。0から127までのすべてのコントローラー番号をモジュレーションソースとして使えます。
  • Key Position:このソースは、押された鍵盤のMIDIノート番号にアクセスできます。演奏されたノートのピッチに応じてフィルターカットオフなどのパラメーターを変化させ、キーボードトラッキングを行うのに使えます。
  • Velocity:これは、鍵盤がどれだけ強く(技術的には、どれだけ速く)押されたかを示す0〜127の値です。ほぼすべてのマスターキーボードから送信され、ボリューム、明るさ、あるいは(逆向きに)アタックフェーズの長さといったパラメーターによく割り当てられます。
  • Release Velocity:この値を送信するマスターキーボードは、かなり限られています。鍵盤が離される速さを示し、それに応じてサウンドのリリースフェーズの長さを変えるのに役立ちます。
  • Release Trigger Counter:この値はリリース時にトリガーされるGroupに対して生成され、トリガーとリリース信号の間の時間を示します。この仕組みの詳しい説明は、Source Moduleのリリーストリガーの解説をご覧ください。

外部MIDIデータに加えて、外部ソースのカテゴリーには、時間とともに変化しないスカラー値の特殊なソースが3つ含まれます。

  • Constantは、モジュレーションのIntensityフェーダーの値を、モジュレーション対象のパラメーターに単純に加算または減算します。パラメーターの値を、コントロールの範囲の限界を超えて手軽に「曲げる」のに使えます。
  • Random Unipolarは、ノートを受信するたびに0から1までのランダムな値を生成します。
  • Random Bipolarは、ノートを受信するたびに-1から1までのランダムな値を生成します。
  • From Scriptは、Kontaktのスクリプトプロセッサーからイベント単位で生成されるモジュレーションデータに応答する、特殊なモジュレーターです。詳しくはKSP manualをご覧ください。

参照元情報:Modulation
https://docs.native-instruments.com/online-guides/kontakt-manual/en/modulation