Kontaktユーザーマニュアル 11 - エフェクトリファレンス(Effect reference)

Kontaktユーザーマニュアル 11 - エフェクトリファレンス(Effect reference)

このセクションでは、Kontaktで使用できるすべてのエフェクトモジュールの説明と、そのパラメーターの解説を行います。

このセクションでは、KontaktのClassic viewで使用できるすべてのエフェクトモジュールの説明と、そのパラメーターの解説を行います。エフェクトには、コンプレッサーのようなダイナミクス系のツールのほか、リバーブ、フランジャー、ディストーションのように、通常は非線形に信号を変化させるオーディオプロセッサーも含まれます。

これらのモジュールには、各エフェクトスロットの右下にある+アイコンをクリックしてアクセスします。クリックすると、使用できるエフェクトのドロップダウンメニューが開きます。


ダイナミクス

ダイナミクスカテゴリーには、コンプレッサーとリミッターが含まれます。


Compressor

コンプレッサーは、信号の音量が大きい部分のレベルを下げることで、信号のダイナミックレンジに作用するダイナミクス系のツールです。さまざまな一般的な用途で欠かせない存在です。たとえば、レベルのピークを抑えることで、クリップさせずに信号全体の音量を上げる、言い換えれば信号の平均音量を上げるといった使い方ができます。コントロールを慎重に調整すれば、信号のトランジェントを変化させて、パーカッシブな音の過度な「クリック感」を抑えることもできます。ただし、効果が頭打ちになる点はあります。コンプレッションをかけすぎると、窮屈で力のない音になってしまいます。

Compressorには次のコントロールがあります。

  • Mode:Classic、Enhanced、Proの各モードから選択します。それぞれ異なる質感のコンプレッションが得られます。設定がうまく合わないと感じたら、このメニューの別のモードも試してみてください。
  • St. Link(Stereo link):オンにすると、コンプレッサーが左右のチャンネルに対して常に同じように動作し、ステレオイメージが保たれます。オフにすると、Compressorはデュアルモノのプロセッサーとなり、両チャンネルが独立して処理されます。
  • Thresh.:Compressorが動作を始めるスレッショルドレベルを設定します。このスレッショルドを超えたレベルだけがコンプレッションで抑えられ、それより下にとどまる信号は処理されません。
  • Ratio:コンプレッションの量を、入力レベルの変化に対する出力レベルの変化の比として調整します。Ratioが1:1のときはコンプレッションはかかりません。Ratioが2:1のときは、入力で2 dBレベルが上がっても出力は1 dBしか上がりません。4:1のRatioではより強いコンプレッションとなり、入力で4 dB上がったレベルが出力では1 dBの上昇になります。
  • Attack:入力信号がThresholdレベルを超えてから、Compressorが完全なコンプレッションに達するまでの時間を調整します。自然なダイナミクスの抑制を主目的とする場合は、5〜10 msあたりから始めるとよいでしょう。アタックタイムを長くすると、トランジェントを強調して信号にパンチを加えるのに役立ちます。
  • Release:入力信号がスレッショルドを下回ってから、コンプレッサーがコンプレッションのかかっていない状態に戻るまでの時間を調整します。一般的な値は50〜250 msです。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。このノブはメイクアップゲインとして働き、コンプレッション後の出力信号を入力信号と同じピークレベルまで持ち上げられます。コンプレッションの設定が決まったら、入力信号と出力信号のレベルが同程度になるように調整し、Bypassボタンで聴き比べるとよいでしょう。こうすることで、その調整によって信号が本当に良い音になったのか(単に大きくなっただけではないか)を確認できます。

Feedback Compressor

コンプレッサーは、信号の音量が大きい部分のレベルを自動的に下げることで、信号のダイナミックレンジに作用するダイナミクス系のツールです。フィードバックコンプレッサーは、入力信号ではなくアンプの出力信号をスレッショルドレベルと比較するタイプのコンプレッサーです。スレッショルドレベルに達すると、コンプレッサーが信号のゲインレベルを下げます。Feedback Compressorは、明るくパンチのあるサウンドで知られる定番のフィードバックコンプレッサーをモデリングしています。

Feedback Compressorには次のコントロールがあります。

  • High Quality:エフェクト内のオーバーサンプリングを切り替えます。オーディオ品質は向上しますが、CPU負荷も増えます。
  • St. Link(Stereo link):オンにすると、コンプレッサーが左右のチャンネルに対して常に同じように動作します。これによりステレオイメージが保たれます。オフにすると、Feedback Compressorはデュアルモノのプロセッサーとなり、両チャンネルが独立して処理されます。
  • Input:入力レベルとスレッショルドを同時に調整します。このノブを右に回すほどコンプレッションが強くかかります。
  • Ratio:コンプレッションの量を決めます。1.0ではまったくコンプレッションがかからず、2.0では入力で2 dB上がっても出力は1 dBしか上がりません。
  • Attack:入力信号のボリュームエンベロープのアタック部分のスケーリングを調整します。この値を上げるとパンチが増し、下げると鋭いアタックが抑えられます。
  • Release:入力信号がスレッショルドレベルを下回ってから、コンプレッションの動作が止まるまでの時間を決めます。一般的な値は50〜250 msです。
  • Makeup:コンプレッションされた信号の出力ゲインを調整します。エフェクトによるゲインリダクションを補うために使います。
  • Mix:コンプレッサーのドライ/ウェットのミックスを調整します。これを使うと、音量の大きい信号を下げるのではなく小さい信号を持ち上げる、パラレルコンプレッション的なルーティングを作れます。100%に設定するとコンプレッションされた信号だけが聞こえ、0%に設定すると未処理の入力信号だけが聞こえます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。
  • Gain Reduction Meter:右下のメーターに、ゲインリダクションの量がdBで表示されます。

Limiter

リミッターは実際には、レシオが1対無限大、スレッショルドが最大レベルのすぐ下、アタックタイムが非常に短いという特殊な形のコンプレッサーです。短い信号のピークがシステムを過大入力させ、オーディオのクリップを招くのを防ぐ「安全網」として働きます。コンプレッサーには表現上のさまざまな用途がありますが、リミッターは通常、技術的な理由で使われます。信号全体の音量を下げなくても、そのままでは出力を過大入力させてしまうピークを抑えられるからです。

Limiterには次のコントロールがあります。

  • In Gain:入力信号のゲインを設定します。LimiterはCompressorと違ってスレッショルドが固定されています。適切なピーク抑制を得るには、Attenuationメーターがときおりのレベルピークにだけ反応するようになるまで、このコントロールで入力ゲインを調整してください。
  • Release:Compressorの同名のコントロールと同様に、入力レベルがスレッショルドを下回ってからLimiterが未処理の信号に戻るまでの時間を、このノブで調整します。
  • Attenuation:LEDスタイルのこのメーターは、Limiterが信号にかけているゲインリダクションの量を表示します。リミッティングは、このメーターがときおりのレベルピークにだけ反応するときに最も効果的に働きます。常に動作を示しているようなら、In Gainが高すぎる証拠です。信号の品質がかなり損なわれることがあります。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Solid Bus Comp

コンプレッサーは、信号の音量が大きい部分のレベルを自動的に下げることで、信号のダイナミックレンジに作用するダイナミクス系のツールです。Solid Bus Compは、定番のアナログバスコンプレッサーをモデリングしています。Kontakt標準のコンプレッサーよりも個性のあるダイナミクスコントロールが得られます。

Solid Bus Compには次のコントロールがあります。

  • Link(Stereo link):オンにすると、コンプレッサーが左右のチャンネルに対して常に同じように動作します。これによりステレオイメージが保たれます。オフにすると、Compressorはデュアルモノのプロセッサーとなり、両チャンネルが独立して処理されます。
  • Threshold:Compressorが動作を始めるレベルのスレッショルドを設定します。このスレッショルドを超えたレベルだけがコンプレッションで抑えられ、それより下にとどまる信号は処理されません。
  • Ratio:コンプレッションの量を、「入力レベルの変化」に対する「出力レベルの変化」の比として調整します。Ratioが1:1のときはコンプレッションはかかりません。たとえば設定値4は4:1の比を表し、スレッショルドを超えて振幅が4デシベル上がるごとに、出力は1デシベルしか上がりません。
  • Attack:入力信号がThresholdレベルを超えてから、CompressorがRatioの値いっぱいまで達するのにかかる時間を調整します。
  • Release:入力信号がスレッショルドを下回ってから、コンプレッサーがコンプレッションのかかっていない状態に戻るまでの時間を調整します。
  • Makeup:コンプレッションされた信号の出力ゲインを調整します。エフェクトによるゲインリダクションを補うために使います。
  • Mix:コンプレッサーのドライ/ウェットのミックスを調整します。これを使うと、音量の大きい信号を下げるのではなく小さい信号を持ち上げる、パラレルコンプレッション的なルーティングを作れます。100%に設定するとコンプレッションされた信号だけが聞こえ、0%に設定すると未処理の入力信号だけが聞こえます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Supercharger GT

Supercharger GTは、ブティック系ハードウェアに着想を得た、ハイエンドな真空管コンプレッションのエミュレーションです。とりわけ音楽的なコンプレッサーで、複数の質感のサチュレーションとスペクトラルシェイピングにより、繊細な倍音・空間の補強から、重くアグレッシブな真空管ドライブまでかけられます。

コンプレッサー系のツールは、信号のダイナミックレンジと色付けの両方に作用します。レベルのピークを抑えて、クリップさせずに信号全体の音量を上げるのに使えます。また、信号に色付けや個性、温かみを加えることもでき、これは真空管タイプのコンプレッサーにとりわけ備わった性質です。Supercharger GTを使えば、楽器、特にドラムのディケイ部分を伸ばしたり、エレキギターの音色にサステインを加えたりできます。ボーカルに軽くコンプレッションをかけると、ミックスの中でレベルをなめらかに整えるのに役立ちます。Supercharger GTをMain Effectsスロットに追加して、ミックス全体にわずかなコンプレッションをかけてみるのもよいでしょう。最終的な信号経路にコンプレッションを加えると、さまざまな楽器のあいだにまとまりが生まれ、音のバランスを取ってつなぎとめる糊のように働きます。

Supercharger GTには次のコントロールがあります。

  • Input:コンプレッサーへの入力ゲインをdBで調整します。Inputの理想的な設定はInput Level Meterで示されます。
  • Input Level Meter:入力レベルを表示し、Inputが適切に設定されているかを示します。中央のLEDが緑に点灯していれば、Inputのレベルは理想的です。入力レベルが低すぎると左のLEDが赤く点灯し、高すぎると右のLEDが赤く点灯します。
  • HP Detector:入力信号にハイパスフィルターをかけるかどうかを決める3つの選択肢(off、100Hz、300Hz)から選びます。100Hzまたは300Hzに設定すると、ハイパスフィルターが選んだ周波数より下の入力信号をカットします。キックドラムやベース楽器が生む低域の信号ピークにコンプレッサーが反応しないようにするために使います。Supercharger GTをMain Effectsチェーンで使うときに特に有効です。
  • Saturation:信号にサチュレーションをかけます。コントロールを右に回すほど強くかかります。サチュレーションの種類は、選択したSaturation Modeによって決まります。
  • Saturation Mode:信号にかかるSaturationの種類を決める3つのモード(Mild、Moderate、Hot)から選びます。Mildモードはクリーンなサウンドを保ちながら色付けを加えます。Moderateモードはより目立つ倍音を加え、Hotモードは最大のサチュレーションをかけて聴き取れるディストーションを生みます。
  • Compress:入力信号にかかるコンプレッションの量を決めます。値が大きいほど、入力信号に強くコンプレッションがかかります。
  • Gain Reduction Meter:ゲインリダクションの量をdBで表示します。
  • Attack:入力される信号にコンプレッサーがどれだけ速く反応するかを決めます。この値を上げるとパンチが増し、下げると鋭いアタックが抑えられます。
  • Release:コンプレッサーのリリース部分の長さを調整します。これは、入力信号がThresholdレベルを下回ってからコンプレッションが止まるまでの時間を決めます。一般的な値は50〜250 msです。
  • Character:信号にイコライジングをかけることで、コンプレッションエフェクトの音の性格を変えます。イコライジングの種類は、選択したCharacter Modeによって決まります。
  • Character Mode:かかるイコライジングの種類を決める3つのモード(Fat、Warm、Bright)から選びます。Fatモードは低域と高域を強調します。Warmモードは高域を減衰させながら低域を持ち上げます。Brightモードは信号の高域を持ち上げ、低域を減衰させます。
  • Channel Link:コンプレッサーがステレオチャンネルにどのようにかかるかを決める3つのステレオモード(Stereo Link、Dual Mono、MS)から選びます。Stereo Linkは左右のチャンネルに同じゲインリダクションをかけます。ステレオイメージがずれる心配がないため、最も一般的なモードです。Dual Monoモードは各チャンネルを個別にコンプレッションし、ミックスを広げるのに使えます。MSモードでは、入力信号は左右のチャンネルに分けられるのではなく、ミッドとサイドの信号として処理されます。MSモードはサイド信号をある程度強調するため、このモードで処理した信号は広がって聞こえることがあります。
  • Mix:コンプレッサーのドライ/ウェットのミックスを調整します。これを使うと、音量の大きい信号を下げるのではなく小さい信号を持ち上げる、パラレルコンプレッション的なルーティングを作れます。Mixコントロールを0%にするとコンプレッションされていない(ドライな)信号だけが聞こえ、100%ではコンプレッションされた信号だけが聞こえます。0%と100%のあいだの設定では両方の信号が混ざります。
  • Output:コンプレッサーの出力レベルをdBで設定します。メイクアップゲインとして使えば、コンプレッション後の出力信号を入力信号と同じピークレベルまで持ち上げられます。コンプレッションの設定が決まったら、入力信号と出力信号のレベルが同程度になるように調整し、Bypassボタンで聴き比べるとよいでしょう。こうすることで、コンプレッションされた信号が単に大きくなっただけでなく、本当に良い音になっていることを確認できます。

Transient Master

Transient Masterは、音のアタックとサステインをコントロールするために設計された、使いやすいコンプレッサーです。従来のコンプレッサーのように音の振幅を追うのではなく、全体的なエンベロープを追うため、入力ゲインの変化の影響を受けにくくなっています。パーカッション、ピアノ、ギターのようにアタックの速い音に最適です。Transient Masterは場合によってはかなり極端にも効くので、注意して使ってください。

Transient Masterには次のコントロールがあります。

  • Smooth:Transient Masterは主にドラムやパーカッシブな素材向けに設計されているため、一部の入力信号(たとえばアコースティックギター)はデフォルトのモードではうまく働かないことがあります。問題がある場合は、このボタンをオンにしてみてください。
  • Input:エフェクトへの入力ゲインを調整します。
  • Attack:入力信号のボリュームエンベロープのアタック部分のスケーリングを調整します。ノブを右に回すと(0%から100%)パンチが増し、左に回すと(0%から-100%)鋭いアタックが抑えられます。
  • Sustain:入力信号のボリュームエンベロープのサステイン部分のスケーリングを調整します。この値を上げると音に厚みが増し、下げると音の余韻が短くなります。
  • Output:エフェクトの出力レベルをdBで設定します。コンプレッサーのようなダイナミクス系エフェクトでは非常に重要です。

Transparent Limiter

Transparent Limiterには2つの主要な役割があります。信号レベルを0 dB未満に保ってデジタルクリップを避けることと、信号の体感音量全体を上げることです。デジタル歪みを防ぐのは安全対策であり、Ceilingコントロールで最大出力レベルを設定できるリミッターが最も適しています。Transparent Limiterはこの用途に最適で、音に過度な色付けをせずに信号をクリップから守る最後の手段として働きます。

Thresholdを下げると信号のダイナミックレンジが狭まり、Outputコントロールで全体の音量を持ち上げられるようになります。ただし、Thresholdを下げすぎると押しつぶされた冴えない音になります。最良の結果を得るには、ThresholdとReleaseのコントロールをいろいろ試して、その信号に最も合う設定を見つけてください。Transparent Limiterは、信号チェーンの最後のプロセッサーとしてMain Effectsセクションで使うことをおすすめします。

Transparent Limiterには次のコントロールがあります。

  • Threshold:リミッターが入力信号に作用し始めるスレッショルドを設定します。信号がクリップしないようにするには、Thresholdを0 dBのままにします。音量を上げたい場合は、コントロールを左に回してThresholdの値を下げます。Thresholdは-40.0 dBから0.0 dBの範囲で設定できます。
  • Release:リリース部分の長さを調整します。これは、入力信号がThresholdレベルを下回ってからリミッターの動作が止まるまでの時間を決めます。Releaseは1.0 msから500.0 msの範囲で設定できます。
  • Ceiling:リミッターの最大出力レベルをdBで設定します。再生時の歪みの可能性を避けるため、-0.3 dBが推奨されます。Ceilingは-40.0 dBから-0.3 dBの範囲で設定できます。
  • Gain Reduction Meter:ゲインリダクションの量をdBで表示するLEDスタイルのメーターです。リミッティングは、このメーターがときおりのレベルピークにだけ反応するときに最も効果的に働きます。常にゲインリダクションがかかっている場合は、Thresholdが低すぎることを示しています。
  • Output:リミッターの出力レベルをdBで調整します。

アンプ

アンプカテゴリーには、さまざまなギターアンプ/ベースアンプとキャビネットが含まれます。


ACBox

ACBoxは、ポップミュージックのブリティッシュ・インヴェイジョンを支えたギターアンプのサウンドをモデリングしています。この非常に独創的なアンプには多くのバージョンが作られ、それぞれ異なる個性を持っていました。ここでは独特の風味が際立ち、名高いTop Boostチャンネルを備えたモデルを選びました。

Normalチャンネルには高域用のToneCutコントロールがあり、BrilliantチャンネルにはTrebleとBassのコントロールがあります。

ACBoxには次のコントロールがあります。

  • Mono:このボタンをオンにすると、入力信号のすべてのチャンネルが処理前にモノ信号にまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。この場合、CPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • NormVol:Normalチャンネルのレベルを設定します。このチャンネルではTrebleとBassのコントロールは効きません。
  • BrillVol:Brilliantチャンネルのレベルを設定します。
  • TremSp:トレモロのレートを設定します。
  • TremDpt:かかるトレモロの量を調整します。いっぱいまで下げるとエフェクトはオフになります。
  • Treble:Brilliantチャンネルの高域の特性を調整します。
  • Bass:Brilliantチャンネルの低域の特性を調整します。
  • ToneCut:ローパスフィルターを調整します。ノブを右に回すと、Normalチャンネルの出力の高域が減衰します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Bass Invader

Bass Invaderは、1980年代後半から1990年代のロックやインディーサウンドと結びついた、汎用性の高いアンプのサウンドをモデリングしています。音を細かく作り込める豊富なトーンシェイピングのコントロールを備えています。その性格は大部分の領域でクリーンで甘いと言えますが、コントロールを上げきると非常に面白いディストーションサウンドも生み出します。

このアンプは、NIが新たに開発したICM(Intelligent Circuit Modeling)技術でモデリングされています。機械学習を用いてハードウェア機器の挙動を根本から再現し、アンプのエミュレーションにまったく新しい水準の奥行きとリアリティをもたらします。

Bass Invaderには次のコントロールがあります。

  • High Boost:高域成分を持ち上げ、音にエッジと輪郭を加えます。
  • Mid Contour:中低域の成分をカットし、音を柔らかくします。
  • Low Cut:低域成分をカットし、音から低域のうなりを取り除きます。
  • Volume:アンプの入力レベル、つまりゲインを調整します。Volumeを右に回すと、信号にサチュレーションとディストーションが加わります。
  • Boost:信号に加わる追加ゲインの量を調整します。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Lo Mid:中低域の特性を調整します。
  • Hi Mid:中高域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Master:アンプのマスターボリュームを調整します。
  • Output:エフェクトの出力レベルを調整します。

Bass Pro

Bass Proは、ベースをミックスの中で前に出す、ざらついた唸るようなアンプサウンドをシミュレートします。音を細かく作り込めるグラフィックイコライザーを備えています。このエフェクトはGroupレベルとInstrumentレベルの両方で使用できます。

Bass Proには次のコントロールがあります。

  • Bright:高域成分を持ち上げます。
  • Ultra Hi:広い周波数範囲で高域成分を持ち上げます。Brightで得られる効果よりも強く現れます。
  • Ultra Lo:低域成分を持ち上げ、中域成分をカットします。
  • Mono:オンにすると、モジュールはモノエフェクトのように働き、ステレオやマルチチャンネルの信号は入力でモノにまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。モノを無効にするとCPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • Graphic EQ:アンプ下部のパネルにあるグラフィックイコライザーをオンにします。
  • Graphic EQ Gain:40 Hz、90 Hz、180 Hz、300 Hz、500 Hz、1 kHz、2 kHz、4 kHz、10 kHzの9つの特定の周波数帯を持ち上げたりカットしたりします。スライダーが中央にあるとき、その周波数帯は影響を受けません。スライダーを上げると、その周波数帯を最大12 dBまで持ち上げます。スライダーを下げると、その周波数帯を最大-12 dBまでカットします。
  • Graphic EQ Volume:グラフィックイコライザーの出力レベルを調整します。スライダーを上げると最大8 dBまでレベルが上がります。スライダーを下げると最大-10 dBまでレベルが下がります。グラフィックイコライザーで大きく持ち上げたりカットしたりしたぶんを補うために使えます。
  • Gain:アンプの入力レベル、つまりゲインを調整します。Gainを右に回すと、信号にサチュレーションとディストーションが加わります。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Mid:Mid Freqコントロールで設定した周波数帯の中域成分を調整します。
  • Mid Freq:Midコントロールで調整する周波数帯を200 Hzから3200 Hzの範囲で設定します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Drive:中域成分に対してのみゲインを調整し、音の性格を変えます。
  • Master:アンプのマスターボリュームを調整します。
  • Output:エフェクトの出力レベルを調整します。

Cabinet

このモジュールは、マイクを通して録音したギターキャビネットのサウンドをシミュレートします。インサートチェーンでディストーション系エフェクト(Skreamerなど)の後にこのモジュールを置けば、ギターアンプ一式をシミュレートできます。

Cabinetには次のコントロールがあります。

  • Cabinet Type:上下のボタンで、シミュレートするキャビネットのモデルを選べます。
  • Size:シミュレートするキャビネットのサイズを調整します。大きなキャビネットは低域の出方が強くなり、小さなキャビネットは薄く金属的な音になります。
  • Air:ルームレスポンスの初期反射のレベルを調整し、音に空間感を加えます。
  • TREB:高域のレベルを持ち上げたりカットしたりします。
  • BASS:低域のレベルを持ち上げたりカットしたりします。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

EP Preamps

さまざまなプリアンプ、EQ、トレモロエフェクトの個別モデルを含むアンプ集です。

EP Preampsには次のコントロールがあります。

  • Drive Mode:それぞれ異なる特性を持つ4種類のプリアンプモデルから選択します。
  • EQ Mode:それぞれ異なる特性を持つ5種類のEQモデルから選択します。
  • Tremolo Mode:それぞれ異なる特性を持つ6種類のトレモロモデルから選択します。Synthモードにすると、次のWave Modeメニューが有効になります。
  • Wave Mode:振幅モジュレーション(トレモロ)に使う5つの波形から1つを選びます。このコントロールは、Tremolo ModeがSynthのときにのみ使用できます。
  • Drive:プリアンプの入力レベルまたはゲインを調整します。
  • Bass:EQの低域の特性を調整します。EQ ModeがPassiveのとき、このコントロールはBass(P)という名称になり、代わりにハイパスフィルターのカットオフ周波数を調整します。
  • Mid:EQの中域の特性を調整します。このコントロールは、EQ ModeがElectric Grandのときにのみ使用できます。
  • Treble:EQの高域の特性を調整します。このコントロールは、EQ ModeがPassiveのときは使用できません。
  • Rate:トレモロエフェクトが信号の振幅をモジュレートする周波数、つまり速さを調整します。
  • Amount:信号にかかる振幅モジュレーション(トレモロ)の量を調整します。
  • Width:信号に振幅モジュレーション(トレモロ)をかけるときの、左右チャンネル間のステレオオフセットの量を調整します。
  • Mono:オンにすると、モジュールはモノエフェクトのように働き、ステレオやマルチチャンネルの信号は入力でモノにまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。トレモロは常にステレオで動作します。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで調整します。

DE Electric C(EQ Mode)

DE Electric C EQは、60年代・70年代・80年代の名高い電気機械式の弦鳴りキーボードに備わっていた4つのEQスイッチを忠実にモデリングしたものです。

DE Electric Cを選択すると、次の4つのスイッチでプリアンプの音色を変えられます。

  • Brilliant(Scharf)とTreble(Hoch)のボタンでは、さまざまなハイパスフィルターを切り替えたり組み合わせたりして、ファンキーで噛みつくような音色を作れます。
  • Medium(Mittel)とSoft(Tief)のスイッチは、ローパスフィルター効果のためのアクティブ回路を入れ、音色を暗くできます。

4つのスイッチはそれぞれ独立してオン・オフできます。各モードは互いに影響し合い、この楽器の魔法のような音色は、Brilliant、Treble、Medium、Softのオン・オフのさまざまな組み合わせの中に見つかることが多いです。


HotSolo

モダンクラシックとみなされているギターアンプのモデルです。HotSoloは独立した2つのプリアンプチャンネルと豊富なゲインを備え、はっきりと現代的なロックサウンドを生み出します。

HotSoloには次のコントロールがあります。

  • Overdrive:Normal(オフのとき)とOverdrive(オンのとき)のチャンネルを切り替えます。
  • Mono:このボタンをオンにすると、入力信号のすべてのチャンネルが処理前にモノ信号にまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。この場合、CPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Mid:中域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Presence:中高域の特性を持ち上げます。
  • NormPre:ローゲインチャンネルのプリアンプゲインを設定します。
  • OvrdPre:ハイゲインチャンネルのプリアンプゲインを設定します。
  • Master:全体の出力レベルを調整します。
  • Depth:パワーアンプの低域の特性を調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Jump

Jumpエフェクトは、ブリティッシュ系ギターアンプの定番の音色をシミュレートします。なめらかで歌うようなリードサウンドを作るのに最適です。JumpエフェクトはGroupレベルとInstrumentレベルの両方で使用できます。

Jumpには次のコントロールがあります。

  • HiGain:プリアンプのゲインの余裕を増やします。はっきりと歪んだ音やサチュレートした音を作りたいときは、HiGainモードに切り替えてください。
  • Mono:このボタンをオンにすると、入力信号のすべてのチャンネルが処理前にモノ信号にまとめられます。これは入力信号のチャンネル数に関係なく行われます。つまり、モノでもステレオでも5.1でも同じです。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。この場合、CPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • PreAmp:プリアンプが加えるゲインの量を設定します。右に回すと、音にドライブ、ディストーション、エッジが加わります。
  • Master:アンプのマスターボリュームを調整します。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Mid:中域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Presence:中高域の特性を持ち上げます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Reverb Delight

Reverb Delightは、米国カリフォルニア発のメーカーによる、定番のハンドワイヤードアンプのサウンドをモデリングしています。豊かで明快なサウンドは、幅広いジャンルで頼れる定番アンプにしています。スプリングリバーブとトレモロによって、奥行きや繊細な揺らぎを加えたり、豊かなアンビエントサウンドを作ったりできます。

Reverb Delightには次のコントロールがあります。

  • Amp Vol:コンポーネントの出力レベルを調整します。強く入れるほど倍音的な歪みが増えます。
  • Bright:実機アンプの入力チャンネルを切り替えたように、高域成分を持ち上げます。
  • Mono:Mono(オンのとき)とStereo動作(オフのとき)を切り替えます。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Reverb:リバーブエフェクトのオン・オフを切り替えます。
  • Type:2種類のスプリングリバーブタンクを切り替えます。Spring Aは、4本のスプリングを備えた実機アンプの大型スプリングリバーブタンクをモデリングしています。Spring Bは、より小型で明るい音の別のアンプのスプリングリバーブタンクをモデリングしています。
  • Verb Vol:ドライ信号に対するスプリングリバーブエフェクトのレベルを調整します。
  • Tremolo:トレモロエフェクトのオン・オフを切り替えます。
  • Trem Dpt:トレモロエフェクトの強さを調整します。
  • Trem Spd:トレモロエフェクトのレートを調整します。
  • Trem Sag:高いゲイン設定のときに、トレモロのモジュレーション信号にかかるコンプレッションの量を調整します。Tremolo Sagを右に回すと、大きな信号がトレモロ効果を弱めます。これは実機アンプの設計に由来する性質です。
  • Output:FX全体の出力ゲインを調整します。これはクリーンなポストゲインで、アンプ回路には影響しません。

Super Fast 100

Super Fast 100は、米国でハンドビルドされる真空管アンプのサウンドをモデリングしています。モダンロックを定義した伝説的なハイゲインとクリーントーンが特徴です。ゲイン、サステイン、タイトなレスポンスの完璧なバランスによって、ロックやメタルからブルースまで、多くの著名なギタリストに愛されてきました。

Super Fast 100には次のコントロールがあります。

  • Bright:高域成分を持ち上げます。
  • Crunch:アンプのゲインステージの2つのモードを切り替えます。オンにするとゲインが大きく上がり、よりオーバードライブした音になります。オフにするとアンプのゲインは控えめになり、なめらかな音になります。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Mid:中域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Presence:中高域の成分を持ち上げます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。
  • Overdriveスイッチ:OverdriveチャンネルとNormalチャンネルを切り替えます。オンにするとOverdriveチャンネルが使われ、さらに多くのゲインが得られて、太くタイトなドライブからディストーションまでの音を生み出します。オフにするとNormalチャンネルが使われ、控えめなゲインで、クリーントーンから豊かなクランチまでの音を生み出します。
  • Normal:Normalチャンネルの入力レベル、つまりゲインを調整します。
  • Overdrive:Overdriveチャンネルの入力レベル、つまりゲインを調整します。
  • Master:コンポーネントの出力レベルを調整します。
  • Depth:アンプステージの低域成分の強さを調整します。

Twang

Twangエフェクトは、数十年前の定番ギターアンプの豊かな真空管サウンドをシミュレートします。叫ぶようなリードやクランチなリズムギターの音、そして個性のあるクリーンサウンドにも最適です。

Twangには次のコントロールがあります。

  • Bright:信号の高域成分を増やす音色オプションです。
  • Polyphonic:このボタンがオフのとき、Twangモジュールはモノエフェクトとして働き、ステレオ信号は入力でモノにまとめられます。オンのときは、エフェクトが各入力チャンネルを個別に処理します。
  • Volume:入力レベルを調整します。モジュール全体のレベルを調整するだけのOutputノブとは違い、このノブはギターアンプのゲインコントロールのように働き、ディストーションの量に影響します。
  • Treble、Mid、Bass:これらのコントロールは、信号の高域・中域・低域それぞれの成分のレベルを調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Van51

ハイゲインアンプの基準の1つです。Van51は、生々しくエッジの立った、迫ってくるようなギタートーンを幅広く生み出します。Van51エフェクトはGroupレベルとInstrumentレベルの両方で使用できます。

V51には次のコントロールがあります。

  • LeadChannel:Rhythm(オフのとき)とLead(オンのとき)のチャンネルを切り替えます。
  • HiGain:通常のゲインとハイゲインの増幅を切り替えます。
  • Bright:オンにすると、Rhythmチャンネルで高域のブーストが加わります。
  • Crunch:Rhythmチャンネルに大量のディストーションを加えます。
  • Mono:このボタンをオンにすると、入力信号のすべてのチャンネルが処理前にモノ信号にまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。この場合、CPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • Rhythm:Rhythmチャンネルのプリアンプのオーバードライブ量を調整します。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Middle:中域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Lead:Leadチャンネルのプリアンプのオーバードライブ量を調整します。
  • Post Gain:両チャンネルのマスターボリュームとパワーアンプのサチュレーションを調整します。
  • Presence:中高域の特性を持ち上げます。
  • Reso:パワーアンプの低域の特性を調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

ストンプ

ストンプカテゴリーには、さまざまなギター用/ベース用のペダルエフェクトが含まれます。


Big Fuzz

Big Fuzzは、1970年代のロックギターに合う定番ディストーションペダルのサウンドをモデリングしています。音の性格は汚れていて、ざらつきが強いです。

Big Fuzzには次のコントロールがあります。

  • Mono:オンにすると、モジュールはモノエフェクトのように働き、ステレオ信号は入力でモノにまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。
  • Sustain:入力レベル、つまりゲインを調整します。コントロールを右に回すほどディストーションが強くなります。
  • Tone:周波数特性を調整します。このコントロールを左に回すと高域が強調され、右に回すと低域が強調されます。
  • Bass:低域のゲインを調整します。
  • Bright:高域のゲインを調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Cat

Catは、ブルースやロックのトーンに最適なギター用ディストーションペダルをシミュレートします。

Catには次のコントロールがあります。

  • Mono:このボタンをオンにすると、入力信号のすべてのチャンネルが処理前にモノ信号にまとめられます。これは入力信号のチャンネル数に関係なく行われます。つまり、モノでもステレオでも5.1でも同じです。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。この場合、CPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • Volume:エフェクトのマスターボリュームコントロールです。
  • Filter:暗い音にするには右に回して低域を強め、明るく鋭い音にするには左に回します。
  • Distortion:かかるディストーションの量を調整します。
  • Balls:低域のパンチを加えます。左に回すと、より平坦で噛みつくような音になります。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Tone:内蔵のディストーション前段の中域ブースターが影響する周波数範囲を調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Chainsaw

Chainsawは、1980年代のディストーションペダルのサウンドをモデリングしています。もともとは絶大な人気を誇った英国ブランドのスタックをエミュレートすることを狙ったものでした。後にヘヴィメタルのシーンで人気を得て、スウェディッシュデスメタルと深く結びついています。すべてのコントロールを最大にして使われることが多く、ブーンと唸るようなディストーションサウンドを生みます。

Chainsawには次のコントロールがあります。

  • Distortion:入力レベル、つまりゲインを調整します。コントロールを右に回すほどディストーションが強くなります。Distortionコントロールの可変範囲は限られていて、最も低い設定でも信号にはすでにディストーションがかかっています。
  • Low:最大ゲイン20 dBのピークフィルターをかけて、低域の特性を調整します。
  • High:最大ゲイン20 dBのピークフィルターをかけて、高域の特性を調整します。
  • Level:ディストーションエフェクトの出力レベルを調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Cry Wah

Cry WahはGuitar Rig 5から移植されたもので、史上最も人気のあるワウをベースにしています。このモジュールは独特のレゾナントピークを作り出し、Pedalコントロールで周波数スペクトラム全体にわたってスイープできます。

Cry Wahには次のコントロールがあります。

  • Pedal:ペダルのコントロールでワウの周波数を操作します。値を下げると周波数が低くなり、値を上げると高くなります。
  • Mono:オンのとき、モジュールはモノエフェクトのように働き、ステレオ信号は入力でモノにまとめられます。オフのときは、各チャンネルを個別に処理します。
  • Output:ワウ効果によるクリップからゲインを補うために、このコントロールを使います。

Dirt

Dirtは、この種のエフェクトらしい扱いやすさを保ちながら、一般的なディストーションペダルでは得られない、より洗練された極端なサウンドを丁寧に提供します。

回路モデリングされた2つのダイオードクリッピングステージ(A、B)で構成され、Routingコントロールで直列または並列に構成できます。3つのディストーションモード(I、II、III)があり、エフェクトの各ステージで独立して使ってクリッピングの挙動の種類を設定できます。これにより、控えめなものからより極端なものまで、さまざまなディストーションの特性や音色を探れます。

DriveコントロールとAmountコントロールを組み合わせると、信号に加わるサチュレーションやディストーションの量を徐々に増やせます。Amountコントロールを中央位置より上げると、信号が自分自身に折り返され、より極端なディストーション効果となって、音に強い倍音が加わります。両ステージでDriveとAmountを高く設定して組み合わせると、信号に汚れとコンプレッションが加わり、非常に豊かでサステインの長い音を作れます。

各ステージのディストーション効果は、フィルタリング用のTiltコントロールと、回路に非対称な挙動を加えて偶数次倍音の量を調整するBiasコントロールでさらに調整できます。最後に、直列で使うときはMixコントロールでドライ信号とディストーション信号をミックスに合わせて混ぜられ、並列モードではBlendコントロールでステージAとステージBのあいだをブレンドできます。

Dirtには次のコントロールがあります。

  • Safety A/B:ラウドネスを一定に保つゲイン補正をオフにします。たとえば、より高いディストーションレベルで信号を第2ステージに突っ込むといった使い方ができます。
  • Drive A/B:入力レベル、つまりゲインを調整します。Driveを右に回すほどディストーションが強くなります。
  • Mode A/B:ステージAとステージBで独立して使う3つのディストーションモードから1つを選びます。
    • Iは最も控えめなモードで、オーディオ信号への色付けが最小です。
    • IIはデフォルトのモードで、最も明るい音色を持つバランスの良いディストーションです。
    • IIIは最も極端なモードで、暗い音色の潰れたディストーションを加えます。
  • Amount A/B:可変範囲の前半ではサチュレーション、後半ではウェーブフォールディングを加えることで、ディストーションの量を調整します。ウェーブフォールディングは信号をクリップするのではなく、信号の波形を自分自身に折り返します。
  • Bias:回路に非対称な挙動を加えることで信号に非対称性を持ち込み、偶数次倍音を生みます。これにより、歪んだオーディオが空洞のような音になるのを防ぎます。
  • Tilt:ディストーションのかかった信号にフィルタリングをかけます。右に回すと低域成分が減衰して高域成分が持ち上がります。左に回すと低域成分が持ち上がって高域成分が減衰します。
  • Routing:エフェクトのステージAとステージBのあいだで信号をどう流すかを決めます。
    • A > Bの直列ルーティング構成:信号はステージAに入り、その後ステージBに入ります。
    • A < Bの直列ルーティング構成:信号はステージBに入り、その後ステージAに入ります。
    • A + Bの並列ルーティング構成:信号はステージAとステージBの両方に分岐し、その後Blendコントロールでミックスされます。
  • Mix:等パワークロスフェードによって、ドライ信号とウェット信号のあいだをブレンドします。A + Bの並列ルーティング構成では、MixがBlendコントロールに置き換わり、ステージAとステージBの出力信号のあいだをブレンドできます。
  • Output:モジュールの出力をdBで設定します。

Distortion

このモジュールは、大きなサンプル値をクリップしたり丸めたりすることでディストーションを生みます。これにより、過大入力されたトランジスタ回路や真空管回路の挙動をシミュレートし、音に人工的な倍音を加えます。

Distortionには次のコントロールがあります。

  • Modeメニュー:TubeとTransistorの特性を選択します。Tubeのディストーションはなめらかなサチュレーションを生んで偶数次倍音を強調し、Transistorの設定は奇数次倍音を生んで、より荒々しい響きのクリッピング効果を作ります。
  • Drive:ディストーションの量を調整します。
  • Damping:このノブを右に回すと出力信号の高域が減衰し、人工的な倍音による明るさを抑えられます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。ディストーションはゲインをかなり持ち上げるため、出力段で信号を減衰させる必要が多くあります。

DStortion

定番のギター用ディストーションエフェクトペダルのエミュレーションです。

DStortionには次のコントロールがあります。

  • Mono:このボタンをオンにすると、入力信号のすべてのチャンネルが処理前にモノ信号にまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。この場合、CPU負荷がかなり増えることがあるので注意してください。
  • Volume:このエフェクトのメインボリュームコントロールです。
  • Tone:このコントロールを右に回すと中域が強調され低域が下がります。左に回すと高域が落ちて低域が持ち上がり、より温かい音になります。
  • Drive:音に汚れを加えます。
  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Mid:中域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Fuzz

Fuzzは、ミックスを切り裂く倍音豊かなリードギターに合う1960年代のファズペダルのサウンドをモデリングしています。さらに、唸るようなヴィンテージ系リズムギターにも使えます。

Fuzzには次のコントロールがあります。

  • Mono:オンにすると、モジュールはモノエフェクトのように働き、ステレオ信号は入力でモノにまとめられます。オフにすると、各チャンネルが個別に処理されます。
  • Amount:入力レベル、つまりゲインを調整します。コントロールを右に回すほどディストーションが強くなります。
  • Bass:低域のゲインを調整します。
  • Bright:高域のゲインを調整します。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Kolor

Kolorは、音を強調したり歪ませたりできる10種類のディストーションアルゴリズムを備えています。アルゴリズムの違いに加えて、柔軟なイコライザーで音を必要に応じて作り込めます。低域の強い信号を扱うときは、Bass Saverコントロールでディストーションが低域にどれだけ強くかかるかを調整できます。

Kolorには次のコントロールがあります。

  • Mode:エフェクトの基本的な音の性格を決める10種類のディストーションアルゴリズムから1つを選びます。ICMのモデルと、iZotope Trash 2から取り入れたアルゴリズムの両方が含まれます。
  • Gain Boost:Driveコントロールに追加のゲインを加え、より強いディストーションサウンドにします。Gain Boostがオンのときに加わるゲインの量は、ExpertパネルのBoost Levelコントロールで設定できます。
  • Drive:入力レベル、つまりゲインを調整します。Driveを右に回すほどディストーションが強くなります。
  • Bass:ディストーション段の後の低域の特性を調整します。
  • Mid:ディストーション段の後の中域の特性を調整します。
  • Treble:ディストーション段の後の高域の特性を調整します。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Boost:Gain Boostがオンのときに、Driveコントロールに加わるゲインの量を調整します。
  • Bass Saver:ディストーション段の前で低域成分を減衰させ、ディストーション段の後で自動的に補正します。これにより、ディストーションが低域にどれだけ強くかかるかを実質的に調整できます。
  • Highpass:カットオフ周波数より下の成分を減衰させるハイパスフィルターのカットオフ周波数を調整し、より明るい音にします。
  • Freq mid:Midコントロールで減衰やブーストをかけるフィルター周波数を調整します。
  • Q mid:MidコントロールでかかるフィルターのQ値、つまりレゾナンスを調整します。Q値は、フィルター周波数の周りで減衰またはブーストされる周波数帯の幅を決めます。
  • Lowpass:カットオフ周波数より上の成分を減衰させるローパスフィルターのカットオフ周波数を調整し、より暗い音にします。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Saturator

このモジュールは基本的に、非線形な特性を持つアンプです。テープサチュレーションの効果を再現でき、信号の高レベル成分のエネルギーが増します。

Saturatorには次のコントロールがあります。

  • Modeメニュー:サチュレーションの種類をClassic、Enhanced、Drumsから選びます。ClassicはKontaktの従来のアルゴリズム、Enhancedはより高品位なサチュレーションモード、DrumsはMaschineで使われているサチュレーションモデルです。
  • Saturation:伝達カーブを調整します。負の設定では信号を拡張する特性になり、小さいサンプル値は減衰し、大きい値は増幅されます。正の設定では逆になり、アナログ回路のコンプレッションのようなサチュレーションをシミュレートします。値が0.0のときは、信号は処理されずにモジュールを通過します。
  • Output:Saturatorの出力レベルを調整します。

Skreamer

このモジュールは、Distortionエフェクトよりも温かくなめらかに響く、別のオーバードライブアルゴリズムを提供します。

Skreamerには次のコントロールがあります。

  • Tone:音の明るさを調整します。このノブを右に回すと高域が際立ち、明るく叫ぶようなリードや噛みつくようなリズムによく合います。左に回すと、まろやかで暗い音になります。
  • Drive:ディストーションの量を調整します。
  • Bass:低域のゲインを調整します。
  • Bright:高域のゲインを調整します。
  • Clean:歪んだ音色にクリーン信号を混ぜます。0.0 %では歪んだ信号だけが聞こえ、100.0 %では歪んだ信号とクリーン信号が同じ量で混ざります。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Skreamer Deluxe

Skreamer Deluxeは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンによって広まった伝説的なディストーションペダルのサウンドをモデリングしています。中域が持ち上がる音の性格が特徴で、ブルース、ロック、メタルのギタリストに愛されています。

Skreamer Deluxeには次のコントロールがあります。

  • Mode:ディストーションの基本的な音の性格を3つのあいだで切り替えます。Classicにすると、音の性格は実機のペダルに忠実になります。LEDにすると、よく行われる改造をもとに、クリッピングが少ないよりクリーンな音になります。EQにすると、追加のトーンコントロールでより細かく音を作り込めます。
  • Drive:入力レベル、つまりゲインを調整します。コントロールを右に回すほどディストーションが強くなります。
  • Tone:周波数特性を調整します。コントロールを左に回すと低域が強調され、右に回すと高域が強調されます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

ModeがEQに設定されているときは、次のコントロールが使用できます。

  • Bass:低域の特性を調整します。
  • Mid:中域の特性を調整します。
  • Treble:高域の特性を調整します。

ロー・ファイ

ロー・ファイカテゴリーには、オーディオの品質を独特な形で劣化させるエフェクトが含まれます。


Bite

Biteは、アンチエイリアス処理されたサンプルレート/ビットの低減エフェクトです。ヴィンテージのスタジオ機器や、昔のビデオゲームのようにもともとロー・ファイな音源のように響くディストーション効果を作れます。サンプルレートとビット深度が限られた低品位のサンプラーで、オーディオをサンプリングして再生する様子をシミュレートします。

Biteは、リサンプリング周波数(kHz)とビット深度(Bits)を操作する2つのセクションに分かれています。特別な機能としてCrunchコントロールがあり、ビット低減アルゴリズムに入るレベルを調整することで、段差のない滑らかな分解能の操作を可能にします。

リサンプリングのアルゴリズムにはステレオのクロックジッター(Jitter)も含まれ、ビット低減のアルゴリズムはステレオのディザーノイズ(Dither)を備えています。これにより、どんな音源からでも広いステレオイメージを作れます。フィルタリングとサチュレーションの追加コントロールで、エフェクトの挙動を細かく調整できます。

Biteには次のコントロールがあります。

  • Freq:入力信号をリサンプリングするサンプリング周波数を、0.1 kHzから44.100 kHzの範囲で調整します。
  • Jitter:クロックジッターの量を調整します。これはリサンプリングのアルゴリズムのサンプルレートに揺らぎを加え、信号をよりノイジーにします。ジッターは左右のステレオチャンネルに独立して加わるため、ノイズ成分は広いステレオイメージになります。
  • Pre Filt:入力信号にかかるローパスフィルターのカットオフ周波数を調整します。リサンプリングのアルゴリズムでエイリアシングノイズを生む周波数を取り除くのに使えます。中央位置では、カットオフ周波数はサンプリング周波数の半分になります。範囲は50 Hzから22050 Hzです。
  • Post Filt:出力信号にかかるローパスフィルターのカットオフ周波数を調整します。エイリアシングノイズを取り除くのに使えます。中央位置では、カットオフ周波数はサンプリング周波数の半分になります。範囲は50 Hzから22050 Hzです。
  • HP:出力信号にかかる1ポールのハイパスフィルターのカットオフ周波数を調整します。信号から低域成分と直流成分を取り除くことを狙ったものです。カットオフは5 Hz、100 Hz、200 Hzの3つが用意されています。
  • Saturate:量子化された信号をサチュレーターに送り込み、サチュレーションによる音量の増加を補正します。
  • Bits:ビット深度を2〜16ビットの範囲で設定して、量子化の段階数を調整します。各サンプルは設定された段階に量子化されます。段階数が少ないほど歪んだ音になります。
  • Crunch:ビット低減の効果を連続的に操作できます。ビット低減アルゴリズムの前で信号レベルを下げることで、使われる量子化の段階数を減らします。これにより、段差なく滑らかに分解能を操作できます。
  • Dither:量子化誤差による歪みを減らすためにリサンプリングされた信号へ加えるノイズの量を調整します。このエフェクトでは、創作目的でノイズ量を増やすこともできます。左右のステレオチャンネルには独立したノイズ源が使われるため、ノイズ成分は広いステレオイメージになります。
  • Expand:振幅の範囲内での量子化段階の分布を変えます。いっぱいまで左に回すと、レベルの小さい信号が高い分解能で量子化されます。いっぱいまで右に回すと、レベルの小さい信号の量子化に使える分解能が減り、実質的にパルス波になります。
  • DC:ビット深度(Bits)に応じた入力信号の量子化について、2つのモードを切り替えます。オンにすると、使用可能なビット値からゼロレベルが取り除かれ、唸るような矩形波で音が持続するようになります。オフにすると、出力信号はすぐに無音へ消えていきます。
  • Mix:等パワークロスフェードによって、ドライ信号とウェット信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで調整します。

Lo-Fi

このモジュールは、量子化ノイズやエイリアシングなどのさまざまなデジタル的な副産物を、クリーンな信号に加えます。そのままでは平板で特徴のない音を粗く仕上げるのに最適です。

LoFiには次のコントロールがあります。

  • Bits:信号を任意のビット深度に再量子化します。小数のビット値(12.4ビットなど)も指定でき、かなりの「ざらつき」を加えられます。オーディオCDの量子化深度は16ビット、古いサンプラーは8ビットや12ビットをよく使い、4ビットは数えきれないほどの耳障りな子ども向けおもちゃを思い起こさせます。
  • S.Rate(Sample Rate):信号を任意のサンプルレートに再サンプリングします。再サンプリングは(通常は必須の)ローパスフィルタリングをまったく行わずに実行されるため、あらゆる種類の素晴らしいエイリアシングノイズが生まれます。サンプルレートは50 Hzまで下げられ、そこまで下げると元の信号はほとんど残りません。
  • Noise:オーディオ信号にヒスノイズを加えます。
  • N.Color:ノイズの周波数特性を調整し、ローパスフィルターとして働きます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

テープ

テープカテゴリーには、オーディオのテープ録音の性質をエミュレートするエフェクトが含まれます。


Tape Saturator

Tape Saturatorは、テープに録音するときのソフトなコンプレッションと歪みをエミュレートします。軽くかけて音に温かみと色付けを加えることも、深くかけてアグレッシブな歪みを加えることもできます。

Tape Saturatorには次のコントロールがあります。

  • High Quality:エフェクト内のオーバーサンプリングを切り替えます。オーディオ品質は向上しますが、CPU負荷も増えます。
  • Gain:エフェクトの入力ゲインを調整します。テープの歪みとコンプレッションの量が増えます。
  • Warmth:エフェクトの低域のブースト/カットを調整します。
  • HF Rolloff:高域のロールオフが始まる周波数を調整します。この点より上の周波数が減衰します。
  • Output:エフェクトの出力ゲインを調整します。

Wow/Flutter

Wow/Flutterは、ワウ・フラッター、サチュレーション、ノイズ、限られた高域特性を特徴とするアナログテープマシンのサウンドをエミュレートします。特に持続音やパッド、メロディを演奏するときに、定番のロー・ファイ効果をかけるのに使えます。

Wow、Flutter、そしてテープのSpeedとAgeの専用コントロールにより、エフェクトを非常に細かく調整できます。Scrapeコントロールは音を劣化させてざらついた質感を加え、音のパレットを広げます。

Wow/Flutterには次のコントロールがあります。

  • Scrape:テープが再生ヘッドを通るときに振動して生じる、高域のこすれの量を調整します。
  • Wow:粘ついたテープや摩耗した走行系が生む、ゆっくりしたピッチの揺らぎであるワウの量を調整します。
  • Flutter:曲がったキャプスタンや不良のモーター部品が生む、速いピッチの揺らぎであるフラッターの量を調整します。
  • Speed:ワウとフラッターのモジュレーションのレートを調整します。
  • Stereo:左右のステレオチャンネルにかかるモジュレーションに位相オフセットを加えることで、WowとFlutterのステレオ幅を調整します。
  • Age:高域成分を減らしてテープヒスを加えることで、劣化したテープの特性を強調します。
  • Gate:ノイズゲートのオン・オフを切り替えます。オンにすると、最後の入力信号を受けてから1秒後に、レベルの低いテープヒスノイズを取り除きます。
  • Saturate:テープサチュレーションの量を、クリーンな音からオーバードライブまで調整します。
  • Mix:等パワークロスフェードによって、入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力をdBで設定します。

モジュレーション

モジュレーションカテゴリーには、コーラス、フランジャー、フェイザーのエフェクトが含まれます。


Choral

コーラスは、空間的な動きを加えてアンサンブルのような質感を与えることで、音を豊かにするために使われます。短いディレイをもとにしており、ディレイタイムのモジュレーションが組み込まれています。ディレイは、タイミングが異なり、さらにディレイタイムのモジュレーションの副作用としてピッチも異なる、原音のコピーを作り出します。こうしてコーラスは、複数の音源から同時に鳴っているかのような空間と厚みを音に加えます。結果は、音色のわずかな変化から、広いステレオイメージを持つ極めて生き生きとした質感までさまざまです。

ギターやスタジオで最もよく使われるエフェクトの1つとして、コーラスはさまざまな実装がスタジオ用ラックプロセッサー、ギターペダル、シンセサイザーに取り入れられてきました。Choralは、70年代から80年代初頭のシンセサイザーやスタジオ用ラックプロセッサーに着想を得ています。これらの機器では、コーラスのパラメーターは隠されていました。Choralは、最小限の手間でエフェクトを作り込めるパラメーターによって、より踏み込んだコントロールを提供します。

Choralは、定番のスタジオ用ラックプロセッサーの繊細な響きから、初期のストリングシンセサイザーの大きなアンサンブルサウンドまで、4つの異なるコーラスモードを備えています。エフェクトは、Voicesと呼ばれる最大3対のディレイによって生み出されます。すべてのコーラスボイスは入力信号のステレオイメージを保ちますが、パンして音をさらに広げることもできます(Widthパラメーター)。内部のモジュレーションシステムは各ボイスに異なる作用をするため、モジュレーションの明らかな繰り返しが避けられます。コーラスの元来の考え方をさらに広げたScatterモードでは、多くのコーラスが高いFeedback設定で示す金属的な質感を避けながら、リバーブのような音を作れます。

Choralには次のコントロールがあります。

  • Rate:モジュレーションの速さを、ゆっくりしたピッチ変化から速いビブラートまで調整します。Amountを上げるほど効果が強く現れます。
  • Mode:音の性格とモジュレーションの挙動を決める4つのコーラスモード(Synth、Ensemble、Dimension、Universal)を切り替えます。
    • Synth:このモードは、70年代後半から80年代初頭のポリフォニックシンセサイザーのコーラスに着想を得ています。音の性格は暗くヴィンテージ寄りです。モジュレーションの挙動は、豊かで拡散した音に向けて調整されています。
    • Ensemble:このモードは、70年代のストリングシンセサイザーのコーラスに着想を得ています。音の性格は温かく豊潤です。モジュレーションの挙動は、動きがあって生き生きとした音に向けて調整されています。
    • Dimension:このモードは、80年代初頭のスタジオ用ラックプロセッサーのコーラスに着想を得ています。音の性格は明るく透明です。モジュレーションの挙動は、広くて一貫した音に向けて調整されています。
    • Universal:このモードは、より汎用的なコーラスの実装です。音の性格はクリーンでモダンです。モジュレーションの挙動は、Voicesの数に応じて、一貫した音から生き生きとした音までの幅に向けて調整されています。
  • Amount:Delayにかかるモジュレーションの量を調整し、コーラスボイスのディレイタイムを変化させます。ディレイの構成上、これはコーラスボイスのピッチも変化させ、コーラス特有の効果を生みます。
  • Voices:コーラスボイスを1つから3つまでフェードで切り替えます。コーラスボイスの数を増やすと、音に密度とアンサンブルのような質感が加わります。モジュレーションは2番目と3番目のコーラスボイスに1番目とは異なる作用をするため、より広く生き生きとした音になります。
  • Delay:コーラスボイスのディレイタイムを調整し、音の空間的な奥行きを変えられます。このパラメーターはFeedbackと強く相互作用します。
  • Width:コーラスボイスを互いに逆方向へパンして、ステレオイメージを広げます。Widthが0のときは、入力のステレオイメージが保たれます。
  • Feedback:コーラスボイスの出力から入力へ戻すフィードバック信号のレベルを調整し、より持続感と広がりのある音にします。
  • Scatter:コーラスボイスに特別なフィードバックルーティングを有効にし、リバーブのような挙動をもたらします。
  • Mix:等パワークロスフェードによって、入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Invert:エフェクト信号を反転させることで、コーラス効果の音の性格を変えます。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。ノブをいっぱいまで左に回すと、ドライな入力信号だけが聞こえます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Flair

フランジャーは、音を完全に変えてしまうほどの独特な倍音効果を加えることで、音を豊かにするために使われます。コムフィルターをもとにしており、コムフィルター周波数のモジュレーションが組み込まれています。コムフィルターは、フィードバックを持つ極めて短いディレイで構成され、周波数スペクトラムに倍音的な関係を持つピークとノッチを作り出します。こうしてフランジャーは、劇的なフィルタリング効果とレゾナンスを音に加えます。結果は、金属的な質感から、始動するジェットエンジンのようにねじれた音までさまざまです。

ギターやスタジオで最もよく使われるエフェクトの1つとして、フランジャーはさまざまな実装がスタジオ用ラックプロセッサーやギターペダルに取り入れられてきました。Flairはその考え方を新たに捉え直したもので、この種の機器らしい扱いやすさと明快さを保ちながら、一般的なフランジャーでは得られない、より洗練された極端なサウンドを可能にする機能を吟味して追加しています。

Flairは3つのフランジャーモードを備え、フランジングからハーモナイズまでの効果に対して異なるアプローチを提供します。エフェクトは、Voicesと呼ばれる最大4つのコムフィルターによって生み出されます。フランジャーの元来の考え方をさらに広げ、フランジャーボイスは幅広く用意されたプリセットのコードにもとづく倍音的な関係を持ちます(Chordパラメーター)。StandardモードとThru Zeroモードでは、フランジャーボイスが足し合わされてコードを形成します。一方Scanモードでは、あるフランジャーボイスが次のボイスへブレンドされていき、キーボードのアルペジエーターに似たシーケンスを生みます。特に高いフィードバック設定では、フランジャーというよりチューニングされたレゾネーターの音に近い、風変わりな結果が得られます。

Flairには次のコントロールがあります。

  • Mode:3つのフランジャーモード(Standard、Thru Zero、Scan)を切り替えます。
    • Standard:このモードでは、各フランジャーボイスが基本的なフランジャー効果のように振る舞い、周波数スペクトラムに倍音的な関係を持つピークとノッチを作ります。
    • Thru Zero:このモードでは、各フランジャーボイスが複製されます。複製されたフランジャーボイスはモジュレーションの対象から外れるため、それぞれの基準ピッチにとどまります。Amountを上げてモジュレーションをかけると、フランジャーボイスが複製側に対して時間的にずれていきます。これにより、特徴的な信号の打ち消しを伴う強いスルーゼロのフランジング効果が生まれます。これは、もともと2台のテープマシンで作られたフランジング効果に似ています。
    • Scan:このモードでは、フランジャーボイスを足し合わせてコードを作るのではなく、Voicesがそれらを次々に走査します。これは、キーボードのアルペジエーターがコードに含まれる音をシーケンスとして順に鳴らすのと似ています。Modeメニューの下にあるScan Modeセレクターでは、モジュレーション用に3つの異なる波形、Triangle、Sawtooth Up、Sawtooth Downから選べます。
  • Offset:Thru Zeroモードで複製されたフランジャーボイスに周波数シフトを加え、モジュレーションの中心に対する位置を変えます。これにより、フランジング効果にリズミカルな変化が生まれます。Offsetはまた、モジュレーションがないとき(Amountが0%のとき)の信号の打ち消しの量を減らすためにも使えます。
  • Chord:4つのVoicesのあいだの倍音的な関係を定めるコードを設定します。
  • Invert Phase:エフェクト信号を反転させることで、周波数スペクトラムのピークとノッチの位置を入れ替えます。オンにすると、フランジャーボイスの体感ピッチが1オクターブ下がります。Thru Zeroモードでは、Invertを有効にするとモジュレーションの中心で強い信号の打ち消しが起こり、面白いリズム効果につながります。
  • Rate:Pitchにかかるモジュレーションの周波数を調整します。Amountを上げるほどモジュレーション効果が強く現れます。LFO Syncをオンにすると、モジュレーションはホストに同期し、RateノブはLFO Syncのコントロールに置き換わります。Numerator(a)とDenominator(b)は、ホストのテンポに対する音符の単位でモジュレーションの速さを設定します。Numeratorは音符の数を設定し、Denominatorは音符の長さを設定します。Sync Mode(c)は、選んだ音符の長さに対する時間の値、つまり分割を設定します。たとえばSync ModeがStraightで1|4なら、モジュレーションは4分音符1つぶんで1周し、Sync ModeがTripletで3|2なら、2分音符の3連符3つぶんで1周します。
  • Feedback:フランジャーボイスの出力から入力へ戻すフィードバック信号のレベルを調整し、よりレゾナントで金属的な音にします。
  • Amount:Pitchにかかるモジュレーションの量を調整し、フランジング効果に動きを加えます。
  • Width:フランジャーボイスを内部で複製し、互いに逆方向へパンします。左右のステレオチャンネル間でPitchにかかるモジュレーションに位相オフセットを加えることで、広く生き生きとしたステレオイメージが作られます。さらに特別な種類のクロスフィードバックが加わり、Feedbackを上げるほどステレオイメージに動きが出ます。
  • Pitch:1番目のフランジャーボイスの基本周波数を半音単位で調整し、すべてのフランジャーボイスのピークとノッチを周波数スペクトラム内で移動させます。
  • Damping:フランジャーボイスの出力から入力へ戻すフィードバック信号の高域成分を減衰させ、高いFeedback設定でも柔らかい音を得られるようにします。
  • Voices:ModeがStandardまたはThru Zeroのとき、Voicesはフランジャーボイスを1つから4つまでフェードで切り替えます。追加されるフランジャーボイスは倍音的な音程で加わり、Chordで設定したコードを形成します。ModeがScanのとき、Voicesは4つのフランジャーボイスを次々に走査し、1番目と2番目、次に2番目と3番目、というようにブレンドしていきます。
  • Detune:各フランジャーボイスのピッチを、おおよそ+/- 60セントの範囲で変化させます。これにより、シンセサイザーでオシレーターをデチューンしたときのような、豊かで生き生きとした音が生まれます。DetuneはChordがUnisonのときに特に有効です。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。ノブをいっぱいまで左に回すと、ドライな入力信号だけが聞こえます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Freak

Freakは異なる振幅モジュレーションの手法を組み合わせたもので、豊かな倍音と質感を生むアナログのダイオードリング回路のモデルをもとにしています。幅広い倍音の変換に加えて、3つのFX Modeによって、AMラジオのシミュレーション(Radioモード)、トレモロとディストーション(Oscillatorモード)、ゲーティング(Sidechainモード)といった特別な用途にも対応します。

3つのFX Modeのいずれでも、Typeコントロールは基本的な振幅モジュレーション(0%)、リングモジュレーション(50%)、周波数シフト(100%)のあいだをなめらかにモーフします。HarmonicsとFeedbackではエフェクトの強さを操作できます。Mixはドライ信号とウェット信号のあいだをブレンドし、Outputはモジュールの音量をdBで調整します。左側のコントロールは各モード固有のもので、以下で詳しく説明します。

ここではOscillatorモードのFreakを表示しています。

Radioモードでは、Freakは古いAMラジオにあった、いわゆる復調回路の挙動をエミュレートし、特定のラジオ局の周波数に合わせるような効果を作れます。このエミュレーションは、Typeコントロールで使える振幅モジュレーションの手法を補完します。このモードは、モジュレーションソースとしてサイン波の信号を使います。

  • Tuning:古いAMラジオのチューニングの効果をエミュレートします。中央位置では最良のチューニングが得られます。コントロールを中央位置から離すほど、ラジオの混信の量が増えます。
  • Demod:2つの異なる復調回路のエミュレーションを切り替えます。オンにすると乗算型の復調回路が使われ、アグレッシブな音になります。オフにするとエンベロープ型の復調回路が使われ、古いAMラジオの音が再現されます。
  • Width:復調回路で使われるバンドパスフィルターの帯域幅を変えることで、信号にかかるフィルタリングの量を調整します。低い設定では、フィルターがかかった、わずかにレゾナントな音になります。高い設定ではフィルタリングの効果が弱まり、信号にノイズが増えます。
  • Carrier:復調回路で使われるキャリアの周波数を調整し、ラジオ送信の品質を操作します。周波数を上げるほど品質が良くなります。
  • Gate:ノイズゲートをオン・オフします。オンにすると、復調回路からのノイズは入力信号があるときだけ通過します。オフにするとノイズが常に通過するため、Freakを柔軟なノイズ源として使えます。ノイズの量はFeedbackコントロールで調整できます。

Oscillatorモードでは、Typeコントロールで使える3つの異なる振幅モジュレーション手法の純粋な音を試せます。このモードは、モジュレーションソースとしてサイン波の信号を使います。

  • Freq:Typeコントロールで使える3つの異なる振幅モジュレーション手法が用いる、内部サイン波モジュレーションのレートを調整します。Typeが振幅モジュレーション(0%)やリングモジュレーション(50%)に設定されているときは、周波数スペクトラムに生じるサイドバンドの周波数を変えられます。Typeが周波数シフト(100%)に設定されているときは、モジュレーションのレートが、入力信号の周波数成分を周波数スペクトラム内でシフトさせる量に等しくなります。Freqコントロールはバイポーラで、正(非反転)と負(反転)の両方のモジュレーションをかけられます。Freqコントロールの範囲はRangeボタンで設定できます。
  • Wide Range:Freqコントロールの範囲を設定します。オンにすると、Freqは-5000 Hzから+5000 Hzの粗い範囲になります。オフにすると、Freqは-200 Hzから+200 Hzの細かい範囲になります。これにより、可聴帯域より下(20 Hz未満)でモジュレーションレートの細かい調整が必要な用途にも十分に対応できます。
  • Stereo:左右のステレオチャンネルにかかるモジュレーションに位相オフセットを加えて、広いステレオイメージを作ります。
  • Antifold:0 Hzを越えて折り返すサイドバンドの量を減らし、低域のスペクトラムをよりクリーンな音にします。Antifoldを上げると、音程感の薄い、より細く響くディストーション効果が得られます。

Sidechainモードでは、Typeコントロールで使える振幅モジュレーションの手法を、さまざまなモジュレーションソースで試せるように開放します。入力信号自身でモジュレートすることも、プラグインのサイドチェーン入力に送り込んだ任意の外部信号をモジュレーションソースとして使うこともできます。さらに、モジュレーション信号は、信号の輪郭をなめらかにするエンベロープフォロワーで処理できます。

  • Contour:モジュレーションソースからの直接の信号と、エンベロープフォロワーで処理された信号のあいだをブレンドします。これにより、エンベロープフォロワーがモジュレーション信号の輪郭にどれだけ影響するかを調整できます。
  • Release:エンベロープフォロワーのアタックタイムとリリースタイムを調整します。低い設定では、エンベロープフォロワーはモジュレーション信号の輪郭に素早く追従します。高い設定では反応が遅くなり、モジュレーション信号の輪郭をなめらかにします。
  • BP Filter:モジュレーション信号にかかるバンドパスフィルターをオン・オフします。フィルターのカットオフ周波数はBP Freqコントロールで調整できます。
  • BP Freq:モジュレーション信号にかかるバンドパスフィルターのカットオフ周波数を調整し、その周波数成分を特定の帯域に絞ります。エンベロープフォロワーと組み合わせると、BP Freqを使ってエンベロープフォロワーをモジュレーションソースの特定の成分に反応させられます。

Phasis

フェイザーは、スペクトラムの動きと複雑なフィルタリングを加えることで、音を豊かにするために使われます。オールパスフィルターを連ねたものをもとにしており、オールパスフィルターの周波数のモジュレーションが組み込まれています。オールパスフィルターは、時間とともに変化させられるピークとノッチを周波数スペクトラムに作り出します。こうしてフェイザーは、音の倍音構造を変形させ、動きを与えます。結果は、定番のクラウトロックのギターからサイケデリックなFXサウンドまでさまざまです。

ギターやスタジオで最もよく使われるエフェクトの1つとして、フェイザーはさまざまな実装がスタジオ用ラックプロセッサーやギターペダルに取り入れられてきました。Phasisはその考え方を新たに捉え直したもので、この種の機器らしい扱いやすさと明快さを保ちながら、一般的なフェイザーでは得られない、より洗練された極端なサウンドを可能にする機能を吟味して追加しています。

Phasisはオールパスフィルターの数を可変にでき、周波数スペクトラムに最大12対のピークとノッチを作り出します。入力信号のステレオイメージは保たれますが、音を広げる追加処理をかけることもできます(Stereoパラメーター)。内部のモジュレーションシステムは、すべてのピークとノッチの相対的な中心周波数を同時に変化させるだけでなく(Centerパラメーター)、それらの間隔も変化させられ(Spreadパラメーター)、母音的なフィルター効果を作れます。フェイザーの元来の考え方をさらに広げたULTRAモードでは、オールパスフィルターの周波数範囲とモジュレーションをオーディオレートまで拡張し、Phasisのフィルタリング能力をさらに広げてFM合成を思わせる音を作ります。

Phasisには次のコントロールがあります。

  • Rate:CenterとSpreadにかかるモジュレーションの周波数を調整します。Amountを上げるほどモジュレーション効果が強く現れます。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、Rateの単位表示(Hz)をクリックし、ドロップダウンメニューから音符の長さの値を選びます。
  • ULTRAモード:RateとCenterのパラメーター範囲を拡張し、より広い周波数範囲でより極端なモジュレーション周波数を使えるようにします。Rateをオーディオ帯域まで上げると、FM合成で得られる音に似た、新しい倍音成分を入力信号に加えられます。
  • Amount:CenterとSpreadにかかるモジュレーションの量を調整し、フェイジング効果に動きを加えます。モジュレーションは、Mod Mixスライダーで2つのパラメーターのあいだに配分できます。
  • Center:フェイジング効果を作るオールパスフィルターの周波数を変えることで、周波数スペクトラムのピークとノッチを移動させます(Center周波数に対して相対的に)。
  • Stereo:左右のステレオチャンネル間でCenterとSpreadにかかるモジュレーションに位相オフセットを加えて、広く生き生きとしたステレオイメージを作ります。中央位置では、フェイジング効果はステレオイメージを変えません。ノブを左に回すと、フェイジング効果が右から左へ移動するように聞こえます。ノブを右に回すと、フェイジング効果が左から右へ移動するように聞こえます。Amountが0のとき、Stereoは効果を持ちません。
  • Spread:周波数スペクトラムのピークとノッチの密度を調整します。ノブを左に回すとピークとノッチが互いに近づきます。ノブを右に回すとピークとノッチが互いに離れます。
  • Feedback:フェイジング効果を作るオールパスフィルターにかかるフィードバック、つまりレゾナンスの量を調整します。ノブを右に回すとFeedbackが増え、周波数スペクトラムのピークとノッチがより際立ちます。
  • Mod Mix:モジュレーションをCenterとSpreadのあいだに配分します。スライダーを左に動かすとCenterにかかるモジュレーションの量が増え、右に動かすとSpreadにかかるモジュレーションの量が増えます。中央位置では、CenterとSpreadにかかるモジュレーションの量が同じになります。
  • Notches:周波数スペクトラムのピークとノッチの数を設定します。
  • Invert Phase:Spreadにかかるモジュレーションの極性を反転させ、Centerにかかるモジュレーションに対する効果を逆にします。
  • Invert Mod Mix:エフェクト信号を反転させることで、周波数スペクトラムのピークとノッチの位置を入れ替えます。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。ノブをいっぱいまで左に回すと、ドライな入力信号だけが聞こえます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Ring Modulator

Ring Modulatorは、振幅モジュレーションの特殊な形であるリングモジュレーションにもとづくエフェクトです。周波数スペクトラムにサイドバンドを生み、音の倍音構造を崩して金属的な響きの性格を与えます。低い周波数のモジュレーション信号を使えば、トレモロ効果が得られます。さらにFMコントロールにより、入力信号に位相モジュレーション(FM)をかけられます。

Ring Modulatorには次のコントロールがあります。

  • Fast Mode:内部モジュレーションオシレーターの2つの周波数範囲を切り替えます。オンにすると、エフェクトは周波数スペクトラムにサイドバンドを生みます。オフにすると、トレモロ効果を生みます。
  • LFO: Sine/Square:LFOの波形をサイン波と矩形波で切り替え、内部モジュレーションオシレーターの周波数を柔らかく変化させるか、急激に変化させるかを選びます。
  • Ring:内部モジュレーションオシレーターを使って入力信号にかかるリングモジュレーションの量を調整します。
  • Rate:内部モジュレーションオシレーターの周波数にモジュレーションをかけるために使えるLFOの周波数を調整します。ホストやMaster Editorのテンポにレートを同期させるには、Rateパラメーターの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • FM:内部モジュレーションオシレーターを使って入力信号にかかる位相モジュレーションの量を調整します。
  • Amount:LFOを使って内部モジュレーションオシレーターの周波数にかかるモジュレーションの量を調整します。
  • Freq:内部モジュレーションオシレーターの周波数を調整し、周波数スペクトラム内のサイドバンドを移動させます。周波数範囲はFast Modeスイッチの設定によって変わります。
  • Edge:内部モジュレーションオシレーターの波形を変えます。コントロールを右に回すと倍音が加わり、リングモジュレーションがよりアグレッシブな音になります。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Rotator

Rotatorエフェクトは、回転式スピーカーキャビネットのサウンドをリアルにシミュレートします。これは、60年代・70年代のロックで人気を得たドローバーオルガンと結びついて語られることが多い機器です。この効果は「あの」典型的なドローバーオルガンサウンドとほとんど不可分ですが、ギター、シンセパッド、その他さまざまな音にも同様によく合います。

Rotatorには次のコントロールがあります。

  • Speed:このパラメーターはオートメーションをかけやすくするためにノブとして表示されていますが、実際にはSlowとFastの2つの位置しかありません。この設定を変えると、ローターの加速や制動がリアルにシミュレートされます。
  • Acceleration and Brake Speed(Speedコントロールの隣にある水平フェーダー):キャビネットの高域部(上のフェーダー)と低域部(下のフェーダー)のローターが、速度変化にどれだけ速く反応するかを調整します。いちばん右の位置では、そのスピーカーは瞬時に速度を変えます。フェーダーがいちばん左の位置では、指定された速度に達するまで長い時間がかかります。
  • Balance:キャビネットの高域部と低域部の相対的なレベルを調整します。
  • Distance:キャビネットと収音マイクのあいだのシミュレートされた距離を調整します。距離が近いほどステレオパノラマが広がります。

Vibrato/Chorus

Vibrato/Chorusは、定番の電気オルガンに備わっていたビブラートとコーラスのエフェクトのサウンドをモデリングしています。これらの効果はもともと、電子部品と機械部品を組み合わせた革新的な回路によって作られ、信じられないほど豊かなサウンドを生み出していました。

Vibrato/Chorusには次のコントロールがあります。

  • Depth:6つのモードから1つを選んで、エフェクトの強さを設定します。強さは左から右へモードが進むごとに増します。モードIV、V、VIはより多くの処理能力を必要とします。
  • Color:エフェクトの基本的な音の性格を決める3つの異なるモードから1つを選びます。各モードは異なる周波数特性と異なる質感のモジュレーションを持ちます。
  • Rate:モジュレーションの周波数を調整します。Syncをオンにすると、RateはMetronomeのテンポに対する音符の長さで設定されます。
  • Blend:ビブラートとコーラスの効果のあいだをブレンドします。
  • Width:ステレオ拡張効果の幅を調整します。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで調整します。

Legacy Chorus

Chorusは、原音にデチューンされたコピーを重ねることで、オーディオ信号に奥行きと豊かさを加えます。位相関係を調整できる個別のLFOが各ステレオチャンネルを独立してデチューンし、広いパノラマ効果を作ります。

Chorusには次のコントロールがあります。

  • Depth:モジュレートされるデチューンの範囲を調整します。値が大きいほどコーラス効果が強くなります。
  • Speed:LFOの速さを調整します。ホストやMaster Editorのテンポに速さを同期させるには、Speedパラメーターの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • Phase(0〜90度):左右のステレオチャンネル間にLFOの位相差を与えます。これにより、出力信号のステレオベースの幅を大きく広げられます。
  • Return(センドエフェクトとして使うときに表示):モジュールのリターンレベルを調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrumentのインサートエフェクトとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。典型的なコーラス効果は両方の信号の組み合わせで生まれるため、同じレベルに設定すると最も効果が強く出ます。

Legacy Flanger

このモジュールはオーディオ信号を分岐させ、一方を原音に対して遅らせます。ディレイタイムをモジュレートし、さらに出力信号を任意の量だけ入力へ戻すことで、Flangerは特徴的な「シュワッ」という音を作り出します。Phaserモジュールと同様に、Flangerは各ステレオチャンネルに個別のLFOを使い、両LFOの位相関係を調整できます。

Flangerには次のコントロールがあります。

  • Depth:LFOモジュレーションの量です。値が大きいほど、フランジング効果がより広い範囲をスイープします。
  • Speed:LFOの速さを調整します。ホストやMaster Editorのテンポに速さを同期させるには、Speedパラメーターの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • Phase(0〜90度):左右のステレオチャンネル間にLFOの位相差を与えます。これにより、出力信号のステレオベースの幅を大きく広げられます。
  • Colour:ディレイラインの動作範囲、ひいてはフランジング効果の色合いを調整します。値が小さいとモジュレートされるディレイタイムが短くなり、Flangerはフェイザーに近い響きになります。
  • Feedback:遅らせた信号を一定量モジュールの入力へ戻し、より強い効果を作ります。
  • Return(センドエフェクトとして使うときに表示):モジュールのリターンレベルを調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrumentのインサートエフェクトとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。典型的なフランジング効果は両方の信号の組み合わせで生まれるため、同じレベルに設定すると最も効果が強く出ます。

Legacy Phaser

このエフェクトは、オールパスフィルターによって信号内の位相関係を絶えず変化させます。その結果コムフィルター効果が生まれ、ある周波数は減衰し、別の周波数は持ち上がります。音はフランジャーに似ていますが、より控えめです。

Phaserには次のコントロールがあります。

  • Depth:LFOモジュレーションの量です。値が大きいほど、Phaser効果がより広い周波数範囲をスイープします。
  • Speed:LFOモジュレーションの速さです。ホストやMaster Editorのテンポに速さを同期させるには、Speedコントロールの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • Phase(0〜90度):左右のステレオチャンネル間にLFOの位相差を与えます。これにより、出力信号のステレオベースの幅を大きく広げられます。
  • Feedb.:コムフィルター効果が信号に与えるピークとノッチの強調度を、このコントロールで調整します。
  • Return(Send Effectとして使うときに表示):モジュールの出力信号のリターンレベルを調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrument Insert Effectとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。典型的なフェイジング効果は両方の信号の組み合わせで生まれるため、同じレベルに設定すると最も効果が強く出ます。

マングリング

マングリングカテゴリーには、音を面白い形に変形させたりスライスしたりするエフェクトが含まれます。


Beat Masher

Beat Masherは入力オーディオからループを取り込み、リズミカルなスタッター、ゲーティング、リピーター、リバースの効果をリアルタイムにかけて操作します。

このモジュールには次のパラメーターとコントロールがあります。

  • Mash:入力信号を内部バッファーに録音してエフェクトを開始します。オフにすると、入力信号は変化しません。
  • Length:内部バッファーから使うオーディオの長さを、音符の値で調整します。
  • Gate:内部バッファーからオーディオのスライスを取り出して再生します。いっぱいまで左に回すと、エフェクトはバイパスされます。中央位置に向かって右に回すほど、長いスライスが再生されます。中央位置にすると、バッファー全体が再生されます。中央位置からさらに右に回すほど、長いスライスのオーディオが切り取られ、ゲーティング効果が生まれます。
  • Rotate:バッファーのオーディオを、元の位置に対して8分音符単位でずらします。Lengthをいっぱいまで左に回しているとき、Rotateはサンプルを連続的に回転させます。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで設定します。
  • Reverse:内部バッファーのオーディオの再生方向を逆にします。
  • Wrap:Lengthの設定に関係なく、各小節の頭からエフェクトを再スタートさせます。

Beat Slicer

Beat Slicerは入力オーディオからループを取り込み、スライスをさまざまなリズムパターンに組み替えてリアルタイムに操作します。

このモジュールには次のパラメーターとコントロールがあります。

  • Slice:入力信号を内部バッファーに録音してエフェクトを開始します。オフにすると、入力信号は変化しないままです。
  • Style:5つのパターングループから1つを選びます。
  • Gate:別のパターンから導いたリズムにもとづいてオーディオをゲートし、再生パターンとゲーティングパターンの組み合わせによって無限のバリエーションを生みます。オンにすると、Buzzコントロールは無効になります。
  • Pattern:Styleで設定したグループからパターンを選びます。各グループの最初のパターンは、バッファーのオーディオをそのまま再生します。
  • Two Bars:バッファーから使うオーディオを2小節に広げます。オフのときは最初の1小節だけが使われます。
  • Buzz:現在のパターンのビートを繰り返して、転がるようなビート効果を作ります。コントロールを右に回すほど繰り返しのレートが上がります。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで設定します。

Gater

Gaterは入力オーディオをリズミカルにミュートして、定番のゲーティング効果を作ります。内部のノイズ源を使えば、リズミカルな音源としても使えます。

このモジュールには次のパラメーターとコントロールがあります。

  • Gate:エフェクトをオン・オフします。
  • Rate:ゲーティング効果のレートを調整します。
  • Tempo Sync:Rateをメトロノームに同期させます。Tempo Syncがオンのとき、RateはMetronomeのテンポに対する音符の長さで設定できます。間隔は1/4、1/8、1/16、1/32音符に設定できます。
  • Noise:信号に加わるヒスノイズの量を調整します。
  • Mute Input:入力信号をミュートして、エフェクト信号だけが聞こえるようにします。Noiseコントロールと組み合わせると、Gaterをリズミカルにゲートされたノイズ源として使えます。
  • Shape:ゲーティング効果の輪郭のホールドタイムとディケイタイムを調整します。
    • いっぱいまで左:ホールド1%、ディケイ0%
    • 中央位置:ホールド50%、ディケイ0%
    • いっぱいまで右:ホールド0%、ディケイ100%
  • Stutter:ゲーティングタイムを3/16音符に設定し、スタッター効果を生みます。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで設定します。

Reverse Grain

Reverse Grainは入力オーディオからループを取り込み、再生方向、ピッチ、グレインサイズを操作できるグラニュラー処理をかけます。

このモジュールには次のパラメーターとコントロールがあります。

  • Rev:入力信号を内部バッファーに録音し、逆再生してエフェクトを開始します。
  • Fwd:再生方向を順方向に反転します。
  • Invert Grains:グレインを逆の順序で再生します。
  • Pitch:内部バッファーのオーディオのピッチを調整します。いっぱいまで右に回すと、ピッチは変化しません。Pitchを左に回すと、オーディオのピッチが下がります。
  • Grain:内部バッファーのオーディオを処理するのに使うグレインのサイズを調整します。Speedコントロールと組み合わせると面白い効果が得られます。
  • Speed:内部バッファーのオーディオを処理するのに使うグレインの再生速度を調整します。いっぱいまで右に回すと、再生速度は変化しません。Speedを左に回すと、再生速度が下がります。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで設定します。

Transpose Stretch

Transpose Stretchは、グレインサイズとタイムストレッチのコントロールを加えた定番のピッチシフターです。

このモジュールには次のコントロールがあります。

  • Stretch:入力信号を内部バッファーに録音してエフェクトを開始します。
  • Grain:グレインサイズの調整を有効にします。オフのときは、ピッチシフトの結果が最良になるようグレインサイズが自動調整されます。オンにすると、Sizeコントロールが使えるようになります。Sizeをいっぱいまで左に回すと、333 msの大きなグレインが処理されます。いっぱいまで右に回すと、5 msの短いグレインが処理されます。
  • Two Bars:バッファーから使うオーディオを2小節に広げます。オフのときは最初の1小節だけが使われます。
  • Key:グレインのピッチを半音単位で調整します。いっぱいまで左に回すと、グレインは60半音、つまり5オクターブ下がります。中央位置では、グレインは元のピッチで再生されます。いっぱいまで右に回すと、グレインは12半音、つまり1オクターブ上がります。
  • Amount:かかるタイムストレッチの量を調整します。コントロールを徐々に右に回すと、グレインが再生される速度が遅くなっていき、最終的にはグレイン1つだけを使って停止します。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。
  • Output:モジュールの出力レベルをdBで設定します。

ディレイ

ディレイカテゴリーには、エコーとディレイのエフェクトが含まれます。


PsycheDelay

Psyche Delayは、雰囲気のあるアンビエントなエコーと、1960年代のいわゆる逆回転テープサウンドを思わせるリバース効果を幅広く生み出すステレオディレイエフェクトです。

PsycheDelayには次のコントロールがあります。

  • Reverse:以降のディレイの繰り返しの再生を逆にします。
  • Stereo Reverse:ステレオチャンネルの片方で、以降のディレイの繰り返しの再生を逆にします。
  • Stereo Detune:左のステレオチャンネルでのエコーの繰り返しのピッチを、-50〜+50セントの範囲で調整します。フィードバックとクロスフィードバックと組み合わせると、徐々にデチューンしていくエコーの連なりを作れます。
  • Time:ディレイタイムをミリ秒で表します。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、Speedパラメーターの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • LR Offset:2つのステレオチャンネル間の時間のずれの量を調整し、広いステレオのエコーを作ります。
  • Feedback:フィードバックの量を調整します。Feedbackを右に回すほどディレイの繰り返しが増えます。
  • Cross FB:左のステレオチャンネルから右へ、また右から左へのフィードバックの量を調整し、より複雑なステレオのエコーパターンを作ります。
  • Pitch:エコーの繰り返しのピッチを-12〜+12半音の範囲で調整します。フィードバックと組み合わせると、徐々にハーモナイズされていくエコーの連なりを作れます。
  • Detune:エコーの繰り返しのピッチを-50〜+50セントの範囲で微調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrumentのインサートエフェクトとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。一般的な使い方では、遅らせた信号は直接音より低いレベルで混ぜます。

Replika Delay

このディレイモジュールは、Native Instrumentsの専用ディレイプラグインReplika XTをもとにしています。Modern、Analog、Tape、Vintage、Diffusionの5つの異なるモードを備え、それぞれ音に独特の色付けを加えます。

すべてのモードに、タイム、フィードバックレベル、ローカットフィルター、ハイカットフィルター、ピンポン効果のコントロールがあります。各モードにはさらに固有のパラメーターコントロールが用意され、目的に合わせてエフェクトを作り込めます。

Replika Delayには次のコントロールがあります。

  • Mode:5つのディレイモード(Modern、Analogue、Tape、Vintage、Diffusion)から1つを選びます。各モードには固有のコントロールがあります。詳しくは以下の節を参照してください。
  • Time:ディレイタイムをミリ秒で調整します。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、Timeコントロールの単位表示(ms)をクリックし、ドロップダウンメニューから音符の長さの値を選びます。
  • Feedback:ディレイの入力へ戻される信号のレベルを調整します。Feedbackを上げるとディレイの繰り返しが増えます。100%を超えるレベルでは、自己発振に至るまでエコーの繰り返しが膨らんでいきます。
  • Low Cut:ディレイのフィードバック経路の低域成分を、レゾナンスのないフィルターでカットします。いっぱいまで左に回すと、フィルターはオフになります。
  • High Cut:ディレイのフィードバック経路の高域成分を、レゾナンスのないフィルターでカットします。いっぱいまで右に回すと、フィルターはオフになります。
  • Ping Pong:ピンポン効果をオン・オフします。オンのとき、ディレイの繰り返しは左右いっぱいに交互にパンされます。
  • Stereo:オンにすると、左右のチャンネル間でモジュレーションが時間的にずれ、広いステレオ効果が得られます。オフにすると、モジュレーションは両チャンネルに同じように作用します。
  • Depth:ディレイタイムにかかるモジュレーションの量を調整します。
  • Rate:ディレイタイムのモジュレーションの速さを調整します。
  • Pattern:ディレイのリズムの感じを変えるコントロールを表示します。使えるコントロールは次のとおりです。
    • Shuffle:奇数番目の繰り返しを偶数番目より多く遅らせることで、ディレイの繰り返しにスウィングのグルーヴを加えます。
    • Feel:ディレイのリズムの感じを調整します。このコントロールを右に回すと、繰り返しがわずかに遅れて後ノリの感じになります。左に回すと、拍のわずかに手前で繰り返してやや前ノリの感じになります。
    • Accent:特定のディレイの繰り返しを強調して、音にダイナミックなグルーヴ効果を加えます。このコントロールを右に回すと奇数番目の繰り返しが強調されます。左に回すと偶数番目の繰り返しが強調されます。
  • Panning:ディレイのステレオイメージを変えるコントロールを表示します。使えるコントロールは次のとおりです。
    • Pan:ディレイ信号のパンニングを左から右まで調整します。
    • Width:ステレオイメージ全体の幅を調整します。
    • LR Offset:左右のチャンネル間にタイミングのずれを加えて、ディレイのステレオイメージを強めます。
  • Ducking:ディレイに組み込まれたダッキング効果のコントロールを表示します。ダッキングは、入力信号が一定のスレッショルドを超えたときにディレイ信号のゲインを下げます。入力信号のゲインリダクションをdBで表示するゲインリダクションメーターの隣に、次のコントロールがあります。
    • Sensitivity:ダッキング効果が働き始めるスレッショルドを調整します。
    • Release:ダッキング効果のリリースタイムを調整します。
    • Amount:ダッキング効果の強さ、つまりダッキングがかかったときにディレイ信号にかかるゲインリダクションの量を調整します。

Modernモード

Modernモードは、クリーンで輪郭のはっきりしたディレイで、調整可能な真空管的なSaturationでさらに音を作り込めます。内蔵のモジュレーションはディレイタイムを周期的に変化させます。これによりディレイ信号のタイミングとピッチが動き、音に奥行きと動きが加わります。内蔵のモジュレーションとは違い、ディレイタイムを手動で調整してもディレイ信号のピッチは変わりません。

  • Saturation:ディレイの入力に真空管的なサチュレーションを加えます。右に回すほど、控えめな温かみからオーバードライブへと音が押し上げられます。いっぱいまで左に回すと、サチュレーションはバイパスされます。

Analogueモード

Analogueモードは、BBD(Bucket Brigade Device)ディレイの暗く霞んだサウンドをエミュレートします。これには古いアナログのスタジオエフェクトや、現代の多くのギターペダルが含まれます。BBD Typeには4つの異なるモデルがあり、この種のディレイエフェクトに結びついた温かなサウンドの幅をすべて使えます。

  • BBD type:4つのBBDディレイモデル(左から右へGrunge、Dark、Warm、Clean)から1つを選びます。性格は、控えめなフィルタリングと歪みから、大きく劣化したサウンドまでにわたります。

Tapeモード

Tapeモードは、定番のテープディレイの質感豊かで生き生きとしたサウンドをエミュレートします。Saturationの量、テープのAge、Wow & Flutterの強さなど、その独特な性質を余すところなく操作できます。

  • Noise:オンにすると、ディレイ信号にテープヒスが加わります。オフにすると、テープヒスは加わりません。テープヒスの量はTape Ageコントロールの設定によって決まります。
  • Tape Age:高域特性の制限を含む、劣化したテープの特性を強調します。Noiseボタンがオンのとき、Tape Ageは信号に加わるテープヒスの量も調整します。
  • Flutter:テープディレイのモーターや走行系の機械的な不完全さによる影響を強め、時間とともにピッチが揺れるようにします。

Vintageモード

Vintage Digitalモードは、初期のデジタルディレイエフェクトの温かくクランチなサウンドをエミュレートします。控えめな質感を持つ明るい音から、強いデジタルノイズまで、4つの異なるQuality設定が用意されています。

  • Quality:ディレイの4つの品位設定から1つを選びます。Crunch(0-24%)、Low(25-49%)、Medium(50-74%)、High(75-100%)です。

Diffusionモード

Diffusionモードは、クリーンなディレイを独特なリバーブ効果と結び付けます。タイトでレゾナントなものから、不自然に広大な空間まで、さまざまなアンビエンスを幅広く作れます。ディレイ信号にかかるディフュージョンのAmountは自由に調整でき、Movementコントロールでリバーブ効果にモジュレーションを加えられます。

  • Amount:ディレイ信号にかかるディフュージョンの量を調整し、リバーブ効果を作ります。高い設定では、ディレイが同期していないように聞こえることがあります。
  • Size:リバーブ効果の立ち上がり、反射パターン、ディケイを調整し、異なる大きさの空間の印象を与えます。
  • Dense:エフェクトの反射パターンについて、2つの密度設定を切り替えます。
  • Modulation:ディフュージョンにかかるモジュレーションの深さと速さを設定し、反射のタイミングとピッチを動かして広いリバーブ効果を作ります。

Twin Delay

Twin Delayは、2つの並列なディレイチャンネルを組み合わせて高度なステレオ効果を作ります。2つのディレイはそれぞれ左右のステレオチャンネル専用です。これらを使って、ステレオイメージの中を跳ね回るリズミカルなエコーを作れます。

Twin Delayには次のコントロールがあります。

  • Predly L/R:そのチャンネルに加わる最初のディレイの長さを調整します。このプリディレイはTimeコントロールとは独立していて、ディレイの繰り返しには影響しません。定番のピンポンエコーを得るには、両チャンネルに同じTimeを設定し、片方のPredlyを上げます。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、プリディレイの単位表示(ms)をクリックし、ドロップダウンメニューから音符の長さの値を選びます。
  • Time L/R:ディレイタイムをミリ秒で調整します。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、Timeの単位表示(ms)をクリックし、ドロップダウンメニューから音符の長さの値を選びます。
  • Feed L/R:フィードバックの量を調整します。Feedを右に回すほどディレイの繰り返しが増えます。
  • Level L/R:ディレイチャンネルの出力レベルを調整します。
  • Cross FB:左チャンネルの出力を右チャンネルの入力へ、また逆方向へ戻すクロスフィードバックの量を調整します。
  • Width:ディレイ信号のステレオイメージを調整します。中央位置では信号はモノになります。コントロールを右に回すとステレオイメージの幅が広がります。左に回すとステレオイメージの幅が広がり、左右のステレオチャンネルが入れ替わります。
  • DRY/WET:出力へ送られる未処理(DRY)の信号と処理済み(WET)の信号の量を、これらのスライダーで調整します。

Legacy Delay

このモジュールは、必要に応じてテンポに同期できるディレイラインを提供し、調整可能なフィードバックレベル、ローパスフィルター、ピンポンエコー効果用のパンコントロールを備えています。テンポ同期の機能を使わない場合、使えるディレイの範囲は5〜2900 msです。20 msより短いディレイタイムはディレイとしては聞き分けられませんが、面白いコムフィルター効果を生み出せます。

Legacy Delayには次のコントロールがあります。

  • Time:ディレイタイムをミリ秒で表します。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、Speedパラメーターの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • Damping:遅らせた信号の高域を減衰させます。このコントロールを右に回すと減衰の効果が強まります。フィードバックレベルを設定している場合、信号は繰り返すごとに徐々に高域成分を失っていきます。
  • Pan:0より大きい値を設定するとパンニング効果が生まれ、エコーがステレオパノラマの左右を交互に行き来します。これは親しみを込めてピンポンディレイと呼ばれます。値が大きいほどパンニングが広くなり、100では信号が左端と右端のチャンネルを交互に行き来します。
  • Feedb.(feedback):出力信号のうちディレイラインの入力へ戻される量を調整し、徐々に無音へと消えていく一連のエコーを作ります。
  • Return(センドエフェクトとして使うときに表示):モジュールのリターンレベルを調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrumentのインサートエフェクトとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。一般的な使い方では、遅らせた信号は直接音より低いレベルで混ぜます。

リバーブ

リバーブカテゴリーには、アルゴリズム系とコンボリューション系の両方のリバーブエフェクトが含まれます。


Convolution

コンボリューションは高度な数学的処理で、技術的に言えば、部屋、スピーカー、ハードウェアのリバーブ機器といった線形システムの音響的な振る舞いを再現し、自分の信号に適用できるようにするものです。これを実現するには、そのシステムを通して再生した広帯域信号の短い録音をコンボリューションプロセッサーに読み込ませます。この録音は通常、インパルスレスポンスと呼ばれる普通のオーディオファイルです。

コンボリューションは、非常にリアルなリバーブを得る手法としてよく知られていますが、スピーカーキャビネットやその他のラウドスピーカー特有の共振をシミュレートするのにも同じくよく働きます。

KontaktのConvolutionプロセッサーは、マルチチャンネルの信号フローに完全に対応している点でやや特殊で、サラウンドのインパルスレスポンスも使えます。Instrument Insert EffectsとInstrument Send Effectsのチェーン内、またはOutputエフェクトとして使用できます。Kontaktには、実際の部屋やスピーカーキャビネットの録音から、特殊効果に適した合成インパルスレスポンスまで、豊富なインパルスレスポンスのライブラリが付属しますが、WAV形式のサードパーティ製インパルスも同じように手軽に使えます。

Convolutionには次のコントロールがあります。

  • Impulse Window:このウィンドウには、現在読み込まれているインパルスレスポンスと、有効な場合はVolume Envelopeが表示されます。ライブラリからこのウィンドウにインパルスレスポンスをドラッグして読み込めます。この方法では他の設定はそのまま保たれます。上部の行には、読み込まれたインパルスレスポンスのファイル名と、そのビット深度、サンプルレート、チャンネル数が表示されます。Mapping EditorやWave Editorと同様に、ファイル名の上にマウスポインターを重ねると、ファイルのフルパスが表示されます。
  • Pre Dly.:Reverbモジュールの同名のパラメーターと同様に、このコントロールは直接音とコンボリューションの出力のあいだにわずかなディレイを挿入します。これは、直接音と遠くの壁からの初期反射のあいだに短い遅れが生じる大きな部屋の残響をシミュレートするために、リバーブのレスポンスと組み合わせて使うと有効です。
  • Return(センドエフェクトとして使うときに表示):モジュールのリターンレベルを調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrumentのインサートエフェクトとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。一般的な使い方では、リバーブ信号は直接音より低いレベルで混ぜます。
  • Latency:モジュールのレイテンシー設定を5段階(1.5、2.9、5.8、11.6、23.2 ms)で調整します。プチノイズなどの異音が聞こえる場合は、この値を上げてみてください。ただしその結果、Kontakt全体のレイテンシーが増えます(つまりすべての信号が遅れます)。これを避けたい場合は、このメニューの最後の項目を選ぶとレイテンシー補正を無効にできます。この方法では全体のレイテンシーは増えませんが、Convolutionプロセッサーのウェット信号がドライ信号に対して遅れます(リバーブの場合、実際にはこれで問題なく使えます)。
  • S.Rate:サンプルレートを9段階(1/1、1/1.5、1/2、1/2.5、1/3、1/4、1/6、1/8、Auto)で分割できます。Preserve Lengthボタンがオフの場合、サンプルを変えるとインパルスレスポンスの再生速度だけが変わり、リバーブの残響が長くなって周波数特性も変化します。Preserve Lengthをオンにすると残響はそのまま保たれますが、コンボリューション処理が行われるサンプリングレートが下がるため、品位とともにCPU使用率も下がります。
  • Reverse Button:特殊効果のためにインパルスレスポンスを逆にします。
  • Auto Gain:このボタンがオンのとき、そのままではレベルに影響するパラメーターを調整しても、プロセッサーは全体のレベルを一定に保ちます。オフにする場合は、音量が急激に変わることがあるので、調整中は必ず小さい音量でモニターしてください。耳を大切に。
  • VolumeEnvelope:この機能により、インパルスレスポンスの音量特性を必要に応じて変えられます。オンにすると、インパルスレスポンスのウィンドウの波形表示の上に、グラフィカルに編集できる8セグメントのエンベロープが描かれます。
  • Early / Late:これらのモードボタンは、下の3つのノブが初期反射に作用するか、インパルスレスポンスの残響部分に作用するかを切り替えます。
  • IR Size:インパルスレスポンスを時間方向に人工的に圧縮または伸長します。
  • HighPass:信号の周波数成分が減衰する下限のカットオフ周波数を調整します。
  • LowPass:信号の周波数成分が減衰する上限のカットオフ周波数を調整します。

Plate Reverb

この新しいエフェクトモジュールは、プレートリバーブをエミュレートします。プレートリバーブは、人工的なリバーブ効果を生む初期の手法として開発されました。振動する金属板を使って、音響空間の反射パターンをシミュレートします。金属板は二次元の面上で振動するため、三次元の空間よりもエコーの密度が高く、より均等に分布します。音源を明るくしたいときに適した選択です。プレートリバーブは残響がなめらかなので、ミックスの中で音を後ろに引っ込めることなく長く伸ばせます。このため、プレートリバーブはボーカルやスネアドラムに使われることが最も多いです。Dampingコントロールは全体の音色に作用するため、明るい音源にかけると音が温かくなります。

Plate Reverbには次のコントロールがあります。

  • Pre Delay:リバーブが効き始める前にわずかなディレイを挿入します。
  • Decay:リバーブ効果の長さを調整します。
  • Low Shelf:リバーブ信号の低域成分を減衰させたり増幅したりします。
  • High Damp:リバーブ信号の高域成分の減衰を調整します。
  • Stereo:リバーブ効果のステレオイメージを調整します。値が大きいほどステレオイメージが広がります。

Raum

Raumは、極めて広い範囲のリバーブサウンドを網羅する3つの異なるリバーブアルゴリズムを備えています。それぞれ異なる考え方にもとづいており、Groundedはルーム、Airyはホール、Cosmicは抽象的な空間に重点を置いています。ただしSizeやDecayなどの個々のパラメーターは、どのアルゴリズムでも、その考え方の基本的な性格を保ちながら、タイトなアンビエンスから異世界的なサウンドスケープまで何でも作れるように設計されています。

Raumには次のコントロールがあります。

  • Mode:3つの異なるリバーブアルゴリズムから1つを選びます。ルーム(Grounded)、ホール(Airy)、抽象的な空間(Cosmic)です。
  • Predelay:プリディレイの長さを調整します。これはリバーブ効果が働き始めるまでの時間です。プリディレイを長くすると、入力信号とリバーブ信号のあいだに間隔を作れます。ホストやMaster Editorのテンポに同期させるには、Predelayパラメーターの単位表示をクリックし、ドロップダウンリストから音符の長さの値を選びます。
  • Feedback:プリディレイの出力から入力へ戻すフィードバック信号のレベルを調整し、実質的にディレイの繰り返し回数を増やします。Feedbackを右に回すとエコー効果が生まれ、選択中のリバーブアルゴリズムでさらに処理できます。Feedbackを100%にすると無限のディレイ繰り返しが得られるため、プリディレイをルーパーとして使えます。高いフィードバック設定を大きな入力信号と組み合わせたときは、内蔵のリミッターがレベルを抑えます。
  • Low Shelf:0 dBから-24 dBの範囲でローシェルフフィルターをかけ、リバーブ効果とプリディレイのフィードバック信号の低域成分を減衰させます。コントロールを左に回すと減衰が弱まります。右に回すと減衰が強まります。いっぱいまで左に回すと、フィルターはオフになります。
  • High Cut:90 kHzから1 kHzの範囲でハイカットフィルターをかけ、リバーブ効果とプリディレイのフィードバック信号の高域成分を減衰させます。コントロールを左に回すと減衰が強まります。右に回すと減衰が弱まります。いっぱいまで右に回すと、フィルターはオフになります。
  • Freeze:この機能をオンにしているあいだ、リバーブの音の内容を保持します。Freeze機能はGroundedとAiryのアルゴリズムで使えます。切り替えはクリックノイズのないなめらかな移行になるよう最適化されており、その状態でもSizeコントロールで音を操作できます。これによりFreeze機能は、ライブパフォーマンスやオートメーションに非常に有用なツールになります。
  • Reverb:エフェクト信号に加わるリバーブの量を調整します。
  • Diffusion:リバーブの反射の質感を調整します。コントロールを右に回すと初期反射が柔らかくなり、リバーブの立ち上がりがなめらかになります。
  • Size:リバーブ効果の立ち上がりと反射パターンを調整し、さまざまな大きさの空間の印象を作ります。コントロールを右に回すと、サイズが小さいものから大きいものへ変わります。
  • Sparse:リバーブ効果の反射パターンについて、SparseとDenseという2つの基本的な密度モードを切り替えます。オンにすると、Sparseは拡散したはっきり聞き分けられる反射を生みます。オフにすると、Denseはより均一な残響を生みます。
  • Decay:リバーブの長さ、つまりリバーブタイムを調整します。コントロールを右に回すと、リバーブタイムが短いものから長いものへ変わります。
  • Damping:音色を明るいものから暗いものへ調整します。コントロールを右に回すと、リバーブの高域成分が減衰します。
  • Mod:リバーブの内部パラメーターを時間とともに変化させて、リバーブの音に加わる動きの量を調整します。コントロールを右に回すと、リバーブの動きが豊潤なものから強くデチューンされた音へ変わります。
  • DRY/WET:出力へ送られる未処理(DRY)の信号と処理済み(WET)の信号の量を、これらのスライダーで調整します。

Reverb

このアルゴリズム系リバーブには、RoomとHallのモードがあります。Roomモードは、強い初期反射と速いディケイを持つ自然なリバーブを生成します。これを使って小さな音響空間の自然な響きをシミュレートできます。残響時間が短いため、特にドラムやギターに向いています。

Hallモードは、温かく豊かに響くリバーブで、大きなホール空間の広大さをエミュレートします。これを使って、広々とした自然な空間を再現できます。大きな残響と長いディケイタイムにより、さまざまな音で試してみるのに優れたツールになります。どちらのモードでも、Room SizeとPre Delayのパラメーターをモジュレートして、ダイナミックな特殊効果を作れます。

Reverbには次のコントロールがあります。

  • Mode:2つのリバーブモード(RoomとHall)から1つを選びます。Roomはドラムやパーカッシブな音に向いています。Hallは広がりのある自然な性格で、特に音程のある音に向いています。
  • Pre-Delay:リバーブが効き始める前にわずかなディレイを挿入します。
  • Size:リバーブ効果がシミュレートする部屋の大きさを調整します。値が大きいほど大きな部屋を再現します。
  • Time:リバーブ効果の長さを調整します。
  • Damping:リバーブ効果がシミュレートする部屋の吸音の量を調整します。値が大きいほど吸音が増えます。
  • Diffusion:リバーブ効果がシミュレートする部屋の反射の密度を調整します。
  • Modulation:リバーブ効果にかかるモジュレーションの量を調整します。いっぱいまで左に回すと、モジュレーションはかかりません。
  • Low Shelf:リバーブ信号の低域成分を減衰させたり増幅したりします。
  • High Cut:リバーブ信号の高域成分をカットします。
  • Stereo:リバーブ効果のステレオイメージを調整します。値が大きいほどステレオイメージが広がります。

Legacy Reverb

このモジュールは、音源が音響空間に置かれたときに生じる自然な残響をシミュレートし、音に広がりの感覚を加えます。

Legacy Reverbには次のコントロールがあります。

  • Pre Dly.:直接音とリバーブの残響の立ち上がりのあいだに短いディレイを挿入します。これは、音波の最初の反射が壁から戻ってくるまでに短い時間が経過する、大きな部屋の自然な残響の振る舞いに対応します。
  • Size:シミュレートする部屋の大きさを調整します。これはリバーブの残響の長さに影響します。
  • Colour:このコントロールでは、シミュレートする部屋の建材、ひいてはリバーブの残響の色合いを調整できます。低い値は木材のような柔らかい表面をシミュレートし、高い値はコンクリートのような硬い表面の反射の振る舞いをシミュレートします。
  • Damping:家具、人、音響処理などが反射の振る舞いに影響することで部屋に生じる吸音を、シミュレートする量として設定します。
  • Stereo:値が大きいほど出力信号のステレオベースの幅が広がります。値が小さいと、音源までの距離が近い状態をシミュレートします。
  • Return(センドエフェクトとして使うときに表示):モジュールのリターンレベルを調整します。
  • DryとWetのスライダー(Instrumentのインサートエフェクトとして使うときに表示):原音と処理された信号それぞれのレベルを調整します。一般的な使い方では、リバーブ信号は直接音より低いレベルで混ぜます。

空間

空間カテゴリーには、ステレオとサラウンド両方の信号のパンニングと幅を変えるエフェクトが含まれます。


Stereo Modeller

このモジュールでは、信号のステレオベースの幅を調整したり、パンニングを変えたり、モノ音源から擬似ステレオ信号を作ったりできます。

Stereo Modellerには次のコントロールがあります。

  • Pseudo Stereo:オンにすると、モジュールは擬似ステレオのアルゴリズムを使ってモノ音源からステレオ信号を作ります。この機能はモノ信号にのみ使うべきもので、モノ互換性のない音になりやすく、ミックスをモノで再生したときに音が消えてしまうことがあります。
  • Spread:信号のステレオベースを狭めたり広げたりします。ノブを大きく左に回すと、ステレオ信号はモノにまとめられます。ノブを右に回して正の値にすると、ステレオ音源が人工的に広げられます。
  • Pan:このコントロールで、信号をステレオフィールド内に配置できます。動作はAmplifierモジュールのPanコントロールとまったく同じです。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Stereo Tune

Stereo Tuneは広がりを生むエフェクトです。広く生き生きとしたステレオイメージを作ります。

Stereo Tuneには次のコントロールがあります。

  • Spread:ステレオ幅をモノからフルステレオまで調整します。
  • Drift:入力信号のステレオデチューンを調整します。左右のステレオチャンネルを異なる周波数にチューニングして、広いステレオイメージを作ります。
  • Split:エフェクトのクロスオーバー周波数を調整します。この周波数より下の成分は変化しません。
  • Mix:入力信号とエフェクト信号のあいだをブレンドします。ノブをいっぱいまで左に回すと、ドライな入力信号だけが聞こえます。
  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。

Surround Panner

このモジュールは、Groupの信号に対して充実した強力なサラウンドミキシングとオートメーションの機能を提供します。モノから16チャンネルのサラウンドサウンドまで、多数の入出力チャンネル構成に対応し、入力信号を音源として空間平面上に配置し、手動またはオートメーションで動かせます。さらに、音源をリスナーの周りで動かしたときに生じる自然な減衰やドップラー効果もシミュレートできます。

Surround Pannerには次の機能とコントロールがあります。

  • Output:モジュールの出力レベルを調整します。
  • Divergence:距離に応じたレベル変化の量、ひいてはサラウンド平面上の音源の方向的な焦点を調整します。ノブを0%にすると、配置に関係なくレベルが一定になります。
  • Size:サラウンド平面の大きさを調整します。100%にすると、スピーカーで囲まれた領域が平面ウィンドウ全体を満たすため、スピーカーの範囲を越えて音源を動かせなくなります。ノブを左に回すと「ズームアウト」して、スピーカー配置の領域の外側に音源を置けるようになります。
  • LFE:現在選択されている出力構成に低域効果(LFE)チャンネルが含まれている場合、このコントロールでその出力レベルを調整します。LFEチャンネルの信号は、周波数クロスオーバーを介したすべての入力信号の合計から得られます。分割が起こる周波数はOptionsダイアログで設定できます。
  • X Shift:すべての音源のX位置に一定のオフセットを与えます。
  • Y Shift:すべての音源のY位置に一定のオフセットを与えます。
  • Angle:すべての音源を中心点の周りで回転させます。
  • Distance:中心点からのすべての音源の距離に一定のオフセットを加えます。
  • Meter:現在選択されているSurround Formatのすべてのチャンネルの出力レベルがここに表示されます。

次のメニューがあります。

  • Surround Format:このドロップダウンメニューでモジュールの出力フォーマットを選びます。選択肢は、単純なスピーカーとサブウーファーの分割(1.1)から16チャンネルのサラウンドフォーマットまで幅広く、5.1、7.1、10.2といった一般的な映画・音楽向けサラウンドフォーマットも含まれます。この設定を変えても、平面上の音源の位置には影響しません。次の表は、使用できるすべてのサラウンドフォーマットとそのチャンネル割り当ての一覧です。モジュールの出力でどのチャンネルがどのスピーカーの信号を運ぶのか分からないときは、このチャンネルマップを参照してください。

    使用できるサラウンドフォーマットとそのチャンネル割り当ての表

    Channelの略称

    Channel

    略称

    Left

    L

    Right

    R

    Left 2

    L2

    Right 2

    R2

    Left 3

    L3

    Right 3

    R3

    Center

    C

    Left Center

    Lc

    Right Center

    Rc

    Center Surround

    Cs

    Center Center

    CC

    Center 2

    C2

    Center 3

    C3

    Surround

    S

    Left Surround

    Ls

    Right Surround

    Rs

    Low Frequency Effects

    Lf

    Left High

    Lh

    Right High

    Rh

    チャンネルを別の出力に再割り当てする必要がある場合は、AmplifierモジュールのChannel Routingページで行えます。詳しい説明はAmplifier Moduleを参照してください。

  • Mouse Mode:このドロップダウンメニューでは、入力音源が平面上にどう配置され、マウスの動きにどう反応するかを決めるアルゴリズムの一覧から選べます。
    • Mono Mix:すべての音源が同じ位置に設定されます。
    • Sync:ある音源をドラッグすると、他のすべての音源も同じ方向に一緒に動きます。
    • Center Mirror:音源の位置が平面の中心点で鏡像になります。
    • X Mirror:音源の位置がX軸に沿って鏡像になります。
    • Y Mirror:音源の位置がY軸に沿って鏡像になります。
    • XY Mirror:音源の位置がX軸とY軸に沿って鏡像になります。
    • Individual:各音源をマウスで個別に配置できます。
  • Algorithm:音源のレベルが中心からの距離によってどう影響されるかを決めます。ドロップダウンメニューには3つのアルゴリズムがあります。
    • Constant Power:このパンニングアルゴリズムは、パンニング位置に関係なく音源の見かけの音量が保たれるように、音源の各スピーカーの相対レベルを調整します。音源アイコンをチャンネルアイコンの真上に置くと、その音源の信号はそのチャンネルだけに出ます。平面上で動かすと、音源からの距離に応じて各スピーカーに信号が配分され、全体の見かけの音量(より正確にはパワー)が一定に保たれます。この振る舞いはDivergenceの設定に影響されます。
    • Sinusoid:このアルゴリズムは、各スピーカーからの距離に応じて音源の音量を調整するのにサイン関数を使います。Divergenceパラメーターを低い値にすると、より方向性のあるイメージになります。音源をスピーカーから遠くへ動かし、高いDivergence設定を使うと、そのレベルは無音まで落ちることがあります。
    • Logarithmic:このパンニングアルゴリズムは、各スピーカーからの距離に応じて音源のレベルを変えるのに対数関数を使います。

    上記のアルゴリズムやモードは、いずれも特定のチャンネルフォーマットに縛られていません。サラウンド制作に最も適した設定を見つけるために、アルゴリズムとパラメーターをいろいろ試してみることをおすすめします。

  • Air Absorption:現実の世界で音源がリスナーから遠ざかると、リスナーに届く音は徐々に高域を失っていきます。このボタンをオンにすると、Surround Pannerはこの吸収効果をシミュレートします。音源を平面の端までドラッグしきった後でもさらに距離感を強めたい場合は、Sizeコントロールで音場の大きさを広げれば、もう少し余地が得られます。
  • Delay:音波が空気中を伝わるには時間がかかるため、リスナーから遠い音源の音は、近くの音に対して遅れて届きます。このボタンをオンにすると、Surround Pannerはこの効果をディレイラインで再現します。この機能を有効にすると定位が劇的に良くなりますが、CPUパワーも多く消費します。配置を完全にディレイだけでシミュレートしたい場合は(そしてレベルを常に一定に保ちたい場合は)、Divergenceコントロールを0%にしてください。
  • Doppler Effect:現実の世界では、この効果は救急車や走り抜けるレーシングカーと結びつけて語られることが多く、ディレイの直接的な帰結であり、それと本質的に不可分です。しかしKontaktという小宇宙では、両方の効果を別々に操作できます。このボタンをオンにすると、Surround Pannerは音源がリスナーに向かって、あるいは遠ざかって素早く動くときのピッチ変化をシミュレートします。この効果を実際に聞くには、音源をある隅から反対の隅へ素早く動かしてみてください。移動距離が長いほど効果が強く現れるので、聞き取るにはSizeコントロールでズームアウトする必要があるかもしれません。

    Surround PannerのOptionsダイアログでは、Doppler、Air Absorption、Delayの各効果のさまざまなパラメーターを調整できます。

  • Options:このボタンはポップアップダイアログを開き、Doppler、Air Absorption、Delayの各効果の基礎となるパラメーターを変更できます。さらに、LFEチャンネルのクロスオーバー周波数も調整できます。このダイアログには、現在使用中の入出力チャンネル数も表示されます。Out Routing…と表示されたボタンを押すと、AmplifierモジュールのChannel Routingセクションに直接移動し、チャンネルルーティングを変更したり、チャンネルレイアウトを変換するミックスアップ/ミックスダウン構成を作ったりできます。

Surround Pannerのオートメーション

Surround Pannerにオートメーションをかけるのは、部屋の中を動き回る音を作るのに特に面白い使い方です。これを実現する方法はいくつかあります。動きのパターンを完全に制御したい場合は、ホストのオートメーションや外部MIDIコントローラーを使って、Kontaktの外側から配置パラメーターを操作できます。自動的な動きを作りたい場合は、KontaktのModulation Routerを使うと、非常に面白く創造的な可能性が広がります。

ホスト/MIDIオートメーション

ホストや外部MIDIコントローラーからSurround Pannerをモジュレートしたい場合は、サイドペインのAutomationタブから該当するオートメーションソースを、オートメーションをかけたいノブへドラッグすることで、X Shift、Y Shift、Angle、Distanceの各パラメーターに外部ホストのオートメーションデータやMIDIコントローラーを割り当てられます。外部オートメーションの詳細については、Automationタブのセクションを参照してください。

内部モジュレーション

Surround Pannerで内部モジュレーターを使うと、部屋の中を円を描いて動く音から、予測できない有機的なランダムな動きのパターンまで、たくさんの面白い可能性が生まれます。モジュレーションの割り当てを作るには、ノブを右クリックしてドロップダウンメニューからモジュレーションソースを選び、割り当てのパラメーターとソースのコントロール(あれば)を調整します。内部モジュレーションに割り当てられるのは、XYパッドの右側にあるノブだけです。左側のノブはMIDI CCでオートメーションできます。

XYパッドの右側にあるボタンは、選択したモジュレーションソースに割り当てられます。

割り当てを作ったら、ノートを弾きながらSurround Pannerの平面ウィンドウを観察してみてください。静止した音源アイコンごとに、平面上を動く暗い色のアイコンがあることに気づくはずです。明るいアイコンは音源の元の位置を示し(アイコンをドラッグして変更することもできます)、暗いアイコンはすべてのモジュレーションが適用された後の実際の位置を示します。

Surround Pannerのパラメーターをモジュレートする用途の全体を説明するのはほとんど不可能なので、代わりによくある例をいくつか見ていきます。これらを再現してみれば、さらに試していくことで何ができるようになるかの感覚がつかめるでしょう。

  • 円運動。音源を支点の周りで回転させて円形の移動経路を作るには、Sawtooth LFOでSurround PannerのAngleパラメーターをモジュレートします。各音源の支点からの距離は、元の位置をドラッグするか、Surround PannerのDistanceパラメーターを調整して変えられます。動きの向きを変えるには、Modulation Routerでその割り当てのInvertボタンを有効にします。LFOのFreq.パラメーターの単位を音符の値に切り替えれば、動きをホストやMaster Editorのテンポに同期させることもできます。
  • ランダムな動き。これは音源を予測できない形で動かす基本的な方法です。2つのランダムモジュレーターをX ShiftとY Shiftのパラメーターに割り当てるだけです。これらの割り当てのモジュレーション強度を調整すれば、音源が元の位置からどれだけ離れるかを調整できます。
  • 通過する経路。さまざまなパラメーター、とりわけX ShiftとY Shiftにエンベロープモジュレーターを割り当てると、正確で再現可能な移動経路を定義できます。さまざまなエンベロープの形が結果として生じる動きのパターンとどう対応するのかを理解するには少し時間がかかりますが、いったんつかんでしまえば、あらかじめ決めた動きの経路をほぼどんな形でも作れるようになります。特にフレキシブルエンベロープを使うときはそうです。

ユーティリティ

ユーティリティカテゴリーには、ゲインステージング、ルーティング、位相反転などの基本的な処理を行うオーディオツールが含まれます。


AET Filter

このモジュールは、Kontaktの強力なAuthentic Expression Technology(AET)の中核をなすもので、複数のサンプルの音色的な特性のあいだを連続的に「モーフ」できます。このモジュールはGroupレベルで動作するように設計されているため、Group Insert FXチェーンにのみ配置できます。

モーフを作って使う手順は、このモジュール自体だけでなくユーザーインターフェースの他の要素にも及ぶため、まずAETの背後にある考え方と技術を大まかに説明します。関連するダイアログとモジュールのコントロールのリファレンスだけを知りたい場合は、このセクションの最後にあります。

Authentic Expression Technologyについて

アコースティック楽器をサンプリングするときによく直面する難しさの1つは、ほとんどの楽器がダイナミクスと表現の幅の中で音色的な特性を大きく変えることに由来します。mfで演奏したフレンチホルンは、pで演奏したものとまったく違って聞こえることがあります。このため、静的なサンプルだけでその音色的な性格の全域を説得力のある形で捉えるのは、より難しくなります。従来のアプローチは、この問題を規模そのもので解決しようとするものでした。1音あたり数十のベロシティレイヤーを含むサンプルライブラリは今では一般的になっており、実際これはサンプリングされた楽器の細やかさを高める良い方法です。ただし多くの場合、ダイナミクスの幅が広い楽器の音を静的なサンプルに変えることの欠点、たとえばあるベロシティレイヤーから次のレイヤーへ移るときの目立つ音色変化は、依然として残ります。

Kontaktに搭載されたAuthentic Expression Technology(AET)では、根本的に異なるアプローチを紹介します。この技術の中核は非常に高い分解能を持つFFTフィルターで、ほとんどどんな複雑さの周波数特性でも信号に「刻み込む」ことができます。これらの周波数特性は、スペクトル解析によってパッチ内の他のサンプルから導かれます。たとえば、現在鳴っているベロシティレイヤーを、そのすぐ上のレイヤーのスペクトル情報でフィルタリングして、音を後者に近づけることができます。処理量をモジュレーションソース(ベロシティなど)で動的に変化させることで、2つのサンプルのあいだの任意の数の中間段階を通過でき、両者をリアルタイムに「モーフ」できます。

この処理はダイナミクスのレイヤーに限られません。楽器の異なる演奏技法のあいだ(ミュートあり・なしのトランペットなど)や、まったく異なる信号のあいだでモーフすることもできます。これはサウンドデザインの幅広い可能性を開きます。ピアノとチェレスタのあいだをモーフしてみるのはどうでしょう。

AETの機能は、論理的に2つの部分に分かれます。解析フェーズでは、どのSampleを対象にするかをKontaktに指示します。するとKontaktはそれらのスペクトル的な「指紋」を生成し、後で使えるように保存します。この選択と設定の作業はMapping Editorで行います。指紋が作られると、それらはAET Filterモジュール内で選択できるようになります。このモジュールは、他のエフェクトモジュールと同じようにGroup Insert FXスロットに挿入できます。実際のフィルタリングが行われるのはここです。たった1つのパラメーターで、保存された周波数特性のどれを、現在鳴っているサンプルにどれだけの量で与えるかを操作できます。

AETの実際の使用例に飛び込む前に、設定の過程で出てくる2つの論理的な構成要素を説明しておきましょう。

  • Morph Layerは、サンプルが何らかの形で直接関係している、重なり合わないZoneのグループです。多くの場合、ベロシティレイヤーの積み重ねや、特定のキー範囲をカバーするマルチサンプルされたZone、言い換えればMapping Editorで隣り合うZoneのまとまりです。
  • Morph Mapは、1つ以上のMorph Layerの集まりです。最終的にAET Filterモジュールに読み込まれるのはこれで、その内容によってモジュールのコントロールパネルのMorphノブの働きが決まります。Morph Layerを1つだけ含むMorph Mapはベロシティマップと呼ばれます。この場合、目標となる周波数特性は、キーボード範囲が現在押されているキーに一致し、ベロシティ範囲がMorphノブの設定に対応するZoneから導かれます。複数のMorph Layerを持つMorph Mapは、アーティキュレーションモーフの基礎になります。こちらはより複雑な場合で、必ずしも関係のない2つ以上のSampleの組、たとえば異なる演奏技法やまったく異なる楽器のあいだでモーフを設定できます。通常、そのようなマップのMorph Layerは、Instrument内の異なるGroupに由来します。
  • まとめると、ダイナミクスのベロシティモーフィングにこの表現フィルターを使いたいだけなら、Morph Layerを1つだけ含むMorph Mapで十分です(後述のAuto add AET velocity morph機能が設定まで行ってくれます)。もっと複雑なことをしたい場合は、手動で定義した複数のMorph Layerから成るMorph Mapを作る必要があります。

Authentic Expression Technologyが何であり、何ができるのかが分かったところで、実際の場面での使い方を見ていきましょう。

ベロシティモーフの作成

これは基本的な使用例で、非常によくあるケースなので、Kontaktはこれを自動化する機能を用意しています。複数のベロシティレイヤーを持つInstrumentを読み込むか作成し、Mapping EditorですべてのZoneを選択して(重なり合う複数のZoneをうっかり選ばないよう注意してください。Selected Groups Onlyスイッチを使うとよいでしょう)、EditメニューからAuto add AET velocity morphコマンドを選びます。

「Auto add AET velocity morph」機能は、Editメニューと、Mapping Editorの右クリックコンテキストメニューの両方にあります。

ここでGroup Insert FXチェーンを開くと、KontaktがAET Filterモジュールを追加していることに気づくはずです。そのコントロールパネルとModulation Routerを見てみてください。自動生成されたMorph Mapがすでに設定されていて、Morphノブがベロシティでモジュレートされています。

「Auto add AET velocity morph」機能は、すぐ使える状態のAET FilterモジュールをGroup Insert FXチェーンに追加します。

ノートを弾くと、Kontaktは引き続き入力ベロシティに割り当てられたSampleだけを鳴らします。ただし、実際のベロシティが鳴っているZoneの中間ベロシティ値から離れるほど、そのすぐ下または上のZoneのスペクトル的な特性が音に多く与えられるようになります。ベロシティが別のZoneとの境界を越えると、この処理は逆転します。今度は次のZoneが鳴り、その手前のZoneの周波数特性がフィルタリングに使われます。こうしてベロシティレイヤー間の音色の違いが巧みに隠され、ベロシティ全域にわたってなめらかなダイナミクスの反応が得られます。

💡

もちろん、Morphノブにベロシティ以外のモジュレーションソースを割り当てても構いません。この目的には連続的なMIDIコントローラーやアフタータッチも同じように使えます。モーフィングに別のモジュレーションソースを使うと、音が鳴っているあいだにモーフの勾配をスイープできるようになり、非常に面白い演奏上の可能性が開けます。ただし、フィルターが作用するのはキーを押したときにトリガーされたSampleだけであることに留意してください。

アーティキュレーションモーフの作成

上で説明したような単純なベロシティモーフの設定は十分に簡単です。ただし、モーフフィルターをもっと柔軟に構成する必要がある場合もあります。たとえば、同じ音源の異なる、しかし音楽的に関係のある2つのアーティキュレーション、たとえば「ahh」と「ooh」を歌う合唱のあいだで、ダイナミクスで演奏できるモーフを設定したいことがあるでしょう。これにはもう少し手作業が必要です。手順は次のステップに分けられます。

  1. アーティキュレーションが割り当てられている各GroupにつきMorph Layerを1つ作り、
  2. それらのレイヤーを2つ以上組み合わせてMorph Mapにまとめ、
  3. 処理したいGroupのGroup Insert FXチェーンに置いたAET Filterモジュールに、このマップを読み込みます。

この例では、「ahh」と「ooh」のZoneが、Kontaktのパッチとして自然な構造どおり、2つの異なるGroupにきれいに分かれていると仮定します。まず最初のステップとして、「ahh」GroupのすべてのZoneを選択し(必要ならSelected Groups only機能を使います)、EditメニューからCreate AET morph layerを選びます。いくつかのオプションを持つダイアログウィンドウが表示されます。

選択したZoneから新しいMorph Layerを作る前に、Kontaktはその処理についていくつかの詳細を指定するよう求めます。

レイヤーに分かりやすい名前(「ahh」など)を入力し、Tonalオプションがオンになっていて、Smoothingパラメーターがデフォルト値の0.5になっていることを確認してからOKをクリックします。KontaktはすべてのZoneのスペクトル指紋を生成し、新しいMorph Layerに保存します。完了したら、もう一方のグループのZoneでも同じ手順を繰り返します。これで、結果として得られるモーフに使われるスペクトル情報を含む、2つの新しいMorph Layerが作られました。

モーフでどのMorph Layerを使いたいかをKontaktに伝えるには、新しいMorph Mapを作り、そこにそれらのレイヤーを追加する必要があります。

新しいMorph Mapを追加するには:

  1. EditメニューからAET Morph Map Editorを開きます。上部に入力欄のあるダイアログウィンドウが表示されます。
  2. AET Morph Map EditorでMorph LayerをMorph Mapにまとめます。
  3. ここに分かりやすい名前(「ahh -> ooh morph」など)を入力し、Add:ボタンをクリックします。先ほど用意したMorph Layerが、ダイアログ下部にある2つのリストのうち右側に現れます。これは新しいMorph Mapに含められる状態になったことを意味します。右のリストで1つずつ選び、左向きの矢印ボタンをクリックしてマップに移します。含める順序が重要であることに注意してください。この例では、元の「ahh」サンプルを「ooh」サンプルの周波数特性へフィルターでモーフさせたいので、「ahh」レイヤーがリストの一番上にある必要があります。
  4. 終える前に、Morph Mapの種類をvelocity morphではなくarticulation morphに切り替えてください。そうしないと、ベロシティマップは単一のMorph Layerしか持てないため、Kontaktはエラーメッセージを表示します。OKをクリックすれば、Morph Mapが使える状態になります。

ここで強調しておくべき事実があります。この筋書きでは、「ooh」のサンプルは結果として得られる音にはまったく関与しません。それらはモーフフィルターを設定するためのテンプレートとして使われただけです。Morphを最大に設定しても、実際に聞こえるのは「ooh」サンプルの周波数特性が重ねられた「ahh」サンプルです。これはつまり、キーを押したときに「ooh」サンプルが鳴らないようにしておくべきだということでもあります。鳴ってしまうと、フィルターがかかったサンプルとかかっていないサンプルが混ざった雑然とした結果になります。これを実現する最も簡単な方法は、「ooh」GroupのAmplifierモジュールのVolumeノブをいっぱいまで下げることです。

手順を完了するには、「ahh」Groupに切り替え、そのGroup Insert FXチェーンを見つけて、空きスロットにAET Filterモジュールを追加します。パネル左側のプルダウンメニューを開き、先ほど作ったMorph Mapを選びます。次にモジュールのModulation Routerを開き、モジュレーションホイールなどのコントローラーをMorphパラメーターに割り当てます。

このようにAET Filterモジュールを設定すると、モジュレーションホイールでアーティキュレーションのあいだをリアルタイムにモーフできます。

これで完了です。ノートを弾けば、モジュレーションホイールで「ahh」と「ooh」のあいだをシームレスにモーフできます。もちろん、2つを超えるMorph Layerにまたがるモーフも作れます。上の手順を繰り返せば、「mmh」を歌う合唱のレイヤーをパッチに簡単に追加できます。

自分のInstrumentでAETを使う方法が分かったので、このセクションの締めくくりとして、関連するダイアログとそのオプションを説明します。

Create AET Morph Layerダイアログ

このダイアログは、Mapping EditorのEditメニューまたはコンテキストメニューからCreate AET morph layerコマンドを選ぶと表示されます。

Name:このMorph Layerの名前です。Morph Map Editorで識別するために使われます。

Smoothing:この値は、解析された周波数特性がフィルターのテンプレートとして使われる前に、どれだけなめらかにされるかに影響します。妥当な値は0.1(スムージングなし)から2.0前後(強いスムージング)の範囲です。

Tonal:このオプションがオンのとき、Kontaktは各サンプルを、それぞれのルートキー値の基本周波数との関係で倍音的に解析します。ノイズやパーカッションのようにまったく音程のない素材の場合、またはルートキー値が誤っている場合にのみオフにしてください。その場合、Kontaktは倍音構造を考慮しない単純な周波数解析を行います。

Root Key Shift:上で説明したとおり、Tonalオプションがオンのとき、KontaktはZoneのルートキー値を使ってそのSampleの基本周波数を判断します。ただし、ルートキー値が意図的にSampleの本当の基本周波数と異なる場合もあります。たとえば、同じ楽器の複数の演奏技法を異なるオクターブに配置し、C2とC4が同じ音を異なるアーティキュレーションで鳴らすようなパッチを作っているかもしれません。その場合、ルートキー値を補正せずに使うと、解析器が誤った周波数を対象にしてしまいます。Root Key Shiftパラメーターでは、Sampleの実際の音とそのルートキー値のあいだのオフセットを半音単位で指定できます。デフォルト値の0は、ルートキーの設定が正しいことを前提とします。-12という値は、実際の基音がルートキーより1オクターブ下にあることに対応します。

Analysis Range:ここで選択範囲の境界をクリック&ドラッグして、解析の対象を各サンプルの特定の時間範囲に限定します。時間とともに音色が変わるサンプルを解析するとき、これによって、その楽器が最も特徴的な周波数スペクトラムを示すのは音のどの時点なのかをKontaktに伝え、それ以外の部分が解析結果に影響しないよう除外できます。ピアノやギターであれば、各音の最初の数秒がそれに当たります。ディケイ全体を解析に含めてしまうと、平均のスペクトラムはずっと暗いものになってしまいます。

Number of Zones:現在Mapping Editorで選択されていて、OKをクリックするとこのMorph Layerに含まれるZoneの数です。

Morph Map Editor

このダイアログは、Mapping EditorのEditメニューまたはコンテキストメニューからOpen AET morph map editorコマンドを選ぶと表示されます。

Add:このボタンの隣の入力欄に名前を入力してクリックすると、新しい空のMorph Mapが作られます。

Map:このプルダウンメニューには、Instrumentで使えるすべてのMorph Mapが入っています。編集したいものを選びます。

Remove:現在選択されているMorph MapをInstrumentから削除します。これにより、このマップを参照しているAET Filterモジュールはバイパスされます。

Velocity/Articulation:ここでMorph Mapの基本的な種類を指定します。ベロシティマップは単一のMorph Layer内のZoneのあいだでモーフし、アーティキュレーションマップは複数のMorph Layerのあいだでモーフします。違いの詳しい説明は前の小節を参照してください。

Morph Layers in Current Map:現在のマップを構成するすべてのMorph Layerの名前が入っています。レイヤーを選んで右向きの矢印ボタンをクリックすると、マップから削除されます。

Available Morph Layers:現在のマップに含められるMorph Layerの名前が入っています。このリストからレイヤーを選び、左向きの矢印ボタンをクリックすると、そのレイヤーがMorph Mapに追加されます。

Delete:いずれかのリストからMorph Layerを選んでこのボタンをクリックすると、それがInstrumentから削除されます。

Rebuild:現在選択されているLayerについてCreate Morph Layerダイアログを再度開き、解析パラメーターを調整し直せます。

AET Filterモジュールのコントロール

これは、素材の実際のフィルタリングを行う処理モジュールです。Auto add AET velocity morphコマンドでAETを使う場合、Kontaktがこのモジュールを設定してくれます。それ以外の場合は、自分でGroup Insert FXチェーンに挿入する必要があります。

AET Filterモジュールのコントロールパネル。ここでは6つのレイヤーにまたがる自動生成されたベロシティモーフを示しています。

Morph Map:このドロップダウンメニューでMorph Mapをモジュールに読み込みます。

Edit Morph Map:このボタンをクリックすると、前のセクションで説明したMorph Map editorダイアログが、有効なMorph Mapを選択した状態で開きます。

Morph:これはモジュールの最も重要なパラメーターで、通常はノートベロシティやMIDIコントローラーなどの外部ソースでモジュレートします。選択されたMorph Mapの内容にもとづいて、Kontaktは連続的な「モーフ勾配」を組み立てます。これは、含まれているMorph Layerのさまざまな音色を得るために必要なフィルター特性を組み合わせ、なめらかに移行するようつなげたものです。Morphパラメーターで、フィルターをこの勾配上の任意の点に設定できます。最小値では、信号はマップの最初のMorph Layerの該当サンプルへ向かって変化します(それが鳴っているサンプルと同一である場合、フィルターはフラットになります)。最大値では、サンプルはマップの最後のMorph Layerの該当サンプルへ向かって変化します。この振る舞いは、後述のモーフカーブビューでグラフィカルに追えます。

Amount:フィルターが結果の信号に影響する量です。最も低い設定では、フィルターは効果を持ちません。

Filter Curve:このグラフは、現在有効な実際のフィルター特性を表します。これは、ソース(つまり現在鳴っているSample)とターゲット(つまりMorphノブで設定した点においてMorph Mapに現れるMorph Layer)の解析済み周波数特性の差です。

Morph Curve View:これは、選択されたMorph Mapと、その結果得られるフィルター勾配をグラフィカルに表したものです。色分けされた複数のセクションとカーブに分かれており、セクションはマップを構成するMorph Layerを表し、カーブは各レイヤーの周波数特性が任意の点で最終的なフィルター特性にどれだけ影響するかを表します。各セクションの上部には、参照用にそのMorph Layerの名前が表示されます。各カーブのピークでは、現在鳴っているサンプルがそのレイヤーの周波数特性へ最大量までモーフされます。有効なサンプル(つまりソース)のセクションとカーブは黄色で示され、これらはフラットなフィルター特性に対応します。他のレイヤーのセクションとカーブは、白と青で交互に色分けされます。ノートを弾いてMorphパラメーターを変えると、グラフの下にある水平で折れ曲がった括弧が、Kontaktが最終的なフィルター特性を決めるのに使う勾配のソース点とターゲット点を示します。

Output:モジュールの出力レベルをdBで表します。


Gainer

このモジュールは、Instrument Insert Effectsチェーン内でもセンドエフェクトとしても使えます。どこに配置するかによって、2つの異なる役割を果たします。Instrumentのインサートエフェクトとして使うと、前段の出力と次段の入力のあいだで信号レベルを持ち上げたり減衰させたりできます。言い換えれば、追加のアンプ段のように働きます。

Gainerをセンドエフェクトとして使う考え方については、もう少し説明が必要です。どのセンドエフェクトも、自分の出力信号を(Instrumentへ戻す代わりに)OutputsセクションのいずれかのAux Channelへ送るよう任意で設定できるため、GainerはセンドスロットとAux Channelのあいだの透過的な橋渡しとして働けます。つまり、Group単位で調整可能なレベルの信号をAux Channelへ送れるようになり、ルーティングの柔軟性が大きく高まり、CPUリソースを大幅に節約することさえできます。複数のInstrumentでセンドエフェクトとして作っていたエフェクトを、代わりにAux Channelへ移し、Instrumentのセンドエフェクトスロット内ではGainerを使ってこのAux channelへ信号を転送すればよいのです。Aux channelの物理出力の割り当てを変えれば、ホストプログラムのプラグインでもアウトボード機器でも、外部エフェクトをGroup内から使うこともできます。

Gainerモジュールをセンドスロットに挿入すると、Gainコントロールに加えて、パネル右側にすべてのセンドエフェクト共通のReturnコントロールがあることに気づくはずです。このコントロールの数値表示の隣には、小さな「I」アイコンがあります。これをクリックするとドロップダウンメニューが開き、モジュールの出力のルーティング先としてAux Channelの1つを選べます。こうすると、Send Levelsモジュールを介してこのスロットへ送ったものはすべて、指定したAux Channelに届きます。

Gainerには次のコントロールがあります。

  • Gain:信号にかかる増幅または減衰の係数をdBで表します。

Inverter

このモジュールでは、オーディオ信号の位相を反転させたり、左右のチャンネルを入れ替えたりできます。Inverterはインサートエフェクトとしてしか意味がないため、このモジュールはGroup Insert EffectsとInstrument Insert Effectsのチェーンでのみ使えます。

Inverterには次のコントロールがあります。

  • PhaseInvert:信号の位相の極性を反転させます。
  • Pan L <> R:ステレオチャンネルを入れ替えます。

Send Levels

このユーティリティモジュールはGroup Insert EffectsとInstrument Insert Effectsのチェーンに追加でき、インサートチェーンの中から既存の任意のセンドエフェクトへ、調整可能なレベルで信号を送れます。

このモジュールには次のコントロールがあります。

  • Levels:Send Levelsモジュールの左側には、現在Instrument Send Effectsスロットに入っている各センドエフェクト用のレベルコントロールが表示されます。まだセンドエフェクトを追加していない場合、パネルは空です。これらのノブで、各エフェクトへ信号を送るレベルを調整できます。
  • Level meters:LEDスタイルのこれらのピークメーターは、センドレベルを視覚的に示します。

参照元情報:Effect reference
https://docs.native-instruments.com/online-guides/kontakt-manual/en/effect-reference