Windows環境でDuet 3をお使いの場合の際、入出力音声にノイズが発生することや音が歪んでしまう、音飛びが発生する等の症状が不正期に連続して発生する場合がございます。
これらの症状は、使用しているPCにインストールされているドライバや同時に進行しているタスクとの兼ね合いで発生する可能性が高いことが確認されています。もし同様の症状が継続して発生する場合は、本ページの各設定をお試しください。
1. Windows Updateの適用、BIOS(UEFI)の更新
マザーボードのBIOSの更新にはバグフィックスや処理性能向上を意図したパッチが含まれている場合が多く、こちらの更新を行うことで症状の軽減が見込まれます。
メーカーからの更新情報やアップデートアプリケーション等を確認し、PCのBIOSが最新であることを確認してください。
またWindows Updateには累積アップデートにより既知の問題に関する問題解消が含まれている場合があります。過去にはDPCレイテンシによって引き起こされる音切れに関するフィックスも含まれていたことがあるので、Windows Updateも合わせて最新であることをご確認ください。
追加設定: バッファサイズの適正化
一般的にはオーディオデバイスのバッファサイズを小さくすることで音声入出力のレイテンシを短くすることができるとされていますが、バッファサイズを小さくすることに伴いCPUへの負荷も上昇します。
CPUの負荷が適正でない状態では音切れやノイズも発生しやすくなるため、ご利用の環境に合わせた適切なバッファサイズを設定してください。
2. 電源オプションの省電源プランの確認
主にPCの消費電力に関する設定項目ですが、こちらの設定が機器の動作に影響にDPCレイテンシを大きくする要因となることがあります。
下記手順でプラン設定の変更を行うことが可能なので、こちらから必要項目の設定をご確認ください。
- 電源アイコン(右クリック) > 電源オプション > プラン設定の変更 > 詳細な電源設定の変更
- Windowsコントロールパネル -> ハードウェアとサウンド -> 電源オプション > プラン設定の編集
こちらの"詳細な電源設定の変更"から電源オプションの変更が可能です 確認内容
- ハードディスク -> 次の時間が経過後~オプション:『なし』
- ワイヤレスアダプタ -> 省電力:『最大パフォーマンス』
- USB設定 -> USBセレクティブ サスペンド:『無効』
- プロセッサの電源管理 : 最大/最小ともに『100%』
追加設定: USB端子のパフォーマンス向上
上記で設定した"USBセレクティブサスペンド"は、Windows OSからUSB端子を監視し使用していないポートの電源を終了させる機能です。
USB の電源管理を無効して、USB バスの帯域幅を開放してください。
- コントロールパネル > デバイスマネージャをクリックします。
- ユニバーサルシリアルバスコントローラをダブルクリックします。
- 最初の USB Root Hub 項目をダブルクリック。
- 電源管理タブをクリックし、「コンピュータの電力を節約するためにこのデバイスの電源を切ることを許可する」というボックスのチェックを外して[OK] をクリックします。
- すべての USB Root Hub アイテムに対してこれを行います。
初期設定ではこれらにチェックマークが入っているため、外して"OK"をクリックしてください また、USB 2.0 製品は USB2.0 ポートへ、USB3.0 製品は USB3.0 ポートへ接続してください。USB3.0 は USB2.0 と互換性はありますが、最高パフォーマンスを発揮させるためには、同規格のポートへ接続してください。
なお、これらの設定によりバスパワータイプのUSBハブは供給電力の限界を迎え、USB の帯域幅が確保出来なくなり接続機器への影響が出る場合があります。そのため、これらの設定を行う前にながらず必要最低限の構成で USB 製品を繋いでください。
3. バックグラウンドサービスの整理
同時に処理を行うアプリケーションが少なければ少ないほど、こういった症状は顕出しにくい傾向にあります。
タスクマネージャ > スタートアップからPC起動時に動作を開始するアプリケーション一覧を確認し、不要なアプリケーションが起動しないよう整理を行ってください。
追加設定: DAWの処理優先度の再設定
OS側でDAWの処理優先度を上げることにより、同様の症状の発生を抑えることが可能です。
本症状はWindows OS側で他アプリケーションと同時に処理するよう設定されることが要因のひとつであり、DAWの処理優先度を上げることで関連するドライバの処理優先度も合わせて高められるため、症状の緩和が予想されます。
タスクマネージャ > 詳細からDAWの実行ファイルを右クリックし、優先度を"通常以上"や"リアルタイム"等に設定してください。
詳細タブからDAWの実行ファイルの右クリックメニューで優先度の設定が可能です。初期設定では"通常”となっているため、上位に設定してお試しください 4. ネットワークアダプタの更新・無効化
Windows環境のネットワークアダプタはドライバの処理に割り込みをかけることが知られており、とくに無線LAN環境でインターネット通信を行っているとCPUのオーバーロードが比較的起こりやすくなるとされています。
アダプタのドライバを更新することで解消される場合もありますが、解消されない場合は無線LANの機能停止を行い有線LAN環境への変更を行うことやインターネット通信をバックグラウンドサービスの停止を行ってください。
5. 1-4の内容を試しても症状が解決されない場合
上記の対処方法は一般に"DPC(Deferred Procedure Call)レイテンシ"と呼ばれる、Windows OSが設定したタスクの優先度が原因となって引き起こされる症状の解消方法です。DPCについては、下記をご確認ください。
Apogee社からはDuet 3の音声エラーがDPCレイテンシに起因するものであり、こちらを軽減することで発生頻度を抑えられるとの報告がありました。
上記内容を試しても解消されない場合は特定のタスクが原因となって症状が引き起こされていることが予想されるため、該当タスクの削除が必要です。
その場合は
Latency Mon 等を用いて特定することが可能ですが、該当タスクがお使いのPCに深刻な影響を及ぼさないか十分な確認を行った上でご対応ください。