[WIN] Virtual Windows audio to ASIO ドライバ (WASAPI to ASIO) を設定する SoundID Reference

[WIN] Virtual Windows audio to ASIO ドライバ (WASAPI to ASIO) を設定する SoundID Reference

本記事では、Virtual Windows audio to ASIO ドライバタイプ(通称 WASAPI to ASIO)のセットアップ方法、ドライバのパフォーマンス、仮想出力デバイス、およびサンプルレートとバッファサイズの調整について解説します。

対象ソフトウェア

SoundID Reference
✓ for Headphones
✓ for Speakers & Headphones
✓ for Multichannel

ASIO ドライバ (オーディオストリームの入出力)

ASIOドライバは低レイテンシーなパフォーマンスにより、音楽制作においてその威力を発揮します。この低レイテンシーを実現するため、ASIOプロトコルはWASAPIドライバ・アーキテクチャに基づいくWindows独自のオーディオエンジンをバイパスするように設計されており、オーディオソフトウェアと出力デバイスの間に直接リンクを確立します。

しかし、ASIOアーキテクチャはDAWや高度な再生ソフトウェアなど、対応アプリやデバイスに限定されます。Windows上のほとんどのコンシューマー向けソフトウェア製品(例:Spotify、Chromeなどのブラウザ)はASIOを活用することはできず、代わりにWindowsオーディオエンジンである、WASAPIアーキテクチャを経由して出力します。

SoundID Referenceの「Virtual Windows audio to ASIO driver」は、WASAPIとASIOの間にブリッジを確立できます。このドライバモードを選択すると、WASAPIのオーディオソースを、Windowsオーディオエンジンから、出力デバイスとしてASIOドライバへとルーティングすることが可能になります。これを実現するために、SoundID ReferenceはWASAPIベースの仮想オーディオデバイスを作成し、入力オーディオ信号を受信・処理、その後、ASIO出力ドライバへと送信します。

ご注意:WASAPI-to-ASIOモードは、SoundID Reference スタンドアロンアプリでプリセットを作成する際、ASIOベースのオプション内のリストに表示されますが、実体はWASAPIベースのドライバタイプです。

WASAPI-to-ASIOドライバは、システム全体のキャリブレーションに推奨されます。レイテンシーのパフォーマンスは 40-100ms となります。このドライバタイプは ASIO 専用デバイスでシステム全体のキャリブレーションを行うための唯一のソリューションとなります。



Virtual Windows audio to ASIO ドライバのセットアップ

SoundID Reference アプリを起動し、出力デバイスを追加して、ASIO 出力をサポートするハイブリッド・ドライバタイプを選択します。

1. Add new output(新しい出力を追加)をクリックします。
2. Device type: ASIO を選択。
3. リストからお使いのオーディオインターフェースを選択。
4. Driver type: Virtual Windows audio to ASIO driver を選択。
5. キャリブレーションプロファイルをロードします。



なぜASIOモードで仮想オーディオデバイスが必要なのか?

SoundID Referenceは、コンピュータから出力されるオーディオ信号に補正カーブを適用する必要があります。そのための手法として、コンピュータ上に仮想オーディオデバイスを作成します。これには以下の理由があります。

オーディオ信号処理: キャリブレーションを適用するために使用されます。
システム全体への適用: コンピュータ上のすべてのオーディオソースからの音を調整します。
二重処理の防止: 音が一度だけ処理されることを確実にします。これにより、SoundID Referenceの前に他のソフトウェアが音を修正してしまうことで発生し得る問題を回避します。
互換性: ほとんどのオーディオ再生ソフトウェアと適切に動作するため、ミュージックプレイヤーやその他のオーディオ再生アプリケーションで使用できます。
物理的な制限の回避: 物理的なオーディオデバイス(ヘッドホンやスピーカーなど)に送信される前に、キャリブレーションを行うことを可能にします。

サンプルレート

SoundID Reference アプリは、オーディオ再生のサンプルレートで動作します。オーディオインターフェース、またはコントロール用アプリケーション内でサンプルレートを変更すると、SoundID Reference は新たに設定されたパラメータに同期します。サンプルレートは SoundID Reference アプリ内でも変更可能です:

1. SoundID Reference アプリを開きます
2. オーディオインターフェースの左側にある「. . .」オプションをクリック
3. Device Settings を選択します。
4. Sample Rate ボックスをクリックして値を変更します。



以下の状況下では、オーディオインターフェースのサンプルレートが変更できない、適用されない場合があることにご注意ください。

  1. ドライバの制限: 一部のオーディオインターフェースのソフトウェアでは、サンプルレートの変更が許可されていないか、特定のレートのみに制限されています。
  2. アプリケーションによる制御: DAW やメディアプレイヤーなど一部のプログラムがオーディオインターフェースを完全に占有(排他制御)し、サンプルレートを決定している場合、他のアプリケーションからの変更ができなくなることがあります。
  3. OSによる制限: Windows の特定のバージョンなど、一部の OS では個別のアプリケーションに対してサンプルレートの変更を許可しない場合があります。
  4. ハードウェアの不適合: 使用したいサンプルレートをオーディオハードウェアがサポートしていない場合、設定はできません。
  5. オーディオ再生: 音声の再生中はサンプルレートを変更できない場合があり、一度再生を停止する必要があります。
  6. 共有モード: オーディオインターフェースが複数のプログラムで同時に使用されている場合、すべてのプログラムにサンプルレートを合わせるため、変更が制限されることがあります。

バッファサイズ

SoundID Referenceなどオーディオソフトウェアにおけるバッファサイズとは、ソフトウェアが一度に処理できるオーディオデータの量を指します。ソフトウェアがスムーズに再生するため、前もって準備しておくオーディオの「トレイ」のようなものだと考えてください。この変更は、SoundID Referenceアプリとお使いのオーディオインターフェースの両方に適用されることに注意してください。

バッファサイズは以下の2点に影響を与えます:

レイテンシー: 音の反応の速さ。バッファサイズが小さいほど反応は速くなり、レコーディングやライブオーディオに適しています。ただし、より多くのコンピュータパワーを必要とします。

CPU負荷: コンピュータの負荷。バッファサイズが大きいほど、コンピュータは前もってより多くのオーディオを準備できるため、コンピュータへの負担は軽くなります。ただし、音の反応は遅くなります。

最適なバッファサイズは、コンピュータの性能、オーディオの種類、そしてレコーディング中か単なるリスニング中かによって異なります。変更が必要な場合は、SoundID Referenceアプリ内で行うことができます:

1. SoundID Reference アプリを開きます
2. オーディオインターフェースの左側にある「...」オプションをクリック
3. Device Settings を選択します
4. バッファサイズボックスから値を選択します

通常のバッファサイズに加え、SoundID Referenceは「セーフティバッファ」の調整機能を提供しています。これは、音にノイズ(アーティファクト)が発生したり、クロックのずれが生じたりする場合に役立ちます。システムに高い負荷がかかっている場合や、予期せぬ中断が発生する場合でも、スムーズなオーディオ再生を確保するためにセーフティバッファの値を調整してください。この変更は、SoundID Referenceアプリケーションにのみ適用されます。

使用するハードウェアによって、セーフティバッファをすべての可能なバッファサイズのバリエーションに対して適用する必要があります。「これさえ設定すれば万全」という黄金律はなく、バッファサイズ最大値でセーフティバッファを適用したとしても、一部で音の途切れやノイズの問題や可能性が必ずしも完全に解決されるとは限りません。

参照元情報
[WIN] Virtual Windows audio to ASIO driver (WASAPI to ASIO)
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