サイドチェイン(Sidechaining)を使うと、1つのソースのオーディオ出力を使って、別のソースにかけたコンプレッサーなどのエフェクトをキー(トリガー)させることができます。サイドチェインは一般的にコンプレッションで使われますが、サイドチェインに対応したプロセッサー(通常はダイナミックにトリガーされるプロセッサー)であれば使用できます。たとえば、スネアが鳴ったときにタムチャンネルを無音にするようゲートをトリガーしたり、スネアのヒットでルームトーンを持ち上げるようにエキスパンダーをトリガーしたりできます。
現在、以下のネイティブ(UADx)プロセッサーが外部サイドチェインに対応しています:
- API 2500 Bus Compressor
- API Vision Channel Strip
- Capitol Mastering Compressor
- SSL 4000 E Channel Strip
- SSL 4000 G Bus Compressor
サイドチェインのソースとデスティネーション
サイドチェインにはソースとデスティネーションが必要です。通常は、ソーストラック(プロセッサーをトリガーするオーディオソース)とデスティネーション(ソースオーディオによってトリガーされるトラック上のオーディオプロセッサー)です。
- サイドチェインソースは、DAWが対応していれば、任意のオーディオ、インストゥルメント、またはバストラックにでき、プラグインは不要です。
- サイドチェインデスティネーションはお使いのDAWによって異なります。一部のDAW(例:FL Studio)では、ソースをデスティネーショントラックにルーティングしてから、プラグインのオプションでサイドチェインの動作を設定します。LUNAでは、プラグインとLUNAブラウザーを使って、サイドチェインをソーストラックに直接ルーティングします。
DAWでのサイドチェインの設定
各DAWは外部サイドチェインをそれぞれ異なる方法で処理します。本記事では、FL Studioのサイドチェイン例をご紹介します。
その他の外部サイドチェインの例は、弊社サポートサイトでご覧いただけます。
外部サイドチェインの設定について
サイドチェインに対応した各UADxプラグインには、コントロールバーにSidechainスイッチがあります。ほとんどの場合、DAWで正しいサイドチェインルーティングが設定されていないと、このスイッチを有効にできません。このスイッチは、プラグインへのDAWサイドチェインルーティングが設定されると、通常自動的に有効になります。

DAWサイドチェインの設定について
DAWでプラグインの外部サイドチェインを有効にするには、通常以下の設定項目が必要です。
- サイドチェインされるプラグインにキーを供給するソーストラック
- ソースからキーされるプラグインと、効果をかけるオーディオトラックまたはインストゥルメントプラグインを含むデスティネーショントラック
- ミキサールーティングまたはサイドチェインルーティング
- 一部のDAWでは、サイドチェイン設定を完了するために、プラグインインターフェイス内でのさらなるキー入力またはソースルーティングが必要です
FL StudioでUADプラグインの外部サイドチェインを設定する
FL Studioでは、FL Studioミキサーでサイドチェインルートを設定し、プラグインのオプションでサイドチェインソースからのオーディオを受け入れるよう設定することでサイドチェインを実現します。
この例では、キックドラムトラックの出力を使って、シンセトラック上のAPI 2500コンプレッサーをトリガーします。これにより、デスティネーショントラックに動きや「ポンピング」を加えることができます。
注:任意のミキサートラックの組み合わせと、対応する任意のUADxプロセッサーを使用できます。この例では、ミキサートラック1と2、そしてAPI 2500 Bus Compressorプラグインを使用しています。
外部サイドチェイン用にミキサートラックを設定する
- FL StudioのChannel Rackで、ソースチャンネルをミキサートラックに割り当てます。この例では、キックチャンネルをミキサートラック1に割り当てています。ミキサートラックを割り当てるには、ミキサートラックルーティングボックスをクリックし、上下にドラッグしてミキサートラックを選択します。
- デスティネーションチャンネル(プラグインと、サイドチェイン入力で加工されるソースを含むチャンネル)を、別のミキサートラックに割り当てます。この例では、PolyMAXシンセチャンネルをミキサートラック2に割り当てています。
- その他のチャンネルは、サイドチェインに干渉しない別のミキサートラックに割り当てます。

- ミキサートラックルーティングスロットをダブルクリックしてミキサーを開くか、FL StudioメニューからView > Mixerを選択します。ミキサーが開きます。
ミキサーのサイドチェインルーティング接続を作成する
FL Studioでは、まずソースを選択し、次にデスティネーションを右クリックしてサイドチェインを割り当てることで、ミキサーのサイドチェインルーティング接続をチャンネル間で割り当てます。
- ミキサートラックルーティングスロットをダブルクリックしてミキサーを開くか、View > Mixerを選択します。ミキサーが開きます。
- サイドチェインソースのミキサートラックを選択します。このトラックには、サイドチェインをトリガーするために使用したいオーディオ出力が含まれています。
- サイドチェインデスティネーショントラック(サイドチェインソースでトリガーしたいプラグインを含むトラック)で、トラックフェーダー下の三角形を右クリックし、「Sidechain to this track」を選択します。


サイドチェインルーティングが作成されました。
プラグインのサイドチェインを設定する
- サイドチェインデスティネーションのミキサートラックにUADプラグインを割り当てます。この例ではUADx API 2500 Bus Compressorを使用します。

プラグインのインターフェイスが開きます。プラグインが開いていない場合は、ミキサーでプラグイン名をクリックしてインターフェイスを開きます。

- プラグインで、ギアアイコンをクリックしてプラグインの詳細設定(detailed settings)を開きます。

- プラグとギアが組み合わさったアイコンをクリックして、プラグインラッパー設定(wrapper settings)を開きます。

- Connectionsの下、「2.sidechain」ラベルの隣にある丸をクリックしてサイドチェインを有効にします。「2.sidechain」ラベルの左のフィールドをクリックしてドラッグし、サイドチェインソースとなるミキサートラックを選択します。この例では、サイドチェインソースはミキサートラック1です。
注:プラグインのAudio Units版では、プライマリ接続とサイドチェイン接続は「Node 0」と「Node 1」としてラベル付けされます。 - これでプラグインはサイドチェインソースのミキサートラックからキー入力を受け取ります。再度プラグアイコンをクリックしてプラグインのインターフェイスに戻り、プラグインの設定を調整します。
- 再生を開始して効果を試し、プラグインのThresholdコントロールを調整して、サイドチェイン入力への感度を調整します。
- プラグインツールバーのSidechainスイッチを切り替えて、サイドチェインを有効・無効にし、すばやく比較できます。
参照元情報:Using an External Sidechain with UAD Plug-Ins
https://help.uaudio.com/hc/en-us/articles/17949313152532-Using-an-External-Sidechain-with-UAD-Plug-Ins