チューニング、ポリフォニー、ピッチベンド範囲、MIDIアサインなど、シンセサイザー全体に関わる設定を行うSettings(設定)ウィンドウについてまとめた章です。
インターフェース最上部のプリセット表示欄右のSettingsボタンをクリックすると、Settingsウィンドウ(図36)が開きます。ここでは、チューニング、ポリフォニーのボイス数、ピッチベンドの範囲、MIDIアサインなど、シンセサイザーの全般的なパラメーターを設定できます。SettingsはGeneral、MIDI、MIDI Links、Hardware、Aboutの5つのセクションに分かれており、ウィンドウ左側のタブをクリックして切り替えます。
これらの設定はグローバル設定です。個々のプリセットには保存されず、すべてのサウンドに適用されます。つまり、新しいプリセットを読み込んでも設定は変わりません。

図36:Settingsウィンドウ
インターフェースのサイズは、Display Zoomドロップダウンメニューで調整できます。小さいサイズから非常に大きいサイズまで、さまざまな倍率を選択できます。
また、ウィンドウの右下隅をクリックしてドラッグすることでも、インターフェースのサイズを変更できます。
Voices設定では、String Studio VS-3で使用するポリフォニーのボイス数を調整できます。コントロールをクリックし、リストから必要なボイス数を選択してください。
一般に、複雑な演奏や音を重ねる演奏では、ボイス数が多いほうが望ましいです。ただし、CPU使用率はアクティブなボイス数に比例して増加する点に注意してください。
Priority設定は、Keyboardモジュールがモノフォニックモードに設定されているとき、またはポリフォニックモードで最大ボイス数に達したときに、複数のノートが同時に押された場合のキーボードの動作を設定します。モノフォニックモードでは、複数のノートが演奏されたときに、低いノート(lower)、最後のノート(last)、高いノート(higher)のどれを優先するかをPriorityで決定します。ポリフォニックモードでは、最大ボイス数に達した後に新しく演奏されたノートと入れ替えるため、最も低いノート、最も高いノート、最も古いノートのどれをミュートするかをこのコントロールで決定します。このパラメーターはノートの優先順位を決めるものであるため、ミュートされる(スチールされる)ノートは、コントロールの表示とは逆のものになる点に注意してください。
楽器は通常、固定された基準音(A440など)と音律(テンペラメント)に基づいて調律されます。基準音とは、周波数が固定された特定の音のことで、一般的には中央Cの上のA(A4)を440 Hzとします。音律とは、オクターブをどのように分割するかを定め、音階の他のすべての音の周波数を決める調律の方式です。
初期設定では、String Studio VS-3は平均律を使用し、A4(MIDIノート69)の周波数を440 Hzとしています。
選択した基準音のFrequency(周波数、単位はHz)の値を調整することで、楽器をトランスポーズ(すべての音のピッチを移動)できます。また、ドロップダウンメニューから別のReference Note(基準音)を選択することもできます。新しいノートを選択すると、Frequencyパラメーターは、A440・平均律におけるそのノートの標準の周波数に自動的に更新されます。
String Studio VS-3の興味深い機能のひとつが、Scalaのマイクロチューニングファイルを使って、さまざまな音律に基づく微分音チューニングを利用できることです。
音律ファイルを読み込むには、Tuningドロップダウンメニューを開きます。利用可能な音律の一覧が表示されます。初期設定では、Stretched Electric Piano Equal Temperament(ストレッチ・エレクトリックピアノ平均律)のオプションのみが用意されています。Show Tuning Filesボタンをクリックし、開いたフォルダーにScalaファイルをコピーすることで、音律を追加できます。
(訳注:「Stretched Electric Piano Equal Temperament」は原文の記載のままです。エレクトリックピアノ音源Lounge Lizard EP-5のマニュアルと同じ記述であり、String Studio VS-3で実際に表示される初期の音律は製品画面でご確認ください。)
TuningメニューからScalaファイルを選択すると、String Studio VS-3は対応する音律を自動的に読み込みます。
前述のMaster TuningセクションのReference NoteとFrequencyの設定は、選択したScala音階の基準音とその周波数を定義するために使用されます。
Settingsウィンドウで行った変更は、現在読み込まれているサウンドに関係なく、シンセサイザー全体に適用されます。
プラグインモードでは、設定はDAWプロジェクトとともに自動的に保存され、次回プロジェクトを開いたときに呼び出されます。
現在の設定をデフォルト設定として保存するには、Save Current as Defaultボタンをクリックします。保存したデフォルト設定は、次回プラグインモードでString Studio VS-3の新しいインスタンスを開いたときに使用されます。
Load Defaultボタンをクリックすると、いつでもデフォルト設定に戻せます。設定をいろいろ試した後に、好みの設定に戻したい場合に特に便利です。
必要に応じて、Reset to Factoryボタンをクリックして工場出荷時の設定に戻すこともできます。
スタンドアロンモードでは、前回終了したときに使用していた設定が自動的に読み込まれます。
String Studio VS-3はMIDIプログラムチェンジメッセージに対応しています。この機能のオン / オフを切り替えるには、Enableオプションのチェックを入れるか外します。
有効にすると、String Studio VS-3は、現在選択されているサウンドパックの中から、受信したプログラムチェンジメッセージの値と一致するインデックス番号のサウンドを読み込みます。
ソフトウェアをプログラムチェンジメッセージに反応させたくない場合は、Enable Program Changesオプションのチェックを外してください。
String Studio VSは、受信したMIDIピッチベンド信号に反応します。Playパネル上のClockモジュールのすぐ下にあるインターフェース上のピッチベンドホイールを使って、サウンドのピッチを変化させることもできます。ピッチベンドの範囲を調整するには、Pitch Bend Rangeドロップダウンメニューを使用します。選択肢は半音単位で表示されます。0半音を選択すると、String Studio VSはMIDIピッチベンド信号に反応しなくなる点に注意してください。
ピッチベンドの詳細については、7.2.6節を参照してください。
マルチエフェクトプロセッサーの前段の信号のゲインレベルは、エクスプレッションペダルなどのMIDIコントローラーでコントロールできます。
この機能のオン / オフを切り替えるには、Enableオプションのチェックを入れるか外します。
初期設定では、このパラメーターのコントロールにはMIDIチャンネルボリュームコントローラーが割り当てられています。ただし、他のMIDIコンティニュアスコントローラー(CC)をこの機能に割り当てることもできます。
割り当てを変更するには、次のいずれかを行います。
マルチエフェクトプロセッサーの後段の信号のゲインレベルは、エクスプレッションペダルなどのMIDIコントローラーでコントロールできます。
この機能のオン / オフを切り替えるには、Enableオプションのチェックを入れるか外します。
初期設定では、このパラメーターのコントロールにはMIDIチャンネルボリュームコントローラーが割り当てられています。ただし、他のMIDIコンティニュアスコントローラー(CC)をこの機能に割り当てることもできます。
割り当てを変更するには、次のいずれかを行います。
Macros設定は、各レイヤーで使用されるModulator 1およびModulator 2モジュールに、外部のMIDIコンティニュアスコントローラーを割り当てるために使用します。このセクションのドロップダウンメニューをクリックすると表示されるコントローラー番号の一覧から、特定のコントローラーを選択できます。Learnコマンドを使ってコントローラーを割り当てることもできます。いずれかのLearnボタンをオンにすると、最初にメッセージを受信したコンティニュアスコントローラーが、対応するモジュレーターに割り当てられます。Noneを選択すると、対応するモジュレーターはどのコントローラーにも反応しなくなる点に注意してください。
Modulatorモジュールの詳細については、4.2.5節を参照してください。
String Studio VS-3のインターフェース上のあらゆるコントロールは、MIDIコントロールチェンジのアサイン(MIDIリンク)によって、外部のMIDIコントローラーから操作できます。
現在有効なMIDIリンクの一覧はAssignmentsテーブルに表示され、テーブルの各行がそれぞれのMIDIリンクに対応します。各MIDIリンクについて、リンクされたパラメーターの名前、そのパラメーターが属するモジュール、パラメーターにリンクされたMIDI CCの番号、および設定されている場合はパラメーターの最小値と最大値が表示されます。
アサインの構成は、Saveボタンをクリックしてプリセットとして保存できます。MIDI Links Presetウィンドウが開き、プリセット名の入力を求められます。保存したマップはLoadボタンをクリックして読み込めます。アサインマップを保存・読み込みできるため、コントローラーごとに異なるマップを作成したい場合に便利です。
Clearボタンを使うと、すべてのMIDIコントロールアサインを一度に無効にできます。
MIDIコントロールアサインの詳細については、7.2.3節を参照してください。
このセクションでは、システムで利用可能なオーディオ出力デバイスの中から使用するものを選択できます。マルチチャンネルのインターフェースでは、出力がステレオペアとして一覧表示されます。
Windowsでは、オーディオ出力の一覧はドライバーの種類ごとに整理されています。まずAudio Device Typeドロップダウンメニューから種類を選択します。ASIOドライバーが利用可能な場合は、最適なパフォーマンスを得るためにASIOを選択してください。Configure Audio Deviceボタンを押すと、選択したデバイスのメーカー製コントロールパネルが用意されている場合に、それを起動できます。
オーディオデバイスを選択した後、インターフェースが対応している選択肢の中からサンプリングレートとバッファーサイズを指定できます。
ウィンドウの下部には、利用可能なMIDI入力デバイスの一覧があります。入力を有効にするには、使用するデバイスの横にあるチェックボックスにチェックを入れます。スタンドアロンモードでは、Channelドロップダウンリストで有効なMIDIチャンネルを選択できます。
オーディオとMIDIの設定の詳細については、第7章を参照してください。
このセクションには、次のような役立つ情報が表示されます。
また、このマニュアルのPDF版へのリンクもあります。
参照元情報:AAS String Studio VS-3 user manual
https://www.applied-acoustics.com/string-studio-vs-3/manual/