String Studio VS-3 - 4-1. Parameters(パラメーター):基本操作とPlay View

String Studio VS-3 - 4-1. Parameters(パラメーター):基本操作とPlay View

String Studio VS-3のインターフェースに共通する操作方法(ノブ、スイッチ、ドロップダウンメニュー、モジュレーション、同期)と、Playビューの各モジュールのパラメーターについてまとめた章です。

この章は、String Studio VS-3のグラフィカルインターフェースに表示される各種コントロールのリファレンスとしてご利用いただけます。本シンセサイザーは2ボイスのマルチティンバー構成で、インターフェースのパネルやモジュールは各レイヤーで共通です。そのため、本ドキュメントの内容はどちらのレイヤーにも同様に当てはまります。まずインターフェース上の各種コントロールの動作について説明し、続いてシンセサイザーの各モジュールのパラメーターについて説明します。


4.1 インターフェースの基本的な操作

4.1.1 ノブ

シンセサイザーのパラメーターは、ノブ、スイッチ、数値表示などのコントロールで調整します。コントロールはクリックして選択します。パラメーターをクリックしたまま、マウス(またはトラックパッド上の指)を上下または左右に動かすと、大まかな調整ができます。調整中は、パラメーターのラベルの位置にその値が表示されます。

コンピュータキーボードの修飾キー(Shift、Ctrl、Command、Altキー)を押しながら調整すると、細かな調整ができます。

ノブをダブルクリックすると、デフォルト値が設定されている場合はその値に戻ります。


4.1.2 スイッチ

スイッチはクリックするとオン / オフが切り替わります。モジュールの有効 / 無効や、一部のパラメーターの同期(Sync)機能のオン / オフに使用します。


4.1.3 ドロップダウンメニュー

一部の表示部は、クリックするとドロップダウンメニューが開きます。項目をクリックして選択すると、そのコントロールが設定されます。


4.1.4 モジュレーション信号

さまざまなパラメーターを、MIDIキーボード、エンベロープジェネレーター、LFOモジュールなど、複数のソースからの信号でモジュレーションできます。モジュレーション信号は、モジュレーション対象のパラメーターの下にある小さなゲインノブで調整します。

Keyモジュレーションノブは、キーボードで弾いたノートに応じてパラメーターをモジュレーションするためのものです。ノブが中央の位置にあるときは、キーボードの全音域でパラメーターの値は同じです。ノブを左に回すと、低いノートでパラメーターの値が大きくなり、高いノートでは小さくなります。変化は中央のC(MIDIノート60)を基準として適用され、このノートでの値は常に、元のパラメーターノブで設定した値になります。モジュレーションノブを右に回すと逆の効果になり、高いノートでパラメーターの値が大きくなり、低いノートでは小さくなります。

Velモジュレーションノブは、キーボードから受信したベロシティ信号に応じてパラメーターの値をモジュレーションするためのもので、キーボードを強く弾くほどパラメーターの値が大きくなります。ノブの位置でパラメーターにかかるモジュレーション量を調整します。左いっぱいの位置ではモジュレーションソースはオフになり、パラメーターの値はキーボードのベロシティ信号によって変化しません。ノブを時計回りに回すほど、パラメーターの値に対するモジュレーション信号の効果が大きくなります。

LFOモジュールおよびEnvモジュールの信号によるモジュレーションは、それぞれLFOゲインノブとEnvゲインノブで調整します。ノブが中央にあるときはモジュレーションの振幅はゼロで、中央から時計回り、または反時計回りに回すほど振幅が大きくなります。反時計回りに回した場合はモジュレーション信号の位相が反転し、時計回りに回した場合は位相がそのまま保たれます。


4.1.5 同期(Synchronisation)

プラグインモードで使用している場合、Arpeggiator、LFO、および一部のエフェクトモジュールのレート(速さ)を、ホストシーケンサーのクロックに同期させることができます。同期させるには、それぞれのSyncスイッチをオンにします。同期値はSync Rateパラメーターで設定し、全音符4つ分(4分音符16個分)から32分音符(4分音符の1/8)までの範囲で選択できます。全音符の長さはホストシーケンサーのクロックによって決まります。3連符や付点音符に同期させることもできます。このパラメーターを調整するには、Sync Rateボタンをクリックし、ドロップダウンメニューからレートの値を選択します。

スタンドアロンモードでは、エフェクトやモジュールのSyncスイッチがオンのとき、全音符の長さはPlayビューのClockモジュールのRateコントロールで調整します。


4.2 Playビュー

Playビューには、演奏に関わる主要なモジュールが配置されています。また、SynthビューやEffectsビューの主要なパラメーターもすばやくアクセスできるようにここにまとめられています。このビューは楽器の起動時に表示され、他のビューからはインターフェース上部のPlayボタンをクリックして表示できます。

このビューの中央部では、EQ、Compressor、Reverbのほか、アクティブなエフェクトモジュールのオン / オフを切り替えられます。また、各エフェクトモジュールの説明(4.4節)で紹介している主要なエフェクトパラメーターもここで調整できます。


4.2.1 クロックモジュール(The Clock Module)

このモジュールは、FXセクションの各エフェクトのテンポや、Sync(同期)ボタンをオンにしたときのLFOモジュールおよびArpeggiatorモジュールのテンポをコントロールします。String Studio VSをスタンドアロンモードで起動した場合、クロックのテンポ(bpm)はRateノブで設定します。また、モジュールのTap Tempoパッドを希望のテンポでクリックしてテンポを設定することもできます。新しいテンポが検出されると、Rateノブの値が自動的に調整されます。

String Studio VSをプラグインモードで使用している場合、Tap TempoパッドはSync To Hostスイッチに置き換わります。このスイッチがオンのときはレートがホストシーケンサーのテンポに同期し、オフのときはRateノブの値でテンポが決まります。


4.2.2 キーボードモジュール(The Keyboard Module)

Keyboardモジュールは、外部MIDIキーボードやMIDIシーケンサーから送られてくるイベントに対して、シンセサイザーのボイスがどのように反応するかをコントロールします。

キーボードは、一度に1音のみを演奏できるモノフォニック、またはコードを演奏できるポリフォニックに設定できます。この動作はPolyボタンで切り替え、ボタンがオンのときはポリフォニックモードになります。

Tuneコントロールは、キーボードの周波数をトランスポーズ(移調)するためのものです。このコントロールは、ドットで区切られた2つの数値で構成されています。1つ目の数値は半音単位、2つ目の数値はセント単位(半音の100分の1)の値を表します。半音とセントの各コントロールを上下にクリック&ドラッグすると、トランスポーズ量を調整できます。これらのコントロールをダブルクリックすると値がゼロに戻ります。Tuneパラメーターの値が0.00のとき、各ノートの周波数はA4=440Hzを基準に計算されます。

なお、場合によっては、演奏されるサウンドの周波数(音程)が一部のシンセシスパラメーターの値によって変わることがあります。たとえば、弦に強いダンパーをかけると音程に影響することがあります。このような場合は、Tuneパラメーターを使って音程のずれを補正し、サウンドのチューニングを合わせてください。


4.2.3 ユニゾンモジュール(The Unison Module)

ユニゾンモードでは、ボイスを重ねることができます。つまり、キーボードで弾いた1つのノートに対して2つまたは4つのボイスを鳴らします。このモードでは、複数の楽器が同じノートを一緒に演奏しているような印象が生まれ、サウンドに深みが加わります。モジュール右上のLEDをクリックするとオンになります。

Detuneノブを使うと、各ボイスの音程を互いに少しずつずらすことができます。このノブを時計回りに回すほど、ずれの幅が大きくなります。さらに、Delayノブを使ってボイスの発音タイミングに小さな時間差を加え、ボイス同士のタイミングをずらすこともできます。ノブが左いっぱいの位置では遅延はなく、時計回りに回すほど遅延(単位:ms)が大きくなります。


4.2.4 グライドモジュール(The Glide Module)

Glideモジュールは、ノートからノートへ音程を瞬時に切り替えるのではなく、なめらかにスライドさせるためのものです。Timeノブは、音程が1オクターブ分スライドするのに要する時間を設定します。Modeドロップダウンメニューでは、ConstantモードとProportionalモードのどちらかを選択できます。Constantモードでは、ノート間の音程差にかかわらず、あるノートから別のノートへ音程がスライドする時間は常に一定です。Proportionalに設定すると、スライド時間は2つのノートの音程差の幅に比例します。

Legatoボタンをクリックするとモジュールがレガートモードになり、1つ目のノートを離す前に2つ目のノートを弾いた場合にのみ、2つのノート間でスライドが発生します。スタッカートで演奏した場合、つまり次の鍵盤を押す前に鍵盤を離した場合は、グライド効果はかかりません。なお、グライド効果はKeyboardモジュールがポリフォニックモードのときにも使用できますが、主にモノフォニック演奏向けの機能です。ポリフォニックモードでは同じルールが個々のボイスに適用されるため、全体としての結果は予測しにくくなります。


4.2.5 モジュレーターモジュール(The Modulator Module)

String Studio VSには2つのModulatorモジュールが搭載されています。これらのモジュールは、外部MIDIコントローラーをモジュレーション先のパラメーターに割り当てるためのものです。これらのモジュレーターの狙いは、サウンドをできるだけ表現力豊かで演奏しやすいものにすることです。サウンドの作成者は、シンセシスパラメーターのうちどれがモジュレーションに最も適しているかを決めておくことができ、ユーザーはそれらのパラメーターに簡単にアクセスできます。各モジュレーターの効果に決まったルールはありませんが、ファクトリーライブラリでは、モジュレーター1は主にサウンドの音程をコントロールするパラメーターに、モジュレーター2はサウンドの音色をモジュレーションするために割り当てられています。

モジュレーターに紐付ける外部MIDIコントローラーは、SettingsウィンドウのMIDIタブにあるMacrosセクションで指定します。Settingsウィンドウは、インターフェース右上のSettingsボタンをクリックして開きます。各モジュレーターに対応するドロップダウンメニューをクリックすると、MIDIコントロールチェンジ番号の一覧が表示され、そこから選択できます。使用するMIDIコントロールチェンジ番号がわからない場合は、LearnボタンをクリックしてLearn機能を使用できます。このオプションがオンのときは、String Studio VSが最初に受信したMIDI CC番号がそのモジュレーターに割り当てられます。この外部MIDIコントローラーの割り当ては、本来は特定のハードウェア構成に対応するものであり、プラグインモードではシーケンサーのプロジェクトとともに保存されます。スタンドアロンモードでは、プログラムの起動時に最後に保存された設定が読み込まれます。

1つの外部コントローラーには、最大4つのシンセシスパラメーターを割り当てられます。モジュレーション先のパラメーターを選ぶには、モジュールの各ノブのすぐ下をクリックします。割り当て可能なパラメーターの一覧が表示されます。モジュールのノブは各モジュレーション先に適用されるゲインを調整するもので、外部コントローラーから各シンセシスパラメーターに送られるモジュレーション信号の振幅をコントロールできます。

モジュレーターは、Layer Settingsウィンドウからすばやく無効にできます。このウィンドウは、Playパネル左下のSplitボタンの隣にある歯車アイコンをクリックして開きます。モジュレーターを無効にするには、レイヤーAまたはBのModulator 1またはModulator 2ボタンをクリックします。もう一度ボタンをクリックすると、モジュレーターが再び有効になります。

なお、弦に関連するパラメーターなど一部のパラメーターは、ノートオン信号を受けたときにしかモジュレーションできません。そのため、チャンネルプレッシャー(モノフォニックアフタータッチ)など、一部の割り当てではうまく機能しない場合があります。


4.2.6 ビブラートモジュール(The Vibrato Module)

ビブラート効果は、周期的な低周波による音程のモジュレーションに相当します。この効果は通常、LFOを使ってオシレーターの音程信号をモジュレーションすることで得られますが、String Studio VSにはこの効果専用のモジュールが用意されています。Rateノブは、ビブラート効果の周波数を0.3Hzから10Hzの範囲で設定します。Amountノブは効果の深さ、つまり周波数の変化の幅を設定します。左いっぱいの位置ではビブラートはかからず、ノブを時計回りに回すほど音程の変化量が大きくなります。

ビブラートは、ノートの始まりと同時ではなく、少し遅れてかかり始めるように調整できます。この遅れ(秒)はDelayノブで設定します。Fadeノブでは、ビブラート効果の振幅がゼロからAmountノブで設定した量に達するまでの時間を設定できます。


4.2.7 アルペジエーターモジュール(The Arpeggiator Module)

Arpeggiatorモジュールを使うと、キーボードで押さえているすべてのノートを順番に演奏できます。つまり、コードではなくアルペジオが演奏されます。このモジュールでは、さまざまなアルペジオやリズムパターンを作成でき、外部シーケンサーのテンポに同期させることもできます。

アルペジオパターン

アルペジオパターンは、Range、Span、Orderの各コントロールの値の組み合わせで決まります。このモジュールは、モジュール右上の小さなLEDをクリックするとオンになります。

Rangeコントロールは、パターンを繰り返すオクターブ数を選択します。Rangeを0に設定すると、トランスポーズは行われず、現在押さえているノートだけが演奏されます。1〜4(最大値)の値に設定すると、演奏したノートがトランスポーズされ、Rangeパラメーターの値に応じて1オクターブ以上の範囲で順番に演奏されます。トランスポーズの方向はSpanドロップダウンメニューで設定します。このパラメーターは、下方向にトランスポーズするLow、上方向にトランスポーズするHigh、上下両方向にトランスポーズするWideのいずれかに設定できます。最後に、Orderコントロールはノートを演奏する順番を設定し、これによってアルペジオパターンが決まります。Forwardに設定すると、ノートは低い音から高い音へ演奏されます。Backwardに設定すると、高い音から低い音へ演奏されます。残りの2つのモード、Rock and Roll exclusiveとRock and Roll inclusiveでは、ノートは低い音から高い音へ演奏されたあと、高い音から低い音へと戻ります。RnR exclusiveモードでは、方向が切り替わるときに最高音と最低音は繰り返されませんが、RnR inclusiveモードではこれらのノートが繰り返されます。最後にChordモードでは、すべてのノートが同時に演奏されます。

リズムパターン

16ステップのPattern表示を使うと、アルペジオパターンにリズムパターンを加えることができます。ステップ表示が順にスキャンされ、該当するステップが選択されている(赤いボタンがオン)ときにノートが演奏されます。表示のすべてのステップがオンのときはノートが一定の間隔で演奏され、一部のステップだけを選択するとリズムパターンが作られます。各ステップの下にある矢印ボタンはループポイントを設定するもので、そこからリズムパターンが最初に戻って再び演奏されます。

レートと同期

アルペジエーターのパターンがスキャンされるレートは、ArpeggiatorモジュールのRateノブで設定するか、Clockモジュールのマスタークロックに同期させることができます。Rateノブは、Syncコントロールがオフのときにのみ有効です。Syncコントロールがオンのときは、レート(テンポ)は、スタンドアロンモードではマスターのClockモジュール(4.2.1節参照)、プラグインモードではホストシーケンサーによって決まります。各ステップの音価はStepsパラメーターで設定します。値は4分音符から32分音符までの範囲で、2分割(バイナリー)と3分割(ターナリー)の拍の分割を選択できます。そのうえで、ステップ表示のループポイントを適切に設定することで、パターンの拍子を決めることができます。

ラッチモード

Latchボタンをクリックしてオンにすると、Arpeggiatorモジュールがラッチモードになります。このモードでは、キーボードのノートを離しても、新しいコードが演奏されるまでアルペジエーターがパターンを演奏し続けます。


4.2.8 ピッチホイール(Pitch Wheel)

MIDIピッチホイールを使うと、演奏中のノートの音程を変化させることができます。ピッチホイールはマウスで動かすこともできますが、お使いのMIDIキーボードから受信したピッチホイール信号にも自動的に連動します。

ピッチベンドの範囲はデフォルトで上下2半音ですが、変更できます。ピッチベンドの範囲を調整するには、インターフェース上部のMIDI LEDのすぐ下にあるMIDIボタンをクリックしてMIDI設定ウィンドウを開き、Pitch Bend Rangeドロップダウンメニューで範囲を半音単位で選択します。

(訳注:String Studio VS-3では、ピッチベンドの範囲はSettingsウィンドウのMIDIタブにあるPitch bendで設定します(6.2.2節参照)。上記の「MIDIボタン」の記述は旧バージョンのインターフェースに基づくものと思われます。)


4.2.9 モジュレーションホイール(Modulation Wheel)

Playパネルの左側には3つのホイールがあります。1つ目はピッチベンドホイールで、残りの2つはそれぞれModulator 1モジュールとModulator 2モジュールをインターフェースから直接コントロールするためのものです。なお、Modulatorモジュールがどのコントローラーにも割り当てられていない場合、対応する画面上のモジュレーションホイールは無効になります。

ModulatorモジュールへのMIDIコンティニュアスコントローラーの割り当てについて、詳しくは6.2.5節を参照してください。


4.2.10 リボンコントローラ(Ribbon Controller)

このビューの下部にはリボンコントローラがあります。リボンは7オクターブをカバーしており、リボンをクリックするとノートが演奏されます。コンピュータにMIDIキーボードが接続されていないときに、サウンドを試すのに便利です。


4.2.11 スプリットキーボード(Split Keyboard)

サウンドで2つのレイヤーを使用している場合、スプリットキーボードモードを有効にすると、キーボードの異なる音域でそれぞれのレイヤーを演奏できます。このモードはSplitボタンをクリックすると有効になります。このモードが有効になると、インターフェースのリボンキーボードの上に色付きのラインが表示され、キーボード上の各スプリット領域の範囲を示します。キーボードの左側はレイヤーA、右側はレイヤーBに対応します。キーボード上のスプリットポイントは、Splitボタンの隣にある歯車アイコンをクリックして開くLayer Settingsウィンドウで調整できます。スプリットノートはSplit Noteドロップダウンメニューから選択できます。または、Learn機能を有効にして、String Studio VSに接続したMIDIキーボードで希望のスプリットノートを弾いて設定することもできます。


4.2.12 レイヤー設定(Layer Settings)

Playパネル左下のSplitボタンの隣にある歯車アイコンをクリックすると、Layer Settingsウィンドウが開きます。各コマンドボタンを使って、各レイヤーのModulatorモジュールで使用する外部コントローラーの割り当てを、すばやく有効 / 無効にできます。また、ピッチベンドとサスティンペダル(MIDI CC番号64)のオン / オフを、レイヤーごとに個別に切り替えることもできます。Layer Settingsでは、スプリットキーボードモード使用時のスプリットノートも調整できます。


参照元情報:AAS String Studio VS-3 user manual
https://www.applied-acoustics.com/string-studio-vs-3/manual/