SoundID Reference Virtual Monitoring のセットアップ

SoundID Reference Virtual Monitoring のセットアップ

ここでは、SoundID Reference Virtual Monitoring Add-on と Virtual Monitoring PRO について詳しく解説し、両者の違いと使い方を説明します。


本記事の内容:

  • SoundID Reference VM Add-on と VM PRO
  • Virtual Monitoring Add-on(動作環境とライセンス要件/ライセンス登録・アクティベーション・無料体験版/プロファイルの読み込み/スピーカーシミュレーションと Translation Check ターゲット)
  • Virtual Monitoring PRO(動作環境とライセンス要件/ライセンス登録・アクティベーション/バイノーラルマイクによる測定/プロファイルの読み込み/VM PRO プロファイルの L/R チャンネルの偏り)
  • よくある質問

SoundID Reference VM Add-on と VM PRO

Virtual Monitoring は SoundID Reference ソフトウェアの拡張機能で、2 つのバージョンが用意されています。

  • Virtual Monitoring Add-on:あらかじめ用意された空間的なスピーカーおよびコンシューマー機器のシミュレーションプリセットを、ヘッドフォン上で適用します。SoundID Reference のヘッドフォンキャリブレーションと連携して動作します(Sonarworks 対応ヘッドフォンが必要です)。
  • Virtual Monitoring PRO:ご自身の部屋やその他の環境(ステレオ)を、ヘッドフォン上で超リアルにシミュレーションします。任意のオーバーイヤー型ヘッドフォン(ヘッドフォンキャリブレーションは不要)と、SoundID Reference In-ear Binaural Microphone が必要です。Virtual Monitoring Add-on の機能も含まれます。

注意:VM PRO ではヘッドフォンキャリブレーションは使用しませんが、既存の SoundID Reference スピーカーキャリブレーションをお使いの場合は、キャリブレーション済みの部屋の音を取り込むことも可能です(VM PRO の測定プロセス中に、既存の .swproj スピーカーキャリブレーションプロファイルをアップロードします)。なお、スピーカーキャリブレーションは VM PRO には含まれません。この機能は SoundID Reference のベースライセンスに依存します。


Virtual Monitoring Add-on

SoundID Reference 用の Virtual Monitoring Add-on(VM Add-on)は、ヘッドフォン上で空間的なスピーカーリスニング体験をシミュレーションし、適切に音響処理されたコントロールルームのプロ用ステレオスピーカーで再生しているかのように音楽を聴くことができます。VM Add-on に含まれるシミュレーションは次のとおりです。

  • スピーカーシミュレーション 3 種:near-field、mid-field、far-field。
  • カーシミュレーション 3 種:エントリークラスのカーオーディオ、Executive Sedan、Luxury SUV。
  • ラップトップシミュレーション 3 種:Latt 14"、MB Airy 13"、MB Professional 15"。
  • スマートフォンシミュレーション 1 種:Smartphone Average。
  • TV シミュレーション 3 種:Japanese 46" TV、Korean 90" TV、TV Average。

VM Add-on はバイノーラルオーディオレンダリング技術(特定の機器や環境のクロスフィードと空間的なルームシミュレーションの組み合わせ)を使用します。ヘッドフォンで VM Add-on を使う際のワークフローは、ステレオモニターやその他のシミュレーションを扱う場合と同様です。このツールを使うことで、ヘッドフォン上でもより良いミックスを作成でき、さまざまな機器間でより一貫した音の再現性を確保できます。

注意:VM Add-on は SoundID Reference の有料アドオンです。詳しくはこちらをご覧ください。

解説動画:



動作環境とライセンス要件

SoundID Reference Virtual Monitoring Add-on を使用するには、次の動作環境を満たしていることを確認してください。

  • SoundID Reference 製品ライセンス(バージョン不問)。
  • Virtual Monitoring Add-on 製品ライセンス。
  • Sonarworks 対応ヘッドフォン。500 機種以上の対応モデル一覧はこちら
  • 対応コンピューター:
    • macOS 11 Big Sur 以上。
    • Windows 10 以上。
    • 定期的なライセンス認証のためのインターネット接続(完全なオフライン使用およびオフラインアクティベーションには非対応)。
  • SoundID Reference ソフトウェアのインストール(ダウンロードはこちら)。

ライセンス登録・アクティベーション・無料体験版

Virtual Monitoring Add-on ライセンスを既に購入済みの場合は、次の手順で登録・アクティベーションを行います。

  1. Sonarworks アカウントにログインします。
  2. Register a new license」をクリックします。
  3. ライセンスアクティベーションキーを入力します。
  4. Activate on this device」をクリックします。

注意:SoundID Reference と Virtual Monitoring Add-on で別々のライセンス/キーをお持ちの場合は、各キーを個別に登録・アクティベーションしてください。


SoundID Reference と VM Add-on の無料体験版を開始するには、次の手順を行います。

  1. Sonarworks アカウントにログインします。
  2. SoundID Reference for Multichannel with Add-ons | Trial」へ移動します。
  3. Activate on this device」をクリックします。

注意:この無料体験版には、最上位バージョンの SoundID Reference(Multichannel)と、利用可能なすべてのアドオンが含まれます。


Virtual Monitoring Add-on プロファイルの読み込み

VM Add-on 機能は、SoundID Reference のスタンドアロンアプリと DAW プラグインで有効にできます。VM Add-on はヘッドフォン専用機能のため、ヘッドフォンプロファイルが読み込まれているときにのみ表示されます。

  1. Output Panel(左サイドバー)で Add new output > New preset を選びます。
  2. What do you want to do?」メニューをクリックします。
  3. Virtual Monitoring > Load Virtual Monitoring factory profile をクリックします。

注意:[WIN]Windows 版の SoundID Reference スタンドアロンアプリでは、VM は Virtual Windows audio driverVirtual Windows audio to ASIO driver の 2 つのドライバーモードでのみサポートされます。詳細は[WIN]SoundID Reference スタンドアロンアプリのオーディオドライバーの種類をご覧ください。


VM Add-on のスピーカーシミュレーションと Translation Check ターゲット

Virtual Monitoring を読み込むと、Flat Target、Dolby Atmos Music、Custom Target、Translation Check などのターゲットモードを選択できます。

スピーカーシミュレーション

  • Near-field モニター:近接リスニングに最適で、ディテールと精度を強調した親密でダイレクトなサウンドが得られます。個々のトラックの追い込みに適しており、デスクトップスピーカーのような一般的なリスニング環境を再現します。
  • Mid-field モニター:near-field と far-field の中間で、より豊かなサウンドと、ミックスにおける奥行きや空間の感覚を提供します。ディテールと空間的なダイナミクスの両方を捉えます。
  • Far-field モニター:周波数スペクトル全体を俯瞰できます。大型システムでのミックスの再現性を確認するのに最適で、迫力あるリスニング体験が得られます。

VM Add-on の Translation Check ターゲット

Translation Check には、ヘッドフォン上の Virtual Monitoring Add-on 専用に開発された 10 種類の空間シミュレーションターゲット(Cars、Laptops、Smartphones、TVs)も用意されており、Virtual Monitoring Add-on(VM)の能力を最大限に引き出します。通常の Translation Check ターゲットが特定機器の周波数特性のみをシミュレーションするのに対し、VM ターゲットは追加データを含み、対象機器をヘッドフォン上で完全に空間シミュレーションします。

たとえば VM を有効にした状態で Smartphone や Car ターゲットを起動すると、ヘッドフォンでモニターしながら、目の前にスマートフォンを持つ感覚や、実際に車内に座っている感覚を物理的にシミュレーションします。VM の詳細はVirtual Monitoring Add-on をご覧ください。

注意:VM プロファイルが読み込まれている間、Translation Check には 10 種類の空間シミュレーションターゲット(VM Add-on 専用の空間ターゲット)のみが表示されます。その他の Translation Check ターゲットを再び表示するには、通常のヘッドフォンキャリブレーションプロファイル用の出力プリセットをもう 1 つ作成してください。



Virtual Monitoring PRO

SoundID Reference 用の Virtual Monitoring PRO(VM PRO)は、スタジオ(スタジオモニター)、車、リビングルームなど、ご自身の部屋(またはアクセスできる任意の部屋)を超リアルにヘッドフォン上でシミュレーションするための機能で、どこにいても自分のスタジオを持ち運べます。

動作環境とライセンス要件

SoundID Reference Virtual Monitoring PRO を使用するには、次の動作環境を満たしていることを確認してください。

注意:Virtual Monitoring PRO 製品ライセンスには Virtual Monitoring Add-on の機能も含まれます。上記の要件もあわせてご確認ください。


ライセンス登録・アクティベーション

Virtual Monitoring PRO ソフトウェアを使用するには、Virtual Monitoring PRO 製品ライセンスをユーザーアカウントに追加する必要があります。

  1. Sonarworks アカウントログインします。
  2. Register a new license」をクリックします。
  3. ライセンスアクティベーションキーを入力します。
  4. Activate on this device」をクリックします。

注意:SoundID Reference と Virtual Monitoring PRO で別々のライセンス/キーをお持ちの場合は、各キーを個別に登録・アクティベーションしてください。


Virtual Monitoring PRO へのアップグレードを購入済みの場合は、Sonarworks 製品ライセンスのアップグレード方法の手順に従ってください。


バイノーラルマイクによる部屋とヘッドフォンの測定

Virtual Monitoring PRO の測定プロセスは、専用の SoundID Virtual Monitoring PRO Measure アプリで行う以下の段階で構成されます。

  • Microphone setup — EREF マイクのチェック
  • Playback device setup — スピーカーとヘッドフォンの出力選択
  • Measurements — スピーカーと部屋の測定、続いてヘッドフォンの測定
  • Profile fine-tuning — Virtual Monitoring PRO プロファイルの調整
  • Results — プロファイル名やプロファイル画像の選択などのカスタマイズ

Microphone setup

このプロセスでは、EREF バイノーラルマイクがコンピューターに接続されていることを確認し、ソフトウェアがマイクを検出してから使用可能になります。バイノーラルマイクが検出されると、信号の確認プロセスが始まります。ソフトウェアが入力信号を確認できるよう、各バイノーラルマイクを軽くタップしてください。このプロセス中、バイノーラルマイクは常に両耳に装着したままにします。


Playback device setup

このセットアップ段階では、使用するオーディオインターフェースを指定し、スピーカーとヘッドフォンの出力チャンネルを確認します。テストトーンを使って、正しいデバイスが選択されていること、各スピーカーからテストトーンが聞こえることを確認できます。スピーカーは SoundID Reference キャリブレーションの有無のいずれでも測定できます。

  • 部屋とスピーカーをそのまま取り込む:既定の設定で、キャリブレーションを適用しません。
  • キャリブレーションを適用して部屋とスピーカーを取り込む:SoundID Reference の既存の .swproj スピーカーキャリブレーションプロファイルを読み込み、キャリブレーション済みのスピーカーを取り込みます。

次にヘッドフォン出力を指定します。手順は上記と同様で、オーディオインターフェースを選択し、L-R チャンネルの出力をテストして正しいことを確認します。


Measurements

測定プロセスは 2 段階で構成されます。

  1. スピーカーと部屋の測定:
    1. バイノーラルマイクを両耳に装着したままにします。
    2. スピーカーの音量を確認・調整します。
    3. スピーカーと部屋の測定を実行します。

    注意:この段階ではヘッドフォンを装着しないでください。バイノーラルマイクは、遮るものなくスピーカーと部屋のみを捉える必要があります。

  2. ヘッドフォンの測定:
    1. バイノーラルマイクを両耳に装着したままにします。
    2. ここでオーバーイヤー型ヘッドフォンを装着します
    3. ヘッドフォンの音量を確認・調整します。
    4. ヘッドフォンの測定を実行します。

    注意:この段階ではスピーカーから音を出さないでください。バイノーラルマイクはヘッドフォンの音のみを録音する必要があります。スピーカーの音は測定を妨げます。


Profile fine-tuning

プロファイルが作成できたら、次はプロファイルのリアリティを調整します。fine-tuning プロセスでは、最良の結果を得るために A/B 比較を行います。

  1. リファレンスとして使用するデフォルトトラック、または個人のトラックを 1 つ選びます。
  2. 出力デバイス(ヘッドフォン/スピーカー)を切り替えて結果を評価します。注意:自動切り替えタイマーを設定して、切り替えを自動化できます。
  3. 最良のリアリティを得るため、スピーカーの音にできるだけ近づくよう Bass や Treble を微調整します。

プロファイルの保存

Virtual Monitoring PRO プロファイルが完成して保存できる状態になると、ソフトウェアが画像プリセットを提示するほか、使用するカスタム画像をアップロードすることもできます。この画像は、キャリブレーションプロファイルを読み込んだ際に SoundID Reference 内で使用されます。最後に、わかりやすいようプロファイルに名前を付けます。


Virtual Monitoring PRO プロファイルの読み込み

VM PRO キャリブレーションプロファイルを保存した状態で SoundID Reference アプリを開くと、キャリブレーションプロファイルが自動的に読み込まれます。SoundID Reference Measure アプリを閉じてしまった場合は、次の手順で新しく作成したプロファイルを読み込みます。

  1. Output Panel(左サイドバー)で Add new output > New preset を選びます。
  2. What do you want to do?」メニューをクリックします。
  3. Virtual Monitoring > Load existing Virtual Monitoring PRO profile をクリックします。

注意:さらにカスタマイズするための Custom Target 機能は、Virtual Monitoring PRO プロファイルで利用できます。


VM PRO プロファイルの L/R チャンネルの偏り

VM PRO プロファイルで左右(L/R)チャンネルの偏りに気づき、ステレオイメージがずれてファントムセンターが片寄って感じられる場合があります。

解決方法:

  1. 測定段階に到達したら、バイノーラルマイクを USB-C ポートから抜きます。
  2. SoundID Reference Virtual Measurement PRO Measure アプリは開いたままにします。
  3. バイノーラルマイクを再度差し込みます。
  4. 測定を進めます。
  5. 測定が完了したら VM PRO プロファイルを保存します。

よくある質問

Virtual Monitoring はどこで購入できますか?

  • Virtual Monitoring Add-on: SoundID Referenceをお持ちの場合は、Virtual Monitoring Add-on単体で購入できます。
  • Virtual Monitoring PRO:SoundID Reference for Headphones を含む単体ライセンスとして購入でき、既存ライセンス所有者向けのアップグレード版もご用意しています。製品ページをご参照ください。

測定用マイクを既に持っているのに、 VM PRO に新しいマイクが必要なのはなぜですか?

Virtual Monitoring PRO には バイノーラル In-ear マイク(EREF)が付属します。この In-ear マイクは Virtual Monitoring PRO の測定専用に設計されており、モニター・部屋・ヘッドフォンを測定して、測定した部屋をシミュレーションするバイノーラルキャリブレーションプロファイルを作成します。SoundID Reference の XREF / MREF 測定用マイクはこの用途には使用できません。

本ソフトウェアはバイノーラルマイクなしでは購入できません。現在、この専用マイクは単体では提供されていません。

Sonarworks EREF Binaural In-ear Microphone (2025) ユーザーマニュアル


スピーカーキャリブレーションを適用した状態で VM PRO プロファイルを作成できますか?

はい、可能です。測定したい部屋の音響があまり理想的でなく、既に SoundID Reference のスピーカーキャリブレーションを使用している場合は、スピーカーキャリブレーションを適用した状態で VM PRO プロファイルを作成できます。

Virtual Monitoring PRO Measure アプリには、プロファイル作成プロセス中に「既存のスピーカーキャリブレーションプロファイルを読み込む」オプションがあり、未補正の部屋の音ではなく、キャリブレーション済みの部屋の音を取り込めます。詳細は本記事の Playback device setup をご覧ください。


アップデート後に Virtual Monitoring 機能が表示されなくなったのはなぜですか?

SoundID Reference v5.13 アップデート(Virtual Monitoring PRO リリースのアップデート)以降、Virtual Monitoring 機能のレイアウトが変更されました。右下にあった Virtual Monitoring セクションは削除されました。

Virtual Monitoring(VM・VM PRO の両方)は、「What do you want to do?」メニュー(旧「Select your calibration profile」メニュー)から別個のプリセットとして追加するようになりました。

  1. Output Panel(左サイドバー)で「Add new preset」をクリックします。
  2. What do you want to do?」メニュー(キャリブレーションプロファイルの選択)をクリックします。
  3. Virtual Monitoring セクションまでスクロールし、VM または VM PRO プロファイルを追加します。

Virtual Monitoring プロファイルのオン/オフは、Output Panel(左サイドバー)で通常のヘッドフォンキャリブレーションと Virtual Monitoring のプリセットを切り替えるだけで行えます。


EDU ライセンスで Virtual Monitoring を使用できますか?

既存の SoundID Reference EDU ベースライセンスをお持ちであれば、Virtual Monitoring Add-on と Virtual Monitoring PRO のいずれもご使用いただけます。


Virtual Monitoring に EDU ライセンス版はありますか?

いいえ。現在、教育向けの提供は SoundID Reference ベースライセンスにとどまります。


Apollo Monitor Correction やその他の連携機能とあわせて Virtual Monitoring を使用できますか?

いいえ。Virtual Monitoring プロファイルを Apollo X デバイスやその他の連携デバイスにエクスポートすることはできません。


既存のライセンスから Virtual Monitoring PRO にアップグレードできますか?

はい。既存ライセンス所有者向けに 2 つのアップグレードパスが用意されています(価格はこちら)。


コンピューターに USB-C ポートがありません。USB-A ハブやアダプターを使用できますか?

基本的には、SoundID バイノーラル In-ear マイク(EREF)に付属の USB-C ケーブルのご使用を強く推奨します。ただし USB-C to USB-A 3.0 ケーブルは使用できます。これはハブについても同様です。USB 2.0 には対応していません。


EREF バイノーラルマイクをヘッドフォンキャリブレーションプロファイルの作成やその他の用途に使用できますか?

SoundID バイノーラル In-ear マイクは Virtual Monitoring PRO の測定プロセス専用に設計されています。これを使ってヘッドフォンキャリブレーションプロファイルを作成することはできず、その他の用途での使用も推奨しません。

とはいえ、本機は USB-C のクラスコンプライアント・オーディオデバイスであり、さまざまなアプリケーションの I/O 設定で入力オプションとして表示されます。ぜひ自由に試してみてください。


参照元記事


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