ここでは、SoundID Reference Virtual Monitoring Add-on と Virtual Monitoring PRO について詳しく解説し、両者の違いと使い方を説明します。
Virtual Monitoring は SoundID Reference ソフトウェアの拡張機能で、2 つのバージョンが用意されています。
注意:VM PRO ではヘッドフォンキャリブレーションは使用しませんが、既存の SoundID Reference スピーカーキャリブレーションをお使いの場合は、キャリブレーション済みの部屋の音を取り込むことも可能です(VM PRO の測定プロセス中に、既存の .swproj スピーカーキャリブレーションプロファイルをアップロードします)。なお、スピーカーキャリブレーションは VM PRO には含まれません。この機能は SoundID Reference のベースライセンスに依存します。
SoundID Reference 用の Virtual Monitoring Add-on(VM Add-on)は、ヘッドフォン上で空間的なスピーカーリスニング体験をシミュレーションし、適切に音響処理されたコントロールルームのプロ用ステレオスピーカーで再生しているかのように音楽を聴くことができます。VM Add-on に含まれるシミュレーションは次のとおりです。
VM Add-on はバイノーラルオーディオレンダリング技術(特定の機器や環境のクロスフィードと空間的なルームシミュレーションの組み合わせ)を使用します。ヘッドフォンで VM Add-on を使う際のワークフローは、ステレオモニターやその他のシミュレーションを扱う場合と同様です。このツールを使うことで、ヘッドフォン上でもより良いミックスを作成でき、さまざまな機器間でより一貫した音の再現性を確保できます。
注意:VM Add-on は SoundID Reference の有料アドオンです。詳しくはこちらをご覧ください。
解説動画:
SoundID Reference Virtual Monitoring Add-on を使用するには、次の動作環境を満たしていることを確認してください。
Virtual Monitoring Add-on ライセンスを既に購入済みの場合は、次の手順で登録・アクティベーションを行います。
注意:SoundID Reference と Virtual Monitoring Add-on で別々のライセンス/キーをお持ちの場合は、各キーを個別に登録・アクティベーションしてください。
SoundID Reference と VM Add-on の無料体験版を開始するには、次の手順を行います。
注意:この無料体験版には、最上位バージョンの SoundID Reference(Multichannel)と、利用可能なすべてのアドオンが含まれます。
VM Add-on 機能は、SoundID Reference のスタンドアロンアプリと DAW プラグインで有効にできます。VM Add-on はヘッドフォン専用機能のため、ヘッドフォンプロファイルが読み込まれているときにのみ表示されます。
注意:[WIN]Windows 版の SoundID Reference スタンドアロンアプリでは、VM は Virtual Windows audio driver と Virtual Windows audio to ASIO driver の 2 つのドライバーモードでのみサポートされます。詳細は[WIN]SoundID Reference スタンドアロンアプリのオーディオドライバーの種類をご覧ください。
Virtual Monitoring を読み込むと、Flat Target、Dolby Atmos Music、Custom Target、Translation Check などのターゲットモードを選択できます。
Translation Check には、ヘッドフォン上の Virtual Monitoring Add-on 専用に開発された 10 種類の空間シミュレーションターゲット(Cars、Laptops、Smartphones、TVs)も用意されており、Virtual Monitoring Add-on(VM)の能力を最大限に引き出します。通常の Translation Check ターゲットが特定機器の周波数特性のみをシミュレーションするのに対し、VM ターゲットは追加データを含み、対象機器をヘッドフォン上で完全に空間シミュレーションします。
たとえば VM を有効にした状態で Smartphone や Car ターゲットを起動すると、ヘッドフォンでモニターしながら、目の前にスマートフォンを持つ感覚や、実際に車内に座っている感覚を物理的にシミュレーションします。VM の詳細はVirtual Monitoring Add-on をご覧ください。
注意:VM プロファイルが読み込まれている間、Translation Check には 10 種類の空間シミュレーションターゲット(VM Add-on 専用の空間ターゲット)のみが表示されます。その他の Translation Check ターゲットを再び表示するには、通常のヘッドフォンキャリブレーションプロファイル用の出力プリセットをもう 1 つ作成してください。
SoundID Reference 用の Virtual Monitoring PRO(VM PRO)は、スタジオ(スタジオモニター)、車、リビングルームなど、ご自身の部屋(またはアクセスできる任意の部屋)を超リアルにヘッドフォン上でシミュレーションするための機能で、どこにいても自分のスタジオを持ち運べます。
SoundID Reference Virtual Monitoring PRO を使用するには、次の動作環境を満たしていることを確認してください。
注意:Virtual Monitoring PRO 製品ライセンスには Virtual Monitoring Add-on の機能も含まれます。上記の要件もあわせてご確認ください。
Virtual Monitoring PRO ソフトウェアを使用するには、Virtual Monitoring PRO 製品ライセンスをユーザーアカウントに追加する必要があります。
注意:SoundID Reference と Virtual Monitoring PRO で別々のライセンス/キーをお持ちの場合は、各キーを個別に登録・アクティベーションしてください。
Virtual Monitoring PRO へのアップグレードを購入済みの場合は、Sonarworks 製品ライセンスのアップグレード方法の手順に従ってください。
Virtual Monitoring PRO の測定プロセスは、専用の SoundID Virtual Monitoring PRO Measure アプリで行う以下の段階で構成されます。
このプロセスでは、EREF バイノーラルマイクがコンピューターに接続されていることを確認し、ソフトウェアがマイクを検出してから使用可能になります。バイノーラルマイクが検出されると、信号の確認プロセスが始まります。ソフトウェアが入力信号を確認できるよう、各バイノーラルマイクを軽くタップしてください。このプロセス中、バイノーラルマイクは常に両耳に装着したままにします。
このセットアップ段階では、使用するオーディオインターフェースを指定し、スピーカーとヘッドフォンの出力チャンネルを確認します。テストトーンを使って、正しいデバイスが選択されていること、各スピーカーからテストトーンが聞こえることを確認できます。スピーカーは SoundID Reference キャリブレーションの有無のいずれでも測定できます。
次にヘッドフォン出力を指定します。手順は上記と同様で、オーディオインターフェースを選択し、L-R チャンネルの出力をテストして正しいことを確認します。
測定プロセスは 2 段階で構成されます。
注意:この段階ではヘッドフォンを装着しないでください。バイノーラルマイクは、遮るものなくスピーカーと部屋のみを捉える必要があります。
注意:この段階ではスピーカーから音を出さないでください。バイノーラルマイクはヘッドフォンの音のみを録音する必要があります。スピーカーの音は測定を妨げます。
プロファイルが作成できたら、次はプロファイルのリアリティを調整します。fine-tuning プロセスでは、最良の結果を得るために A/B 比較を行います。
Virtual Monitoring PRO プロファイルが完成して保存できる状態になると、ソフトウェアが画像プリセットを提示するほか、使用するカスタム画像をアップロードすることもできます。この画像は、キャリブレーションプロファイルを読み込んだ際に SoundID Reference 内で使用されます。最後に、わかりやすいようプロファイルに名前を付けます。
VM PRO キャリブレーションプロファイルを保存した状態で SoundID Reference アプリを開くと、キャリブレーションプロファイルが自動的に読み込まれます。SoundID Reference Measure アプリを閉じてしまった場合は、次の手順で新しく作成したプロファイルを読み込みます。
注意:さらにカスタマイズするための Custom Target 機能は、Virtual Monitoring PRO プロファイルで利用できます。
VM PRO プロファイルで左右(L/R)チャンネルの偏りに気づき、ステレオイメージがずれてファントムセンターが片寄って感じられる場合があります。
解決方法:
Virtual Monitoring PRO には バイノーラル In-ear マイク(EREF)が付属します。この In-ear マイクは Virtual Monitoring PRO の測定専用に設計されており、モニター・部屋・ヘッドフォンを測定して、測定した部屋をシミュレーションするバイノーラルキャリブレーションプロファイルを作成します。SoundID Reference の XREF / MREF 測定用マイクはこの用途には使用できません。
本ソフトウェアはバイノーラルマイクなしでは購入できません。現在、この専用マイクは単体では提供されていません。
Sonarworks EREF Binaural In-ear Microphone (2025) ユーザーマニュアル
はい、可能です。測定したい部屋の音響があまり理想的でなく、既に SoundID Reference のスピーカーキャリブレーションを使用している場合は、スピーカーキャリブレーションを適用した状態で VM PRO プロファイルを作成できます。
Virtual Monitoring PRO Measure アプリには、プロファイル作成プロセス中に「既存のスピーカーキャリブレーションプロファイルを読み込む」オプションがあり、未補正の部屋の音ではなく、キャリブレーション済みの部屋の音を取り込めます。詳細は本記事の Playback device setup をご覧ください。
SoundID Reference v5.13 アップデート(Virtual Monitoring PRO リリースのアップデート)以降、Virtual Monitoring 機能のレイアウトが変更されました。右下にあった Virtual Monitoring セクションは削除されました。
Virtual Monitoring(VM・VM PRO の両方)は、「What do you want to do?」メニュー(旧「Select your calibration profile」メニュー)から別個のプリセットとして追加するようになりました。
Virtual Monitoring プロファイルのオン/オフは、Output Panel(左サイドバー)で通常のヘッドフォンキャリブレーションと Virtual Monitoring のプリセットを切り替えるだけで行えます。
既存の SoundID Reference EDU ベースライセンスをお持ちであれば、Virtual Monitoring Add-on と Virtual Monitoring PRO のいずれもご使用いただけます。
いいえ。現在、教育向けの提供は SoundID Reference ベースライセンスにとどまります。
いいえ。Virtual Monitoring プロファイルを Apollo X デバイスやその他の連携デバイスにエクスポートすることはできません。
はい。既存ライセンス所有者向けに 2 つのアップグレードパスが用意されています(価格はこちら)。
基本的には、SoundID バイノーラル In-ear マイク(EREF)に付属の USB-C ケーブルのご使用を強く推奨します。ただし USB-C to USB-A 3.0 ケーブルは使用できます。これはハブについても同様です。USB 2.0 には対応していません。
SoundID バイノーラル In-ear マイクは Virtual Monitoring PRO の測定プロセス専用に設計されています。これを使ってヘッドフォンキャリブレーションプロファイルを作成することはできず、その他の用途での使用も推奨しません。
とはいえ、本機は USB-C のクラスコンプライアント・オーディオデバイスであり、さまざまなアプリケーションの I/O 設定で入力オプションとして表示されます。ぜひ自由に試してみてください。
参照元記事: