新機能 – Maschine+ における Maschine 3.3.1
Maschine+ がさらに進化しました。最新の 3.3.1 アップデートにより、Maschine 3 デスクトップエンジンのパワーがスタンドアロン・ハードウェアにも搭載され、統一されたクリエイティブ・プラットフォーム、向上したパフォーマンス、そして未来に向けたよりスマートなワークフローが実現します。
詳細については、こちらのコミュニティ投稿をご覧ください。
はじめに
- Maschine 3 ライセンスが必要です
新機能を有効化するには、有効な Maschine 3 ライセンスをお持ちである必要があります。こちらのリンクから入手いただけます。 - デバイスをアップデートする
Maschine+ 上で、Settings(設定) > System(システム) に進みます。画面の指示に従い、以下をインストールしてください:
- Native OS 2.0.0
- Maschine Software 3.3.1 - Maschine+ の再登録を行うよう案内されます。
Maschine 3 の一般的な機能の使い方については、こちらをご参照ください:
本記事では、Maschine+ ハードウェア上での Maschine 3.3 の使用方法について解説します。
統合されたMaschineエンジン
Maschine+ は、Maschine 3 デスクトップと同じコアエンジンで動作するようになりました。これにより以下が可能となります:
- デスクトップとのプロジェクトや機能の共有
- 将来のワークフローやコンテンツに対応できる基盤
- ラップトップでもスタンドアロンでも一貫したクリエイティブ体験
Bounce in Place
Bounce in Place は、プラグインを使用したサウンド・スロットをオーディオにレンダリングし、CPU負荷を軽減するとともに、Sampler などを使ったさらなるオーディオ編集を可能にします。
Maschine+ での使用方法:
- サウンド・スロットにプラグインを読み込み、パターンを作成します。
- 対象のサウンド・スロットで Pad Mode ページ に入ります。
- SHIFT を押しながら Soft Button 6(Bounce) を押します。
- 表示されるプロンプトを確認し、MIDI とプラグインチェーンをオーディオループに置き換えます。
重要: Bounce in Place は破壊的処理です。元に戻す操作(Undo)は、セッション履歴が保持されている間のみ可能です。
Maschine+ で Maschine バージョン3.3のプロジェクトを初めて読み込む際、以下のプロンプトが表示されます。(メニューオプションから無効にすることも可能です。)
“Bounce in Place – Apply the Bounce in Place feature when using multiple Kontakt instruments to reduce CPU load.”
「Bounce in Place – 複数の Kontakt インストゥルメントを使用する際に、この機能を適用することで CPU 負荷を軽減できます。」
最初にバウンスを実行する際、以下のプロンプトが表示されます:
“You are about to convert the patterns in this sound slot into audio loops. This removes all MIDI events from both Patterns and Clips, and replaces your existing Plugin chain with the Audio plugin.”
「このサウンド・スロット内のパターンをオーディオループに変換しようとしています。これにより、パターンおよびクリップ内のすべてのMIDIイベントが削除され、既存のプラグインチェーンはAudioプラグインに置き換えられます。」
Bass Synth の機能強化
Maschine に内蔵されている Bass Synth に、新たなサウンドシェイピング機能が追加されました:
コントロール | 機能 |
---|---|
Oscillator 2 | 新しいオシレーターが追加され、より豊かなレイヤリング |
Detune | オシレーター間に広がり(width)と動きを生み出す |
Mix | オシレーター1と2をブレンドする |
Maschine+ のユーザーコード機能(User Chords)
Maschine+ が、コンピューターを使用せずにカスタムのユーザーコードセットを作成・利用できるようになりました。
コードセットの作成手順:
- CHORDS ボタンを押してキーボードページを開きます。
- Soft Button 4 – USER CHD を押します。
- 希望するノートを演奏/選択します。
- Soft Button 3 – PREVIEW を押してテストします。
- USER CHD を再度押して、コードを確定します。
最大で12のユーザーコードを含むセットを64個まで保存できます。
ユーザーコードを演奏する方法:
- CHORDS モードに入ります。
- Knob 3 でモードを選択し、User Chd を選びます。
- パッド上に、作成した 12 個のカスタムコードが表示されます。
コードセットを転送する方法:
- macOS 上:
~/Library/Application Support/Native Instruments/Shared/User Chords/ - Windows 上:
%USERPROFILE%\AppData\Local\Native Instruments\Shared\User Chords\ - Maschine+ 上:
/Native Instruments/Maschine 3/User Chords/ (SDカード上)
重複を避けるため、必要に応じてファイル名を変更してください。これらの .json ファイル は、デバイス間で自由に共有・インポートすることができます。
詳細について: Creating Your Own Chords
対応ファイルフォーマットの拡張
より幅広いオーディオファイル形式のインポート/エクスポートに対応しました:
- インポートに追加:MP3, MP4, FLAC, OGG
- エクスポートに追加:MP3
Kontrol Sシリーズ MK3 & Massive NKS2 サポート
Maschine+ は新たに以下とのフル統合に対応しました:
- Kontrol Sシリーズ MK3 キーボード
- Massive (NKS2 対応)
接続方法:
- Kontrol MK3 を USB で接続します。
- Massive または NKS2 対応インストゥルメント を使用するプロジェクトを読み込みます。
- MK3 のディスプレイとエンコーダー を使って、直接演奏・操作が可能です。
アクセシビリティの改善(NI Accessibility Helper v2)
新しい NI Accessibility Helper は、視覚に障がいのあるユーザーに対して、Maschine+(コントローラーモード)および Maschine MK3 で、より統合された操作体験を提供します。
主な改善点:
- システムトレイから自動起動 — 手動で立ち上げる必要がありません
- 接続された Maschine ハードウェアを自動的に検出
- アクセシビリティ音声読み上げのハードウェアでの切り替え(SHIFT + PLAY)
- ゾーンナビゲーション、音声プロンプト、Tour Mode に完全対応
Maschine における Accessibility Helper v2.0.1 の変更点について、詳しくはこちらをご覧ください。
USB 接続による Ableton Link
Maschine+ は、Wi-Fi を使用せずに USB 経由でAbleton Link をサポートするようになりました。
有効化手順:
- Maschine+ をUSB-Bポート経由で、Link 対応デバイス(コンピュータまたはスタンドアロン機器)に接続します。
- Maschine+ 本体で Settings > MIDI > Page 2 に移動します。
- Knob 5 - Link Enabled を On に切り替えます。
右側の画面に、接続されたピア(デバイス)の数を示すステータスバーが表示されます。