
Chorusエフェクトは、1つの音源を、よく似た複数の音源がユニゾンで演奏しているように聴かせるためのものです。複数の演奏者が同じパートを演奏するときに自然に生じる、タイミングやピッチのわずかなずれをシミュレートします。図13のように、原音とその遅延信号をミックスすることでこの効果を生み出します。
コーラスエフェクトでは、遅延信号が独立したエコーとして聴こえるのではなく、原音となめらかに溶け合うよう、ディレイラインを短くする必要があります。さらに効果を高めるため、ディレイラインの長さを変調し、各ボイス間にわずかなピッチのずれが感じられるようにしています。


図13:Chorusモジュール
Depthノブは、ディレイラインの長さにかかる変調の量を調整します。左いっぱいでは変調はかからず、ディレイは一定のままです。時計回りに回すほど変調が深くなり、ボイス間のデチューンの度合いが大きくなります。
Rateノブは、変調の周波数、つまりディレイの長さが揺れる速さを設定し、サウンドにビブラートのような動きを加えます。変調の周波数は、ホストシーケンサーのテンポに同期させることができます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューで音符の分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホストシーケンサーで設定されたテンポによって決まります。
Phatボタンは、コーラスエフェクトで使用するボイス数を切り替えます。オンにするとボイス数が増え、より豊かで厚みのあるサウンドになります。
Spreadノブは、ボイスがステレオフィールド上にどれだけ広く配置されるかを調整します。左いっぱいの位置では、両チャンネルに左右の出力が同じ割合でミックスされ、モノラルのサウンドになります。右いっぱいの位置では出力が完全に分離され、コーラスの左出力は左チャンネルのみに、右出力は右チャンネルのみに送られ、広いステレオイメージになります。
最後に、Mixノブはドライ信号とウェット信号のバランスを調整します。左いっぱいではドライ(未処理)の入力信号のみが聴こえます。右いっぱいではウェット(処理済み)のコーラス信号のみが出力されます。中央の位置では、ドライとウェットが同じ割合でミックスされます。

Compressorモジュールは、信号のダイナミックレンジ、つまり最も小さい部分と最も大きい部分の差を自動的に縮めるためのものです。
圧縮が始まるレベルは、Thresholdパラメーターで設定します。この値はデシベル(dB)で表され、入力信号レベルがどこまで達すると圧縮が開始されるかを決定します。入力レベルは、モジュール内の1つ目のレベルメーターで確認できます。
Ratioパラメーターは、スレッショルドを超えた部分の信号に適用する圧縮量を調整します。範囲は1:1〜1:16で、スレッショルドを超えた信号の入力側と出力側のdB比を表します。たとえば比率が1:5の場合、入力がスレッショルドを5 dB超えても、出力は1 dBしか超えません。比率を大きくするほど、圧縮が強くなります。
さらに2つのコントロール、AttackとReleaseで、コンプレッサーの時間的な反応を決定します。Attackパラメーターは、入力がスレッショルドを超えてから完全に圧縮がかかるまでの時間をミリ秒単位で設定します。アタックタイムが短いとコンプレッサーはすばやく反応し、長いとより緩やかにかかり始めます。Releaseパラメーターも同様に、入力信号がスレッショルドを下回ってから圧縮が解除されるまでの時間を定義します。どちらの設定も、コンプレッションの反応性やキャラクターを左右します。
Makeupノブは、モジュール全体の出力レベルを調整します。圧縮処理によって下がった信号レベルを補い、一定の出力音量を保つことができます。
Mixノブは、ドライ(未処理)信号とウェット(処理済み)信号のブレンドを調整します。左いっぱいではドライ信号のみが、右いっぱいでは処理済み(ウェット)信号のみが聴こえます。中央の位置では、ドライとウェットが同じバランスになります。
モジュール中央にあるGain Reductionメーターは、かかっている圧縮量を表示します。この値は、メイクアップゲインを適用する前の入力レベルと出力レベルの差を表しています。
Delayモジュールは、ステレオのフィードバックループと、そのループ内に挿入された可変ディレイで構成されています。ディレイタイムが長い場合(100 msを超える場合)はエコー効果を、短い場合(100 ms未満の場合)はサウンドに色付けをする効果を生み出します。

Delayノブは、ディレイタイムを秒単位で調整します。時計回りに回すほどディレイタイムが長くなります。ディレイタイムはホストシーケンサーのテンポに同期させることができます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューでディレイタイムの音符分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホストシーケンサーで設定されたテンポによって決まります。
Feedbackパラメーターは、ディレイラインの終端で信号に適用されるゲイン係数(0〜1)を設定します。フィードバックループに再注入される信号の量を調整するもので、0(左いっぱい)では信号はフィードバックされず、ディレイは1回だけ発生します。値を上げるほどディレイラインに戻される信号が増え、同じディレイタイムでもエコーが長く続きます。最大値(1.0)では遅延信号のすべてがフィードバックされ、エコーが際限なく続きます。
このゲインコントロールに加えて、フィードバック信号にローパスフィルターをかけることができます。Cutoffノブでこのフィルターのカットオフ周波数を設定し、エコーの明るさを調整できます。
Panノブは、入力信号を左右のディレイラインにどう振り分けるかを調整します。左いっぱいでは入力が左のディレイラインにのみ送られ、エコーが左右のチャンネル間ではっきりと交互に繰り返されます。これが典型的なピンポン効果です。右いっぱいではその逆になり、最初のエコーが右チャンネルから聴こえます。中間の位置では、より繊細なステレオ効果が得られます。Panノブが中央にあるときは、両方のディレイラインに同じ量の信号が送られます。
Delayモジュールの出力は、原音(ドライ)と遅延音(ウェット)のミックスです。WetノブとDryノブで、出力に含まれるそれぞれの成分の振幅を調整します。いずれのノブも時計回りに回すほど、その信号の振幅が無音から最大+6 dBまで大きくなります。
Distortionモジュールには3種類のディストーションが用意されており、Shapeセレクターノブで選択します。

Driveノブは入力ゲインを調整します。ディストーションカーブの非線形領域に信号をどれだけ強く押し込むか、つまりエフェクトの強さを調整します。左いっぱいの位置では入力信号が−6 dB減衰し、時計回りに回すほど入力ゲインが大きくなります。
Toneノブは、ディストーション適用後の信号の音色を調整します。左いっぱいでは高域が減衰し、右いっぱいでは低域がカットされます。中央の位置では、音色バランスはフラットで変化しません。
Volumeノブは、歪んだ信号の出力ゲインを設定し、処理後の全体の音量を調整します。
最後に、Mixノブはモジュール出力におけるドライ(未処理)信号とウェット(歪んだ)信号をブレンドします。左いっぱいではドライ信号のみが、右いっぱいでは歪んだ信号のみが聴こえます。中央の位置では両者が同じ割合でミックスされます。
Equalizerモジュールでは、4つの独立した周波数バンドで音作りができます。各バンドでは、ローシェルフ、ハイシェルフ、2次ローパス、2次ハイパス、ピーキングの中からフィルタータイプを選択できます。
すべてのフィルターは、次の3つのパラメーターを共通で持っています。

ローシェルフフィルターの動作を図14に示します(※訳注:原文では「Figure 16」と記載されていますが、内容上は図14が該当します)。このフィルターはカットオフより低い周波数にゲインを適用し、それより高い周波数は変化させません。Gainの値がプラスかマイナスかによって、低域をブーストまたはカットできます。

図14:ローシェルフフィルター
ハイシェルフフィルターも同様に動作しますが(図15)、こちらはカットオフより高い周波数に作用し、低い周波数は変化させません。
ローシェルフとハイシェルフのいずれのフィルターでも、Qを上げるとバンド間の移行が急峻になります。また、カットオフ周波数付近で、ブースト側にはレゾナンスによる盛り上がりが、カット側にはわずかな落ち込みが生じます。

図15:ハイシェルフフィルター
ローパスフィルターとハイパスフィルターを図16に示します(※訳注:原文では図番号が「??」と表記されています)。ローパスフィルターは、カットオフより高い周波数を減衰させ、低い周波数を残します。ハイパスフィルターはその逆で、カットオフより低い周波数を減衰させ、高い周波数を通過させます。どちらも2次フィルターのためレゾナンスを持つことができ、その量はQノブで調整します。ロールオフ特性は12 dB / オクターブです。

図16:2次ローパスフィルターと2次ハイパスフィルター
ピーキングフィルターは、カットオフ周波数を中心とする周波数帯域にゲインを適用します。Gainがマイナスのときは、狭い周波数帯域を減衰させるノッチフィルターのように動作します。Gainがプラスのときは、図17のようにその帯域をブーストします。

図17:Gainパラメーターがプラス / マイナスのときのピーキングフィルター
Outputノブは、モジュール全体の出力レベルを±20 dBの範囲で調整します。中央の位置ではレベルは変化しません。時計回りに回すと出力が上がり、反時計回りに回すと下がります。
Mixノブは、ドライ(未処理)信号とウェット(処理済み)信号のブレンドを調整します。左いっぱいではドライ信号のみが、右いっぱいでは処理済み(ウェット)信号のみが聴こえます。中央の位置では、ドライとウェットが同じバランスになります。
Flangerモジュールは、サウンドに疑似的なピッチ感や「シュワーッ」という効果を加える、古典的なフランジング効果を実現します。これは、原音と、時間とともに遅延時間が変化する遅延信号をミックスすることで得られます。

図18のように、入力信号は可変ディレイラインに送られます。このディレイの出力はドライ(原音)信号とミックスされ、フィードバック経路を通じてディレイラインに再注入されます。

図18:Flangerのアルゴリズム
このエフェクトは、図19のように、ある基本周波数の奇数倍の間隔で、信号の周波数スペクトルにノッチ(欠落)を生じさせます。この基本周波数(f0)の位置とスペクトル上のノッチの間隔は、ディレイラインの長さによって次のように決まります。

ディレイが長いほど基本周波数は低くなり、倍音の間隔は狭くなります。ディレイが短いほどf0は高くなり、倍音の間隔は広がります。

図19:Flangerモジュールの周波数特性(ディレイラインの長さによる効果)
エフェクトの深さは、ミックスにおけるドライ信号とウェット信号の比率によって変わります(図20参照)。ミックスにウェット信号を多く加えるほど、ノッチがはっきりします。さらに、周波数特性はディレイラインに再注入されるウェット信号の量によっても形作られます(図21)。フィードバックを増やすと、ディレイの影響を最も受けにくい周波数(一般に偶数倍の間隔にある周波数)が強調されて、スペクトルのピークが鋭くなり、見かけ上のピッチシフトが生じます。

図20:ウェット / ドライ信号のミックスがFlangerモジュールの周波数特性に与える効果

図21:フィードバック量がFlangerモジュールの周波数特性に与える効果
Delayノブは、基準となるディレイの長さをミリ秒単位で設定します。このディレイは、Depthノブで設定した量だけ変調させることができます。Depthノブが左いっぱいのときは変調は発生せず、ディレイは一定のままです。時計回りに回すと、ディレイラインの長さが揺れ始め、それに応じて変調の深さが大きくなります。
この変調の速さは、振動の周波数を設定するRateノブで調整します。変調の周波数は、ホストシーケンサーのテンポに同期させることができます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューで音符の分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホストシーケンサーで設定されたテンポによって決まります。
Feedbackノブは、遅延信号をディレイラインにどれだけフィードバックするかを調整し、エフェクト全体の強さと音色を形作ります。
最後に、Mixノブは出力におけるドライ信号とウェット信号のブレンドを決定します。左いっぱいではドライ信号のみが聴こえます。中央の位置ではドライとウェットが同じ割合で含まれ、右いっぱいでは処理済み(ウェット)信号のみが出力されます。

Guitar Amplifierモジュールは、スピーカーキャビネット・シミュレーションとスプリングリバーブを備えた、多用途な2チャンネルアンプです。最小限のコントロールながら、さまざまな音楽スタイルに合う幅広いトーンを作り出せます。
アンプセクションのオン / オフは、モジュール左側の最初のセクションの右上にあるLEDをクリックして切り替えます。
Voiceセレクターでは、3種類のアンプボイシングを切り替えます。
Driveノブは歪みの量を調整します。時計回りに回すほど、ゲインとサチュレーションが増えます。
Midノブは中音域のレベルを設定します。中央の位置では中音域は変化しません。左に回すと中音域がカットされ、右に回すとブーストされます(最大±12 dB)。
LowノブとHighノブは、それぞれ低音域と高音域を調整します。中央のニュートラル位置から最大±18 dBのカット / ブーストが可能で、どのアンプボイスでも同じように動作します。
Outputノブは、アンプセクションの音量レベルを調整します。なお、このコントロールは、選択したアンプボイスによっては周波数特性にわずかな影響を与えることがあります。
スピーカーキャビネット・シミュレーションは、Cabinetセクションの右上にあるLEDで有効にします。この機能は、実際のギタースピーカーとキャビネットによる音色の色付けを再現します。Typeセレクターでは、オープンバックとクローズドバックの構造を選択できます。オープンバックのキャビネットでは、背面に放射された音波が前面の音波と干渉し合うため、より響きが豊かで色付けの強いトーンになります。
Spring Reverbセクションのオン / オフは、Springセクションの右上にあるLEDをクリックして切り替えます。Springノブはかかるリバーブの量を調整し、時計回りに回すほどウェット信号が増えます。
Mixノブは、モジュール出力におけるドライ信号とウェット信号のバランスを決定します。左いっぱいではドライ信号のみ、中央ではドライとウェットが同じ割合、右いっぱいではウェット信号のみが出力されます。
最後に、マスターのOutputノブは、モジュール全体の出力レベルを±20 dBの範囲で調整します。
Notch Filterは、バンドパスフィルターと逆の働きをします。狭い周波数帯域を取り出すのではなく、図22のように、指定した中心周波数付近の周波数を減衰させ、帯域外の周波数には影響を与えません。

Wah Wahエフェクトと同様に、フィルターの中心周波数を変調させることができます。Freqノブはノッチの中心周波数を設定します。時計回りに回すほど周波数が高くなります。

図22:ノッチフィルターの周波数特性
Depthノブは、中心周波数にかかる変調の幅を調整します。時計回りに回すほど、変動の幅(エクスカーション)が大きくなります。
Rateノブは変調の速さを決定します。時計回りに回すほど変調が速くなります。
変調はホストシーケンサーのテンポに同期させることもできます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューで音符の分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホスト側のテンポ設定によって決まります。
Mixノブでは、ドライ信号とウェット信号のブレンドを調整できます。左いっぱいではドライの入力信号のみが、右いっぱいではフィルター処理された(ウェット)信号のみが聴こえます。中央の位置では、ドライとウェットが同じ割合で出力されます。
最後に、Outputノブはモジュール全体の出力レベルを調整します。
Phaserモジュールは、フェイジングと呼ばれるエフェクトを実現します。フェイジングは、信号のスペクトルから特定の周波数帯域を取り除くことで音に色付けをするものです。この効果は、オールパスフィルターを使って信号の周波数成分の位相を変化させ、処理した信号を原音(ドライ信号)とミックスすることで得られます。

このモジュールで使用しているアルゴリズムを図23に示します。入力信号は可変オールパスフィルターに送られ、その結果得られたウェット信号がドライ入力とミックスされます。フィードバック経路により、ミックスされた信号をフィルターに再注入して効果を強めることができます。

図23:Phaserのアルゴリズム
オールパスフィルターは、信号の周波数成分を、周波数が高いほど大きくなる量だけ遅延させます。図24のように、この位相の変化により、ウェット信号を原音とミックスしたときに部分的な打ち消し合いが起こります。位相のずれが180度に達すると、その周波数成分はドライ信号の対応する成分と完全に逆相になり、最大の除去が起こります。
図24のとおり、フェイジングの量はウェット信号とドライ信号の比率によって決まります。ミックスにウェット信号を多く加えるほど、周波数スペクトルのノッチが深くなります。Phaserの周波数特性の形は、フィードバックループに再注入されるウェット信号の量によってさらに変化します。フィードバックを増やすと、特にオールパスフィルターの影響を受けにくい周波数で、スペクトルのピークが鋭くなります。
PhaserはFlangerモジュールと似たしくみで動作しますが、得られるフィルタリングは異なります。Flangerが倍音関係にある等間隔のノッチを生じさせるのに対し、Phaserは倍音関係にない限られた数の周波数で除去を生じさせます。

図24:Phaserモジュールの周波数特性(ウェット / ドライ信号のミックスが周波数特性に与える効果)
周波数特性における最初のノッチの位置は、Frequencyノブで設定します。この周波数は、Depthノブで設定した量だけ変調させることができます。左いっぱいの位置では変調は無効になり、ノッチは固定されたままです。Depthノブを時計回りに回すと、ノッチが揺れ始め、それに応じて変調の深さが大きくなります。
Rateノブは、この変調の周波数を設定します。変調の周波数は、ホストシーケンサーのテンポに同期させることができます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューで音符の分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホストシーケンサーで設定されたテンポによって決まります。
Feedbackノブは、フィルターに再注入されるウェット信号の量を調整し、エフェクトの鋭さと強さをさらに細かくコントロールできます。
最後に、Mixノブは出力におけるドライ信号とウェット信号のバランスを決定します。左いっぱいではドライ信号のみが聴こえます。中央の位置ではドライとウェットが同じ割合でミックスされ、右いっぱいではウェット信号のみが出力されます。
Reverbモジュールは、部屋やホールの壁で音が反射する自然な響きを再現します。これらの反射音は空間の広がりと奥行きを加え、サウンドに温かみとリアリティをもたらします。私たちはほとんどの場合、何らかの物理的な空間の中で楽器の音を聴いているため、残響は自然な聴取体験に欠かせない要素です。このモジュールは、信号の流れにおいてエフェクトチェーンの最後尾に位置しています。
部屋の音響特性を評価する一般的な方法として、手を叩いてその反響を聴くというものがあります。図25は、このようなインパルスレスポンスの振幅の時間変化を示したものです。応答の最初の部分は直接音(手を叩いた音そのもの)で、その後に一連の明確な反射音が続きます。これらの反射音は徐々に密度を増し、やがてなめらかに指数関数的に減衰していくテール(残響の尾)へと溶け込みます。
個々のエコーをまだ聴き分けられる応答の前半部分は初期反射(early reflections)と呼ばれます。反射音が密集して連続的なテールを形成する後半部分は後期残響(late reverberation)と呼ばれます。この応答全体の長さを残響時間(RT)と呼びます。

図25:部屋のインパルスレスポンス
仮想空間の体感的な大きさは、残響効果に大きく影響します。Sizeセレクターでは、Studio、Club、Hall、Large Hallの中から選択でき、順に容積の大きな空間をシミュレートします。
Decayノブは、リバーブのテールの長さを調整します。これは、仮想の部屋の表面がどれだけ音を反射または吸収するかに相当します。実際の空間では、残響時間は周波数によって異なり、非常に低い周波数や非常に高い周波数は、壁や調度品によってより早く吸収されることがよくあります。LowノブとHighノブでこの周波数による減衰の違いを調整し、スペクトル全体でのリバーブのふるまいを形作ることができます。
もう1つの重要な要素は、空間の形状です。形状が複雑なほど、短い時間でより多くの反射が生じます。この性質は時間密度(time density)と呼ばれ、Diffusionノブで調整します。Diffusionを高くすると、よりなめらかで溶け合ったリバーブテールになり、よく設計されたコンサートホールのシミュレーションに適しています。Diffusionを低くするとエコーが聴き取れるようになることがあり、これは音響的に劣悪な環境の特徴です。

Mixノブは、ドライ(直接音)とウェット(残響音)のバランスを調整します。これは実質的に、聴き手と音源の間の体感的な距離を調整することに相当します。左いっぱいではドライ信号のみが、右いっぱいでは残響音のみが聴こえます。中間の位置では両者がブレンドされ、空間内のさまざまな聴取位置をシミュレートできます。
最後に、マスターのOutputノブは、モジュール全体の出力レベルを±20 dBの範囲で調整します。

Tremoloモジュールはサウンドの振幅を変調し、リズミカルな音量の変化を生み出します。Rateノブは変調の速さ(周波数)を、Depthノブは変調の強さ(音量変化の深さ)を調整します。変調の周波数は、ホストシーケンサーのテンポに同期させることができます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューで音符の分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホストシーケンサーで設定されたテンポによって決まります。
Shapeノブは、サウンドの変調に使用する波形を変更します。左いっぱいの位置では三角波です。時計回りに回すにつれて、波形は徐々になめらかな矩形波へと変化し、変調の感触がなめらかで流れるようなものから、より急峻で刻むようなものへと変わります。
Stereoボタンは、モジュールのモノラル動作とステレオ動作を切り替えます。ボタンがオンのときはステレオモードで動作し、左右のチャンネル間に180度の位相差を持たせて変調がかかるため、音が左右に弾むような、パンニングに似た効果が得られます。ボタンがオフのときは信号がモノラルで処理され、両チャンネルに同じ変調がかかります。
最後に、マスターのOutputノブは、モジュール全体の出力レベルを±20 dBの範囲で調整します。
マルチエフェクトモジュールには、Wah WahとAuto Wahの2種類のワウエフェクトが含まれています。どちらも、バンドパスフィルターを使って、変化する周波数を中心とした周波数帯域を強調するエフェクトです。
Wah Wahエフェクトでは、バンドパスフィルターの中心周波数がユーザーが設定したレートで周期的に変化します。Auto Wahエフェクトでは、中心周波数の変化が入力信号の振幅エンベロープによって駆動されます。


Freqノブは、バンドパスフィルターの中心周波数を設定します。時計回りに回すほど周波数が高くなります。Wah Wahエフェクトでは、このノブで設定した値を中心に中心周波数が揺れます。Auto Wahエフェクトでは、エンベロープに応じて周波数が上昇し始める初期値を設定します。
Depthノブは、中心周波数が動く範囲を調整します。Wah Wahエフェクトでは、Freqノブで設定した値を中心に上下対称にこの幅が適用されます。Auto Wahエフェクトでは、中心周波数はFreqノブで設定した値から始まり、そこから上昇します。Depthノブを時計回りに回すほど、この変調の範囲が広がります。
Rateノブは変調の速さを調整します。Wah Wahエフェクトでは、時計回りに回すほど変調が速くなります。Auto Wahエフェクトでは、このノブはSpeedと表示され、エンベロープフォロワーの時定数を調整します。時計回りに回すほど時定数が小さくなり、エンベロープフォロワーが入力信号の振幅の変化にすばやく反応するようになります。
Wah Wahエフェクトでは、変調の速さをホストシーケンサーのテンポに同期させることができます。同期を有効にするにはSyncボタンをクリックし、その上にあるドロップダウンメニューで音符の分割値を選択します。同期値は、4分音符16個分(全音符4個分に相当)から4分音符の1/8(32分音符)までの範囲です。実際の長さは、ホストシーケンサーで設定されたテンポによって決まります。
Mixノブは、ドライ信号とウェット信号のバランスを調整します。左いっぱいではドライ信号のみが、右いっぱいではウェット(エフェクト処理済み)信号のみが聴こえます。中央の位置では、ドライとウェットが同じ割合で出力されます。
最後に、Outputノブはモジュール全体の出力レベルを調整します。
参照元情報:AAS Lounge Lizard EP-5 user manual
https://www.applied-acoustics.com/lounge-lizard-ep-5/manual/