Waves配信音質向上パック導入ガイド

Waves配信音質向上パック導入ガイド


本ガイドでは、配信の音質を引き上げたい配信者の皆様へ、「Waves配信音質向上パック」の導入から具体的な設定方法までを詳しく解説します。

1. はじめに:Waves配信音質向上パックの概要

「Waves配信音質向上パック」は、配信中の声のノイズを除去し、聞き取りやすいクリアな音質に整えるための厳選プラグインセット。開発元の「Waves」は、世界中のレコーディングスタジオや放送局で標準的に使用されている、オーディオソフト界のトップブランドです。

本パックの最大の魅力は、「専門的な機材知識がなくても、数個のつまみを調整するだけで声を理想の状態に整えられる」点にあり、誰でも簡単に「音のプロ」の技術を配信に取り入れることができます。


2. セット内容と各プラグインの役割

本パックに含まれる5つのコンポーネントの役割とメリットをまとめました。
  1. Silk Vocal(声の明瞭化):補正EQやコンプを自動処理。自然で抜けの良い声に仕上げます。

  2. Vocal Rider(音量の自動均一化):小さすぎる声や急な大声を検知し、常に一定の音量を保ちます。

  3. Clarity Vx(AIによるノイズ除去):AIが声とノイズを判別。キーボード音やエアコン音を強力に消去。

  4. W43 Noise Reduction(環境音維持型ノイズ低減):楽器の音を自然に残しつつノイズを低減。弾き語り等に最適。(プラグイン管理ツール):OBS上で複数のWavesプラグインを一括管理・操作します。

3. 導入前の重要確認事項(システム要件)

!WARNING  利用環境に関する重要な制限

  1. OS環境 : 本パックは基本的にWindowsでの使用を想定して構成されています。
  2. Apple Silicon搭載Mac : Apple Silicon(M1/M2等)搭載Macで使用する場合、 Intel版のOBS Studioをインストールする必要があります。
  3. ステレオ専用 : StudioVerseはステレオ専用ツールです。以下のモノラル専用プラグインは非対応のためご注意ください。
    1. Debreath / GTR3 Tuner / PRS SuperModels / UltraPitch

4. 導入ステップ1:プラグインのインストール手順

まずは、Waves製品をPCで利用可能にするための基本手順を進めます。
  1. Wavesアカウントの作成 : 公式サイト(waves.com)でアカウントを登録し、ログインします。

  2. 製品登録 : アカウント内の「Register New Products」へ、購入時に届いたシリアルコード(ライセンスコード)を入力し紐付けます。

    1. シリアルコードとは?:購入した製品が本当に正規のものかを確認し、機能を全て使えるようにするための暗証番号のようなものです。製品購入時にメールで届く文字列が該当します。ライセンスコードなどと呼ばれる場合もあります。
  3. Waves Centralの導入 : 管理ソフト「Waves Central」をダウンロード・インストールし、ログインします。

  4. プラグインのインストール : Waves Centralの「Install Products」から、購入した各製品を選択してインストールを実行します
    1. 手順:Waves Centralにログイン→「Install Products」→「My Products」→購入製品にチェック→「Install」を選択


5. 導入ステップ2:StudioVerse Audio Effects for OBSのインストール

OBS上でWavesプラグインを動かすための「橋渡し役」を導入します。お使いのライセンスバージョンによって検索ワードが異なります。
  1. Waves Centralを起動し、 Install Products  >  All Products  タブを開きます。
  2. V15以降の最新版を使う場合 : 検索バーに「 StudioVerse 」と入力し、「StudioVerse Audio Effects」を選択してインストールします。
  3. V14以前のライセンスを使う場合 : 検索バーに「 StudioRack 」と入力し、「StudioRack」を選択してインストールします。※基本的には最新版(V15.0.0以上)のインストールを推奨します。

6. OBS Studioでの設定・読み込み手順

OBS上でプラグインを有効化し、管理画面を立ち上げる手順です。
  1. OBSを起動し、音声ミキサーのマイク等のメニュー(3点アイコン)から「 フィルタ 」を選択します。
  2. 左下の「+」から「 VST 2.x プラグイン 」を追加します。

  3. プラグインリストから「 Waves StudioRack for OBS 」を選択します。※「StudioVerse」をインストールしていても、OBS上のリスト表示名は「Waves StudioRack for OBS」となりますので注意してください。

  4. 「 プラグインインターフェイスを開く 」をクリックして、StudioVerseの操作画面を立ち上げます。

7. 実践:プラグインの操作と専用プリセットの活用

専用プリセットの準備と読み込み

複雑な設定をショートカットできる、日本配信者向け専用プリセットを活用しましょう。
  1. 準備 : ダウンロードしたプリセットのZIPファイルは、必ず事前に「すべて展開」で解凍しておいてください。
    1. プリセットのダウンロードはこちら
  2. 性別の選択 : 声質に合わせて「Male(男性向け)」または「Female(女性向け)」のファイルを選択します。
  3. 読み込み : StudioVerse画面上部の「Load(矢印アイコン)」メニューから「Open Preset File...」を選択し、解凍した.xpsファイルを指定します。

各ノブ(1-8番)の調整ガイド

画面上のマクロつまみ(1番〜8番)を操作して、音を追い込みます。

■ Voiceプリセット(雑談・ゲーム実況向け)

AIノイズ除去「Clarity Vx」を中心とした構成です。
  1. Noise : ノイズ除去。右に回すほど声以外の音が消えます。
  2. COMP : 音圧調整。右に回すほど音量が安定しますが、抑揚は少なくなります。
  3. Hi : 声の高音域。右に回すと耳に痛い成分を軽減します。
  4. Mid : 声の中音域。鼻にかかったような音をクリーンにします。
  5. Low : 声の低音域。マイクへの近すぎによるボコボコ音を抑えます。
  6. Output Volume : 最終的な音量。

■ Voice & Singプリセット(歌・弾き語り向け)

楽器の音を活かすため「W43」を使用します。
  1. COMP / Output Volume : 音圧と最終音量の調整。
  2. Noise Hi / Hi Mid / Low Mid : 各音域ごとのノイズ低減。
  3. Voice Hi / Mid / Low : 声の質感(高・中・低音域)のクリーンアップ。

!TIP  アドバイザーのヒント

  1. 負荷の軽減 : 「Voice & Sing」プリセットは「Voice」よりも 動作が軽く、低遅延 です。PC負荷を抑えたい場合や、空調音程度の軽いノイズ除去にはこちらがおすすめです。
  2. 調整のコツ : 初心者の方はまずCOMPやOutputには触れず、ノイズ(Noise)関連のつまみのみを調整することから始めてください。

8. 個別プラグインの読み込み手順とおすすめの組み合わせ

用途に合わせてStudioVerse内のスロットにアサインしてください。

アサイン手順

  1. インターフェース右側にある空の欄(スロット)をクリックします。

  2. 表示されるメニューから、使用したいプラグイン(例:ノイズ除去ならClarity Vxなど)を選んでアサイン(割り当て)します。

  3. 選択したプラグインの個別の操作画面が表示されたら成功です

トーク・雑談中心(VTuber、ゲーム実況)

  1. 組み合わせ例 : Clarity Vx + Silk Vocal + Vocal Rider
  2. 効果 : 周囲の騒音をAIで完全にシャットアウトし、聞き心地の良い音量と質感を作ります。

歌・弾き語り(音楽配信)

  1. 組み合わせ例 : W43 + Silk Vocal
  2. 効果 : ギターなどの楽器音を削りすぎることなく、環境ノイズだけを自然に抑えます。

9. トラブルシューティング:よくある問題と対処法

プラグインがリストに表示されない場合

以下の「リセット手順」を正確に行ってください。
  1. OBSを終了 します。
  2. 下記フォルダにあるファイルを 一度デスクトップへ移動 させます。
  3. Windows : C:\Program Files\VSTPlugIns 内の Waves StudioRack for OBS.dll
  4. macOS : Macintosh HD/Library/Audio/Plug-Ins/VST 内の Waves StudioRack for OBS.vst
  5. OBSを起動 し、リストに表示されていないことを確認します。
  6. OBSを再度終了 し、デスクトップのファイルを元のフォルダへ戻します。
  7. OBSを起動 し、認識されているか確認してください。

インターフェイスの一部が欠けて表示される場合

Windowsの高DPI設定を調整します。
  1. OBSのショートカットを右クリックし「プロパティ」を開く。
  2. 「互換性」タブ >「高DPI設定の変更」をクリック。
  3. 「高いDPIスケールの動作を上書きします」にチェック。
  4. 実行先を「 システム(拡張) 」に設定し、適用して再起動します。

10. まとめ

設定が完了したら、必ずOBSの「録画開始」ボタンを使用してテストを行ってください。プラグインの「ON/OFF」を切り替えながら録画し、自分の声を聴き比べることで、ノイズが消え、声がクリアに前に出てくる効果を確信できるはずです。最高音質の配信をぜひ楽しんでください。