文:プロダクトデザイナー Will Shanks
注:アーティスト名の使用は、Sound City Studiosソフトウェアへの公式な推薦を意味するものではありません。
Sound City Studiosは、1969年にTom SkeeterとJoe Gottfriedによって設立され、カリフォルニア州バンナイズにあるVoxアンプの旧生産倉庫の中に作られました。Sound City Studiosはやがて、史上最も愛され、影響力を持つロックレコードの数々を形作るうえで欠かせない音楽的空間となりました。Dave Grohlのドキュメンタリー映画『Sound City』の題材にもなったこのスタジオは、50年以上にわたって数々のレコードにそのサウンドの刻印を残してきました。Fleetwood Macの同名アルバムに代表される70年代のサウンドから、Tom Petty and the Heartbreakersの80年代のヒット曲、そしてNirvanaの『Nevermind』まで、Sound City Studiosの唱一無二のサウンドは、今なお真に優れたレコーディングの礎であり続けています。スタジオは現在も家族経営で運営されており、クライアント一人ひとりに最大限の配慮と細心の注意を払い続けています。
Sound City Studiosを代表するバンド・アーティストの一部をご紹介します:
Metallica、Red Hot Chili Peppers、Fleetwood Mac、Elton John、Grateful Dead、Santana、Bob Dylan、Johnny Cash、Nirvana、Guns N' Roses、The Black Crowes、Tom Petty and the Heartbreakers、The Killers、Phoebe Bridgers、Queens of the Stone Age、Neil Young、Cheap Trick、Joe Cocker、Bachman Turner Overdrive、Leon Russell、Nine Inch Nails、Weezer、Kings of Leon、Foreigner、Pat Benatar、REO Speedwagon、Arctic Monkeys、Dio、Tool、Slayer、Slipknot、War、Ratt、Kansas、Fear、Kyuss、Rick Springfield
「Sound City Studiosがなければ、今の自分はいない。多くの人が見落としているのは、何かが録音された部屋そのものの重要性なんだ」― Dave Grohl
オーナーのSandy Skeeter(創設者Tom Skeeterの娘)は、Sound City Studiosの最大のヒットレコードで聴くことのできる、唱一無二のStudio Aをキャプチャーする前例のない機会をUniversal Audioに与えてくれました。UAのデザインチームは3日間にわたり、歴史的に正確なクラシックマイクの厳選したセレクションを用いてSound City Studiosをキャプチャーしました。Sound City Studios出身のBill Drescherによる技術協力のもと、長年愛されてきた歴史的に正確なルームとマイクのセットアップの数々を再現しました。
Mick FleetwoodやLindsey Buckinghamを彷彿とさせる、ゴボ(吸音パネル)で囲まれたタイトなドラムやギターから、Nirvanaの『Nevermind』で聴かれるような反射をフルに活かした開放的なルームサウンドまで、あらゆるものを再現しました。Tom Pettyのドラムサウンドに不可欠な、親密でありながら複雑な「ウッドコーナー」セットアップも、左右非対称のルームマイクとモノラルリボンマイクまで含めて完全にキャプチャーしています。
数十年にわたって受け継がれてきたSound City Studiosのグランドピアノレコーディングセットアップでは、ピアノをルームマイクとステレオオーバーヘッドで囲みました。ルームの中央にマイクを設置し、息をのむようなボーカル、ホーン、ストリングスのレコーディングセットアップもキャプチャーしています。リマイク用のオプションとしては、クラシックな2x12オープンバックと4x12クローズドバックのギターキャビネットをキャプチャーしました。さらに、スタジオ内にスピーカーを設置し、あらかじめ録音した任意のソースを大音量で再生して新しいルームサウンドを得るという、オリジナルの「リマイク(re-mic)」のスタジオトリックも再現しています。この「PA」オプションには、UA創設者M.T. "Bill" Putnamが設計した、Sound City Studios所有のヴィンテージUREIスピーカーのペアが使用されています。
Sound City Studiosのカスタムコンソールは2011年にDave Grohlが購入しましたが、本プラグインには同コンソールの本質的な機能とサウンド、そしてSound City Studiosを象徴するアウトボードエフェクトの一部が搭載されています。すべてのミキサーチャンネルにはコンソール由来のナチュラルなフィルタリングが息づいており、チャンネルごとに同じカットフィルタースロープを備えています。Master Effectsセクションには、コンソールの3バンドEQが含まれています。ダイナミクスセクションには、オリジナルのダイオードベースのコンソールコンプレッサーに加え、UAの定番であるUA 1176LNリミッターが含まれています。
Sound City Studiosで新たに加わったのが、ダイナミクスセクションのDolby Aノイズリダクションユニットです。これはSound City StudiosのエンジニアKeith Olsenをはじめとするハウスエンジニアたちが「シークレットウェポン」的なダイナミクスとして使用していたものです。オリジナルのユニットはスタジオのロフトの高所で発見され、入念な研究のために私たちの本社へ運び込まれました。エフェクトの仕上げとして、あまり知られていない(しかし素晴らしいサウンドの)Sound City Studiosのリバーブチェンバーをキャプチャーし、3種類のマイクオプションと「現実を超えた」短めのディケイレンジを加えて拡張しました。
Universal Audioが史上初の本格的なスタジオエミュレーションプラグインであるOcean Way Studiosをリリースしてから、10年以上が経ちました。それ以来、Dynamic Room Modelingによるルームのモデリング・測定技術は着実に進化を続けてきました。Capitol ChambersやHitsville Chambersといったプロジェクトで技術を磨き上げ、ルームキャプチャーと信号ポストプロセッシングのシステムを完成させました。その成果は数々の賞に輝き、フォーカスの定まったナチュラルなルーム表現においてクラス最高の評価を得ています。
マイクを再配置すると、マイクの近接効果やステレオの広がりに関するあらゆる自然な挙動がさらに精密に反映されます。アコースティックな音源の自然な放射パターンを再現する技術も大きく進歩しました。Sound City Studiosの設計の綻密さとリアリズムは、他のいかなるルームエミュレーション製品にも見られない水準に達しています。
そして、この製品は使っていて純粋に楽しいものです。ソースを自由に入れ替え、マイクを交換し、マイクの指向性パターンを変更し、マイクをドラッグして新しい位置に配置でき、ギターキャビネットのマイクをオンアクシス/オフアクシスに設定でき、さらには「あの時代」のスタイルのリマイク手法でルームを大音量で鳴らすことさえできます。Sound City Studiosでの作業は、フル稼働のスタジオを手にしながら、現実の世界なら何時間もかかるセットアップの切り替えを瞬時に行えるようなものです。
Sound City Studiosのソニックフィンガープリント(音の指紋)には、歴史的な重みが宿っています。それは数多くの記念碑的なレコーディングを通じて、私たちの心に消えることなく刻み込まれたサウンドです。極めて精細で忠実な結果を確実にするため、Sound City Studiosで制作されたクラシックなマルチトラックレコーディングの試聴に何百時間も費やし、プラグインの出力をソースと丁寧に比較しました。
この比類なきディテールへのこだわりにより、Sound City Studiosはあらゆるソースに対して正確なエネルギー拡散パターンを再現します。さらに、開発の全過程を通じて数十人のSound City Studios出身者と対話し、歴史的な知見と素晴らしいエピソード(驚くようなゴーストストーリーも!)を可能な限り取り入れました。Sound City Studiosの唱一無二のサウンドと体験を忠実に再現するために細心の注意を払いました。私たちが制作を楽しんだのと同じように、皆さんにも楽しんで使っていただければ幸いです。
参照元情報:Sound City Studios Manual
https://help.uaudio.com/hc/en-us/articles/18738187503380