Universal Audio Native - Precision Enhancer Hz マニュアル

Universal Audio Native - Precision Enhancer Hz マニュアル

ミックス内のベースの存在感を手軽に強化できる、シンプルな専用ツール

UAD-2およびApolloインターフェース向けのPrecision Enhancer Hzプラグインは、ベースの基音(ルート)に対し、選択的に上位のハーモニクスを付加できます。しばしば「ファントム・ベース」と呼ばれるこれらのハーモニクスは、リスナーの音響心理に対してベースの強調効果を与え、どんなに小さなスピーカーでも低域ソースの伝わり方を強めることができます。

Universal Audioは、この手法に対して独自のアプローチを採用しており、シンプルなコントロール構成によって、最小限の調整で正確な結果を得られ、他社製品も含むクラス中で、最も幅広いトーンチョイス - 繊細なものから明確に聞き取れるトーンまで - を実現します。

  • 最大1.5オクターブまでベースレスポンスを拡張、最大限の迫力を得られます
  • 使いやすいコントロールで、個々のトラックやミックス全体の魅力を引き出します
  • ソース素材に最適な5つのモードから選択できます
  • 4種類のエフェクト・スロープでハーモニクス密度のバリエーションを得られます


Precision Enhancer Hzのコントロール

Precision Enhancer Hzのコントロールノブは、他のすべてのUADプラグインと同様に動作します。Effect、Hz Frequency、Outputの各値はテキスト入力でも変更できます。


Effectノブ

Effectノブは、プラグイン内で行われる処理の量をコントロールします。使用可能な範囲は0.00~100.0%です。

技術的には、Effectはエンハンサーへの入力をスケーリングします。このパラメーターを増やすと、一定の入力レベルに対してエンハンサーの出力振幅が高くなります。Effectを増やすと、全体的なエンハンス効果が増大します。

注:プラグイン入力の信号レベルはEffectコントロールと相互作用します。


Effectメーター

Effectメーターは、現在行われている信号処理の量を示します。青いセグメントが多く点灯するほど、信号の強調が強くなっていることを示します。


Effect Solo

Effect Soloは、生成された信号を単独で取り出します。この信号はEffectレベルの影響を受けます。ボタンが赤くなっているとき、Effect Soloは有効です。

Effect Soloの信号は「純粋」なものであり、元の信号やフィルターされたベース信号は一切含まれません。そのため、ソロ信号を単独で聞くと「心地よい」音には聞こえないことがあります。Effect SoloをHz Soloと併用すると、完全に「ミックスされた」効果全体を確認できます。


Mode

5つのMode(A、B、C、D、および「All」)は、できるだけ幅広いソース素材に対応できるように、プラグイン内部を最適化します。Modeコントロールは、信号に適用されるエンハンスの種類を決定します。

ヒント:Modeボタンを連続してクリックすると各Modeを順に切り替えられます。また、各Modeの文字またはLEDをクリックしても選択できます。


Mode A(Bass 1)

Mode Aは、アコースティック・ベースとエレキトリック・ベースの両方に適合します。低い周波数値に設定すると低域を強調し、中域から高域は小型サウンドシステム向けのファントム・ベース生成に役立ちます。


Mode B(Bass 2)

Mode Bは、主にエレキトリック・ベースやDIベース向けで、バランスのとれた中域ハーモニクスによって、ベースをミックスの中で目立たせます。


Mode C(Synth)

Mode Cは、シンセサイザー・ベースやその他のフルレンジ素材向けに特化してチューニングされています。BassモードA・Bよりも幅広いハーモニクスを生成します。Mode Cはサブミックスや全体の素材にも適しています。ハーモニクス信号には適度なコンプレッションが適用され、ハーモニクスの振幅を高め、音色を変化させます。


Mode D(Kick)

Mode Dはディケイが短く、キックドラムやその他のパーカッシブな楽器に最適な設定です。ハーモニクス信号には適度なコンプレッションが適用され、ハーモニクスの振幅を高め、音色を変化させます。


All Mode

Allモードは、創造的な目的や、より明確な結果が必要な場合に、より強調された聞き取りやすい効果を提供します。ハーモニクス信号にはコンプレッションが適用され、ハーモニクスの振幅を高め、音色を変化させます。周波数範囲はMode Aと同様です。

ヒント:Shiftキーを押しながらModeの文字またはLEDをクリックすると、Allモードを選択できます。


Slope

Slopeは、エフェクト信号に適用されるハイパス・フィルターの形状を変更します。このハイパス・フィルターは、信号中のランブル・ノイズやにごりを取り除くのに役立ちます。

Slopeは6、12、24、36dB/オクターブに設定できます。Slopeボタンを連続してクリックすると各値を順に切り替えられます。また、各Slope値またはLEDをクリックしても選択できます。

注:Hz Frequencyが低い値に設定されている場合、Slopeはほとんどまたは全く聞き取れない可能性があります。


Hz Frequency

元のベース・コンテンツのフィルター分離を通じて、Hz Frequencyパラメーターはエンハンス処理のカットオフ周波数を定義します。この値より低い周波数がプロセッサーによってエンハンスされます。使用可能な範囲は16Hz~320Hzです。


Hz Solo

Hz Soloは元のベース信号を単独で取り出し、Effect Soloと組み合わせることができます。ボタンが赤くなっているとき、Hz Soloは有効です。


Output

Outputは、プラグインから出力される信号レベルをコントロールします。使用可能な範囲は-20dB~0dBです。

一般的には、EffectとHz Frequencyのコントロールで希望する処理量を得てから、Outputコントロールを調整します。Outputはエンハンス処理の量には影響しません。また、プラグインが無効化されているときにも影響しません。


Outputメーター

ステレオのOutputメーターは、プラグインの出力における信号レベルを表示します。

プラグインのPowerスイッチでプラグインを無効化した場合(ホスト側のプラグイン有効スイッチではなく)でも、出力メーターは引き続き機能します。


Power

Powerスイッチは、プラグインが有効かどうかを決定します。これは、処理後の設定と原音を比較したり、UADのDSP負荷を減らすためにプラグインをバイパスしたりする際に便利です(UAD-2 DSP LoadLockが有効な場合、負荷は減少しません)。

スイッチを切り替えるか、UAロゴをクリックすると、Powerの状態を変更できます。プラグインが有効なとき、UAロゴは青く点灯します。


操作のヒント

  • Precision Enhancer Hzの効果はさまざまな目的に役立ちます。周波数コントロールを低く設定すると、効果は可聴域の低域まで拡張します。低い周波数は、低域の迫力を加えたり、パーカッシブなベース/キックを強化したりするのに適していますが、やりすぎないよう注意してください。周波数コントロールを中域から高域に設定すると、本来小型スピーカーでは消えてしまうベーストーンを付加するように設計されています。
  • 最も予測可能な結果を得るには、サブウーファーを備えたフルレンジ・システムと、ブームボックスやコンピューター・スピーカーなどの小型コンシューマー向けシステムの両方でミックスを試聴することをおすすめします。
  • プラグインをコンプレッションの前に使用すると、異なる効果が得られます。結果は大きく変わる場合があるため、処理順序をいろいろと試してみることをおすすめします。

参照元情報:Precision Enhancer Hz Manual
https://help.uaudio.com/hc/en-us/articles/33536774357780