Neve 88 Series は、大型フォーマットアナログコンソール設計の模範です。2001 年に登場した 88 Series は、その驚異的な奥行き、空気感、明瞭さが高く評価され、それまでの Neve のすべての設計の長所を巧みに凝縮しています。Neve 88 Series コンソールは Skywalker Ranch や Capitol をはじめとする、世界屈指のスタジオやスコアリングステージに設置されています。
そして今、この現代の傑作を忠実にエミュレートし、その名声を高めた独自のマイク/ラインプリアンプ、カットフィルター、ダイナミクス、4 バンド EQ、さらにポストフェーダー出力アンプまでを、UAD-2 ハードウェアおよび Apollo インターフェース専用として、初めてトラッキングでも利用できるようになりmした。
Neve 88RS Channel Strip Collection は、UAD Neve 88RS と UAD Neve 88RS Legacy の各プラグインで構成されています。これらのプラグインは、オリジナルの Neve 88RS 大型フォーマットコンソールの「ゴールデンユニット」チャンネルストリップ(オリジナルの P&G 出力減衰フェーダーを含む)をベースにしています。
UAD Neve 88RS Channel Strip は、88RS チャンネルストリップの唯一の本格的なエンドツーエンド回路モデルを提供します。入力トランスから始まり、Apollo の Unison テクノロジーと併用したときの実際の物理的なインピーダンススイッチングに至るまで、88RS を極めて詳細にモデリングしています。
4 バンドアクティブ EQ のフィルターの相互作用と内部アンプのクリッピング挙動も、カットフィルターとともにモデリングされています。このプラグインはさらに、88RS のポストフェーダー出力アンプ、出力トランスなどの非線形挙動も忠実に捉えています。
Neve 88RS Channel Strip
物理的な増幅が不要な場合や、回路の非線形性が望ましくない場合(非常にクリーンなサウンドが求められる場合)には、Neve 88RS Legacy チャンネルストリップが 88RS の正確なリニアエミュレーションを提供します。
Neve 88RS Legacy は EQ やダイナミクスの非線形性を含まず、入力段および出力段のモデリングも行わないため、新しい Neve 88RS よりも UAD DSP リソースの使用量が大幅に少なくなります。
Neve 88RS Legacy
Neve 88RS は、Universal Audio の Apollo オーディオインターフェースのマイクプリアンプハードウェアと統合するための Unison テクノロジーを搭載しています。Unison により、Apollo の極めて透明なマイクプリアンプは、Neve 88RS ハードウェアプリアンプの独特なサウンド、入力特性、機能のすべてを継承します。
注:Unison は、Neve 88RS が UAD Console または LUNA 内の専用 Unison インサートに挿入されているときのみ有効です。詳細は Unison を参照してください。
Unison により、Apollo のデジタル制御パネルハードウェアおよび/またはプラグインインターフェースを使用して、Neve 88RS プラグイン設定をシームレスにインタラクティブにコントロールできます。すべての同等のプリアンプコントロール(ゲイン、パッド、極性)はミラーリングされ、双方向です。プリアンプコントロールは、ゲインレベルやクリッピングポイントを含め、Neve 88RS ハードウェアとまったく同じ相互作用の挙動で調整に反応します。
すべての Apollo マイクプリアンプは、アナログハードウェアにおいて可変入力インピーダンスを備えており、Unison プラグインによって物理的に変更でき、マイクからプリアンプへの物理的な抵抗性の相互作用を実現します。このインピーダンススイッチングにより、Apollo のプリアンプはエミュレート対象ユニットの入力インピーダンスに物理的に一致させることができ、これはマイクのサウンドに大きな影響を与える可能性があります。電気的な負荷は A/D 変換の前、入力時に発生するため、そのリアリズムはオリジナルのターゲットハードウェアプリアンプに忠実です。
Apollo のフロントパネルプリアンプノブは、Gain Stage Mode を介して Unison プラグイン内で利用可能なゲインとレベルのパラメーターを個別に調整できます。調整するゲインステージは Apollo からリモートで切り替えられるため、ゲインレベルとそれに関連する色付けを、Unison プラグインのソフトウェアインターフェースを使わずに、ハードウェアノブから精密かつ触覚的にコントロールできます。
注:Unison テクノロジーは Neve 88RS Legacy では利用できません。
著名な Universal Audio アーティストによるプリセットが含まれています。アーティストプリセットには UAD プリセットブラウザーからアクセスできます。
モダンなサウンドシェイピングツールの豊かなパレットを備えた Neve 88RS Channel Strip は、Neve のフラッグシップコンソールの本質を捉えています。コンソールコントロールは、マイク/ラインプリアンプ、12 dB/オクターブのハイカットおよびローカットフィルター、4 バンド EQ、そしてリミッティング、コンプレッション、ゲート、エキスパンションのためのダイナミクスプロセッサーで構成されています。
中央の 2 つの EQ バンドはフルパラメトリックで、柔軟なハイバンドとローバンドは 2 種類の固定 Q タイプと、シェルビング EQ への切り替え機能を備えています。
リミッター/コンプレッサーの VCA は、0.01 秒から 3 秒のリリース、オートリリース、そして固定の高速または低速アタックタイムを持つ連続可変レシオコントロールを提供します。ゲート/エキスパンダーは、0.01 秒から 3 秒のリリースタイム、高速または低速のアタックタイム、さらにあらゆるソース信号に最適なレスポンスへとゲートやエキスパンションプロセッサーを調整するためのスレッショルド、レンジ、ヒステリシスコントロールを提供します。
サイドチェイン EQ(SC-EQ)機能により、ディエッシングなどのタスク向けに周波数依存のダイナミクス処理が可能になります。
Neve 88RS と Neve 88RS Legacy のコントロールはモジュール内にグループ化されています。両方のプラグインには、ダイナミクス、EQ、カットフィルターの各モジュールが含まれます。Neve 88RS には、Neve 88RS Legacy では利用できないプリアンプモジュールが含まれます。
Neve 88RS のモジュール
カットフィルターの出力は、Pre-Dyn スイッチの状態に応じて、下の信号フロー図に示すようにダイナミクスモジュールまたは EQ モジュールの入力へルーティングされます。デフォルトでは、ダイナミクスが EQ の前にあります。Pre-Dyn をエンゲージすると、EQ がダイナミクスの前にルーティングされます。
Neve 88RS 内の簡略化された信号の流れ
Neve 88RS と Neve 88RS Legacy プラグインのモジュールコントロールは基本的に同一です。コントロールに違いがある場合は個別に記載します。
Neve 88RS には、オリジナルコンソールのプリアンプモジュールの完全なモデリングが含まれています。このセクションのコントロールの説明については、下の図を参照してください。
注:Neve 88RS Legacy にはプリアンプモジュールは含まれません。
Neve 88RS のプリアンプ要素
入力選択スイッチは、どちらの入力ゲインノブ(LINE または MIC)がアクティブになるかを決定します。LINE または MIC スイッチのインジケーター LED が点灯しているとき、その入力が選択されています。
ハードウェアと同様に、Neve 88RS プラグインではライン level 信号を「仮想」マイク入力を通じて簡単に送ることができ、ディストーションを使って信号を色付けするクリエイティブな使い方が可能です。これはライン level 信号をマイク level 入力にルーティングするのと同等であるため、大きなゲインの上昇が予想されます。
注:Line から Mic に切り替えるときは、出力レベルが(他のハードウェアプリアンプと同様に)大幅に増加する可能性があるため注意してください。
Unison インタラクション:Neve 88RS が UAD Console または LUNA 内の Unison インサートで使用されているとき、Input Select のソフトウェアおよびハードウェアコントロールはミラーリングされます。Input Select はプラグインインターフェース内、Console の MIC/LINE ボタン、または Apollo のハードウェアボタン(Apollo の MIC/LINE、Apollo Twin の INPUT)で変更できます。
注:Hi-Z 入力が Unison で接続されている場合、MIC 入力が自動的に選択されます。
Line Gain のレンジは ±15 dB です。ライン入力ゲインを上げるには、ノブを時計回りに回します。
ヒント:「0」のテキストラベルをクリックすると、コントロールが 0 dB に戻ります。
Mic Gain のレンジは +20 dB から +70 dB です。マイク入力ゲインを上げるには、ノブを時計回りに回します。
ヒント:「MIC」のテキストラベルをクリックすると、コントロールが 40 dB に戻ります。
Neve 88RS が UAD Console または LUNA 内の Unison インサートで使用されているとき、Apollo マイクプリアンプのハードウェア入力インピーダンスは、マイクからプリアンプへの物理的な抵抗性の相互作用のために、プラグイン内の値に一致するよう切り替えられます。
マイクを最も近いインピーダンス値に合わせることが一般的に推奨されますが、このパラメーターはクリエイティブに使用することもでき、Apollo マイクプリアンプに接続された機器を損なうことはありません。
Overload LED は、モデリングされたプリアンプ入力段で信号クリッピングが発生していることを示します。インジケーターは、クリップが検出された後 1 秒間点灯し続けます。
Unison 注:プラグインが Apollo の Console アプリケーション内の Unison インサートで使用されているとき、Overload は A/D コンバーターのクリッピングを示しません。
Ø(極性)スイッチは入力信号の極性を反転します。スイッチの赤いインジケーター LED が点灯しているとき、入力の極性は反転しています。通常の極性にする場合はスイッチをオフ(LED 消灯)のままにしてください。
Unison インタラクション:プラグインが UAD Console または LUNA 内の Unison インサートで使用されているとき、極性のソフトウェアおよびハードウェアコントロールはミラーリングされます。極性はプラグインインターフェース内、Console/LUNA の極性ボタン、または Apollo のハードウェア極性ボタンで反転できます。
コントロールの位置:Neve 88RS では、Polarity スイッチはプリアンプモジュール内のライン Gain ノブの下にあります。Neve 88RS Legacy では、スイッチはグローバルコントロールセクション内にあります。
-20 スイッチが有効なとき、マイク入力の信号レベルは -20 dB 減衰(低減)されます。-20 スイッチのインジケーター LED が点灯しているとき、パッドはアクティブです。
パッドは、低いプリアンプゲインレベルで望ましくないオーバーロードディストーションが発生している場合に、信号レベルを下げるために使用できます。
注:パッドはライン入力では利用できず、Unison モードで Apollo の Hi-Z 入力と併用する場合も利用できません。これらの場合、コントロールは切り替えられません。
Unison インタラクション:Neve 88RS が UAD Console または LUNA 内の Unison インサートで使用されているとき、パッドのソフトウェアおよびハードウェアコントロールはミラーリングされます。パッドはプラグインインターフェースの -20 ボタン、Console/LUNA の PAD ボタン、または Apollo のハードウェア PAD ボタンで切り替えられます。
Neve 88RS は、低域用と高域用にそれぞれ 1 つずつ、2 つのカットフィルターを備えています。カットフィルターのスロープは 12 dB/オクターブです。各カットフィルターには Enable と Frequency の 2 つのコントロールがあります。
このセクションのコントロールの説明については、下の図を参照してください。
Neve 88RS のカットフィルター
Unison でのローカット:Apollo のハードウェアボタンでフィルターの有効状態を切り替えるとき、最後に設定した周波数値が切り替えられます。
カットコントロールの位置:Neve 88RS では、カットフィルターはプラグインの左列、プリアンプモジュールとダイナミクスモジュールの間にあります。Neve 88RS Legacy では、フィルターはグローバルコントロールセクションの上にあります。
各カットフィルターは、専用の Enable スイッチがエンゲージされているときアクティブになります。これらのスイッチの外観は、以下のとおりプラグインによって異なります。
注:カットフィルターを無効にしても UAD DSP 負荷は削減されません。
Neve 88RS:カットフィルターを有効にするには、Cut Frequency コントロールのすぐ下にある「pull」ラベルテキストまたは赤いインジケーター LED をクリックします。カットフィルターは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Neve 88RS Legacy:カットフィルターを有効にするには、Cut Frequency コントロールのすぐ下にある Enable スイッチをクリックします。カットフィルターは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Frequency ノブはカットフィルターのカットオフ周波数を決定します。
High Cut:ハイカットフィルター(明るい青のコントロール)の利用可能なレンジは 7.5 kHz から 18 kHz です。
Low Cut:ローカットフィルター(濃い青のコントロール)の利用可能なレンジは 31.5 Hz から 315 Hz です。
ダイナミクスセクションは、ゲート/エキスパンダーとリミッター/コンプレッサーで構成されています。これら 2 つのダイナミクスプロセッサーのコントロールは縦の列に配置されており、ゲート/エキスパンダーのコントロールは左列、リミッター/コンプレッサーのコントロールは右列にあります。両方のプロセッサーは個別に有効化または無効化できます。ダイナミクスプロセッサーの動作は Meters に表示されます。
ゲートの設定はコンプレッサーの動作に影響を与えず、その逆も同様です。同じサイドチェイン信号(SC-EQ スイッチの状態に応じて EQ 処理されたもの、またはされていないもの)がゲートとコンプレッサーの両方に送られます。ゲートとコンプレッサーの両方のゲインはその同じ信号に基づいて計算され、その後、両方のゲインは単一のゲインリダクション VCA によって同じ場所で適用されます(「Neve 88RS 内の簡略化された信号の流れ」を参照)。
このセクションのコントロールの説明については、下の図を参照してください。
Neve 88RS のダイナミクス処理要素
Neve 88RS がステレオイン/ステレオアウト構成で使用され、LINK が有効(LINK スイッチ LED が点灯)なとき、コンプレッサーの 2 チャンネルが等量でコンプレッションを行うようになります。
サイドチェインをリンクするとは、単に 2 チャンネルの瞬間的なコンプレッション量が常に同じになることを意味し、これにより出力での左右のイメージシフトを防ぎます。
注:このコントロールは Neve 88RS Legacy では利用できません。Neve 88RS Legacy のサイドチェインは、ステレオまたはモノイン/ステレオアウト構成で使用されるとき、常にリンクされます。
このコントロールは Neve 88RS のサイドチェイン機能を有効にします。サイドチェインがアクティブなとき、EQ モジュールからの信号出力はオーディオパスから除去され、代わりにダイナミクスモジュールをコントロールするためにルーティングされます。ボタンの赤いインジケーター LED が点灯しているとき、Sidechain EQ はアクティブです。
注:サイドチェインが機能するには、EQ モジュールと少なくとも 1 つのダイナミクスモジュールが SC-EQ と併せてアクティブである必要があります(EQ Enable(EQ)を参照)。両方の機能が有効な場合、SC-EQ は P-DYN より優先されます。
サイドチェインは通常、ディエッシングや同様の周波数を意識したテクニックに使用されます。サイドチェインキーをモニターするには、SC-EQ を解除するだけで EQ 処理された信号を聴くことができます。
注:サイドチェインのダイナミクス/EQ 実装は、ステレオイン/ステレオアウト構成で使用されるとき、真のステレオになります。
コントロールの位置:Neve 88RS では、Sidechain EQ スイッチはインターフェース左下のダイナミクスモジュール内にあります。Neve 88RS Legacy では、スイッチはグローバルコントロールセクション内にあります。
ゲート/エキスパンダーモジュールは、ゲートモードまたはエキスパンションモードで動作します。ゲートモードでは、スレッショルドを下回る信号はレンジ(RGE)の量だけ減衰され(図を参照)、ヒステリシスが利用可能です(Gate/Exp Hysteresis(HYST)を参照)。
エキスパンションモードは、ヒステリシス(HYST)コントロールを完全に反時計回りに回すことで(または EXP ラベルをクリックすることで)有効になります。エキスパンションモードでは、ゲートは固定 1:2 のレシオでダウンワードエキスパンションを適用し、ゲインリダクションの量はレンジコントロールによって決まります。両モードで 2 つのアタックスピードと連続可変リリースタイムが利用可能です。
Gate/Expander の図
このボタンはゲート/エキスパンダーモジュールを有効にします。緑のインジケーター LED が点灯しているときモジュールはアクティブです。
このボタンは、ゲート/エキスパンダーの設定をオリジナル信号と比較したり、モジュールを完全にバイパスしたりするために使用できます。このモジュールが非アクティブなとき UAD DSP 負荷は削減されます(UAD-2 DSP LoadLock が有効な場合を除く)。
Hysteresis ノブは、レベルが上昇している信号と下降している信号のスレッショルドの差を設定します。レベルが上昇している信号は、レベルがスレッショルド値にヒステリシス値を加えた値に達したときに通過します。レベルが下降している信号は、より低いスレッショルドレベルでは通過しません。最大 25 dB のヒステリシスが利用可能です。図を参照してください。
ヒステリシスは、スレッショルド値をゲートがオフかオンかに依存させることで、ゲートを「チャタリング(スタッタリング)」しにくくします。上昇する信号レベルに対してスレッショルドを上げることでノイズがゲートを作動させるのを防ぎ、一方で下降するレベルに対してはより低いスレッショルドを許容します。これにより、リバーブテールが早すぎるタイミングでゲートされるのを防ぎます。たとえば、スレッショルドを -50 に、ヒステリシスを 10 に設定した場合、信号が通過するにはレベルが -40 dB を超える必要があり、レベルが -50 dB を下回るまでゲートは開いたままになります。
このコントロールはエキスパンダーモードも有効にします。Hysteresis を完全に反時計回りに回すと、ゲートが無効になり、1:2 のダウンワードエキスパンダーが有効になります。
注:エキスパンダーモードは、ノブ近くの EXP ラベルテキストをクリックすることでも有効にできます。EXP を再度クリックすると、ノブはゲートモードの前の値に戻ります。
Neve 88RS のゲートにおけるヒステリシス
Threshold は、エキスパンションまたはゲーティングが発生する入力レベルを定義します。このレベルを下回る信号はすべて処理されます。スレッショルドを上回る信号は影響を受けません。
利用可能なレンジは -25 dB から +15 dB です。Gate/Exp Threshold -40 dB スイッチがエンゲージされているときは、-25 dB から -65 dB のレンジが利用可能です。
一般的な使い方では、スレッショルド値を目的の信号のノイズフロアのすぐ上に設定するのが最適です(目的の信号が存在しないときにノイズが通過しないように)。ただし目的の信号レベルよりは下に設定します(信号が存在するときに通過するように)。
-40 dB スイッチは、利用可能なスレッショルド値のレンジを下げることで、ゲートとエキスパンダーの感度を高めます。-40 dB モードがアクティブなとき、スレッショルドレンジは -25 dB から -65 dB です。-40 が非アクティブなとき、スレッショルドレンジは -25 dB から +15 dB です。
-40 dB モードを有効にするには、Threshold コントロールのすぐ下にある「pull -40」ラベルテキストまたは赤いインジケーター LED をクリックします。-40 dB モードは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Range(RGE)は、ゲート/エキスパンドされた信号とされていない信号のゲイン差をコントロールします。値を高くすると、スレッショルドを下回る信号の減衰が増加します。ゼロに設定すると、ゲーティングやエキスパンションは発生しません。利用可能なレンジは 0 dB から -60 dB です。
Fast モードスイッチはゲート/エキスパンダーのアタックタイム、すなわち入力信号がスレッショルドに達してから処理が適用されるまでの時間を定義します。2 つの時間が利用可能です:500 マイクロ秒(Fast がオフのとき)と 50 マイクロ秒(Fast がアクティブのとき)。
Fast モードを有効にするには、Range(RGE)コントロールのすぐ下にある「pull FAST」ラベルテキストまたは赤いインジケーター LED をクリックします。Fast モードは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Release は、入力信号がスレッショルドレベルを下回った後、処理が解除されるまでにかかる時間を設定します。利用可能なレンジは 10 ミリ秒から 3 秒です。
リリースタイムを遅くすると、信号がスレッショルドを下回るときに生じる遷移をなめらかにでき、頻繁にピークを含む素材に特に有効です。
注:高速なリリースタイムは通常、特定の種類のパーカッションや、非常に速い減衰を持つその他の楽器にのみ適しています。他のソースに高速な設定を使用すると、望ましくない結果を招く可能性があります。
G/E メーター(Meters を参照)は、ゲート/エキスパンダーモジュールで発生しているゲイン減衰(ダウンワードエキスパンション)の量を表示します。
リミッター/コンプレッサーモジュールは、1:1(コンプレッションなし)から無限大:1(リミッティング)までの連続可変レシオを提供します。スレッショルドを上回る信号はレシオ(RAT)値に従って減衰されます。2 つのアタックスピードと連続可変リリースタイムが利用可能で、さらに心地よい自動トリプルタイムコンスタントのプログラム依存リリースモード(オートモードは 3 段階リリース)も備えています。メイクアップゲインコントロールとハード/ソフトニー設定もモジュールで利用できます。
AMS-Neve 88RS ユーザーマニュアルより:
「アンチパンピング&ブリージング回路により、ユニットはソースに対して音楽的に動作しながら、ダイナミックレンジを完全にコントロールし続けることができます。」
88RS コンプレッサーにはもう 1 つ気の利いた特性があります:2 つのスレッショルドです。信号がスレッショルドを下回るとコンプレッサーはリリースします。しかし、信号が 2 つ目の(調整不可能な)スレッショルド(調整可能なスレッショルド値のおよそ 40 dB 下)を下回ると、リリースが劇的に遅くなります。これは「サイレンス検出器」として機能します。その考え方は、静かな信号があればコンプレッサーはリリースしてダイナミックレンジを縮小すべきだが、突然の無音が生じた場合、信号が戻ってきたときには無音前の領域とほぼ同じレベルである可能性が高い、というものです。そのため、その場合コンプレッサーは素早くリリースしません。
例:標準的なコンプレッサーでスネアトラックをコンプレッションするとき、スネアのヒットがまばらであれば、コンプレッサーは各ヒットの間にリリースするため、各ヒットが押しつぶされたサウンドになります。88R コンプレッサーでは、コンプレッサーがスネアのヒットの間にコンプレッションから抜け出しすぎないため、ディストーションが低減されます。ただしコンプレッサーは、スネアのヒットの間にある程度はリリースします。
このボタンはリミッター/コンプレッサーモジュールを有効にします。緑のインジケーター LED が点灯しているときモジュールはアクティブです。
このボタンは、リミッター/コンプレッサーの設定をオリジナル信号と比較したり、モジュールを完全にバイパスしたりするために使用できます。このモジュールが非アクティブなとき UAD DSP 負荷は削減されます(UAD-2 DSP LoadLock が有効な場合を除く)。
Gain コントロールはリミッター/コンプレッサーモジュールの出力レベルを調整します。利用可能なレンジは 0 dB から 30 dB です。
一般的に、このメイクアップゲインコントロールは、Threshold コントロールで目的の処理量が得られた後に調整します。Gain コントロールは処理量には影響しません。
通常、リミッターとコンプレッサーはソフトニー特性で動作します。このスイッチは、代わりにリミッターとコンプレッサーにハードニーを与えます。
Hard Knee モードを有効にするには、Gain コントロールのすぐ下にある「pull HN」ラベルテキストまたは赤いインジケーター LED をクリックします。Hard Knee モードは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Threshold は、リミッティングまたはコンプレッションが始まる入力レベルを定義します。このレベルを超える信号は処理されます。スレッショルドを下回る信号は影響を受けません。
利用可能なレンジは +20 dB から -10 dB です。L/C Threshold -20 dB スイッチがエンゲージされているときは、0 dB から -30 dB のレンジが利用可能です。
ヒント:スレッショルドを上げて処理量が増えると、通常、出力レベルは低下します。必要に応じて L/C Gain コントロールを調整してモジュールの出力を上げ、補正してください。
-20 dB スイッチは、利用可能なスレッショルド値のレンジを下げることで、リミッター/コンプレッサーの感度を高めます。-20 dB モードがアクティブなとき、スレッショルドレンジは 0 dB から -30 dB です。-20 が非アクティブなとき、スレッショルドレンジは +20 dB から -10 dB です。
-20 dB モードを有効にするには、Threshold コントロールのすぐ下にある「pull -20」ラベルテキストまたは赤いインジケーター LED をクリックします。-20 dB モードは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Ratio は、モジュールで処理されるゲインリダクションの量を定義します。たとえば、2 の値(2:1 レシオと表現)は信号を半分に減らし、20 dB の入力信号は 10 dB に減衰されます。
1 の値ではゲインリダクションは行われません。コントロールが最大(「lim」)のとき、レシオは実質的に無限大:1 となり、リミッティング効果が得られます。利用可能なレンジは 1 から無限大です。
Fast モードスイッチは、リミッターとコンプレッサーのアタックタイム(入力信号がスレッショルドに達してから処理が適用されるまでの時間)を定義します。
アタックタイムはプログラム依存です。2 つのレンジが利用可能です:3 ミリ秒から 7 ミリ秒(Fast オフ)と 1 ミリ秒から 7 ミリ秒(Fast アクティブ)。
Fast モードを有効にするには、Ratio(RAT)コントロールのすぐ下にある「pull FAST」ラベルテキストまたは赤いインジケーター LED をクリックします。Fast モードは赤いインジケーターが点灯しているときアクティブです。
Release は、入力信号がスレッショルドレベルを下回った後、処理が停止するまでにかかる時間を設定します。利用可能なレンジは 10 ミリ秒から 3 秒、およびオートです。
自動トリプルタイムコンスタントのプログラム依存リリースタイムは、リリースコントロールを完全に時計回りに(3s まで)回すか、「AUTO」ラベルテキストをクリックすることで有効になります。
リリースタイムを遅くすると、信号がスレッショルドを下回るときに生じる遷移をなめらかにでき、頻繁にピークを含む素材に特に有効です。ただし、リリースが長すぎると、大きな信号のオーディオセクションのコンプレッションが、より小さな信号のセクションにまで及ぶ可能性があります。
注:高速なリリースタイムは通常、特定の種類のパーカッションや、非常に速い減衰を持つその他の楽器にのみ適しています。他のソースに高速な設定を使用すると、望ましくない結果を招く可能性があります。
L/C メーター(Meters を参照)は、リミッター/コンプレッサーモジュールで発生しているゲイン減衰の量を表示します。
AMS-Neve 88RS マニュアルより:
「AMS-Neve EQ の独特なサウンドは、長年の研究と豊富なスタジオ経験の成果です。」
Neve 88RS の「Formant Spectrum EQ」(AMS-Neve の呼称)は、High Frequency(HF)、High Midrange Frequency(HMF)、Low Midrange Frequency(LMF)、Low Frequency(LF)の 4 つの周波数バンドに分かれています。ハイバンドとローバンドはシェルビングおよび/または High-Q モードに切り替えられます。2 つのミッドレンジバンドはフルパラメトリックです。EQ モジュールは完全に無効にすることもできます。
高域(HF)バンドおよび/または低域(LF)バンドがシェルフモードのとき、バンドゲインはバンド周波数に影響します。ゲインを上げると、シェルフ周波数はノブの値により近づきます。一方でゲインを下げると、ロー側のシェルビング周波数はより高くなり、ハイ側のシェルビング周波数はより低くなります。
Neve 88RS の EQ では、Q 値とその範囲はバンドのゲイン設定に依存します。ゼロ以外のゲイン設定では、そのバンドの Q がリアルタイムで計算されます。ただし、バンドゲインがゼロの場合、Q は常にゼロと表示されます。
デフォルトでは、オーディオ信号はダイナミクスモジュールから EQ モジュールへとルーティングされます(EQ はポストダイナミクス)。P-DYN スイッチを使用すると、EQ がプリダイナミクスになるよう信号をルーティングできます。スイッチが有効なとき(ボタンの赤いインジケーター LED が点灯しているとき)、EQ モジュールはダイナミクスモジュールの前になります(Signal Flow を参照)。
注:プリダイナミクスは、EQ モジュールと少なくとも 1 つのダイナミクスモジュールがアクティブな場合にのみエンゲージできます。
コントロールの位置:Neve 88RS では、Pre-Dynamics スイッチは EQ モジュール内の高域コントロール付近にあります。Neve 88RS Legacy では、スイッチはグローバルコントロールセクション内にあります。
EQ モジュール内のバンドコントロールのグループ化を下の図に示します。各バンド内のノブは同じ色であることに注意してください。
Neve 88RS の EQ コントロールグループ
このセクションのコントロールの説明については、下の図を参照してください。
Neve 88RS の EQ コントロール
このボタンはイコライザーモジュールを有効にします。緑のインジケーターが点灯しているときモジュールはアクティブです。
このボタンは、イコライズされた信号をオリジナル信号と比較したり、EQ を完全にバイパスしたりするために使用できます。このモジュールが非アクティブなとき UAD DSP 負荷は削減されます(UAD-2 DSP LoadLock が有効な場合を除く)。
HF Freq:このパラメーターは、バンドの Gain 設定によってブーストまたは減衰される HF バンドのセンター周波数を決定します。利用可能なレンジは 1.5 kHz から 18 kHz です。
HF Gain:このコントロールは、HF バンドの周波数設定をブーストまたは減衰する量を決定します。利用可能なレンジは ±20 dB です。ヒント:「0」のテキストラベルをクリックするとコントロールが 0 dB に戻ります。
HF Hi-Q Enable:このコントロールで HF バンドのフィルタースロープを変更できます。Hi-Q がオフのとき、Q は 0.7 です。Hi-Q がアクティブのとき、Q は 2 です。Q 値が高いほど、ピーク(またはディップ)のスロープが急になります。Hi-Q は黄色のインジケーター LED が点灯しているときアクティブです。デフォルトではオフです。注:バンドがシェルフモードのとき Hi-Q は効果がありません。
HF Shelf Enable:シェルフ Enable ボタンをクリックすると、HF バンドをベルモードからシェルビングモードに切り替えられます。黄色のインジケーター LED が点灯しているときシェルフモードはアクティブです。デフォルトではオフです。
HMF Freq:このコントロールは、HMF Gain 設定によってブーストまたは減衰される HMF バンドのセンター周波数を決定します。利用可能なレンジは 800 Hz から 9 kHz です。
HMF Gain:このコントロールは、HMF バンドの周波数設定をブーストまたは減衰する量を決定します。利用可能なレンジは ±20 dB です。ヒント:「0」のテキストラベルをクリックするとコントロールが 0 dB に戻ります。
HMF Q:Q(バンド幅)コントロールは、バンドゲインコントロールの影響を受ける HMF バンドのセンター周波数周辺の周波数の割合を定義します。コントロールを時計回りに回すほど、フィルタースロープは急(狭く)になります。利用可能なレンジは 0.4 から 10 です。
LMF Freq:このコントロールは、LMF Gain 設定によってブーストまたは減衰される LMF バンドのセンター周波数を決定します。利用可能なレンジは 120 Hz から 2 kHz です。
LMF Gain:このコントロールは、LMF バンドの周波数設定をブーストまたは減衰する量を決定します。利用可能なレンジは ±20 dB です。ヒント:「0」のテキストラベルをクリックするとコントロールが 0 dB に戻ります。
LMF Q:Q(バンド幅)コントロールは、バンドゲインコントロールの影響を受ける LMF バンドのセンター周波数周辺の周波数の割合を定義します。コントロールを時計回りに回すほど、フィルタースロープは急(狭く)になります。利用可能なレンジは 0.4 から 10 です。
LF Freq:このパラメーターは、バンドの Gain 設定によってブーストまたは減衰される LF バンドのセンター周波数を決定します。利用可能なレンジは 33 Hz から 440 Hz です。
LF Gain:このコントロールは、LF バンドの周波数設定をブーストまたは減衰する量を決定します。利用可能なレンジは ±20 dB です。ヒント:「0」のテキストラベルをクリックするとコントロールが 0 dB に戻ります。
LF Shelf Enable:シェルフ Enable ボタンをクリックすると、LF バンドをベルモードからシェルビングモードに切り替えられます。ボタンがグレーになり黄色のインジケーターが点灯するとシェルフモードはアクティブです。デフォルトではオフです。
LF Hi-Q Enable:このコントロールで LF バンドのフィルタースロープを切り替えられます。Hi-Q がオフのとき、Q は 0.7 です。Hi-Q がアクティブのとき、Q は 2 です。Q 値が高いほど、ピーク/ディップのスロープが急になります。ボタンがグレーになり黄色のインジケーターが点灯するとき Hi-Q はアクティブです。デフォルトではオフです。注:バンドがシェルフモードのとき Hi-Q は効果がありません。
G/E:ゲート/エキスパンドモジュールで発生しているダイナミクス処理の量を表示します。
L/C:リミット/コンプレスモジュールで発生しているダイナミクス処理の量を表示します。
VU:プラグインの出力段の信号レベルを表示します。
注:Neve 88RS Legacy には VU メーターはありません。
Level は、チャンネルストリップの最終出力アンプ段の信号レベルをブーストまたは減衰します。このコントロールにはオリジナルの Neve 88RS コンソールフェーダーの回路がモデリングされており、オリジナルハードウェアと同様に、レベルを高くすると出力がクリップすることがあります。
利用可能なレンジは -∞ dB(オフ)から +10 dB です。ユニティゲインはゼロポジションです。
ヒント:「0」のテキストラベルをクリックすると Level が 0 dB に戻ります。
Output は、信号のサウンドキャラクターに影響を与えることなく、プラグインの出力の信号レベルを調整します。利用可能なレンジは ±20 dB です。
オリジナルハードウェアには存在しないこのコントロールにより、全体の信号の色付けを最大化できます。たとえば、Gain と Level を上げてよりディストーションを得つつ、Output を下げてレベルを正規化することができます。
赤い Power スイッチ(AMS-Neve ロゴの下)は、プラグインがアクティブかどうかを決定します。処理された設定をオリジナル信号と比較したり、プラグインをバイパスして UAD DSP 負荷を削減したりするために使用できます(UAD-2 DSP LoadLock が有効な場合、負荷は削減されません)。
スイッチをトグルすると Power の状態が変わります。プラグインがアクティブなとき、スイッチは赤く点灯します。
注:Power スイッチをクリックしたまま、スライダーのようにドラッグすると、有効/無効の状態を素早く比較できます。
Neve 88RS アナログコンソール
Neve® Preamp、1073、1084、1081、31102、88RS、2254、33609 の各製品に関するすべての視覚的および聴覚的な言及、ならびに AMS-Neve の商標のすべての使用は、AMS-Neve Limited からの書面による許可を得て行われています。
参照元情報:Neve 88RS Channel Strip Collection Manual
https://help.uaudio.com/hc/en-us/articles/33532446950292