このセクションでは、Traktor Playでデッキを同期させる方法を説明します。
Traktorには、デッキ間のテンポを同期させる方法がいくつか用意されています。デッキのTempoフェーダーとTempo Bendボタンを使って手動でテンポを同期させることも、デッキのSYNCボタンを押して自動的にテンポを同期させることもできます。
Traktorでテンポ同期をどのように扱うかを理解できるよう、このセクションではMASTERとSYNCの原理、および関連する機能を紹介します。
Master Clockは、Traktorウィンドウ上部のMaster Controlパネルにあります。デッキ、ループ、テンポ同期型エフェクトのテンポとビートの同期を統括する、中心的なコンポーネントです。
Master ControlパネルのMaster Clock。
手動でビートマッチングを行う場合でも、複数のデッキ間でSyncを行う場合でも、Traktorは常に主導となるテンポソースをひとつ定めます。これがテンポマスターであり、ほかのデッキ、エフェクト、ループはこれに同期できます。テンポマスターにはデッキまたはMaster Clockを指定でき、同時にテンポマスターになれるのはひとつだけです。
Traktor Playでは、テンポマスターはソフトウェアが自動的に設定します。これはMaster ControlパネルのAUTOボタンが常時点灯していることで示されます。Traktorは次のようにテンポマスターを選びます。
どのデッキも再生していないときは、Master Clockがテンポマスターになります。
デッキで再生を開始すると、そのデッキが新しいテンポマスターになります。このデッキをMaster Deckと呼びます。
Master Deckの再生が停止したとき、もう一方のデッキが再生中であれば、そちらが新しいMaster Deckになります。これは、ほかに再生中のデッキがなくなるまで続きます。
最後に再生していたデッキが停止すると、いずれかのデッキが再び再生を開始するまで、Master Clockが新しいテンポマスターになります。
両方のデッキが再生中のときは、目的のデッキのMASTERボタンをクリックして、手動でテンポマスターを切り替えることもできます。
| ℹ️ | Traktor ProではAUTOボタンをオフにして、テンポマスターを目的のデッキまたはMaster Clockに手動で設定できます。 |
Traktorには、トラックの同期方式としてBeat SyncとTempo Syncという2つのモードがあります。どちらのモードを使うかは、PreferencesのTransportページで選択できます。
Beat Syncは、Traktorでトラックを同期させるもっとも確実な方法です。Beat Syncは、デッキ間のテンポとフェーズの同期を常に維持します。つまり、スクラッチやビートジャンプなどどのような操作を行っても、再生は常にテンポマスター(デッキまたはMaster Clock)のビートに同期し続けます。
Tempo Syncはテンポをロックしますが、フェーズはロックしません。つまり、スクラッチやビートジャンプなどのトランスポート操作を行うと、ビートの同期にずれが生じることがあります。この場合、SYNCボタンの表示が変わり、フェーズメーターにずれが表示されます。
Tempo Syncの動作は、手動のビートマッチングを重視するDJにとって有用です。同期した2つのトラックのフェーズがずれている場合は、ピッチベンドでフェーズを手動で調整できます。Tempo Syncでは、トラックの再生中いつでもフェーズにピッチベンドをかけられます。Beat Syncでは、フェーズがビートではなくBeatgridに合わせてロックされるため、これはできません。
これらの同期モードの詳細については、Preferences – Transportページを参照してください。
Traktorには、トラックの正しいテンポと拍子を検出して設定するための自動機能と手動機能があり、この2つが合わさってそのトラックのBeatgridになります。この情報は、同期機能やクオンタイズされたビートジャンプ、さらにHotcueやループをトラックのビートにスナップさせる機能を正しく使うために必要です。Beatgridは1つ以上のGrid Markerによって定義され、各Grid Markerは次のGrid Markerまでのテンポを決めます。これにより、1つのトラックが複数のテンポを持つことができます。
Traktor Playでは、複数のテンポを持つBeatgridをトラックに作成することはできませんが、すでにトラックに存在するBeatgridであればそのまま使用できます。
TraktorのAnalyze機能は、トラック全体にわたって一定のテンポを持つGrid Markerを1つだけ自動的に設定します。大多数のトラックでは、これで確実かつ非常に正確な結果が得られます。必要に応じて、PreferencesのAnalyze OptionsページにあるBPM Rangeの設定でジャンルに合ったテンポ範囲を選ぶと、自動解析の精度をさらに高められます。
| ℹ️ | Grid Markerおよびそれによって決まるBeatgridは、トラックに設定したCue Pointとは独立しています。トラックをインポートしたあとにCue Pointを削除しても、その下にあるBeatgridには影響しません。 |
参照元情報:Beat matching and sync
https://docs.native-instruments.com/online-guides/traktor-play-user-guide/en/beat-matching-and-sync