Symphony Desktop、 Duet 3、Boomは、ゼロオーム・ヘッドフォン・デザインを採用しています。ここでは、ゼロオーム・ヘッドフォン出力の利点と、Symphony Desktopのフロント/リアパネルのヘッドフォン出力の違いについて解説します。
ゼロオーム・ヘッドフォン出力とは
「ゼロオーム」とは、ヘッドフォン出力回路のインピーダンスを指し、厳密に言えば完全な0オームではありませんが、これに極めて近い数値(0.5オーム)を示しています。なぜこれが重要な機能なのでしょうか。
ゼロオーム・ヘッドフォン出力が重要となるのは、次の2つの理由によります。
1. ヘッドフォンの性能(周波数特性や最大出力レベル)は、ヘッドフォンのインピーダンスと、ヘッドフォン出力のソース・インピーダンスとの比率に大きく依存する。
2. 現在入手可能なヘッドフォンは、モデルごとにそのインピーダンスと感度は様々である(場合によっては極端に異なっているかもしれません)。
ヘッドフォンのメーカーやモデルに関わらず、ヘッドフォンとApogeeインターフェイスのヘッドフォン出力のインピーダンス比を理想的なものにするためには、出力インピーダンスを可能な限り低くすることが最良の方法といえます。唯一起こりうる問題は、出力パワーに関連するものです。高インピーダンスのヘッドフォンをドライブできるほどにヘッドフォン出力がパワフルだとすると、低インピーダンスのヘッドフォンやイヤフォンをオーバーロードさせてしまう可能性もあり、出力レベルに注意を払う必要があります。
Symphony Desktopは、この点についても下記の方法でヘッドフォンごとに最適な接続方法を提供しています。
Symphony Desktop: フロント/リアのヘッドフォン出力の違いについて
上述のとおり、ゼロ・オーム・ドライバ・デザインは接続するヘッドフォンのインピーダンスに関わらず、現在入手可能なほとんどのヘッドフォンに最高のパフォーマンスを提供することができます。Symphony Desktopはこれに加えて、様々なヘッドフォンの感度に最適にマッチするよう異なる電力供給能力を持つ2つのヘッドフォン出力を搭載しています。
フロントパネルのヘッドフォン出力には、より高いインピーダンスのヘッドフォン(30オーム以上)を接続してください。この出力は、およそほとんどのヘッドフォンを十分にドライブすることができます。
対して、低インピーダンスのヘッドフォンは、リアパネルのヘッドフォン出力に接続してください。ノイズを抑え、最高の電力ハンドリングを確保することができるでしょう。