以下は、SuperRackのセットアップにリモート接続されたDiGiCoコンソールとの間で発生する可能性のある様々な問題へのトラブルシュート項目です。SuperRackサポートノートのDiGiCoセクションでも、特定のバージョンにおける一時的な問題のリストと回避策について説明していますので合わせてご参照ください。
SuperRackとDiGiCoの統合について
Wavesでは以下のコンソールに内蔵されたWaves IOとの統合を公式にサポートしています。
SD5, SD7, SD8, SD9, SD10, SD11, SD12*, S21, S31, Quantum 225, 338, 5, 7
* DMI-WavesはSD12コンソールにインストールされた場合のみリモートコントロールをサポートします。
SuperRackをリモートコントロールするにはDiGiCoソフトウェアのバージョンがV1143以上である必要があります。
S21、S31コンソールではSuperRackをリモートコントロールすることはできません。
SD12以外のコンソール(Q338、225など)とDiGiGrid MGB/MGR(MADI)またはDMI-Waves:
これらのI/Oを介してコンソールからオーディオを送受信することができます。このシナリオではセッション管理機能は問題なく動作するかもしれませんが他の統合機能は動作しない可能性があります。
参照元記事
DiGiCo Remote Control Integration and Mirroring
確認事項
SuperRackとDiGiCoの典型的なセットアップ:
- SuperRack SoundGridソフトウェアがインストールされたホストコンピューター。
- インストールされたWaves DiGiCo I/OまたはDMIカード(コンソールのモデルによって異なります)。
DMIとの統合はSD12のみサポートされています。
- 1台以上のSoundGridサーバー。2台目のサーバーは冗長性の確保および追加サーバー処理グループに使用できます。
- Waves SoundGrid規格に対応するギガビット・イーサネットスイッチ。
- コンソールとSuperRack間の通信をサポートするためのコンソール・イーサネットコネクタとSoundGridスイッチとのLAN接続(100 Mb)。
この接続はリモートコントロールにのみ使用されオーディオ送受信されません。
- 適切なセットアップのためにコンソールのWaves I/Oとイーサネットポートの両方を同じスイッチに接続する必要があります。
- Quantumシリーズのコンソールにはネットワークスイッチが内蔵されています。
- 重要:ミラーリングは両方のホストコンピューターが同じバージョンのOS、SuperRackおよびWavesプラグインを実行している場合にのみサポートされます。例:2台のコンピューターがそれぞれWindows 10、SuperRack V12およびV13 Wavesプラグインを使用している場合、または2台のコンピューターがそれぞれmacOS 10.15、SuperRack V12およびV12 Wavesプラグインを使用している場合。
リモートコントロール統合の主な機能
- セッション/スナップショットの同期:
DiGiCoコンソールでセッションをロードするとSuperRackでは対応する統合セッション(Integrated Session)がロードされます。スナップショットについても同様です。コンソールでスナップショットを実行するとSuperRackのセッションで対応するスナップショットが呼び出されます。
統合されたセッションファイルは以下に保存されます。
Windows: C:Users%Public%Waves Audio%SuperRack SoundGrid%Integrated Sessions
Mac: Mac HD>ユーザ>共有>Waves Audio>SuperRack SoundGrid>Integrated Sessions
DiGiCo ConsoleでチャンネルをソロにするとSuperRackでも対応するラック画面が前面に表示されます。
選択したプラグインのパラメーターをDiGiCoコンソールを使ってコントロールすることができる機能です。コントロールは一度に1プラグインに対して適用されます。
統合セッションの読み込みと保存
統合セッションはSuperRackのホストコンピューターに保存され、DiGiCoコンソールに保存された同名のセッションにリンクします。
SuperRackのコンピューターのIntegrated Sessionsフォルダに同じ名前のセッションが既に存在する場合、コンソールはセッションをロードするコマンドを送信します。
SuperRackコンピュータ上に同名のセッションファイルが存在しない場合は空のセッションが作成されます。SuperRackセッションをコンピュータに保存するには、 さらにコンソールでセッションを保存する必要があります。
- DiGiCoの”.SES"セッションファイルはコンソールのD:Projectsに保存されます。
- 統合された”.sprk"セッションファイルはSuperRackホストコンピュータの以下の場所に保存されます:
Mac: Mac:/ユーザ/共有/Waves/SuperRack SoundGrid/Integrated Sessions
PC: C:ユーザー\パブリック\Waves Audio\SuperRack SoundGrid\Integrated Sessions
SuperRackのリモートコントロールインジケータ
コンソールとの接続が確立されると上部のステータスバーにあるRemoteインジケータが灰色から緑色に変わります。
プラグインのパラメータにフォーカスしコンソールのTouch&Turnノブでプラグインをコントロールするとリモートインジケータがオレンジ色に変わります。
注意:リモートコントロールモードではRecall SafeとScope画面は表示されません。
Waves関連のコンソールエラーメッセージ
System Alert: Waves is not connected
このメッセージは、SuperRackが閉じられたときまたはSuperRackをホストしているコンピュータがネットワークから切断されたときにポップアップ表示されます。
System Alert: The Waves I/O board has reported an error
このメッセージは、I/Oがアサインされていないまたは接続が外れた場合にポップアップ表示されます。
接続時にこのメッセージが表示される場合はI/Oからスイッチへのケーブルを交換してください。
System Alert: The Waves SoundGrid has reported an error
このメッセージは、SoundGrid Serverがアサインされていないまたは接続が外れたときにポップアップ表示されます。
接続時にこのメッセージが表示される場合はI/Oからスイッチまでのケーブルを交換してください。
SuperRackとDiGiCoコンソールのセットアップ
その他セットアップについては下記ページの情報もz合わせてご参照ください
問題とトラブルシュートについて
SuperRackのRemote-Controlリストにコンソールが表示されない
1. SD/Quantumコンソールで「Options」 > 「Console」タブを開き「Enable External Waves」が「YES」に設定されかつ正しいLANポートが選択されていることを確認します。
2. 変更を有効にするためコンソールを再起動します。
3. SuperRackでSetup > Inventoryを選択しConsole Remote Controlの歯車アイコンをクリックします。
SoundGridポートおよびRemote-Control Surface Optionタブで同じLANポートが選択されていることを確認します。
コンソールが別ネットワーク上にある場合Remote-Controlモジュールには表示されません。
4. コンソールのイーサネットポートとWavesのI/Oポート両方のイーサネットケーブルが同じスイッチに接続されていることを確認します。
5. リモートコントロールにはコンピューター、コンソール両方でIPv6接続が必要です。コンソールのWindowsネットワーク設定でIPv6が有効であることを確認します。続いてSuperRackのホストコンピュータでIPv6の環境設定を確認します。
Mac: 「システム環境設定」>「ネットワーク」>「IPv6設定」で「自動」を選択します。
PC: 「ネットワーク接続」>「イーサネットのプロパティ」>「インターネットプロトコルバージョン4/6」と「IPアドレスを自動的に取得する」」が選択されていることを確認。
6.コンソールでWindowsを終了し、下部の「Settings」>「File Browser」をクリックします。C:WIndows\\Driversに移動し、SoundGridProtocol.sysファイルが存在することを確認します。このファイルが存在しない場合SG Driverがコンソールにインストールされていない状態となるためSG Driverをインストールしてください。
7. コンソールからスイッチに接続されているイーサネットケーブルを交換しすべての接続、コンソールのLANポートとスイッチのアクティビティランプが動作していることを確認します。
注:SG接続(1Gbps)と異なりコントロールリンクの接続は100Mbpsがネットワークのアクティビティ表示として正常な接続状態となります。
8. Windowsファイアウォール設定(コントロールパネル>ファイアウォール>Windowsファイアウォールでアプリや機能を許可する)にアクセスしWaves/SoundGridがブロックされていないことを確認します。
9.コンピュータ上でアンチウィルス/マルウェアなどのセキュリティソフトウェアが動作していないことを確認してください。
10. コンソールでD:(コンソールモデル名)フォルダに移動し、RemoteMultiRackAG.dllファイルを確認します。ファイルを右クリック「プロパティ」>「詳細」タブで、DLLファイルのバージョンとファイルサイズ(Version 9.80.13.1048 / 3,226 KB)が一致していることを確認します。ファイルが存在しない、サイズ/バージョンが正しくない場合はサポートまでお問い合わせください。
上記のオプションのいずれでも問題が解消されない場合は最終的な方法としてコンソールのDiGiCoソフトウェアの再インストールもご検討ください。
スナップショットの統合が適正に動作しない
通常DiGiCo コンソールでスナップショットをrecall/fireするとSuperRack の対応するスナップショットも同様に呼び出されます。スナップショットの統合が適正に動作しない場合下記の手順をご確認ください。セッションのスナップショットが一致し、コンソールでリモートコントロールが有効な状態であっても同様にご確認ください。
1. Snapshots "メニューを開きます。
2. Global Scopeをクリックします(左上)。
3. Wavesが有効であることを確認します。
PFL/Solo機能が動作しない
DiGiCoコンソールでチャンネルをソロにすると対応するラックがSuperRackに表示されます。この機能が正常に動作しない場合は下記の手順をご確認ください:
コンソールで「Options」>「Solo」を選択します。
Solo Displays Insert and OutputでInsertかOutputまたは両方を選択します。
この機能が動作するためには、少なくとも1つのオプションが選択される必要があります。
ご注意:
Waves以外のI/O(DiGiGrid MGBなど)を使用している場合この機能が動作しないことがあります。
また2枚のDMIカードを使用している場合この機能はサポートされていません。
リモートコントロール有効時にSuperRackのセッションが空の状態で読み込まれる
DiGiCoコンソールからSuperRackをリモートコントロールする場合、セッションはコンソールから管理します。
セッションをロードする際にDiGiCoコンソールはSuperRackにコマンドを送信しIntegrated Sessionsフォルダ内の対応する名前のセッションをロードします。
これにより現在のSuperRackのセッションが上書きされます(インベントリ設定は保持されます)。
対応する名前のセッションがない場合SuperRackは新しい空のセッションを読み込みます。
リモートコントロールを設定する前にSuperRackのセッションを準備する場合は適切な統合を行うために以下の手順で設定を行ってください。
1. セッションを保存します。
2. SuperRackを閉じます。
3. セッションをIntegrated Sessionsフォルダに移動しDiGiCoのセッション名に合わせて名前を変更します。
重要:ミラーリング前のセッションにスナップショットが含まれている場合は以下のステップ3で説明するようにスナップショットの命名規則がDiGiCoの番号および命名規則と一致していることを確認してください。一致しない場合はステップ1~3を実行します。
1. SuperRackでリモートコントロールがオフになっていること、SuperRackとDiGiCoセッションのスナップショットの数が同じであることを確認します。
2. オリジナルのSuperRackセッションをバックアップしてDiGiCoセッション(.ses)ファイルと全く同じ名称でセッションの新しいコピーを保存します。
3. SuperRackのスナップショット名をDiGiCoスナップショットの番号および名称と完全に同一になるよう変更します。
例:
1.00 First Song
2.00 Second Song
6.50 Sixth Song B part
'Save Session As' でこのSuperRackセッションを以下の場所に保存します。
Windows:C:\ユーザー\パブリック\Waves Audio\SuperRack SoundGrid\Integrated Sessions
Mac: Mac HD > ユーザ > 共有 > Waves Audio > SuperRack SoundGrid > Integrated Sessions
以上でDiGiCoとSuperRackのリモートコントロール接続の設定は完了です。
‘Waves sessions do not match’エラーメッセージが表示される
このエラーは以下の場合に発生します。
- ミラーリング有効後にミラーリングをオフにするまたは切断した後にSuperRack/DiGiCoいずれか一方のセッションに変更を適用したとき。
- 2台のコンソールで異なるセッションを実行している場合(セッション名が同じでも内容が異なるなど)。
コンソールのネットワークタブを介して1台のSuperRackコンピューターから別のSuperRackにセッションを送信する場合、セッションファイルはネットワークを経由し2台目のSuperRackコンピュータに転送されます。保存すると、セッションファイルはIntegrated Sessionsフォルダ内に保管されます。
1. DiGiCoコンソールのネットワークタブで、Send Session/Receive Sessionを押してミラーリングを実行します(シナリオに応じてfrom/to を選択します)。
2. IRリバーブシリーズのプラグインのカスタムIRを使用されている場合ミラーリングが失敗する可能性があります。これらのファイルもネットワーク経由で転送が必要です。
3. セッションとカスタムIRファイルを2台目のコンピューターの統合セッションフォルダにコピーします。
4. 特定のセッションでのみ問題が発生する場合は両方のエンジン上のセッションの名前(.sprkと.ses)が同一であること、Intgrated Sessionsフォルダに両方のセッションファイルがあることを確認しします。
5. それでも問題が解決しない場合はセッションを新しいファイルに保存し(File > Save Session As)そのファイルでミラーリングを有効にします。
プラグインとSuperRackを完全なアンインストールと再インストールの実行します。
上記のいずれの方法でも問題が解決しない場合はセッション内のスナップショットの不一致が原因である可能性があります。その場合は正しい内容スナップショットを含むセッションを確認し手動で一方のコンピュータからもう一方にセッションをコピーしてください。
ミラーリング設定時のライセンスエラー
「ミラーリング元」のシステムでアクティベートされているライセンスと「ミラーリング先」のシステムでアクティベートされたライセンスに不一致があるとライセンスエラーが発生することがあります。両方のシステムで同一のライセンスが有効になっていることを確認してください。
ミラーリングが中断する: セッション中にミラーリングが機能しなくなった場合
以下の記事を参照の上すべての接続が正しく設定されていることを確認してください。
確認後SuperRackのSetupページに移動し「Controllers」>「Mirror Control」メニューを開きます。
「Reset Broken Mirroring」をクリックします。完了後、再度ミラーリングの実行をお試しください。