Sonarworks SoundID Reference スピーカー測定手順

Sonarworks SoundID Reference スピーカー測定手順

SoundID Referenceスピーカー測定とキャリブレーション

スピーカーの補正=キャリブレーションという概念は、特にSoundID Referenceソフトウェアを初めてお使いになる方には少しわかりにくいかもしれません。部屋の寸法や音響処理、スピーカーの配置など、スピーカーの音に影響を与えるものはたくさんあります。キャリブレーションされたサウンドを楽しむ前に、ご利用のルームおよびスピーカーの周波数特性の測定が必要となります。

SoundID Referenceを使ったスピーカーの測定、補正=キャリブレーションは簡単に行うことができますが、いくつか注意すべきポイントがあります。

本記事では、SoundID Reference Measureアプリケーションを使ったスピーカー測定プロセス(スピーカー・キャリブレーション・プロファイルの生成)、プロファイルをSoundID ReferenceアプリやDAWプラグインで適用して、スピーカーシステムをキャリブレーションする方法をご案内します。下記手順で測定と補正=キャリブレーション設定を行なってください。

下記の手順を進めるには、測定マイクが付属するSoundID Reference for Speakers & Headphones with measurement micパッケージが必要です。

SoundID Reference動作環境

SoundID Referenceの動作には、下記のOSシステムとハードウェア要件が必要です。測定を始める前にご確認ください。
  1. OS: Windows 8以上/MacOS 10.12以降
  2. SoundID Reference For Speakers and Headphonesソフトウェア
  3. SoundID Reference測定用マイク、またはサードパーティ製無指向性測定用マイク
  1. ステレオスピーカーのセットアップ(2.1サブウーファーにも対応)
  2. 48Vファンタム電源付マイクプリおよび44.1kHzサンプルレート対応のオーディオインターフェース
  3. XLRオーディオ・ケーブル (製品には含まれません)




SoundID Reference Measureアプリケーションの起動

インストール後、スピーカー測定アプリケーションであるSoundID Reference Measureは、Macのアプリケーションフォルダ、Windowsのプログラムの一覧から起動することができます。SoundID Reference for Speakers & Headphonesソフトウェアの「Select your calibration profile」>「New speaker measurement」を選択して起動することも可能です。
 
SoundID Referenceのスピーカー測定アプリケーションSoundID Reference Measureは、簡単な操作で高精度なスピーカー・キャリブレーションが可能なツールです。自宅スタジオからプロフェッショナル・スタジオまで、環境を選ばず使用できるように設計されています。このモジュールは、必要となるオーディオ・セットアップからトラブルシューティングのヒントまで、ビジュアルによるインストラクションで測定のプロセスを全体をガイドします。誤った設定やその他のエラーを検出する高度なシステムを備えているので、ソフトウェアを信頼して測定を行うことができます。

スピーカー測定のプロセス

測定プロセスは下記のステップで進行します。各ステップで適正な設定を行い、測定をお進めください。
  1. ハードウェアのセットアップ - オーディオと入出力設定
  2. ルームの判定 - スピーカー距離とリスニングスポット設定
  3. スピーカーの測定 - ルームとスピーカーの周波数特性
  4. リザルト- 生成された測定プロファイル(.swprojファイル)の確認と保存
作成されたプロファイルをSoundID ReferenceアプリやDAWプラグインで読み込むことで、サウンドにキャリブレーションを適用できます。
プロファイルの作成数に制限はありません。複数のスピーカーセットのキャリブレーション・プロファイルを作成することも可能です。

セットアップチェックリストとマイクシリアルナンバーの入力

 SoundID Reference Measureを起動し、ウェルカム画面でMeasure Your Speakerをクリックすると、Setup Cheklistが表示されます。オーディオインターフェイスの設定については、製品マニュアル、サポート情報をご確認ください。

下記の事項について確認してから左のボックスにチェックを入れ、Nextをクリックして進みます。
  1. 測定用マイクが接続され、ファンタム48V電源がオンになっているか
  2. オーディオインターフェイスのダイレクトモニタリングなどでマイク入力がスピーカーから直接出力されていないか
  3. マイク入力とスピーカー出力は同一のオーディオインターフェイスを使用しているか
  4. オーディオインターフェイスのサンプルレートは44.1kHzに設定されているか
インターフェイスによっては、ダイレクトモニタリングなどのオプションによりマイク入力をモニター出力に直接出力できるものがあります。測定時にフィードバックノイズやマイク検出のエラーに繋がるため、この段階でマイクの先端を軽く指でこするなどして、スピーカーからマイクの音声が出力されないことを確認してください。

続いて、SoundID Reference付属の測定マイクのシリアルナンバーを入力し、Nextで進みます。スピーカー測定には付属の測定用マイク、または測定専用のサードパーティ製無指向性マイクが必要です。ボーカル・楽器用のマイクなどは使用できないためご注意ください。

1. ハードウェアのセットアップ - オーディオと入出力設定


 このステップでは、オーディオ入力/出力のチャンネル、ゲイン、ボリュームレベルを設定します。下記項目を確認してください。
  1. Measurement microphone input channel - 接続したマイクの先を指でこするなどして、画面内のメーターが反応することを確認します。
  2. Output Channel - Play test trackをクリックして、スピーカーからテスト信号が出力されることを確認します。

合わせて、Mac環境ではこの時点でマイクアクセスへの確認画面が表示されます。「システム環境設定」>「セキュリティとプライバシー」>「アクセシビリティ」>「マイク」項目で、「Measure」と「Systemmmwide」のアプリにマイクの使用が許可されていることをあわせて確認してください。



2. ルームの判定 - スピーカー距離とリスニングスポット設定

このステップでは、スピーカー間の距離を測定します。画面の指示に沿って、左右それぞれのスピーカーを測定してください。測定はミッドレンジのドライバーを使用します。測定時、マイクをスピーカーから2cmほど離してください。リスニングポイントは正三角形の頂点に、スピーカーがそれぞれ2つの角に位置する形で検出されます。

ここでは、Sonarworksの特許技術であるマイクロケーティング技術が用いられ、ソフトウェアがロケーティング信号をもとにルーム内のマイク位置を三角測量します。マイクの位置が確定すると、そのスピーカー間の距離が表示されます。これは後から手動で距離を修正することも可能です。

 
 

測定時のヒント
  1. 画面内の指示に沿って作業を進めてください。
  2. 2-、3-ウェイで使用するミッドレンジドライバーが異なります。こちらの記事を参考にしてください。
  3. 2つのスピーカーの間にある障害物を退避してから測定を行ってください。
  4. ヘッドレストが干渉しない限り、椅子は通常使用の位置に置いてください。
  5. マイク位置が検出されづらい場合は、ウィンドウ左下のPreferencesを開き、Signal BまたはCのロケーティング信号を試してください。

3. スピーカーの測定 - ルームとスピーカーの周波数特性

スピーカーとルームの周波数特性を測定するために、測定を行います。測定のプロセスはシンプルで直感的です。測定モジュールはマイクのポジションをリアルタイムで画面上に表示し、マイクを正確にどこに向けて構えればよいかを示してくれます。測定のたびに、ポジションの停止・保持・次の位置への移動のタイミングが指示されます。画面の指示に沿って進めてください。



測定は10〜15分程度で完了しますが、途中で中断したり、何か問題が発生した場合でも測定をやり直すことができます。このソフトウェアは、マイクを手に持って使用するように設計されているため、マイクスタンドを使用することを心配する必要はありません。ソフトウェアは位置によって異なるボリューム、長さで測定を進めます。測定信号のボリュームが上ったり、その他の自動調整が行われても各ポジションの測定、画面の指示を待って測定を進めてください。

測定時のヒント
  1. 画面内の指示に沿って作業を進めてください。
  2. 測定位置が決定した後は、マイクを動かさないようにしてください。
  3. マイク位置があちこちに飛ぶなど、検出されづらい場合は、ウィンドウ左下のPreferences>設定を開き、Signal BまたはCのロケーティング信号を試してください。 

4. リザルト- 測定プロファイル(.swprojファイル)の確認と保存

測定プロセス全体が完了すると、Results画面にレスポンスグラフが表示されます。ここでは、セットアップの周波数特性をじっくりと観察することができます。測定結果は、たとえ十分にアコースティック処理されたルームでも、劇的な問題を示すことも、反対にスペクトルに沿った他のディップやピークはより微妙なものであったりと、意外な結果となるかもしれません。スペクトルの中で最も問題のあるエリアをすぐに認識できる場合もあります。レスポンスグラフは、あなたが正しいミックスを行うのに苦労している理由を正確に浮き彫りにします。



レスポンスグラフを確認後、リザルトを補正用プロファイルとして保存します。これの.swprojプロジェクトファイルは、デフォルトではSonarworks SoundID Reference Projectsディレクトリに保存されます(ヘッドフォンプロファイル.swhpファイルのインストール先と同じフォルダです)。もちろん任意の場所にファイルを保存することも可能です。

5. .swprojファイルを使ってキャリブレーションを適用する

測定結果を保存したら、SoundID Referenceアプリから、システムサウンドのキャリブレーションを開始しましょう。基本的に、SoundID Referenceスタンドアローン・アプリは、コンピューター上のすべての音を取り込みキャリブレーションを適用する仮想出力デバイスとして機能します。

キャリブレーションのもう一つの選択肢は、DAW用のSoundID Referenceプラグインです。システム全体にキャリブレーション適用することが何らかの理由でワークフローに合わない場合は、プラグインでの使用が適しています。Referenceプラグインは主要なフォーマットで利用できます。プラグインはDAWのマスター出力チャンネル、シグナルチェーンの一番最後にインサートしてください。

Referenceプラグインは、単体のSoundID Referenceアプリと比較して、ゼロレイテンシーで使用できるなどいくつかの重要な利点、機能性の違いがあります。
 

次のステップは?

測定の作業はこれですべて終わり、二度と触る必要はないのでしょうか?理想的な条件下ではそうですが、おそらくほとんどの場合において、そうはならないでしょう。

周波数特性は時間とともに変化します。部屋のトリートメントやスピーカーの配置、家具のレイアウト、さらには机の上のちょっとした物の移動さえも周波数特性に影響を与える可能性があります。そのため、部屋に何らかの変更を加えた場合には、スピーカーの再測定をお勧めします。長期間にわたって±0.9dBの精度を維持し、快適なキャリブレーションサウンドを体験することができます。

Sonarworks SoundID Referenceでルームアコースティックを改善しよう
SoundID Reference Measureは、ルームアコースティックを改善するための非常に強力なツールとして、有効に活用することでルームの音響トリートメント/環境を調整することができます。部屋の音響精度は飛躍的に向上しますが、ソフトウェアによるキャリブレーションにも限界があります。ルーム自体のファンダメンタルモードや定在波といった問題はSoundID Referenceの能力の及ばないところにあります。これらの改善のための教育的な決定を下す大きな手助けとなるはずです。何を修正する必要があるかが具体的にわかれば、多くの時間と費用を節約することができるでしょう。



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