バグフィックス
リリース12-50では、主にRelease 12のいくつかのバグに対処し、コマンドキーに関連するコントロールサーフェスの問題を修正しました。
Update Avaiableウィンドウ
今後のアップデートのための新機能が追加されました。pb12-50以降を使用している場合、アップデートが検出されるとUpdate Availableウィンドウが表示されアップデートをダウンロードすることができます。リリースノートも表示され、前回のリリースからのソフトウェアの変更を確認することができます。
OSスリープ関連の問題
今回のリリースでは広く報告されているにも関わらず再現が非常に困難な問題への対処を試みています。これは一部のOS環境で確認されてきた、MIOConsole3dを起動したままコンピューターをスリープから復帰させると、接続されたボックスがクラッシュしオンラインに復帰させるために電源の再投入が必要になる可能性が高まる、という問題です。この現象はすべての環境で起こるわけではなく管理された工場の条件下では再現が非常に困難でしたが、今回のアップデートで根本的な原因を特定し解決策を講じることができたと考えています。
現在までのテストではこの問題を解消できています。しかしこのバグが確実に修正されたと言えるほど幅広いユーザーの環境でテストを行っていない段階です。
過去にこの問題に遭遇された方は、pb12-50で問題が解決されるか、引き続きこの問題が発生する場合はお知らせください。
ファームウェアの更新に関しての注意
同梱のファームウェア(6.0.168)にはDSP環境用の新しいランタイムが含まれています。この新しいランタイムは以前のバージョンのファームウェアとは異なるメモリレイアウトを持っており、結果として以前に作成したブートステートやハードウェアスナップショットと非互換となります。このため、本バージョンのファームウェアは、以前のバージョンのファームウェアで作成されたブートステートやスナップショットを呼び出すことができません。ブートステートまたはスナップショットを作成するためには、.cnsl3dファイルを再ロードし、スナップショットをハードウェアに再保存する必要がありますのでご注意ください
新機能
- Update Avaiableウィンドウ: リリースノート表示の追加。
- Update Avaiableウィンドウ: 統合されたダウンローダーの追加。
- Update Avaiableウィンドウ: ウィンドウサイズ変更に対応しMCやプラグインで隠れないようにフロート化に対応。
- MIOConsole3dの複数コピーが実行されているかを検出しユーザーにメッセージを表示。
- スリープ時のクラッシュを修正: システムのスリープ/ウェイク状態を追跡し、システムの完全の起動後から5秒デバイス接続の通知処理を遅延。
- Update Avaiableウィンドウ: macOSのダークモードに対応
- ボックスウィンドウ: macOSダークモード対応
- グラフ: グラフのレイアウトを改善
- グラフ: グラフ内のカーブ曲線ワイヤをサポート
- チャンネルマッピングリストのソートに対応
バグフィックス
- MIOConsole3d複数コピーの同時起動を防止。
- 大型ミキサーでボックスが動作中のコンソールに接続されている場合、ボックスがクラッシュする可能性がある問題を修正
- コントロールの可視性と垂直方向のサイズの異なる条件下での録音と入力のモニターボタンのレイアウトの修正
- キーコマンド関連の不具合を修正
- Apple Silicon (M1)とIntelいずれにもネイティブ対応。
- 使用するハードウェアアーキテクチャに適したドライバを自動的にインストール。
- グラフィックスパフォーマンスの大幅な向上。
- すべてのProduction Bundleプラグインをハードウェアに追加して使用可能に、さらに多数の新しいプラグインを追加。
- ハードウェアにブートステート/スナップショット保存機能を実装。
- Sessionの入力モニタリングにさらに多くのコントロールを追加。
- Mackie Control Protocolコントロールサーフェスのサポートを強化。
- すべてのEQプラグインのEQグラフ機能を強化。
- Monitor Controllerで2.1と2.2のモニター出力パスに対応。
- Sessionのテイクベースのレコーディング機能とメタデータの強化(iXMLのサポートとPolyphonicロールアップファイルを含む)。
- その他多数のバグフィックス、ワークフローの改善、システム全体のパフォーマンスの向上。
3d Early Access Release 11新機能
ここではRelease 11(pb11)で追加された新機能について解説します。
新しいプラグイン
Metric Halo Production Bundleに含まれるすべてのプラグインが3dハードウェアで使用できるようになりました。これらのプラグインは、3dモデルのオリジナルユーザーの方には3d版プラグイン が無償提供されます。AU、VST、AAXホストで使用することができるこれらのプラグインのネイティブバージョンのライセンスは別売となります。
以下のプラグインはハードウェア上でインスタンスを作成することができます。これによりトラッキング、モニタリング、ライブミックスの際にゼロレイテンシーで使用することができ、またSessionで録音された楽曲のミキシングにも利用できます。
これらのプラグインには内蔵のSpectraFooリアルタイム・スペクトラム・アナライザーなど、Production Bundleプラグインの全機能が含まれています。
3d版のProduction Bundleプラグインは、Native Production Bundleプラグインとユーザープリセットを共有するためMH Presetシステムで保存したプリセットはすべてのバージョンのプラグインで利用可能です。
ChannelStrip
Dirty Delay
Character
TransientControl
Precision DeEsser
MultibandExpander
MultibandDynamics
HaloVerb
Thump
さらに、MIO3dプラットフォーム専用の新しいプロセッサーも多数追加されています。
SuperGate
Sonic EQ
Make Believe Studiosとのコラボレーションによるプラグインも追加されました。
MBEQ
MB Parallel 1, 2, & 3+4
MB Good Math
ブートステート/スナップショット機能
本バージョンのMIOConsole3d(および関連ファームウェア)では、Boot State、Snapshot=ブートステートとスナップショットのハードウェアへの保存をサポートします。
ブートステートとスナップショットの相違点は、ブートステートは起動時にハードウェアによって自動的に適用され、スナップショットは手動でリコールしなければならないところです。ブートステートも起動時に自動的に呼び出されるスナップショットであり、以下ではブートステートとスナップショット両方をスナップショットと呼称します。
スナップショットにはハードウェアの現在の実行状態を復元するために必要な下記の設定がすべて集められハードウェアに保存されます:
- ルーティング
- ミキサーゲイン
- パン
- ミュート
- DSPプラグイン
- DSP設定
- インターボックス・ルーティング
- クロックソース
- サンプルレート
- コンピュータのルーティング(SCPを含む)
スナップショットを呼び出すと実行中のシステムの状態は、スナップショットを保存したときの状態に復旧します。これはMHLinkドメイン全体の状態も反映されます。
システム内のすべての信号処理の状態は、スナップショットが保存されたときにシステムが動作していたサンプルレートに合わせて設定されます。
ハードウェアが内部クロックで動作している場合スナップショットにはサンプルレートが反映されます。このためサンプルレートに依存するDSP処理(EQ、コンプ、ディレイなど)がある場合は、ブートステートやスナップショットでサンプルレートを変更することはできません。
マルチボックスシステムの場合、スナップショットにはボックス間の複雑なルーティングもすべて含まれます。そのため、マルチボックスシステムを正しくリコールするには、スナップショットを保存したときとまったく同じ方法ですべてのハードウェア =ボックスを同じ順とポートに接続する必要があります。
ハードウェアの接続が一致しない場合、リコールは正しく行われてもスナップショットに保存されたルーティングと物理的ポートが一致せず信号が正しくルーティングされないためご注意ください。
スナップショットのリコール
3dハードウェアシステムの電源を入れるまたは再起動すると、ハードウェアはボックスに有効なブートステートスナップショットが保存されているかどうかを確認します。スナップショットがあればハードウェアに読み込まれ、その後個別に保存されたハードウェアのゲインコントロールの最後の状態が復元されます。このためスタンドアローンでの起動中にゲインを変更した後に電源を切っても電源投入の際に前の状態に復帰することができます。
3dシステムはスナップショットを読み込む際フラグを設定しスナップショットの読み込みが完了するとフラグをクリアします。
起動時にフラグが検出された場合、前回のブートステート・スナップショットの読み込み中にハードウェアがクラッシュしたことを示しておりこの段階でブートステートの読み込みはスキップされます。このフラグは新しいブートステートの保存や消去によりクリアされ再度読み込みが可能になります。
ブートステートに何らかの問題が発生した場合、あるいはハードウェア起動時にブートステートの読み込みを一時的に回避したい場合はボックスの起動中にフロントパネルのMuteボタン(ULN-2/3dでは上矢印ボタン)を押し続けることで回避できます。
スナップショットのリコール=復元はULN-8/LIO-8のフロントパネルの「Preset」ページ、またはULN-2のアップ/ダウンボタンから行います。
ULN-8/LIO-8 のフロントパネルの場合スナップショットのリコールはドメイン内の他のボックスにもブロードキャストされるためドメイン全体のスナップショットを一度に呼び出すことができます。
スナップショットとブートステートの機能はMIOConsole3dの無い状態でハードウェアを使用することを目的としています。以下のような使用例に適しています。
- MIOConsoleを利用できないシステム(Windows、Linux、iOS、Androidなど)でルーティングおよび/またはプロセッシングの事前に設定しておく。
- スタンドアロンでハードウェアを設置しADDA変換用の固定ルーティングやプロセッシングを事前設定する(例:コンソールのサイドカーやレコーダーのフロントエンドとして)
- MIOConsole3dを起動しなくてもMacでハードウェアを使用できるよう固定したルーティングを事前設定する(例:MIOを簡易インターフェース/コンバーターとして設定する場合など)
スタンドアローン動作中のハードウェアをMIOConsole3dを実行しているコンピュータへ接続または起動しても、特に両者に問題を起こすことはありませんが、MIOConsole3dの状態がハードウェアに読み込まれるため、スタンドアローン動作中のブートステート/スナップショットは置き換えられます。
ただしハードウェア内部メモリに保存されスナップショットは変更されないため、スタンドアローンに戻るとこちらのスナップショットが使用されます。
注意:現状MIOConsole3dが実行中でかつドメインに接続されている状態でスナップショットをロードすると、MIOConsole3dがハードウェアと同期できないままハードウェアの実行中の状態を置き換えることになり、安全ではありません。MIOConsole3d実行中はスナップショットのリコールはドメインから接続を解除した状態で行うか、ハードウェアの接続を解除しスタンドアローンの状態でスナップショットをリコールしてください。
Record Monitoringモードのコントロールの強化
ミキサーの入力モニターモードはユーザー側からコントロールが可能になりました。またストリップに入力モニターボタンが追加され、手動で入力モニターモードを選択できます。
Mixer Modeの環境設定はレコードモニターモード全体のコントロールを設定します。
- Console (セッション再生なし)
- Session(セッションをDAWとして使用)
- Auto(トランスポートの状態に応じてモードを切り替え)
Input Monitor Mode 環境設定は、ミキサーがSessionモードに設定された際のレコードモニターモードを設定します。
- Manual:入力ボタンがオンのときのみ入力
- RE:録音が有効なとき(Record Enabled)常に入力
- Mixed:録音が有効なとき常に入力およびセッション再生、およびパンチインされたときのみREトラックに入力
- Auto:録音が有効または録音中(Record Enabled + Recording)以外でのセッション再生
- テープ:停止中(Stopped)または録音中(録音有効= Record Enabled時)に入力
組み合わせについては下のまとめ表をご参照ください。
Mackie Control Surfaceの機能強化
Mackie Control Surface Supportに関するいくつかの機能を改善しました。
- ストリップ選択ボタンによるストリップ選択の有効化
- アドホック・リンク(サーフェイスからの選択に基づいてリンクを更新)
- 修飾キーのサポート(サーフェイスの修飾キーをキーボードの動作に準拠)
- トランスポートの録音ボタンをUIの録音ボタンのように動作(例:カウントオフ設定に準拠)
- サーフェイスからのセッションのスクロールを可能にする(矢印クラスタ経由)
- サーフェイスからのセッションの自動スクロール/リピートのサポート
EQ GUIの強化
下記の変更は、EQトランスファーファンクションを備えるすべてのプラグインに適用されます。
- スペクトル描画時のパフォーマンスを改善
- 複数バンドの選択とアドホックリンクのサポートを追加(シフトクリックで選択範囲拡大、または投げ縄選択でドラッグ)
- トランスファーファンクションで現在のカーソル位置を表示する機能を追加
GUIレンダリングエンジンの変更点
pb10-138以降、ローレベルのユーザーインターフェイスコードにいくつかの追加のインフラストラクチャを変更しました。本バージョンのMIOConsole3dには、Big Surでのユーザーエクスペリエンスを向上させるために、多数のGUIパフォーマンスの強化が含まれます(これによりいくつかのパフォーマンスの後退も起きています)。幸いなことに、すべての改善点は以前のmacOSバージョンにも引き継がれており誰もがGUIパフォーマンスの大幅な向上とCPU負荷の低減を実感できるはずです。
MIOConsole3dには、ユーザー側でも選択可能な様々なGUIレンダリングエンジンが含まれます。実施中のテスト結果から現在のバージョンのコードでは以下が最適なエンジンの選択になると考えています。
- すべてのマシン(IntelとM1の両方):Layer Backed
ただし、特に古いOSのインテル製マシンではOpenGLの方がパフォーマンスが高いと感じるかもしれません。両方のエンジンを試して自分のコンピューターでどちらがうまく動作するかを確認いただくことをお勧めします。
Big Sur (macOS 11)以降の環境への変更点
Apple は 未だMHLink に必要な Kernel Programming Interfaces を DriverKit インターフェースに置き換えていないためMHLinkDriver は依然として Kernel Extension で動作します。ドライバーをアップデートするには下記手順によるユーザーの許可とコンピューターの再起動が必要になります。
ドライバーソフトウェアのインストール後のセキュリティ許可
- システム環境設定の「セキュリティとプライバシー」を開きます。
- 左下の鍵をクリックしパスワードで認証して変更可能にします。
- システムによるkextのロードを「許可」します。
- システムがkextをロードしてAuxiliary kext collectionを再構築するのを待ちます。
- ロード完了後、Macを再起動して新しいAuxiliary kext collectionをロードします。
Apple Silicon (M1)の変更点
この MIOConsole のビルドは Apple Silicon Native です。またMHLink ドライバの Apple Silicon Native バージョンも含まれておりドライバのインストール時に正しいバージョンを自動的に選択します。
EuConサポートについて
本ソフトウェアは1つの機能を除き、IntelとApple Siliconの間で完全に同一です。唯一の相違はEuConのサポートです。EuConサポートは、AvidがApple Silicon EuConサポートを提供することに依存していますが、現状(2021/08現在)は利用できません。MIOConsole3dをApple Silicon上でネイティブに実行する場合EuConは利用できません。Rosettaで実行した場合(Intelスライスを使用)EuConは利用可能です。Big SurでのEuConの互換性についてはAvidサポートまでご確認ください。
セキュアブート設定について
Apple Silicon (M1)ではセキュアブート設定がサードパーティのドライバーを許可するように設定されていることを確認する必要があります。セキュアブートの設定でサードパーティのドライバーを許可していない場合Big Surは警告を表示しますが、その指示は分かりにくいかもしれません。
この場合リカバリーモードで再起動し起動セキュリティユーティリティを中程度のセキュリティに設定し、「特定の開発者によるカーネル拡張」を許可するチェックボックスをチェックする必要があります。
アップルサポートの情報を参考に、ご留意の上設定をご確認ください。
- Apple Siliconを搭載したMacをリカバリーモードで再起動する。
- セキュリティレベルを「中程度のセキュリティ」に変更する。
- サードパーティ製kextsの読み込みを許可する。
- 再起動してmacOSに戻す。
セキュアブートの設定を変更した後、ドライバーをインストールし、以下の手順で読み込みを許可します。
- システム環境設定の「セキュリティとプライバシー」を開きます。
- 左下の鍵をクリックしパスワードで認証して変更可能にします。
- システムによるkextのロードを「許可」します。
- システムがkextをロードしてAuxiliary kext collectionを再構築するのを待ちます。
- ロード完了後、Macを再起動して新しいAuxiliary kext collectionをロードします。
バグ修正
本バージョンでは大小さまざまなバグフィックスとパフォーマンスの向上が行われました。これらのバグフィックスとパフォーマンスの向上については、以下の詳細なリリースノートを参照してください。