PolySWAMのプリセット数が少ない理由

PolySWAMのプリセット数が少ない理由

サンプリングベースの従来のオーケストラライブラリには、何百ものプリセット、パッチ、アーティキュレーションメニュー(スタッカート、レガート、ピッツィカート、トレモロなど)が含まれていることがよくあります。PolySWAMでは、コアプリセットの数がずっと少ないことに気づくはずです。

これは制限ではなく、Audio Modelingの技術が持つ根本的なアドバンテージです。この違いの理由は、固定的なオーディオサンプルからリアルタイムのフィジカルモデリングへというパラダイムシフトにあります。

PolySWAMがはるかに少ないプリセットで、はるかに豊かな表現を実現できる理由は以下のとおりです。


1. 1つのプリセットが無数のアーティキュレーションをカバー

サンプルライブラリでは、奏法のひとつひとつに完全に別の録音(別のサンプルパッチやキースイッチで切り替えるレイヤー)が必要です。ロングサスティンから歯切れの良いスタッカートに切り替えたければ、別のプリセットをロードするか、キースイッチをトリガーしてオーディオファイルを入れ替えなければなりません。

  • SWAMのアプローチ: PolySWAMは録音を再生するのではなく、アコースティック楽器の物理特性をリアルタイムにシミュレートします。
  • 連続的な変化: PolySWAMの単一のプリセットは、鍵盤の弾き方を変えるだけで、あるいは連続可変のエクスプレッションコントロール(ペダル、フェーダー、モジュレーションホイール)を動かすだけで、柔らかなレガートからアクセントの効いたスタッカートへ、穏やかなビブラートからアグレッシブなマルカートへ、シームレスに移行できます。

2. アーティキュレーションは「選ぶ」のではなく「演奏する」

完璧な録音済みアーティキュレーションをメニューから探すのではなく、PolySWAMではConductorセクションとそのマクロパラメーターを通じて、そうしたバリエーションをライブで指揮・実行します。

連続可変マクロとオン/オフ式マクロの両方を活用し、とりわけエクスプレッションペダルを乗りこなすことで、エンジン全体のレスポンスを即座に変化させられます。従来の何十というサンプルパッチが、実質的に1つの極めてフレキシブルなフィジカルモデルのプリセットに凝縮されています。


3. プリセットが定義するのは「アンサンブル」であってアーティキュレーションではない

PolySWAMのプリセットは、特定のアンサンブル構成とセットアップ(例: カスタマイズされたサウンドステージレイアウトのバーチャルルームに配置された、特定のブラス楽器の組み合わせ)を表します。そのグループをロードすれば、あらゆるダイナミクスとアーティキュレーションの変化を単一のインターフェイス内で滑らかに処理する、生き生きとしたオーケストラセクションが指先に届きます。

まとめ: 従来のサンプルライブラリに何百ものプリセットが必要なのは、サウンドが時間の中に凍結されていて、アーティキュレーションの微細な変化ごとに新しいパッチが必要になるからです。PolySWAMに少数のコアプリセットしか必要ないのは、各プリセットが、演奏に応じて無限のオーガニックなアーティキュレーションをその場で生成できる、生きた多次元のアコースティックエンジンだからです。


参照元情報:Why are there so few presets in PolySWAM compared to traditional orchestral sample libraries?
https://kb.audiomodeling.com/support/solutions/articles/206000082858