PolySWAMは、プリセットに選択されたアルゴリズムのルールに基づいて、演奏したノートを特定のボイスに変換します。アンサンブルが無秩序にならず、音楽的でオーケストレーションの行き届いた響きになるよう、エンジンはボイス割り当ての判断を下す前に入力を解析する必要があります。
ノートを音楽的に一貫したかたちで分配するには、エンジンは各ノートを到達した瞬間に処理するわけにはいかず、コードやフレーズを構成するノート群をひとまとまりのブロックとして解析しなければなりません。
ジッター補正: コードを弾くとき、すべての鍵を完全に同時に押すことはまれです。コードの最初のノートと最後のノートの間には、必ず自然で人間的な「ジッター」(ずれ)があります。
解析ウィンドウ: 最初のノートを受信すると、システムはごく短い解析ウィンドウ(キャプチャバッファ)を開きます。このウィンドウはわずか数ミリ秒で、そのフレーズや和音の一部として弾こうとしたすべてのノートをここに集めます。
キャプチャバッファは固定の制約ではなく、インターフェイスのPOLY ENGINEセクションにあるPoly & Legato Analysisノブで制御されるダイナミックな要素です。
解析のダイナミックコントロール: Poly & Legato Analysisノブを調整すると、キャプチャバッファの長さを直接変更できます。
精度とレイテンシーのトレードオフ:
演奏とのマッチング: このノブで、鍵盤のテクニックと、エンジンのオーケストレーション能力との間の最適な「スイートスポット」を見つけられます。
ノートの出だしに感じることのあるわずかな遅れは、この解析プロセスの直接的な結果です。
オーケストレーションのトレードオフ: 入力を集めるためにほんの数ミリ秒待つことで、エンジンはインテリジェントなボイスリーディングを実行し、不自然な楽器の交差を防いで、正しいノートを正しい楽器に割り当てます。
音楽的な一貫性: この短い時間は、エンジンが音楽的意図の全体像を「見る」ために不可欠です。この待ち時間がなければ、エンジンはノートごとに「盲目的な」判断を下さざるを得ず、ちぐはぐで機械的なボイス割り当てになってしまうでしょう。
要するに、このマイクロレイテンシーは意図的な設計上の選択です。エンジンが真のインテリジェントなオーケストレーターとして機能するための「対価」であり、これによってコードを弾くたびに、滑らかでバランスが取れた、音楽的に筋の通ったアレンジが得られます。
参照元情報:How do voicing algorithms work, and why do they introduce a small latency?
https://kb.audiomodeling.com/support/solutions/articles/206000082861