Lounge Lizard EP-5 - 2. General Functioning of an Electric Piano(エレクトリックピアノのしくみ)

Lounge Lizard EP-5 - 2. General Functioning of an Electric Piano(エレクトリックピアノのしくみ)

エレクトリックピアノの2つの主要な方式(ティーン方式とリード方式)の発音のしくみと、実機における調整(チューニング / ボイシング)についてまとめた章です。

エレクトリックピアノには大きく分けて2つの方式があります。1つは金属バーの振動を利用する方式、もう1つは金属製リードの振動を利用する方式です。


2.1 ティーン方式のピアノ(Tine-based Piano)の場合

エレクトリックピアノのメカニズムは比較的シンプルで、図1のとおりです。鍵盤を弾くとダンパーが解放され、先端にフェルトの付いたハンマーが動作して、音叉(チューニングフォーク)のような形をした金属バーを叩きます。叩かれる部分はティーン(Tine)と呼ばれ、硬いスチール線でできています。一方、それと平行に配置されたもう一方の部分はトーンバー(Tone Bar)と呼ばれます。トーンバーは共鳴体として働き、音にサステインを加えます。ティーンの振動は、エレキギターと同様に電磁ピックアップで拾われ、アンプへ送られます。その結果、なめらかな独特のトーンを持ちながら、ピックアップが非線形な歪みを生じるため強く弾くと唸るような(グロウル / バーク)サウンドも得られる、非常に表現力豊かな楽器となっています。

図1:ティーン方式エレクトリックピアノの構造と、Lounge Lizard EP-5のインターフェース上の対応する要素


2.2 リード方式のピアノ(Reed-based Piano)の場合

リード方式のエレクトリックピアノのしくみはティーン方式とよく似ていますが、図2・図3のように、ハンマーがフォークではなく薄い金属製のリードを叩く点が異なります。ピアノのすべてのリードは、共通の金属製リードバーに取り付けられています。リードは、ピックアッププレートと呼ばれる金属板の近くに配置されています。このプレートは「コーム(comb)」とも呼ばれ、リードバーの全長にわたって伸びており、各ノートに対応した個別のスリットがあって、その中でリードが振動します。

リードバーとピックアッププレートは、可変コンデンサー、すなわち静電ピックアップシステムを構成しています。叩かれたリードが振動すると、リードとピックアッププレートの間の距離が変化し、静電容量が変化します。この静電容量の変化が、分極電圧がかかった状態でピックアッププレートに微小な交流(AC)信号を誘起します。この微弱な信号が増幅され、スピーカーから音として出力されます。

図2:リードと静電ピックアップ

図3:リード方式エレクトリックピアノの構造と、Lounge Lizard EP-5のインターフェース上の対応する要素


2.3 エレクトリックピアノの調整について

エレクトリックピアノでは、ピッチ、音色、音量を調整することができました。ティーン方式のピアノでは、ティーンにスプリングが取り付けられており、これをティーンに沿って動かすことでファインチューニングを行います。また、ピックアップに対するティーンの位置を変えることで、音色と音量も調整できます。リード方式のピアノの調整はさらに繊細です。各リードの先端にはハンダの塊が付いており、その大きさと形状によってノートのピッチと音色の両方が変化します。

こうした調整がエレクトリックピアノのキャラクターを決定づけ、倍音構成、アタック、ディケイを形作り、奏者それぞれに固有のトーンをもたらしていました。しかしこの柔軟性には代償があり、エレクトリックピアノの音を変えるには、ドライバーやハンダごてを手に何時間もかけて、途方もない忍耐とともに作業する必要がありました。

Lounge Lizardなら、そうした手間は不要です。プリセットライブラリには、人気モデルを再現するよう入念に選び抜かれた設定が収録されており、調整なしですぐに演奏を始められます。また、強力なエンジンにより楽器のあらゆる物理パラメーターにアクセスできるため、各プリセットをご自身の演奏スタイルに合わせて細かく調整することも可能です。


参照元情報:AAS Lounge Lizard EP-5 user manual
https://www.applied-acoustics.com/lounge-lizard-ep-5/manual/